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2014年 11月 28日

「思想」2014年第12号「10年後のジャック・デリダ」、ほか

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弊社出版物でお世話になっている著訳者の皆様の最近のご活躍をご紹介します。

★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』)
★鵜飼哲さん(共訳:ジュネ『公然たる敵』)
★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
★宮﨑裕助さん(共訳:ド・マン『盲目と洞察』)
★佐藤嘉幸さん(共訳:バトラー『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』)
★リピット水田堯さん(著書:『原子の光(影の光学)』)
★柿並良佑さん(共訳:サラ-モランス『ソドム』)
★渡名喜庸哲さん(共訳:サラ-モランス『ソドム』)

岩波書店さんの月刊誌「思想」2014年第12号(no.1088)の特集「10年後のジャック・デリダ」に論考やインタヴュー等が掲載されています。

まずデリダさんに関しては、二篇のテクスト「アメリカ独立宣言」(宮﨑裕助訳) と「新造語,新~主義,ポスト~主義,寄生およびその他の小さな地震現象についての,いくつかの声明と自明の理」(吉松覚訳)をはじめ、アントワーヌ・ド・ベックさんとティエリー・ジュスさんによるインタヴュー「ジャック・デリダ 映画とその亡霊たち」(堀潤之訳)、そしてラクー=ラバルトさんやナンシーさんとの討議「ジャック・デリダ,フィリップ・ラクー=ラバルト,ジャン=リュック・ナンシーの対話」(渡名喜庸哲訳) が掲載されています。

鵜飼、西山、宮﨑の各氏は國分功一郎さんとともに座談会「10年後のジャック・デリダ」に参加されており、宮﨑さんは論文「国家創設のパフォーマティヴと署名の政治――ジャック・デリダの「アメリカ独立宣言」論」を寄稿され、西山さんは論文「世界の終わりの後で――晩年のジャック・デリダの黙示録的語調について」と、カトリーヌ・マラブーさんの論考「グラマトロジーと可塑性」の翻訳を担当されています。

佐藤嘉幸さんは論文「立憲デモクラシーの危機と例外状態――デリダ,アガンベン,ベンヤミン,シュミットと「亡霊の回帰」」、リピット水田堯さんは論文「さらに剰余の愛――ジャック・デリダによるエコーポイエーシスと漂泊のナルシシズム」(小澤京子訳)、柿並良佑さんは論文「哲学の再描――デリダ/ナンシー,消え去る線を描いて」を寄稿されています。


★加治屋健司さん(共訳:クラウス+ボワ『アンフォルム』)

今月発売された『photographers' gallery press』第12号の特集「爆心地の写真――1945-1952」に論文「紙の上の観光──『LIVING HIROSHIMA』と広島の国際観光地化」を寄稿されています。『LIVING HIROSHIMA』というのは広島県観光協会が1949年に発行した写真集で、林重男や菊池俊吉による1945年10月の写真のほか、菊池のほか木村伊兵衛、大木実ら旧東方社の写真家による写真で構成された、被爆後の広島を伝える貴重な歴史資料です。


★本橋哲也さん(共訳:スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)

『ディアスポラの知識人』などの著書が日本でも翻訳されている、香港生まれで現在は米国デューク大学教授のレイ・チョウ(Rey Chow, 1957-)さんが2006年にデューク大学出版からThe Age of the World Target: Self-Referentiality in War, Theory, and Comparative Workを刊行され、本橋さんは今月その完訳書『標的とされた世界――戦争、理論、文化をめぐる考察』(法政大学出版局、2014年11月)を上梓されました。「世界が標的となる時代──原子爆弾、他者性、地域研究」「言及性への介入、あるいはポスト構造主義の外部」「文学研究における比較という古くて新しい問題──ポストヨーロッパという視点」の三章構成に序論「アメリカ合州国におけるヨーロッパ発の理論」を付した1冊です。本書はハリー・ハルトゥーニアンに捧げられています。

by urag | 2014-11-28 16:40 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)


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