2015年 09月 02日
2015年9月18日(金)オープン Carlova 360 NAGOYA(カルロバ 名古屋):(250??)坪 愛知県名古屋市中区栄3-29-1 名古屋パルコ東館4F 日販帳合。弊社へのご発注は人文書および芸術書を少々。短冊でのご発注のため店舗の詳細情報の送付がないのですが、同店のブログやフェイスブックなどの情報をまとめると、前身であるリブロ名古屋店(250坪)を8月9日で一旦休業し、現在新店舗への改装を進めているところで、それまでは仮店舗での営業のようです。フェイスブックの8月17日付記事によれば「カルロバは「生活クリエイター」のための書店です。「生活クリエイター」視点で編集した書籍&雑貨、Cafeでは「堀口珈琲」スペシャルティコーヒーを提供」とのことです。店名の由来は8月19日付記事をご覧ください。360は音読しないのだそうです。 「生活クリエイター」というのは「与えられたスタイルやトレンドに満足せず、価値あるものを賢く選択する知性と感性を持ち、自分にフィットする商品やサービス、居場所や交流を日々探しながら、心地よい暮らしを自らデザインしてクリエイトし続ける、自律した生活者」という「Carlova 360」のターゲットイメージを表現するための造語」とのこと。さらに8月24日付記事では同店の「ブランドステイトメント(ブランドの理念、使命)」が以下の通り表明されています。 曰く「Carlova 360は、「生活クリエイター」のための書店です。未来に広がるこの世界は、ひとりひとりの「生活」の集合体。それぞれが自分の創造力を頼りに、足元からデザインしたものこそ本当に「価値ある」スタイルです。もっと豊かな生活を求めて、日々を探検する人たちに。Carlova 360は、360°広くアンテナを伸ばして「生活クリエイター」の糧となる素材やアイデアを探し続けます。カルロバは「生活クリエイター」に向け、書籍を1冊1冊セレクト! あわせて雑貨商品、環境、サービスを構築していきます」。 ライフスタイルを選択したり編集したりする行為において「消費」と「創造」との接近を見出す姿勢というのは、70年代以降のいわゆる「セゾン文化」において花開いたもので、その途上でリブロも誕生したわけでした。90年代前半のバブル経済崩壊以後の長期不況においては、セゾン文化が解体されあるいは否定されるなか、リブロは日販の子会社となり、今夏に池袋本店が閉店したのは皆様御承知の通りです。一般論として言えば、池袋本店に象徴されるような書棚編集の全盛期であった「リブロの時代」からポスト・リブロ時代とも見るべき流れのなかにカルロバが位置付けられうるのでしょうけれども、コンセプト自体には消滅したはずのセゾン文化の伏流水のようなものを感じます。これを「セゾン文化の亡霊が跳梁している」と見るのはある意味平板に過ぎるでしょう。興味深いのは、「消費と創造との接近」を謳う戦略が、同じくポスト・リブロ時代の代表的プレイヤーである複合型書店の雄、蔦屋書店にも見られるということです。 ライフスタイルを提案する「新しい文化発信拠点」「文化創造拠点」のプロデューサーとして自らを打ち出している蔦屋書店/CCCが、テン年代(2010年代)半ばの書店の理想形であり象徴だと言って差し支えないだろうと思われます。振り返れば90年代半ばまでのリブロ全盛期、リブロに並行して80年代以降にセレクトショップの原型を築いた青山BC全盛期、これらを「棚編集による書籍販売に特化した小売形態の最盛期」とするならば、ゼロ年代にはジュンク堂書店に代表される「図書館のような」超大型書店が、書店の理想形を担ってきたわけでした。ここで言う「理想形」というのは、理想や理念がまず念頭にあって目指されたものというよりは、それぞれの時代の文化的経済的背景があって選択された「戦略」を指すもので、時代が移り変われば当然、戦略も変化します。その変化をわがものとした企業がそれぞれの時代に成長してきたのでしょう。 書籍や雑誌の売上が減り続け、それ以外の商品やサービスを同時に提供しなければ売上が保てなくなっている昨今、超大型書店の全盛期はひとまず過ぎ去り、CCCが手掛ける蔦屋書店や、リーディングスタイルが手掛けるブックカフェに象徴されるような複合店が、当面は増えていくものと思われます。ただ、小売の現場としては「さらなる次の一手」を展望しなければならない段階に入りつつあるのも事実ではあるでしょう。多角的複合化の先に何があるのか、書店空間が今後どのように変容していくのか。時代が移り変わり、変わるべきかたちがある一方で、失うべきではない理想があるのかどうか。不易の理想に基づいた新しい書店像は可能か。理想の書店像とはどのようなものか。「本を作っていればいい」という姿勢に出版人は甘んじることなく、書店さんや取次さんとともに業界の未来形について積極的に議論しなければならないのではないかと感じています。 2015年10月1日(木)オープン 丸善桶川店:380坪 埼玉県桶川市若宮1-5-2 おけがわマイン 3F トーハン帳合。弊社へのご発注は人文・文芸・芸術書の近年の既刊書を少々。現在リニューアル中の「おげかわマイン」はJR高崎線「桶川」駅西口駅前の商業ビル「パトリア桶川」内に所在し、丸善が入居する3Fには公共図書館やカフェなどが併設されます。丸善の3月9日付プレスリリース「桶川市の「図書館と書店の融合による文化・交流事業」に関する基本協定書調印のお知らせ」によれば、「桶川市の駅西口図書館をリニューアルして、図書館と大型書店を融合した文化・交流施設の実現を目指すもの」とのこと。また、日経BPネットの3月20日付ニュース「丸善と共同で図書館と書店の融合施設、桶川市」では「現在、4階にある駅西口図書館を3階に拡大移転する計画で、面積は現状の2.5倍の約1500m2となる。隣接して店舗面積1300m2程度の丸善が運営する書店と、カフェが入居する。〔・・・〕市はこれらを単なる隣接施設とせず、融合施設として市民の交流や文化振興などの効果を狙う。共同スペースを設け、図書館と書店のそれぞれの特徴を活かした利用方法を共同で企画するほか、内装にも一体感を持たせるなどの工夫をこらす」と報じられています。 さらに朝日新聞6月5日付記事「埼玉)丸善と図書館が連携 桶川駅前ビル、同フロア営業」によれば「全国的にも珍しい取り組みで、市は相乗効果に期待を寄せる。〔・・・〕計画は昨年10月、ビルを所有する新都市ライフ(同新宿区)と丸善側が市に提案。4階建ての同ビル全館を借りていた東武ストアが3、4階の賃貸借を解除する意向を示したのがきっかけだった。市は、丸善とグループ会社の図書館流通センターを指定管理者として新図書館の運営を委託する。新図書館と丸善の共用スペースを設け、作家のサイン会や読み聞かせ会の共催も模索していく。図書館の蔵書・貸し出し状況と書店の在庫を双方の端末での検索も検討中だ」とのことです。 2015年10月9日(金)オープン くまざわ書店小金井店:320坪 東京都小金井市本町5-11-2 MEGAドン・キホーテ武蔵小金井駅前店 B1F トーハン帳合。弊社へのご発注は人文書主力商品を少々。こちらのお店も短冊でのご発注なので詳細は求人情報やsakuranomeisyoさんのブログ「武蔵小金井周辺の情報」を頼ると、JR中央線「武蔵小金井」駅北口駅前にあるMEGAドン・キホーテ武蔵小金井駅前店(定休日なし、営業時間10:00~21:00)の3Fにあったいけだ書店が、地下1Fに移り増床リニューアルオープンするとのことです。sakuranomeisyoさん曰く「2012年5月に東急ストアが閉店してから地下1階は閉鎖されていましたが、久しぶりの復活となります。小金井の書店としては大きめの売場となりそうなので、楽しみです」とのこと。
by urag
| 2015-09-02 15:29
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