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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2016年 03月 25日

備忘録(27)

◆2016年3月25日18時現在。
東洋書店(2015年6月25日事業停止、2016年2月3日倒産)とサイゾー傘下の東洋書店新社(2016年2月9日ツイート開始)について追いかけていらっしゃる@strangebookloveさんから、当ブログで本件への言及がないことについて「残念」だとコメントをいただいたのですが(唐突に話を振っていただいていささか面食らっています)、ごく単純な話、私は事情を知りません。夏目書房(1992年7月創業、2007年10月4日業務停止)が同じくサイゾー傘下で夏目書房新社として復活していたのも知りませんでした。人づてに初めて夏目書房新社さんのお名前を聞いたのは先月上旬。その時点では特に深追いすることはなく、ウェブサイトの存在やサイゾー傘下であることについて、@strangebookloveさんのツイートを辿りつつ、関連情報をようやく確認した次第です。そんなわけで「知っていることがあるけどしがらみがあって言えない」状態ではございません。

「日刊サイゾー」2016年1月1日記事「謹賀新年」に曰く「この一年、株式会社サイゾーでは、海外セレブ情報サイト「ビッグ☆セレブ」やコミック事業部「道玄坂書房」の立ち上げ、ロシア専門書を扱う東洋書店の出版事業継承など、これまでにないプロジェクトやタスクに挑みはじめました」。「弊社は今秋で10期目の事業年度を迎え、熟れ頃、食べ頃との評価をいただかなければいけない勝負の時期になります。まずはみなさまが思わず手にとって、かじりつきたくなるようなメディアやプロダクトを提供できるよう、一層の努力をして参る所存です」と。

@strangebookloveさんのご推測、「金策つきた、しかし破産はしていない、つまり銀行の調査が入らない曖昧な状態の版元を手に入れよう、と画策しているビジネスモデルに飲み込まれてしまった」「そんなケースが他にもあるのかもしれないな、と思いました」という件については、私個人の印象ですが、サイゾーさんや東洋書店新社さん、夏目書房新社さんに当てはまるケースではないように感じます。@strangebookloveさんもお気づきの通り、まずサイゾーは取次口座を狙っているわけではないでしょう。ではそのコンテンツを「狙っている」のかと言えば、もう少しシンプルに、それぞれの版元の方と何かしらの人間関係があったであろうことが新社のきっかけだろう、と推測しています。むろん、そもそもサイゾーさんの新しい事業展開の勘所がどこにあるのか、ということについては私が想像しうるものではありませんが。

ただし、@strangebookloveさんが前段で仰っている、「事故やトラブルがある版元から著者が自著のデータを引き上げることが困難」(要旨)という事態については、一般論としてありうることだと思います。

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◆3月26日午前11時現在。
私の先の投稿に対する、@strangebookloveさんの呟き3件(123)を拝読しました。私が「事実誤認です」と申し上げられるのは、あくまでも@strangebookloveさんの何日か前のご投稿「今回のことで残念だったのは、ウラゲツさんが何もおっしゃらないことでした。そしてその理由が、夏目書房にある、ということがわかり、なるほどね、と合点したのでした。ウラゲツさんのおっしゃる、しがらみ、ってやつですね。検索してみてください。」についてです。

@strangebookloveさんもご指摘の通り、確かに私にはかつて夏目書房の社長・夏目純さんとの面識がありました。最後にお目に掛かったのがいつだったかはっきりと思い出せませんが、2007年10月の業務停止よりずいぶん前だったかもしれません。その後はまったくご消息を存じ上げないまま現在に至ります。旧社と新社の関係もよく分かりません。そんなわけで、先だって書いた通り「知っていることがあるけどしがらみがあって言えない」というような状態ではないのです。

夏目書房/夏目書房新社さんの経緯について現時点で私が言えることは特にありませんし、いわんや、サイゾーさんや東洋書店/東洋書店新社さんについてはもっと知りません。「箝口令が敷かれていたのでは」というご疑念についても、聞いたことがないです。これ以上のお尋ねがあっても他社さんの内情については答えようがありませんこと、悪しからずご了承ください。

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◆2016年4月5日19時現在。
「東京商工リサーチ」2016年4月1日付速報「[高知] 書店運営、出版取次/(株)興文堂書店ほか1社~出版取次の(株)太洋社に連鎖~」に曰く、「(株)興文堂書店(高知市若松町8-4、設立平成8年10月、資本金1000万円、隅田遼介社長)は3月17日、高知地裁へ破産申請した。負債総額は約5億円。/興文堂書店は書籍取次の高知出版販売の関連会社として書店運営を目的に設立。「興文堂書店」の屋号で高知県内に複数の店舗を構え、〔・・・太洋社の自主廃業発表後に〕書籍や雑誌の入荷が困難となったことから店舗を順次閉鎖していた。/関連の高知出版販売(株)(同所、設立昭和33年8月、資本金1500万円、同社長)は3月15日、高知地裁へ破産を申請した。負債総額は約5億2000万円。設立当初より太洋社との結び付きが強く、同社の平成27年6月期の売掛金(未収入金)内訳書には、高知出版販売に対する債権4億3914万円が計上されていた。太洋社が3月15日、東京地裁に破産申請し、これに連鎖した」。

「文化通信」4月5日付記事「高知出版販売が自己破産を申請」に曰く「帝国データバンクによると、高知出版販売(隅田遼介代表)が3月15日に高知地方裁判所に自己破産を申請した。申請時点での負債は債権者約53人に対して約5億2400万円。関連会社の興文堂書店(隅田遼介代表…」(以下有料)。

「新文化」4月4日付記事「大阪屋栗田が創業、体制を発表」に曰く「4月1日、大阪屋と栗田出版販売が統合し、組織・機構と人事体制を発表した。代表取締役社長執行役員に大竹深夫氏が就任。〔・・・〕社外取締役に関谷幸一氏(KADOKAWA)、佐藤隆哉氏(小学館)が就いた。また、日販の専務である加藤哲朗氏が特別顧問として経営に参画する。〔・・・〕組織は、大阪本社と東京本社の「2本社制」。企画管理本部、営業第一本部、同第二本部、MD本部、流通本部の「5本部」を設置した。各組織の管掌、職掌、任務の範囲は原則として3月末日までの大阪屋および栗田の組織を継承する」。

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◆2016年4月11日16時現在。
「アマゾンジャパンは〔2015年〕6月3日、Amazon.co.jpで「Amazon 本買取サービス」を始めた。買い取り価格を事前にWebサイトで確認でき、1冊から無料で集荷する」(「ITmediaニュース」2015年6月3日付速報「Amazon、本の買い取り開始 1冊から無料集荷、事前に買い取り価格をWebで確認」)。

「Amazon.co.jpは〔2016年〕4月8日、書籍やゲームソフトなどをユーザーから買い取る「Amazon買取サービス」を終了した」(「ITmediaニュース」2016年4月11日付速報「「Amazon買取サービス」終了」)。

わずか一年足らず。早ッ。何がダメだったのでしょう。

一方、アマゾンの配送料無料(2009年9月以降)が終了するまでのおさらいについてもすべて「ITmediaニュース」で振り返っておきます。

2010年03月31日付速報「Amazon.co.jpの全品無料配送、期間延長 終了日未定
2010年11月01日付速報「Amazon.co.jp、通常配送が無料に
2013年01月07日付速報「Amazon、低価格商品で単品注文不可に 「全商品無料配送」終了
2016年04月06日付速報「Amazon.co.jp、「全商品送料無料」が終了 2000円未満は送料350円に

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by urag | 2016-03-25 18:35 | 雑談 | Comments(0)


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