弊社出版物でお世話になっている著訳者の先生方の最近のご活躍をご紹介します。
★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』)
★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
★馬場智一さん(共訳:サラ-モランス『ソドム』)
デリダさんによる教育論の白眉『
哲学への権利1』(西山雄二・立花史・馬場智一訳、みすず書房、2014年12月)が来週月曜日12月22日に取次搬入されます。書店店頭に並び始めるのはおおよそクリスマス以降になるものと思われます。
原著(1990年)は全1巻ですが、訳書では2分冊で、そのうちのまず1巻目の発売です。収録テクストは書名のリンク先をご覧ください。帯文はこうです、「重要なのは、権利を奪われているものの権利を認めることにほかならない――。哲学教育の削減を求める政府の教育改革に反対し、制度の問われざる前提を思考する、デリダの哲学教育活動の集大成」。
共訳者の西山さんは弊社よりデリダ晩年の卓抜な大学論講義『
条件なき大学』(西山雄二訳、月曜社、2008年)をお訳しになっておられますし、「国際哲学コレージュ」の関係者へのインタヴューをまとめた労作『
哲学への権利』(DVD+書籍、勁草書房、2011年)も手掛けられておられます。この書名はまさにデリダさんの著書へのオマージュですね。
没後十年を記念してこれまでにデリダさんの著書では、『
ヴェール』(エレーヌ・シクスー共著、郷原佳以訳、みすず書房、2014年3月)、『
プシュケー――他なるものの発明I』(全2巻予定、藤本一勇訳、岩波書店、2014年6月)、『
動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』(マリー=ルイーズ・マレ編、鵜飼哲訳、筑摩書房、2014年11月)、『
ジャック・デリダ講義録 獣と主権者[I]』(全2巻予定、西山雄二・郷原佳以・亀井大輔・佐藤朋子訳、白水社、2014年11月)が発売されました。デリダさんの訳書はニューアカ・ブームの時よりも死後の方がむしろ数多く訳されていますが、待望されていた重要作(『散種』)や新訳(『エクリチュールと差異』)の出版を始め、近年の充実ぶりには目を瞠るものがあります。
関連書としては、鵜飼哲『
ジャッキー・デリダの墓』(みすず書房、2014年4月)や、ニコラス・ロイル『
デリダと文学』(中井亜佐子・吉田裕訳、月曜社、2014年6月)、『思想』2014年第12号「
10年後のジャック・デリダ」などが刊行され、年内にはブノワ・ペータース『
デリダ伝』(原宏之+大森晋輔訳、白水社、2014年12月)が発売される予定です。
また再刊書では、『
幾何学の起源』(エドムント・フッサール著、ジャック・デリダ序説、田島節夫+矢島忠夫+鈴木修一訳、青土社、2014年8月)の新装版と、「人と思想」シリーズ175番、上利博規『
デリダ』(清水書院、2014年8月)の新装版が発売されています。
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★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』)
★ヴェルナー・ハーマッハーさん(著書:『他自律』)
★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
★鵜飼哲さん(共訳:ジュネ『公然たる敵』)
★リピット水田堯さん(著書:『原子の光(影の光学)』
脱構築研究会のウェブサイトで、今月(2014年12月)1~2日にストラスブールで行われた国際シンポジウム 「
フランスとドイツの間におけるジャック・デリダ」と、同じく今月10日、パリの
Maison de la Poésieにて開催されたイベント「
ジャック・デリダのために」、11~13日にはカンの
IMEC(現代出版資料研究所)で行われたコロック「
デリダとともに考える」の合計3つの催事についてのリポートが掲載されています。ストラスブールでハーマッハーさんはジャン=リュック・ナンシーさんと対談されています。IMECでは西山さんが「Institution, université, éducation」と題した発表を行い、鵜飼さんは「Les fins de la famille」との題目で発表されています。また、リポートには紹介されていませんが、リピット水田堯さんが「Echopoiesis and Narcissism Adrift」と題した発表を行われたようです。