2014年 09月 16日
弊社出版物への書評やブックフェア、著訳者の皆様の最近のご活躍をご紹介します。 ★川合全弘さん(訳書:ユンガー『追悼の政治』、同『労働者』) ★大竹弘二さん(訳書:デュットマン『思惟の記憶』、共訳:同『友愛と敵対』) まもなく発売となる社会思想史学会さんの年報「社会思想史研究」第38号(藤原書店発売、9月24日配本)に、ユンガー『労働者』の書評が掲載されました。評者は南山大学准教授の大竹弘二さんです。「かねてから多くの人々の興味を惹きつけてきた著作でありながら長く邦訳が存在しなかった本書がようやく日本語で出版されたことは、ユンガーの思想の全体像を明らかにするのに大きく貢献し、なお手つかずの部分が多い日本のユンガー研究の本格的な端緒を開くことが期待される。訳文は独特の概念や晦渋な文章が平易に訳されて」いる、と評していただきました。同書評では現代におけるユンガーの再評価の星座が示されており、難解をもって鳴る『労働者』の思想圏が明快に解きほぐされており、非常に啓発的です。なお、同号には蔭山宏『崩壊の経験――現代ドイツ政治思想講義』(慶應義塾大学出版会、2013年)への川合さんによる書評も掲載されています。 ★ジョルジョ・アガンベンさん(著書:『アウシュヴィッツの残りのもの』『バートルビー』『瀆神』『思考の潜勢力』『到来する共同体』) ★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『瀆神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』) 柏書房さんのウェブマガジン「ARCANA MUNDI(アルカーナムンディ)」にて今月連載が開始となった波戸岡景太さんによる「隠喩としてのホロコースト」の第1回「極限状態の「からだ」――吉田修一『パーク・ライフ』」(2014年9月11日付)において、アガンベンさんの『アウシュヴィッツの残りのもの』が論及されています。「証言と注釈。語り得ぬものを考えていくために、それは確かに有効な手段だ。これから始まる連載の中で、私もまた、物語世界に暮らす「ごく普通の人間」の証言に耳を傾けていこうと思う」とお書きになっておられます。 『アウシュヴィッツの残りのもの』の共訳者でいらっしゃる上村忠男さんは来月、アガンベンさんの『ホモ・サケル』シリーズの第4巻第1分冊としてネリ・ポッツァから2011年に刊行された『いと高き貧しさ――修道院の規則と生の形式〔Altissima povertà: Regole monastiche e forma di vita. Homo sacer IV, 1〕』の共訳書をみすず書房さんから上梓されます。『いと高き貧しさ』は太田綾子さんとの共訳書で、2014年10月24日発行予定、本体4,600円です。 ★大谷能生さん(著書:『貧しい音楽』) ★間章さん(著書:『間章著作集』全3巻) ★須川善行さん(編者:『間章著作集』全3巻) 2014年8月30日(土)18:00より、吉祥寺のSound Café dzumi(サウンドカフェ・ズミ)にて「デレク・ベイリーを聴く会」の第6回「70年代の音源[4]」が、大谷能生さんを特別ゲストに迎えて開催されました。モデレーターのお一人、工作舎編集部の石原剛一郎さんが同舎ウェブサイトにてリポート記事を書かれておられます。『間章著作集』もご紹介いただいたようです。今月末に行われる「デレク・ベイリーを聴く会 」第7回「70年代の音源[5]」は、『間章著作集』の編集人を務められた須川善行さんがゲストです。2014年9月27日(土)18:00より吉祥寺・ズミにて、ドリンク付入場料:1500円で先着20名につき事前予約が必要です。 ★廣瀬純さん(著書:『絶望論』、共著:『闘争のアサンブレア』、訳書:ヴィルノ『マルチチュードの文法』、共著:ネグリ『芸術とマルチチュード』 フランスの映画監督フィリップ・ガレル(Philippe Garrel, 1948-)の最新作『ジェラシー』が9月下旬に公開されることに伴い開催される下記のトークイベントに御出演されます。聞き手は「boid」誌を主宰する樋口泰人さんで、今般「boid」誌では『フィリップ・ガレル読本』を出版されました。『ガレル読本』は「『ジェラシー』をめぐるフィリップ・ガレル最新インタヴュー、青山真治(映画監督)による特別寄稿エッセイ、ガレル映画音楽論、生い立ちと映画作法を解明するキーワード集、関連人物紹介、作品解説ほか」収録とのことです。ちなみに廣瀬さんは寄稿されていません。定価1,500円+税。 ◎廣瀬純、フィリップ・ガレルを語る 場所:ジュンク堂書店 池袋本店 4F喫茶 日時:2014年09月30日(火)19:30~ 出演:廣瀬純(現代思想・映画批評家) 聞き手:樋口泰人(boid主宰) 内容:ゴダールとウォーホルに映画を学び、歌姫ニコとともにアンダーグラウンド映画を牽引した孤高の映画作家。わずか16歳で処女作を撮り、神童と呼ばれた男、フィリップ・ガレル。愛と芸術に生きるフランスの映画作家の最新作『ジェラシー』が、9月27日よりいよいよ日本公開されます。その公開に合わせて、ガレル入門書でもあり『ジェラシー』のパンフレットともなっている『フィリップ・ガレル読本』が刊行されました。その刊行を記念して、常に独自の切り口で世界を切り取り、我々を唖然とさせつつ、新たな運動をそこに作り出す哲学者、思想家、廣瀬純がフィリップ・ガレルとガレルが生きてきた時代を語ります。 ★ドリーン・マッシーさん(著書:『空間のために』) 今年5月にミネルヴァ書房さんから刊行されたニール・スミス『ジェントリフィケーションと報復都市――新たなる都市のフロンティア』(原口剛訳)の刊行を記念し、今月1日からジュンク堂書店難波店さんでブックフェア「都市の未来」が9月30日まで開催されています。原口さんが選書された約30点のなかにの社会書売場の棚8にて、弊社3月刊のドリーン・マッシー『空間のために』(森正人・伊澤高志訳)が選出されています。原口さんによる選書コメントは以下の通りです。皆様のご来店をお待ちしております。 「現代を代表する地理学者、ドリーン・マッシーの待望の邦訳。マッシーは、ハーヴェイとの長らくの論争でも知られる。ハーヴェイがタワービルのような高みをもつ首尾一貫した理論を構築するのに対し、マッシーはそのような理論から漏れ落ちる要素――差異や他者性、軌跡や異種混淆性――をこそ拾い上げ、しなやかに組み上げていく。なかでも彼女がこだわるのは、「場所」という概念だ。たとえば「場所を開く」といっても、資本の投下に対して開くのと、厄介な他者に対して開くのとでは、話はまったく違ってくる。とするならば、場所はどのような場合に、誰に対して開かれるべきか、あるいは閉じられるべきなのか。そのような繊細な議論のひとつひとつをていねいに論じながら、彼女は「グローバルなもの」に到達しようと試みる。あまりに視野が狭くなってしまった私たちの地図を塗り替えるためにも、欠かせない一冊」。 ![]()
by urag
| 2014-09-16 13:05
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