2015年 07月 06日
◆7月6日22時現在。 今朝、栗田の債権者集会へ向かう途中、書店さんからのメールで冬弓舎の内浦亨さんの訃報に接しました。享年45歳。NHKでも報道されています。「自転車の男性が用水路に転落」によれば、道路に面したフェンスのない用水路に自転車ごとあやまって落下した模様と。「5日午前0時40分頃、左京区松ヶ崎小竹薮町にある用水路の近くに住む人から「水路に自転車と人が転落している」と消防に通報が入りました。〔・・・〕内浦さんは病院に運ばれましたが、約13時間後に死亡しました」と。 呆然としました。内浦さんは皆さんご承知の通り、内田樹さんの『ためらいの倫理学』(冬弓舎、2001年;角川文庫、2003年)を手掛けられた編集者です。それまでレヴィナスの訳者・研究者として知られていた内田さんが現在のような八面六臂のご活躍をされるその転換点に同伴していた方なのです。私にとっては、年齢は年下でも独立した出版人としては先達で、そのユニークなお仕事から常に刺激をいただいてきました。お目に掛ったこともありますし、年賀状のやりとりもありました。 思えば2009年には青土社の津田新吾さんが50歳で逝去され、2002年には批評空間の内藤裕治さんが37歳で亡くなりました。私はとっくに内藤さんの年齢を越え、あと数年で津田さんと同い年になります。どうしてこうも優秀な編集者が早死にするのだろう。こみ上げる思いを噛みしめながら、こう誓いました。「内浦さんが作った本が、この世界で生き続ける限り、私も踏ん張ります。自分の守れる範囲など、ささやかな持ち場に過ぎないかもしれないけれど」。 京都の三月書房さんがブログ「三月記」に「訃報 冬弓舎内浦舎主が事故死」というエントリーをお書きになっておられます。内浦さんの人となりが偲ばれます。 +++ ◆7月7日午前0時現在。 【ただいま債権者集会の件をまとめております】 +++ ◆7月7日午前3時現在。 【「栗田債権者集会の7つの逆効果」についていったん書き終わりましたが、夜が明けたら見直したいと思います】 +++ ◆7月7日午後0時現在。 7月6日(月)10:30より14:40までベルサール汐留で行われた栗田出版販売の債権者集会。会場に着いて、そのあまりの債権者の多さにびっくりしました。千数百社の来場があったようです。ある版元さんはこうつぶやいておられます。「やっぱり今日はスタートが午前中の栗田出版販売さんの債権者説明会で、ちょっとゲンナリ。そのあと一息つく間もなく夜まで。楽しい仕事をしたいよね(-_-)」。参加しなければならないことは分かっているものの、気が重い方はたくさんいらっしゃったと思います。私もその一人でした。 集会の様子は「新文化」6月7日付の記事「栗田債権者説明会、「返品問題」で意見続出」にある通りでした。「栗田が6月26日にファックスで通知した大阪屋から「相殺」するスキームについては、債権を放棄したうえ、栗田から大阪屋に売却された商品を返品で相殺入帳するのは「債権の二重負担」とし、その見直しを求める出版社が相次いだ」。また、書評紙「図書新聞」のウェブサイトトップにも「【続報】栗田出版販売、民事再生申請/債権者説明会、返品めぐり紛糾/二次卸スキームの撤回求める声も/山本社長と下村専務は辞意表明」というより詳しい報告が掲出されています。弁護団が「返品の控除については検討したい」などと述べるに留めた」と報じられていますが、一言追加補足すると質疑応答では「版元の同意なしに勝手に返品は控除しない」という言質をしっかり取られていましたね。 ちなみに出版関係のお仕事に就いておられると思しい方はこんなことを指摘されています。「栗田関連の新文化記事の見出しが修正されましたね。何らかの修正力が働いている模様。<当初>栗田債権者説明会、「二次卸スキーム」で紛糾 → <現在>栗田債権者説明会、「返品問題」で意見続出」。鋭い分析だと思います。恐らく何かしらの申し入れがあったのでしょう。「二次卸スキーム」というのは、栗田が(版元からの)納品と(版元への)返品の業務を大阪屋を通じて行うことです。今回「紛糾」したのは、主に返品のことで納品ではない、という指摘があったということなのか・・・。しかし納品のことについても版元が不平不満がないわけではなかったのですから、「新文化」には訂正する必要はなかったのでは、とも感じなくもないです。 冷静にウォッチされていたこの方は債権者集会に参加されていたようで、実況的にツイートを連投されておられました。「受付開始1時間前に待ち合わせなので早起きした」、「栗田説明会はすでに列が出来始めてる」、「栗田説明会待ちの列が長くなり既にロビーは満杯に。受付開始まであと30分あるけどどうなるんだろ?」、「なでしこやってたのか…」、「まだだ!まだ終わらん也!」、「「最後の質問」は何とサクラの予感…」、「説明会終了也」、「紛糾する也http://www.shinbunka.co.jp/news2015/07/150706-06.htm …」、「「倒産してしまえ!」という怒声が一番インパクトあったな。(也説明会)」、「この解釈は違うのかなぁ?」、「柳原、鈴木、神奈川図書の事例をちゃんと調べたい。相殺できた事実はあった訳で、今回との違いを知りたい」。このあとが「新文化」のタイトル差替えの指摘です。ちなみに也、というのは栗田の創業者である栗田確也さんの名前に由来する栗田さんの略称です。 いくつか補足すると、債権者集会にいち早く版元が参集したのは、栗田が案内文で「入りきらない場合は分催するかも」と示唆していたことが一因となったためと思われます。集会で何かしらの決を採らないとも限らないと危惧していた方もいらっしゃったでしょう。会場からロックアウトされたあげく資料だけ渡されて「あとは個別対応いたします」と言われても困るわけで、早めに入ろうという方が多かったのだと推測できます。「最後の質問」は何とサクラの予感…」というのは、参加した版元の誰もが逆撫でされたであろうシナリオでした。弁護団は質疑応答の最後に書店さんを指名したのです。お涙頂戴の展開に憤然と席を立つ方々多数。このシナリオがなぜ版元の不況を買ったのかはのちほど改めて説明します。また、「倒産してしまえ」についてものちほど。「柳原、鈴木、神奈川図書」というのはかつて倒産した取次の事例での返品相殺の件をよく調べるべき、というご見解で、まったく同感です。 集会に参加した版元さんたちの声をもう少し聞いてみましょう。ある方はこうつぶやいておられます、「栗田さんの債権者説明会。10:30に始まってまだ終わらない。どうしてもお客様のところに行かないといけないので途中退場してた。質疑応答を聞いていて、今回の再建案はやっぱりおかしいと感じたのは私だけではないと思う……」。またある版元さんの代表の方はこう書いておられます。「大江戸線で築地市場のベルサール汐留へ。B1階ホールにて栗田出版の民事再生申立てに関する債権者説明会に出席。数百人出席。10時半~2時半。質疑応答で相当に紛糾する。出版社からの批判がすごく、今後の栗田の再建はかなり厳しいだろう」。さらに別の版元さんは「栗田出版販売債権者説明会に行ってきました。疲れました」と。 私も本当に疲労困憊しました。体力的にというより、精神的に。「今後の栗田の再建はかなり厳しいだろう」という感想は、残念ながら債権者集会に参列したほとんど全員の出席者が抱いた印象ではないかと思われます。今回の集会での弁護団のプレゼンはおそらく、最悪の部類の印象を版元にもれなく植え付けてしまいました。これはご列席の4名の弁護士の先生方が最大限のご尽力で説明努力を惜しまれなかっただけに、たいへんお気の毒なことでした。つまり、先生方が頑張れば頑張るほど、説明されれば説明されるほど、版元はますます猜疑心を強め、ついには、どちらかと言えば栗田支援の側で出荷も返品も通常通りにしていた出版社にすらダメ出しを食らう次第となったのです。なぜそうなったのか、どこか「逆効果」だったか、を分析してみます。 1)会場整理の失敗。会場に着席する債権者を誘導せず、混み合ってきた段階でいきなり若いお兄ちゃんが「通路側の席を空けるよう中ほどに詰めて下さい」とアナウンス。それなら最初から誘導しろ、というヤジこそ飛ばなかったものの、この第一声によって「自分らの説明のために債権者に集まってもらった集会なのに、主催者たちは時間ギリギリまで率先誘導しないわ、この土壇場で版元にはどけって言うわ、いったいなんなんだ」という嫌な空気が早くも立ちこめました。気まずい出だしです。 2)弁護士さんの早口。栗田の社長さんと取締役さんのしめやかなご挨拶のあと、弁護士さんの一人が、「民事再生法のご説明」と題して、今後の手続きの流れと、債権者への想定問答集の読み上げをされたのですが、栗田のお二人のゆっくりした口調とは対照的に、弁護士さんが早口でまくし立てられたので、会場から不満の声が漏れました。弁護士さんとしても次の質疑応答に時間がかかるだろうことを予期して焦っておられたのかもしれません。ポイントをまとめて下さるのですが、なにぶん始めて聞くような言葉ばかりで書き取りすらままならなかった方もおいでになったでしょう。取次=版元間の今までの取引や商習慣についての法解釈にしても版元にとっては「そんなこと聞いたこともないぞ」と叫び出したくなるレベルの唐突なものでした。専門用語は説明が省略されている部分もあって、充分な配慮とは言い難いものがありました。版元を怖がらせたって何もいいことないのに。 3)強引な「お願い」。当面弁済されないはずの旧債権分から返品を出版社に買い取ってもらって大阪屋の売上から引く、という栗田の無茶な「お願い」が、実に怜悧な法律談義でガチガチに塗り固められていました。これが高圧的な押しつけにしか聞こえなかったのは、版元の利害を考えれば当然と言えば当然です。結果、質疑応答では「法律のことは知ってるのだろうが、出版社の内実が分かっていない」という不満が噴出することになります。幾度となく「版元の同意なく強引に事を進めようというのはいかがなものか。スキームの見直しを」と求められたにもかかわらず、「貴重なご意見」と弁護士先生が繰り返したのは、栗田の反省のなさと議論の不毛さを版元の脳裏に嫌というほど焼きつける結果に終わりました。債権者と意思疎通したいという虚心な姿勢を見せていれば、あそこまで高飛車には見えなかったかもしれません。考えすぎかもしれませんが、まさか今後の再交渉での「落差」を最初から狙っていたわけではありませんよね。 4)書店を盾にした。これは質疑応答の中の質問者の方からも指摘が出ました。栗田の社長さんが「書店を第一に考えている」と仰ったうえで「流通を止めないこと」等を理由に版元に配慮を求め、その言葉を裏打ちするように弁護士さんたちが栗田の事業価値は「書店との取引」にあるからそれを毀損するようなことはやめてほしい、と仰いました。書店に迷惑がかかる、と説明すれば版元が「お願い」に同意すると思ったのでしょうか。お世辞でもいいから「出版社様のお蔭で」等々という姿勢を前面に出していれば、聞こえ方が随分違ったかもしれません。「書店の方だけ向いて、版元には強引に無理を押しつけるんだな」という印象を版元に与える結果となりました。そのクライマックスが質疑応答の最後に立った書店員の方です。版元の苦難を見舞いつつも、栗田支援を訴えるその声は、ズッシリと債権を背負った版元にとって、さんざん不合理な話を聞かされた後のトドメのようなものでした。全くの逆効果。そもそも版元に同意を取り付ける前から、書店さんに繰り返し「書店様とのお取引はすべて従来通りなのでご安心ください」と一斉FAXを打って格好つけてしまったことがツケになって、全部裏目に出ているのです。 5)栗田役員のダンマリ。質疑への応答はほとんど弁護士さんが行い、版元が再三再四「栗田からの回答を聞きたい」と要請したにもかかわらず、数回ごく事務的な答えをしただけでした。この態度にまったく栗田の主体性を感じることができなかったのは言うまでもありません。弁護士先生がフル回転で答弁した副作用なのか、版元にとって「栗田はなぜ黙ってるの?」とか「それは栗田自身の見解なの?」といぶかしがらざるをえないような局面がしばしば出てきました。そのひとつへの反応が「倒産してしまえ!」です。強引な返品買上要請を本当に正しいと思っているのか、との質問者に対し、栗田はひそひそと壇上で話し合うだけで、またぞろ弁護士に応えさせるということを繰り返しました。結果、煮え切らない栗田に対して版元が上記の激を飛ばしたのです。真剣に再生を考えているのかさっぱり分からないぞ、版元と話し合えないというならば、そして再生のための議論にそんなに消極的ならば、いっそのこともうやめちまえ、ということでしょう。これを悲しいかな文字通り引き受けてしまった弁護士さんが応答します。「倒産する場合は栗田で在庫してる版元の本を売り払うか廃棄することもありえる」(だってもう返品を大阪屋に売ってるじゃん、というツッコミは措いておきます)。やれやれ! 本当にそんなことをやってごらんなさい。版元の書籍を売っぱらうですって? ゴミにするですって? 栗田さんもそう考えているなどとは到底想像できません。弁護士先生に喋ってもらえばもらうほど逆効果なのがなぜ分からないのでしょう。自分の言葉で語れない、語らない栗田さんには「もう事態の主導権は栗田じゃなくてほかに移っているんじゃないの」という疑いの目すら投げかけられたようです。現に「大阪屋を出せ」というヤジも飛びました。 6)大阪屋の不在。栗田の債権者集会なのですから大阪屋が登壇していないのは仕方ないのですが、あまりにも再生スキームの基軸深くに大阪屋が入りすぎていたため、結果的に大阪屋への欠席裁判にも等しい空気が生まれました。栗田への信頼感を失われていくとともに、合併予定の大阪屋にも様々な疑問が向けられ、大阪屋への不信感へと飛び火しました。これはまずい流れだ、と誰もが予感したと思います。率直に言って、そこまで栗田さんや弁護士の皆さんが想定されていたようには見えませんでした。 7)監督委員の存在意義。債権者からの質疑に立ったお一人に弁護士の方がおられました。栗田代理人である弁護団の法解釈に偏りがあるのではないか、かなりグレーな部分がある、と指摘された上で、監督委員の弁護士先生のコメントを求められました。監督委員からの発言はなく、債権者は「何のための、誰のための監督者なのだろう」という疑問を抱かざるをえませんでした。せめて一言でも自らのオブザーバー的立場を説明してくださればよかったのに。集会の仕切りが悪かった一幕でした。 このほかにも列挙したいことは色々とありますが、まずはこれらを「7つの逆効果」と指摘しておきたいと思います。なぜならば、この債権者集会は、FAX通知を読んでモヤモヤして悩んでいた版元の疑問と不信感を払拭するための大事な大事な最初の機会であったはずなのに、版元の立場や心情への読みが甘かったために、信認が広がるどころではなく、不信感ばかりを盛大に積み上げるという悲惨すぎる集会となってしまったからです。私は当初はこう考えていました。大阪屋の大株主6社の承認もあったのだろうし、栗田再建は規定路線だといちおう向こうは位置づけているだろう。色んな不安要素はあれ、出荷を継続している版元は増えているようだし、会場では栗田支援の姿勢で挑む版元がそれなりにいるかもしれない、われわれ弱小版元の意見などは届かないこともありえる、と。 弁護士の先生方は責務として最上のパフォーマンス(スタンドプレイという意味ではなく、能力発揮という意味です)を完遂されたわけで、その仕事ぶりについて先生方を非難するつもりはまったくありません。ただ、いかんせん栗田の役員自身が先生方に頼りっぱなしだったのはいただけませんでした。再生計画の法的根拠については会場でたくさんの批判があったように、議論と継続審議の余地があるでしょう。「栗田自身には本当はもっと別の感想やスキームもあったのではないか」。結果として、栗田の役員の方々と弁護団の皆さんとの間にすら齟齬があるような印象を残したことは遺憾とせざるをえません。 ある版元さんはこうつぶやかれています。「栗田の説明会、質疑応答の時間を最大限とったことは評価したい。ガス抜きではなく、実のある方針変換をされることを願う」。債権者集会がこんな状況では、今後栗田や大阪屋の信頼回復が容易であるようにはまるで思えない――そう危機感を覚えた方が大半であろうと思われる今、まさに必要なのは「実のある方針転換」です。残念ながら大方の版元は「あれだけ議論したのに再生スキームを引っ込めなかったのだから、あとは自衛するしかない」と覚悟したはずです。すなわち、大枠では出荷抑制や入帳停止(そのほかにも色々な方法がありますが)へと傾く版元が増える可能性がままある、と言わざるをえません。そのリスクがどこにどう響くかは言うまでもないです。 債権者説明会資料(リンクは張れません)をご覧になった方々の反応をご紹介します。書店員さん「「返品拒否の場合、商品は栗田出版に戻るが、栗田出版からは返品しない→出版社との取引継続困難に→書店への納品も困難に→事業価値の毀損・消滅→債権者にたいする配当・弁済の減少」より「出版社との取引継続→書店への納品継続→事業価値の維持→債権者に対する配当・弁済の増加」でお願いね、か」。フリーエディターさん「あれ? このQ&Aの文面て…? そりゃ荒れるわー」。フリーライターさん「取次経由の取引って、委託・受託ではなく、売買契約なんですね。知らなかった。栗田の債権者説明会資料に "「買い手」(略)のみに返品権が付与された片面的解約権(返品権)付売買契約" って書いてある。実態と異なるから「委託販売制」って呼ぶの、やめた方がいいように思う」。 フリーライターさんの指摘は鋭いです。実際に今回の一件は、当事者の栗田に対してだけでなく、合併相手の大阪屋、さらには無関係なはずのトーハンや日販までを含めた「取次」業全体への版元の警戒心を強めることになっています。4位がこう言うなら、いわんや上位をや、というわけです。さらに言えば、これら一連の流れは、出版社が模索する独自流通――それは「脱取次」や「取次外し」の色合いを秘めています――への大きな口実と大義名分を与えるきっかけを生んだと思われます。取次上位は栗田の推移を無視できないでしょう。実際に日販とトーハンは栗田の債権者でもあるので、昨日の集会に出席されていたとすれば、容易に解きほぐせない複雑な思いを抱かれたかもしれません。 「新文化」紙で指摘された問題点をお読みになった方々の反応は以下の通りです。 元書店員さん曰く、1)「どうやったらこんな論理にたどり着くのか。「書店は守らなきゃいけないから、出版社が丸かぶりしてね?」ってことでしょうか…【新文化】 - 栗田債権者説明会、「二次卸スキーム」で紛糾」。2)「〔債権者名簿の〕この額面を見て、大阪屋がなんとかするでしょなんて呑気な業界関係者がいたら、そいつの顔を見てみたいです。こっから前述の栗田納品分→大阪屋返品が乗っかる可能性があるんですよ」。 不詳さん曰く、1)「「出版社が出荷を止めれば書店の事業継続が困難に」って、書店が帳合を変えたらそれで済む話じゃないの。勝手な理屈だなあ」。2)「栗田は大丈夫なんだろか。聞いた話では、栗田の提案した仕組みに納得してる版元はなさそうだけど。栗田を残すために中小の版元に経済的負担をさせようって話みたいだし、むしろを反感を買ってるみたいだけど」。3)「窮地を脱するためのひたすらグレーのロジックが、栗田の見解として参加者の脳裏に刻まれただろうし、このまま納品を止めたり、返品入帳しない版元が増えるんじゃないのかなあ」。 別の不詳さん「今日はゲーム攻略本や写真集、【社名省略】などの栗田出版への負債額が大きく、財務体質が良くない版元のを返本して、棚が壊滅的で見るに耐えられなかった。地元書店でも栗田出版の「倒産以降のフェーズ」に入っていた」。 「倒産以降のフェーズ」と仰るのは書店さんが対策的返品を開始されたということなのでしょう。また、栗田帳合書店には大阪屋番線の割り当てが始まったようです。ただし、この番線割当については大阪屋にとってただちに「倒産以降のフェーズ」を意味するものであるというわけではないと思われます。 先に「新文化」の見出し差替えを指摘された方は「債権者説明会資料」を再度熟読されたようで、さらにこんな分析をされておられます。1)「仕入れた側だけが持つ「片面的返品権」も連呼されてたから気になる。これが成り立つなら書店側も「返品了解」なんてそもそも不要だし、取次が逆送する権利もないはず」。2)「現存取次もこの片面的返品権という解釈でいるとしたら、取引契約を結び直そうという動きは出ないのかね?」。3)「そもそも「片面的返品権」なるものを有していると主張している栗田さんですが、弊社、先週末に栗田さんから返品了解FAXが来たんだぜw」。 また、今回の出来事がどのように連鎖をしていく可能性があるのか、絶妙な語り口で表現されている方がおられます。若干内容が過激なのでリンクは張りませんが、仰っていることはほぼ債権者が首肯するであろうものです。「ちはー!取次業界4位の栗田出版でーす!あ、弱小出版社さん、いい本出してるね、ちょっと5000万円分持ってくね。もちろん代金はツケでおなしゃす!(後日)いやー、倒産しちゃったよwww あの時の代金は返せないわゴメンゴメンwwwあ、でも半分返品来たから2500万で買いとってね(ハート」。「これぞ秘技!負債1.5倍返し!弱小出版社は死んだ!弱小印刷所は死んだ!弱小ライターは死んだ!」「ちはー!倒産した栗田出版でーす!そういうわけで弱小出版社さん死んじゃったから、弱小書店さんの売れ残った本返品できなくなっちゃったwww頑張って売り切ってねwwwあ、そうそう、予定してた新刊も持って来れなくなっちゃたから。じゃーねー!弱小書店は死んだ!新刊予約してた俺も死んだ!」。 栗田さんの次回の債権者集会がいつになるのか、版元は心配しています。 +++
by urag
| 2015-07-06 23:18
| 雑談
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