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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2005年 08月 06日

サブリミナル効果をめぐって

広島への原爆投下60周年にあたり、すべての犠牲者に哀悼の意を表します。

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繰り返しインターネット上で話題になる、JUNGLE人形編。この深夜テレビスポット(フジテレビ、1992-1993)が「被爆者差別」の意図のもとに作られたのでは、という分析には私は全く与しません。ただ、こうした分析の方法論の一部が、たとえばウィルソン・ブライアン・キィの『メディア・セックス』(リブロポート、1989年)にインスパイアされているらしいことは、興味深いことです。
サブリミナル効果をめぐって_a0018105_1781175.jpg


植島啓司訳『メディア・セックス』(原題:Media Sexploitation. 1976)は当時大きな反響を呼び、ベストセラーになった記憶があります。大学生だった私も読みました。『メディア・セックス』の好評により、リブロポートは1991年、『メディア・レイプ』(鈴木晶・入江良平訳/原題:The Age og Manipulation. 1989)を刊行し、さらに1992年、『潜在意識の誘惑』(管啓次郎訳/原題:Subliminal Seduction. 1973)を刊行します。

その後のキィ氏ですが、目だった新刊が原書でも出ていません。92年の"Subliminal Ad-Ventures in Erotic Art"くらいでしょうか。

リブロポートの倒産により、どちらの書目も絶版になりましたが、ある種のカルト的人気とともに、今でもなお読み継がれているということなのかもしれません。(H)

by urag | 2005-08-06 17:00 | 雑談 | Comments(11)
Commented by mk651027 at 2005-08-06 21:47
ところで、『パートルビー』買いました。
Commented by 葉っぱ64 at 2005-08-07 11:11 x
「メディア・セックス」はブックオフで見つけ百円で購入したのですが、今、本棚を見たらありません、誰かにあげていますね、あちゃぁ…。残念無念(笑)。
Commented by urag at 2005-08-07 13:10
mkさん、葉っぱ64さん、こんにちは。

mkさん、ご無沙汰です。コメントありがとうございます。「バートルビー」もお買い上げいただき、ありがとうございます。「アウシュヴィッツ~」も購読していただいてましたものね。感謝、感謝です。「バートルビー」は私がさいきん携わった本の中でも特に面白かったです。メルヴィルの小説をmkさんならどう読まれるか、名著読解のあの頃を思い出しながら、お話したいですね。

葉っぱ64さん、いつも見守ってくださってありがとうございます。ブックオフで100円ですか。でも良く売れた本だから、そんなものかもしれません。私が買ったのは、ぼんやりした記憶ですが、89年当時のリブロ池袋店だった気がします。大学生の頃の私はリブロ池袋店に毎日通って、どの棚にどの本が置いてあるのかまで自然と覚えてしまうほどのリブロファンでした。今度そんな昔話でも書こうかと思います。
Commented by 葉っぱ64 at 2005-08-07 17:05 x
その当時のリブロ池袋店の棚風景を田口久美子氏が「書店風雲録」で店長の今泉正晃氏をキャラに面白くエピソードを挿入しながら、書いていますが、お客さんとして見た本屋風景のお話は、是非とも聴きたいですね。あの当時、人文棚がいい意味で知的ミーハーに支えられたファッション性を帯びていましたね、「メデイア・セックス」にしろ、翻訳者植島啓司の「分裂病者のダンスパーティ」にしろ、リブロは出版も本屋も西武パルコという文脈の中で欲情していましたね。あのエネルギーはどこへ行ったのでしょうか?「うら☆げつさん」の昔話が楽しみです。
Commented by 八雲出 at 2005-08-07 19:27 x
こんにちは。『メディア・セックス』のほうは、しばらく前に集英社文庫に収録されていましたネ。リブロポートの本には、ほかにも再版していただきたい書目が沢山あります。/愚生も『バートルビー』をたいへん興奮しながら拝読しました。いま、アリストテレスその他を脇におきなおしつつ、再読しているところです。すばらしい本をありがとうございます。
Commented by urag at 2005-08-07 23:20
葉っぱ64さん、八雲さん、こんにちは。

葉っぱ64さん、当時のリブロ池袋店が、「いい意味で知的ミーハーに支えられたファッション性を帯びていた」というご指摘は、まさに本当のことだと私も感じます。私はリブロによって陶冶されました。ですからあの時代の「良さ」を確かに経験していますし、良くも悪くも多少のノスタルジーを持っています。「あのエネルギーはどこへ行ったのか」という問いはまさに私自身の問いでもあります。葉っぱ64さんの洞察は鋭いですね。

八雲さん、集英社文庫版について言及してくださってありがとうございます。99年に刊行され、今では絶版。他社本をわざわざ文庫化したのに結果的に絶版にしてしまうのは、スクラップ過程を見ているようで正直やり切れません。このことについて私の思いを書くためには別稿が必要です。『バートルビー』については多くの引用に出典が明記されていないことから、校正作業には苦労しましたけれども、出典を分かった時の喜びというのもありました。いつかブログなどに、出典一覧を明記してみようとも当初から考えていますが、きっと八雲さんならば、大方を探し出せるでしょう。
Commented by 江口 淳 元芳林堂 現出版 at 2006-08-26 01:42 x
私は間接胎内被曝者です 原爆手帳持つてます まぁだからどうしたという訳でもないでやんすが 今度酒でも飲みませう その方が話は早い 連絡先はリブロ地下文藝竹本さん 以上
Commented by 江口 at 2006-08-26 01:44 x
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Commented by 江口 at 2006-08-26 01:44 x
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Commented by 江口 淳 元芳林堂 現出版 at 2006-08-26 01:53 x
連絡宜しく
Commented by urag at 2006-08-26 21:03
江口さんこんにちは。直接のご指導を賜る機会を私に与えてくださるとのことで恐縮しておりますが、今のところご尊顔を拝する気分にはなれません。狭い業界ですから、またどこかでそうした光栄に浴することもあろうかと思います。どうぞその時までお元気でお過ごしくださいませ。


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