予告によれば、私が毎週チェックしているTRCブックポータル内の「
週刊新刊案内」はそろそろサービスを停止することになっています。「週刊新刊案内」の便利さと重要性は
6月21日のエントリー記事でもおおまかに書きました。
私はサービス停止が非常に不満ですが、TRCに対して直接意見したりはしていません。意見したからといって聞き入れるような相手ではないとどこか思っていて、先方のことを信頼しきれないのです。「週刊新刊案内」は重要です。現時点においては、サービスの後継が告知されているbk1では、種々の現実からその肩代わりが実質的につとまらないことをはっきり言わねばなりません。bk1が仕入れた書目のデータだけでは、決定的に物足りないのです。
今週は書誌情報詳細やコメントを省略していますが、ご勘弁を。TRC「週刊新刊案内」での選書に始まり、各版元HPや紀伊國屋書店BOOKWEB等での書誌情報の確認と収集、そしてコメントの執筆など、実は私の場合、作業に半日かかっています。週末や業務時間外の私的時間を割いてやっているのですが、時にはどうしても時間が足りません。
そんなわけで、皆様ぜひ、各出版社のウェブサイトをご訪問下さい。版元サイトがなかったり、あってもまだ新刊の情報がアップされていない場合は、
紀伊國屋書店BOOKWEBなどをご利用下さい。紀伊國屋の場合、TRCやアマゾンなどと違って、書影は帯付のものです。これは意外と重要。帯には様々な情報が集約されているからです。帯を除いたカバーのみの画像では、どんな本なのか、よくわからないケースが多々ありますから。
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イラク占領と核汚染
森住卓写真/文;
高文研; 2000円; 4-87498-347-2
見ることの塩:パレスチナ・セルビア紀行
四方田犬彦著;
作品社; 2400円; 4-86182-049-9
三十か月:ユダヤ人家族を守り抜いた恐怖と幸福の日々
シルト・ウォルターズ著;
富山房インターナショナル; 1500円; 4-902385-14-7
サラ・コフマン讃
F・コランほか著;
未知谷; 3000円; 4-89642-133-7
対話の回路:小熊英二対談集
小熊英二ほか著;
新曜社; 2800円; 4-7885-0958-X
無のグローバル化:拡大する消費社会と「存在」の喪失
ジョージ・リッツア著;
明石書店; 4500円; 4-7503-2158-3
世界ブランド企業黒書:人と地球を食い物にする多国籍企業
クラウス・ベルナー+ハンス・バイス著;
明石書店; 2800円; 4-7503-2140-0
労働相談裏現場リポート
金子雅臣著;
築地書館; 2000円; 4-8067-1313-9
エックハルトラテン語著作集(1):創世記註解/創世記比喩解
エックハルト著;
知泉書館; 8000円; 4-901654-50-0
●この本は3月に刊行された本ですが、TRCの登録が遅いこと。
セネカ哲学全集(1):倫理論集
セネカ著;
岩波書店; 8000円; 4-00-092631-4
ルキリウスへの手紙/モラル通信
セネカ著;
近代文芸社; 2800円; 4-7733-7271-0
カント全集(22):書簡 II
カント著;
岩波書店; 6200円; 4-00-092362-5
外科の歴史
W・J・ビショップ著;
時空出版; 3000円; 4-88267-037-2
脳のなかの幽霊、ふたたび:見えてきた心のしくみ
V・S・ラマチャンドラン著;
角川書店; 1500円; 4-04-791501-7
美術カタログ論:記録・記憶・言説
島本浣著;
三元社; 4800円; 4-88303-160-8
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★注目のブックレット
破産者たちの中世
桜井英治著; 日本史リブレット(
山川出版社); 800円; 4-634-54270-6
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以上です。ところで、本日(7日)21:00より放映された
NHKスペシャル「
ZONE:核と人間」は、前々日のTBS特番「
ヒロシマ:あの時、原爆投下は止められた」とともに印象深いTV番組でした。「ZONE」では――私はこの単語からタルコフスキーの映画作品「ストーカー」をただちに思い出します――様々な書物が引用されていたのが印象的でした。その中のひとつに、ユダヤ人哲学者ギュンター・アンダースとエノラ・ゲイ号の気象観測員クロード・イーザリーの往復書簡集『良心の立入禁止区域』の引用がありました。日本語訳の本の紹介はありませんでした。
『ヒロシマわが罪と罰――原爆パイロットの苦悩の手紙』(ちくま文庫、1987年)がそれです。品切重版未定。このたび、ちくま文庫では創刊20周年記念の
復刊リクエストを8月いっぱいまで受け付けています。まあ品切書目の多いこと! このなかに、上記の『ヒロシマわが罪と罰』も入っています。是が非でも復刊して欲しいですし、11月に復刊というのはそもそも遅い。改題するなりして、今こそ再刊すべきではないかと思います。(H)