2016年 04月 26日
![]() ★ジョルジョ・アガンベンさん(著書:『アウシュヴィッツの残りのもの』『バートルビー』『思考の潜勢力』『涜神』『到来する共同体』) ★高桑和巳さん(訳書:アガンベン『バートルビー』『思考の潜勢力』、共訳:ボワ+クラウス『アンフォルム』) アガンベンさんの「ホモ・サケル」シリーズ第II部第2巻「スタシス」が高桑和巳さんの迅速なご訳業によって出版されました。 スタシス――政治的パラダイムとしての内戦 ジョルジョ・アガンベン著 高桑和巳訳 青土社 2016年4月 本体1,800円 四六型上製154頁 ISBN978-4-7917-6921-6 推薦文(國分功一郎さん):時代はいま、「内戦と民主主義」という古くて新しい問題に直面しつつある。十数年の時を経て緊急出版されたこの書物は、「テロ戦争」として我々の前に姿を現しているこの時代を読み解くにあたっての最良の導き手である。 版元紹介文より:イタリア現代思想の旗手によるライフワーク「ホモ・サケル」シリーズ最新作。西洋古典のなかから、従来の政治学の枠組みでは捉えきれない「スタシス(内戦)」の概念を大胆に抽出する。9.11以後のテロ戦争から、昨年のパリ襲撃事件、日本の国会前デモまで、いまの国内外の政治情勢を考察するうえでも必読の一冊。 原書:Stasis: La guerra civile come paradigma politico. Homo Sacer, II, 2, Torino: Bollati Boringhieri, 2015. 目次: 序 一 スタシス 二 リヴァイアサンとビヒモス 翻訳者あとがき 参考文献 人名索引 +++ 「ホモ・サケル」シリーズ第II部は以下の通りの構成です。 原著2003年刊:第II部第1巻『例外状態』上村忠男・中村勝己訳、未來社、2007年 原著2015年刊:第II部第2巻『スタシス』高桑和巳訳、青土社、2016年 原著2008年刊:第II部第3巻『言語活動の秘蹟』未訳 原著2007/2009年刊:第II部第4巻『王国と栄光』高桑和巳訳、青土社、2010年 原著2012年刊:第II部第5巻『神の業』未訳 上記未訳書2点が将来翻訳されると、「ホモ・サケル」シリーズの翻訳は一通り揃うことになります。同シリーズについては、みすず書房営業部さんが4つ折パンフレットの読書案内を作成されています。シリーズ既刊書の書誌情報とともに引用と「読みどころ」を掲載したもの。『スタシス』刊行前に配布されたものなので、いずれ改訂版が作成されるのかもしれません。 +++ なお、高桑さんは今月、これまで発表されてきたアガンベン論を中心に編まれた単独著『アガンベンの名を借りて』を上梓されています。『スタシス』とあわせて読むと、現在の日本の政治状況についても分析力を高めることができるのではないかと思います。 アガンベンの名を借りて 高桑和巳著 青弓社 2016年4月 本体3,000円 四六判並製356頁 ISBN978-4-7872-1052-4 カヴァー紹介文より:アガンベンの著書を翻訳して広く紹介している第一人者の主要な論文や訳書の解題、書評、発表、コメント、スピーチなどを集成した、彼の思想の核を理解する入門書であり、同時に、その思考を借りて現代の文化や政治を考えるための最良の哲学レッスンの書。 +++ 私事で恐縮ですが、AZ KYOTOの主催で昨秋京都にてホホホ座の山下賢二さん、松本伸哉さんと私の三人で鼎談させていただいたトークイベント「第1回 京都に出版社をつくる(には)」の再構成録全三編がDOTPLACEにて公開開始となりましたので、お知らせいたします。 前編「新しい方法論を探っていくしかないね、という結論」 中編「ようやく仕事のルーティンがわかってきた」 後編「出版社って儲かりますか?」 なお、前回もご紹介しましたが、山下さんのとても素敵な回想録『ガケ書房の頃』(夏葉社、2016年4月)が、ホホホ座さんの通販では特典として非売品小冊子「『ガケ書房の頃』未収録原稿」(14頁)が付いてくるうえ、希望される方にはサインも書いて下さるそうです。残部僅少につきお早めに。 また、ホホホ座さんの通販では、しろうべえ書房さんの文芸誌「洛草」第2号も販売されています。24日発売開始とのこと。ご縁があって、私も「DiY的出版とは」という文章を寄稿させていただきました。同号は京都市内では、ホホホ座、100000tアローントコ、レティシア書房、マヤルカ古書店、カライモブックス、星と蝙蝠、萩書房一乗寺店、善行堂、風の駅で販売されており、しろうべえ書房さんから通販で購入することも可能です。 +++
by urag
| 2016-04-26 14:29
| 本のコンシェルジュ
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