2014年 01月 13日
![]() 論理哲学論考 ヴィトゲンシュタイン著 丘沢静也訳 光文社古典新訳文庫 2014年1月 本体880円 文庫判35+169頁 ISBN978-4-334-75284-2 帯文より:20世紀最大の哲学書。あのヴィトゲンシュタインが普通に読める、新しい『論考』の誕生。オリジナルに忠実で平明な革新的訳文! 20世紀を代表する哲学書であり、最も難解といわれる『論理哲学論考』は、シンプルなドイツ語で書かれた美しい作品だ。今回の新訳では、その微妙なスタンス、ニュアンスを、細やかな目配りで忠実に再現した。いつでも、どこでも、肩の力を抜いて読める、まったく新しい『論考』をここにお届けする。 カバー裏紹介文より:「語ることができないことについては、沈黙するしかない」。「私の言語の限界は、私の世界の限界を意味する」。 「(倫理[学]と美[学]は、ひとつのものである)」──世紀転換期ウィーンの聖典、20世紀哲学の金字塔。 ★発売済。『哲学探究』(岩波書店、2013年8月)に続く、丘沢さんによる新訳ヴィトゲンシュタインの第2弾。『反哲学的断章』(青土社、1981年;新装版1988年;新版1995年;増補新訂版1999年)を合わせると、3冊目の訳書になります。『論理哲学論考』はこれまで繰り返し訳され、注釈され、読解され続けてきた古典で、現在も入手可能な訳本が多数存在します。今回の新訳本では巻頭に、野家啓一さんによる解説「高校生のための『論考』出前講義」を収録。訳者あとがきによれば、本書の底本は、ズーアカンプ社の2003年版。ブライアン・マクギネスとヨアヒム・シュルテが編集した研究者向きの批判版(1989年)に基づいて、シュルテが一般向きに編集した本とのことです。つまり、これまでの訳書の中では、最も新しい版から訳されていることになります。 ★既訳書の底本についてまとめると、以下の通りです。 0-1)『自然哲学年報 Annalen der Naturphilosophie』誌掲載版(1921) 1-1) ドイツ語原文とオグデンらによる英訳を付した対訳本(Tractatus Logico-Philosophicus, Routledge and Kegan Paul, 1922) 1-2)同書の改訂第2版(1933) 1-3)33年版のペーパーバック版(1981)の重版(1988) 1-4)ピアーズ/マクギネスによる新たな英訳を付した対訳版(Routledge and Kegan Paul, 1961)の重版(1963) 2-1)マクギネス/シュルテの編集による批判版(Suhrkamp, 1989)をシュルテが一般向きに編集した版(2003) 1968年07月:坂井秀寿訳『論理哲学論考』法政大学出版局 → 1-1? 1971年09月:山元一郎訳『論理哲学論』中央公論社『世界の名著(58)』所収、1980年01月:中公バックス『世界の名著(70)』所収、2001年6月:中公クラシックス → 1-2 1975年04月:奥雅博訳『論理哲学論考』大修館書店『ウィトゲンシュタイン全集(1)』所収 → 1-4 1976年01月:末木剛博訳『ウィトゲンシュタイン論理哲学論考の研究(I)解釈編』公論社 → 0-1 ※ただし異同については(当時の)現行版諸書に従ったとのこと。 2001年07月:黒崎宏訳『『論考』『青色本』読解』産業図書 → 1-1 2003年08月:野矢茂樹訳『論理哲学論考』岩波文庫 → 1-2 2005年05月:中平浩司訳『論理哲学論考』ちくま学芸文庫 → 1-3 2007年01月:木村洋平訳『論理哲学論考』社会評論社 → 1-2 2010年10月:木村洋平訳(改訳)『『論理哲学論考』対訳・注解書』社会評論社 → 1-2 2014年01月:丘沢静也訳『論理哲学論考』光文社古典新訳文庫 → 2-1 砂男/クレスペル顧問官 ホフマン著 大島かおり訳 光文社古典新訳文庫 2014年1月 本体880円 文庫判232頁 ISBN:978-4-334-75283-5 帯文より:サイコ・ホラーの原点。今夜もまた、あの砂男がやって来る・・・。オペラ『ホフマン物語』のもととなった傑作3篇。E・A・ポー、バルザック、ボードレール、ドストエフスキーなど後世の作家に幅広い影響を与えたホフマン。怪奇と幻想、そして諧謔に 満ちた作品群は、二百年の時を超え、いまなお読者を魅了してやまない。 カバー裏紹介文より:サイコ・ホラーの元祖と呼ばれる、恐怖と戦慄に満ちた傑作「砂男」。芸術の圧倒的な力とそれゆえの悲劇を幻想的に綴った「クレスペル顧問官」。魔的な美女に魅入られ、鏡像を失う男を描く「大晦日の夜の冒険」。ホフマンの怪奇幻想作品の中でも代表作とされる傑作3篇。 ★発売済。「砂男」や「顧問官クレスペル」はこれまで文庫版では、石丸静雄訳『ホフマン物語』(新潮文庫、1952年)、石川道雄訳『ホフマン物語』(角川文庫、1952年)、池内紀訳『ホフマン短篇集』 (岩波文庫、1984年)などで読むことができ、「砂男」についてはさらに、フロイトの論考「無気味なもの」を併載した種村季弘訳『砂男/無気味なもの』(河出文庫、1995年)などもあったのですが、残念なことにすべて品切中のため、嬉しい新訳本の登場です。古典新訳文庫でのホフマン本は、『黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ』(2009年)に続く2冊目。こちらも大島さんによる翻訳です。 デザインのめざめ 原研哉著 河出文庫 2014年1月 本体600円 文庫判152頁 ISBN978-4-309-41267-2 帯文より:デザインの最も大きな力は目覚めさせる力である。日本を代表するグラフィックデザイナーによる覚醒力ある随筆集。 カバー裏紹介文より:日常のなかのふとした瞬間に潜む「デザインという考え方」を、ていねいに掬ったエッセイたち。マカロニ、温泉、アルパカのセーター、そして数学・・・ごくパーソナルな視点を研ぎ澄ますことで見えてくる、デザインが立ち上がる瞬間とは――。日本を代表するグラフィックデザイナーによる好著。 ★発売済。『マカロニの穴のなぞ』(朝日新聞社、2001年)に5篇の新しいエッセイを増補して文庫化したものです。再刊にあたり、文庫版あとがき「めざめのあとがき」と、フリーの数学研究者森田真生さんによる「解説」が付されています。親本はもともと、2000年から2001年にかけて約半年間続いた「日本経済新聞」での週一回の連載をまとめたもの。大きな活字で1篇あたりが3頁と短いため、読みやすいです。原さんと森田さんとの出会いが、デザインと数学の出会いとなって新しい「めざめ」の予感を花開かせます。 魔女の宅急便(シネマ・コミック5) 角野栄子原作 宮崎駿プロデューサー/脚本/監督 文春ジブリ文庫 2014年1月 本体1,460円 文庫判並製448頁 ISBN978-4-16-812104-3 帯文より:13歳の満月の晩、魔女のキキは修行のために相棒の黒猫ジジを連れて旅に出る。たどり着いたコリコの街で、“空飛ぶ宅急便屋さん”をはじめるキキ。人々との出会い、交流を経て、悩みながらも少女は成長してゆく――宮崎駿監督作品ならではの飛行シーンや、美しく繊細な背景美術もじっくりと楽しめる完全編集版の文庫版コミック。 ★発売済。毎回楽しみなシネマ・コミックの第5弾。一部をこちらで立ち読みできます。今回初めて気づいたのですが、自分が本当に好きなシーンは動画として記憶しているので、コマ割のコミックになると連続性を維持できずに物足りなく感じる部分があるのですね。それはもう仕方のないことです。これまでは各シーンをあらためて自分のペースで思い出すためのよすがとして眺めていただけで意識できなかったのかもしれませんが、実際にシークエンスをコマ割化するというのは難しい、たいへんな技術だなあと気づいたのでした。 エクリチュールと差異〈新訳〉 ジャック・デリダ著 合田正人/谷口博史訳 法政大学出版局 2013年12月 本体5,600円 四六判上製634頁 ISBN978-4-588-01000-2 帯文より:1960年代フランスの知的沸騰のなかで生まれ、痕跡、差延、脱構築などのデリダ的概念を展開した本書は、構造主義以後の思想界を決定づける著作となった。ルーセ、フーコー、ジャベス、レヴィナス、アルトー、フロイト、バタイユ、レヴィ=ストロースらの読解を通じて、主体と他者、言語と表象、存在と歴史についての哲学的思考を根底から書き換えた名著。叢書・ウニベルシタス1000番到達記念として新訳刊行! ★発売済。原書は言うまでもなく、L'Écriture et la différence(Seuil, 1967)、デリダの初期代表作のひとつです。旧訳版(若桑毅/野村英夫/阪上脩/川久保輝興/梶谷温子/三好郁郎訳、法政大学出版局、1977/1983年)は上下巻で合計7,300円でしたから、今回1,700円も安くなったことは非常にありがたいですし、原書通りの全一巻本なので引用や参考の際にも使いやすくなりました。版元さんでは旧訳版は今回の交代で絶版扱いになっていますので、未購読の方でもしも新刊書店さんの店頭で見かけた場合は、早めに入手されることをお薦めします。 ハーバード白熱教室 世界の人たちと正義の話をしよう+東北大特別授業 マイケル・サンデル/NHK白熱教室制作チーム著 早川書房 2013年12月 本体1,500円 46判並製222頁 ISBN978-4-15-209429-2 カバーソデ紹介文より:マイケル・サンデル教授の人気哲学講義がついに世界進出! 中国、インド、ブラジル、韓国、そして東北で、サンデル教授の問いをきっかけに、今最も重要な問題について人々が徹底討論を繰り広げる。白熱の講義録。中国:市場主義はどこまで認められるべきか? インド:性的暴行は他の暴力行為より罪深いか? ブラジル:サッカー・チケットの高値転売はOK? 政府への大規模デモはどれだけ効果があるか? 韓国:芸能人やスポーツ選手は兵役を免除されてもよいか? 東北大学:汚染土壌の仮置き場はどうやって決めるべきか? 復興に必要なのはスピードか、コンセンサスか? ★発売済。すっかり定着した教育的コンテンツの観のあるサンデル教授の「白熱教室」ですが、今回も数々の難問を聴衆に投げかけ、活き活きとした議論を会場に巻き起こしています。これまでも日本と同時に海外の聴衆を対象にした白熱教室がありましたが、今回は海外のみです(最後の一章のみ、東北大学での特別講義「これから復興の話をしよう」)。各国で様々な意見交換が行われているのを読むにつけ、文化や人種を違いを越えた次元での政治哲学や倫理学の可能性に、サンデル教授が賭けを挑んでいく様子が見られて、はっとします。弛緩した際限ないおしゃべりではなく、ざっくばらんで緊張感ある討議の継続こそが、聴衆に何か――ひょっとしたら共有しうる人間的価値というものがあるかもしれないということ――を予感させます。分断と分裂、憎しみと猜疑心の渦巻く現代社会においてはそれは稀有な体験ではないかと思います。 共通文化にむけて――文化研究 I レイモンド・ウィリアムズ著 川端康雄編訳 大貫隆史/河野真太郎/近藤康裕/田中裕介訳 みすず書房 2013年12月 本体5,800円 A5判上製360頁 ISBN978-4-622-07814-2 帯文より:戦後イギリス最大の文化思想家の全貌を示す日本独自編集版(全2巻)。本書第I巻は「共通文化の理念」「社会主義とエコロジー」「ウェールズとイングランド」ほか、すべて本邦初訳の文化論17篇。 カバー裏紹介文より:「『オリエンタリズム』以後のわたしの仕事は、レイモンドの仕事をほんとうに大きな支えにしてきました」(E・W・サイード)。「イギリスの知の世界はそのもっとも個性的で独創的な人物を失い、左翼陣営はそのもっとも傑出した社会主義知識人を失った」(スチュアート・ホール)。カルチュラル・スタディーズの祖と目される批評家にして、1950年代末から新自由主義台頭のサッチャー政権時代まで新たなオルタナティヴを提示しつづけたニューレフト運動の論客。テリー・イーグルトンいわく「戦後イギリスが生んだもっとも優れた文化思想家」の全貌を示す日本独自編集版(全2巻)。第I巻の本書は「文化とはふつうのもの」「共通文化の理念」「社会ダーウィニズム」「マルクス主義文化理論における土台と上部構造」「社会主義とエコロジー」「ウェールズとイングランド」「距離」「映画史」ほか、すべて本邦初訳の論考16篇とリチャード・ホガートとの対話1篇、初期から晩年にいたる文化論を集成。 ★発売済。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。ウィリアムズは日本では60年代後半から単独著の訳書がありますが、再評価の機運が高まったのはカルチュラル・スタディーズの入門書や雑誌特集が増えた90年代後半以降です。その当時はほとんどの既訳書は品切ばかりで、今もその状況は残念ながらあまり変わっていません。そんな中、レイモンド・ウィリアムズ研究会が2005年に発足し、メンバーの皆さんの御尽力によって未訳の主要論文が独自編集版『文化研究』全2巻として刊行されることは、再評価への道筋としてたいへん重要ではないかと思われます。例えば今回刊行された第I巻の巻頭論文「文化とはふつうのもの」(1958年)は半世紀以上前のものですが、民主主義の困難さと可能性をめぐって、今なお現代人の皮膚に突き刺さるような問題提起と分析を呈示しています。この2巻本を機に、既刊書の再刊や文庫化、新訳が進むことを切に願いたいです。 ◎レイモンド・ウィリアムズ(Raymond Williams, 1921-1988)単独著既訳書 2010年03月『モダニズムの政治学――新順応主義者たちへの対抗』加藤洋介訳、九州大学出版会 2002年08月『完訳 キーワード辞典』椎名美智/越智博美/武田ちあき/松井優子訳、平凡社;2011年06月、平凡社ライブラリー 1985年10月『田舎と都会』山本和平/増田秀男/小川雅魚訳、晶文社 1985年09月『文化とは』小池民男訳、晶文社 1983年03月『長い革命』若松繁信/妹尾剛光/長谷川光昭訳、ミネルヴァ書房 1980年03月『キイワード辞典』岡崎康一訳、晶文社 1972年07月『辺境』小野寺健訳、講談社 1969年12月『コミュニケーション』立原宏要訳、合同出版 1968年12月『文化と社会――1780‐1950』若松繁信/長谷川光昭訳、ミネルヴァ書房;2008年07月復刊 大杉栄伝――永遠のアナキズム 栗原康(くりはら・やすし:1979-)著 夜光社 2013年12月 本体2,000円 四六判並製320頁 ISBN978-4-906944-03-3 帯文より:暗い時代に乱れ咲く生の軌跡。米騒動、ストライキ、民衆芸術論・・・。破天荒な生き方というだけでは語りつくせない、その思想に光をあてた、新たな評伝の登場。自由の火の粉をまき散らせ。 ★発売済。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。『G8サミット体制とはなにか』(以文社、2008年)に続く、栗原さんの単独著第2弾であり、夜光社さんの4冊目の出版物になります。栗原さんによる伝記は登場人物に憑依されたかと思えるほど活き活きとしていて、魅力的で軽妙でリズム良く、最後まで音楽のように聞かせます。全6章で幕を引いたかと思いきや、最後の「おわりに」で、その躍動感ある文体ゆえにほとんど伝記と地続きのようにして著者本人が登場し、愛すべきダメさ弱さ加減をむき出しのままにして、自らを語ります。役者たちに拍手を送ろうというタイミングで作家が出てきて観客に挨拶をしようというのですから、客席はザワつくのが当然なのですが、まさかの弁舌で、締めっぷりに解放感があります。大杉栄の評伝は数多くありますが、若い世代の読者にとってもっとも親しみが湧くのはひょっとしたら本書じゃないだろうかと思います。そして、著者の栗原さんご自身にとっても、本書が転換点となるのではなかろうかという予感がします。 人間と動物の病気を一緒にみる――医療を変える汎動物学(ズービキティ)の発想 バーバラ・N・ホロウィッツ/キャスリン・バウアーズ著 土屋晶子訳 インターシフト発行 合同出版発売 2014年1月 本体2,300円 46判並製402頁 ISBN978-4-7726-9538-1 帯文より:ヒトの病気の治し方は、動物に聞け! がん、肥満、心臓病、うつ、依存症、性病、ストレス性疾患――動物もかかる病気の研究から、ヒトの新たな治療法が生まれる。新たな統合進化医学「汎動物学(ズービキティ)」とは? がんの新たな治療法、動物のセックスに学ぶ、明暗サイクルの乱れが肥満に、親業を進化のルーツから考えよう、医学・進化学・人類学・動物学の融合へ。その発想と取り組みを、提唱者みずからが伝える。 ★まもなく発売。原書は、Zoobiquity: The Astonishing Connection Between Human and Animal Health(Vintage, 2012)です。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。19世紀の病理学者ウィルヒョウは「獣医学とヒトの医学を区別する境界はない。というか、そうしたものがあってはならない。対象は異なってもそこから得られる経験は、あらゆる医学の基本をなす」と言ったそうですが、本書の著者はとある経験から、医学と獣医学と進化医学を統合する「汎動物学(ズービキティ)」の提唱へとたどり着きます。「それは臨床医学の場で診断の難しいケースや治療法の混乱に対処できる視座、あらゆる生物を区別なく扱う、種の壁を越えるアプローチなのだ」(36-37頁)。動物もヒトと同じ病気にかかることがあり、動物の病いの研究が、ヒトの病いの治療に役立つこともあるということを本書は教えます。近年、人獣共通感染症のリスクが高まりつつあるだけに、「汎動物学(ズービキティ)」は今後いっそうの進展が期待されるのではないかと思われます。 『奇譚クラブ』から『裏窓』へ 飯田豊一(いいだ・とよかず:1930-2013)著 論創社 2013年11月 本体1,600円 46判並製212頁 ISBN978-4-8460-1288-5 帯文より:伝説的雑誌の舞台裏が明らかに! 三島由紀夫や澁澤龍彦が愛読した雑誌の全て。廃刊後の今なお熱狂的なファンをもつ雑誌の全貌が、一投稿作家から『裏窓』編集長になった著者によって初めて語られる。遺著として残されたアブノーマル雑誌出版史! ★発売済。「出版人に聞く」シリーズの第12弾です。昨年9月に著者が亡くなったため、最後のインタビューとなった貴重な証言集です。表と裏でペンネームが異なる作家たち、いくつものペンネームを使う人たちの活躍が明かされていて、結構な有名人も登場します。特に興味深かったのは、60年代のいわゆる「悪書追放運動」に関する証言です。正しいことをしていると信じてやまない人々が集団となって、「悪書」を書店店頭や流通から締め出し、出版社の経営者や編集者を吊るし上げにする一幕は、どうにも居心地の悪さを感じさせます。どこからが正常でどこからが異常なのか、その境界はさほど分明ではないにもかかわらず、どうして人間は時として影の方を切り捨てようとするのでしょうね。 ![]()
by urag
| 2014-01-13 23:19
| 本のコンシェルジュ
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