2014年3月14日取次搬入予定 *地理/社会/政治
空間のために
ドリーン・マッシー著 森正人+伊澤高志 訳
月曜社 2014年3月 本体3,600円、46判(タテ190ミリ×ヨコ130ミリ)並製440頁、ISBN:978-4-86503-012-9
内容:グローバリゼーションと排外主義は、なぜ共存しうるのか? 時間を変化の次元として、そして空間を静的な次元として取り扱う西洋的な思考の伝統に異を唱え、ベルクソンや構造主義、ドゥルーズやデリダなどの時間/空間理解を批判的に検討するなかで、多様な歴史の軌跡の相互作用から構成され続けるものとして空間を理論化。そのことを通じて、新自由主義的グローバリゼーションの現在を、場所をめぐる政治(先住民たちによる土地への権利主張、領土的なものをめぐる攻撃的排他主義、等々)を徹底的に考察する、新たなる地理学。
原著:For Space, London: Sage, 2005.
主な目次:空間/表象 ■共時性の監獄 ■脱構築の水平性 ■空間の中の生 ■近代性の歴史を空間化する ■瞬間性/深みのなさ ■非空間的なグローバリゼーション ■空間は時間によっては滅ぼされえない ■空間の諸断面 ■場所のとらえどころのなさ ■空間的なものの関係論的政治学
ドリーン・マッシー
Doreen Massey:1944年、マンチェスター生まれ。社会学、地理学。オープン・ユニヴァーシティ名誉教授。現在も同大学の研究プロジェクトに関わる。1994年のVictoria Medal(英国王立地理学会)受賞など専門分野での受賞歴多数。邦訳書に『
空間的分業――イギリス経済社会のリストラクチャリング』(富樫幸一・松橋公治監訳、古今書院、2000年)。最新刊はWorld City, Polity, 2010.
森正人:三重大学人文学部准教授。著書に、『四国遍路の近現代――「モダン遍路」から「癒しの旅」まで』(創元社、2005年)、『昭和旅行誌――雑誌「旅」を読む』(中央公論新社、2010年)。
伊澤高志:立正大学専任講師。英文学専攻。共訳書に、トニー・ジャット『失われた二〇世紀』(NTT出版、2011年)。
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◎著者来日情報
人文地理学会第280回例会
日時:2014年3月21日(金・祝) 14:30~17:00
会場:
大阪市立大学梅田サテライト(大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅第2ビル6階)創造都市研究科大講義室(101教室)
交通:北新地駅(JR東西線)より1分、大阪駅(JR東海道線ほか)・梅田駅(阪急・阪神)・西梅田駅・東梅田駅(大阪市営地下鉄)より約5分
テーマ:グローバル時代における「場所」―ドリーン・マッシーを迎えて―
趣旨:ますます互いに結びつけられるようになっているグローバル空間の文脈において、場所は政治的に保守的な避難所であり本質化された根拠地として、政治的議論の中で絶え間なく動員されています。多くの場合、閉じられたもの、真正なるものとしての「場所」は、その外側の「空間」から明確に分離されています。しかしこの場所と空間の間の単純な区分を拒否したらどうなるでしょうか。場所の多様な声と空間性の難問に向き合ってきたドリーン・マッシー氏を迎えて、場所と空間の関係的、存在論的理解について考えます。
発表者:Doreen Massey(Emeritus Professor of Geography at the Open University)
タイトル:Repositioning place in a global age
一般来聴歓迎・参加費無料
連絡先:上杉和央(京都府立大学) E-mail:kuesugi[at]kpu.ac.jp([at]を@に変換してご利用ください)