2015年 10月 07日
弊社出版物でお世話になっている著者の皆様の最近のご活躍をご紹介します。 ★ショラル・ショルカルさん(著書:『エコ資本主義批判』) マハトマ・ガンディーの生誕日(10月2日)を記念してブログに「The Environment of India's Silicon Valley Capital Bangalore - a few pictures」と題したエントリーを投稿されています。ショルカルさんは「賛成できない点がいくつかあるとはいえ、私はガンディーのことを現代世界における最初にしてもっとも必然的な環境保護主義者としてたいへん尊敬している」とメールで教えてくれました。 エントリーでは1928年のガンディーの言葉を紹介するとともに、「ガーディアン」紙で報じられたインドの「シリコンバレー」と呼ばれるバンガロールにおける湖の汚染の写真を紹介しています。ガンディーの言葉はこうです。「たった一つの小さな島国(イギリス)の経済的帝国主義が世界を鎖で縛りつけ続けている。もし〔インドの当時の〕全国民3億人がイギリスと似たような経済的搾取を始めるならば、イナゴのように世界を丸裸にしてしまうだろう」。 バンガロールの湖が化学汚染によって大量の白い泡で満たされ、その泡が沿岸の街まで吹き飛ばされている写真に言及しながら、ショルカルさんはこう述べています。「これは第三世界がより豊かになり同時により人口が増えていくことに対して払う代償のほんの一部に過ぎない。インドの現在の人口はざっと13億人なのだ」。 ★上野俊哉さん(著書:『アーバン・トライバル・スタディーズ』) 『現代思想』2015年10月臨時増刊号「総特集=鶴見俊輔」に、「The Wrong Goodbye、あるいは「かくれホワイトヘッド」について」(180-189頁)と題した論文を寄稿されています。末尾近くで上野さんはこう論じられています。 「二つの矛盾し、対立する観念や論理がある場合、これを総合、統一した原理をすぐには思い描かない思考、いったん止まって考えている営みの「持続可能性」を鶴見はつねに目指そうとした。これは単に弁証法や二項対立の思考様式の拒否ではない。むしろ、対立を極限までおしすすめてみることであり、ときにこの対立のなかに、総合の手前で、そして来るべき総合のあとにもあるかもしれない「どちらもいい」を意志的に選びとる身ぶりである。そしてこの立場はときに「どちら(で)もいい」という微調整も受けいれる。強制されない、管理されずに、(権)力と向きあうために、また自らのうちに作動する権力やシステムを直視しながら、その「空気を読まず、空気を抜く」ためにそうする。/言いかえれば、それぞれの契機や要素が、自らのなわばり(作動領域)をはみだしながら、しかしなお自らの特異性をはらみながら――保つ(留保する)のではない!――お互いの意味を互いに逸れながら同時に内包する/含意する「どちら(で)もいい」inclusive or、そんな相互的内包mutual inclusionを鶴見の思考は一貫して追いつづけていた」(188頁)。 +++ 私事で恐縮ですが、今月25日、AZ KYOTOさん主催のイベント「京都で出版社をつくる(には)」第1回のゲストとして出演させていただくことになりました。ホストはホホホ座さんの山下賢二さんと松本伸哉さんです。すでに参加申込が定員に達してしまったようです。ご報告が遅くなりすみません。皆様にお目に掛かるのを楽しみにしております。 ◎【イベント】「第1回 京都で出版社をつくる(には)」ホホホ座 × 月曜社取締役 小林浩 【日時】2015年10月25日(日)14:00~17:00 【会場】Impact Hub Kyoto 〒602-0898 京都府京都市上京区相国寺門前町682 京都駅から地下鉄烏丸線「鞍馬口駅」で下車。1番出口から南(今出川通、同志社大学方面)へ歩き、Daily Yamazakiを超えてすぐ。徒歩3分程度。 【参加費】1,500円 【スケジュール】 13:30~ 開場 14:00~ トークイベント開始 15:00~ 休憩 15:10~ 再開 15:30~ 質疑応答 16:00 終了 ~17:00 ゲスト・参加者による交流会 【内容】リトルプレスやZINEをつくるのもいいですが、いっそ出版社をつくってみてはいかがでしょうか。つくる人がいて、読む人がいます。でも私たちは本をつくっている人のことをほとんど知りません。出版社の「中の人」のことを知ることで本がもっと身近なものになります。そしてじぶんも本をつくりたくなってきます。そんな人がたくさん現れて新しい出版社ができれば、京都の出版文化がもっとにぎやかになるはずです。読む人も、つくりたい人も、つくっている人も、「本」を愛するすべての人のための連続イベントが開幕します。第1回目のゲストは月曜社の取締役小林浩さん。ホストはご存知ホホホ座のメンバー、山下さんと松本さん。本のつくりかた、売りかた、出版社のつくりかたを知る、絶好の機会です。京都の本好きはふるってご参加ください!!!「そもそも出版社って ? (リトルプレスをつくってるだけじゃ出版社といえないの ? )」」「本をつくるのにどんな人がかかわっているの?」「本をつくるのにどのくらい(お金・時間)がかかるの?」「自分がつくった本を本屋さんで置いてもらえるの?」「出版社って儲かるの?」「ひとりで出版社ってつくれるの?」などなど、知らないことをなんでも聞いてください。つくるプロと売るプロが全部お答えいたします!! +++
by urag
| 2015-10-07 17:44
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