|
2005年 05月 01日
他社版元さんの新刊で、要チェックだなと感じた本を、毎週末、リストアップします。このほかにもたくさん素晴らしい本はありますが、自分がぜひ購読してみたいと思った書目に絞ります。 書誌情報の見方と配列は次のようになっています。 書名――副題 著者、訳者など 版元、本体価格、判型サイズ、頁数(本文, 本文とは別立ての巻末索引や巻頭口絵など) ISBN、発行年月 内容紹介は、図書館流通センターさんのデータを引用&活用させていただいています。※は私のコメントです。 *** ベルクソンとバシュラール マリー・カリウ著 永野拓也訳 法政大学出版局 本体2000円 タテ20cm 148,12p 4-588-00818-8 / 2005.04. 内容:イメージと隠喩、直観と否定、認識論と形而上学などの主題をめぐって、テクストを介したベルクソンとバシュラールの「対話」を目論み、2つの思想の結節点を探る。広く哲学を「読む」ための手引きを与えてくれる。※私の勝手な思い込みでは、バシュラール特有の「垂直の時間論」は、ベルクソンの水平的「持続」と異なる概念的魅力を持っているように思います。この二人の比較対照は非常に興味深いですね。 ワイド版世界の大思想 第三期十四冊 河出書房新社 セット価格72800円(分売不可。一巻あたり5200円) 21cm 509p 4-309-97071-0 / 2005.05 内容:世界思想の最高峰を厳選。永く模範となる正確かつ平明な訳文。既刊全集「世界の大思想」の巻構成を改め、文字を拡大し読みやすく復刻したワイド版。第3期は14冊。3-1:孔子/孟子/老子/荘子、3-2:仏典、3-3:ヘーゲル、3-4:マルクス、3-5:エンゲルス、3-6:ミル、3-7:ウェーバー、3-8:キルケゴール、3-9:ニーチェ、3-10:ベルグソン、3-11:ヤスパース、3-12:マルロー/サルトル、3-13:トインビー、3-14:毛沢東。※オンデマンドと注記されていますから、図書館専用の完全受注生産制なのでしょうが、どうせオンデマンドにするなら、一般販売もしてほしいですね。もちろん分売で。大活字本でなくてもいい読者もいるでしょうから、一冊あたり三千円くらいで買えないものでしょうか。こういう「遺産」は放っておくのが本当にもったいないです。 生れ月の神秘 山田耕筰(1886-1965)著 鏡リュウジ解説 有楽出版社 実業之日本社(発売) 本体1800円 タテ20cm 327p 4-408-59234-X / 2005.05. 内容:実業之日本社から大正14年に刊行されたものの復刊。童謡「赤とんぼ」の作曲者山田耕筰は、日本で最初の星占いの本を出版した! 純粋な占いの珍本として読むもよし、ユーモア溢れる文体を味わうもよし。※この復刊には驚きました。企画した方は、なかなかオツなところを狙ってますね。当時のベストセラーだったそうで、70年代前半に復刊されたこともあるようです。 「存在の現れ」の政治――水俣病という思想 栗原彬(1936-)著 以文社 本体2400円 タテ20cm 227p 4-7531-0240-8 / 2005.04. 内容:公式発見から半世紀を経た水俣病は、今、われわれに何を語りかけているのか? 近代日本が追求した生産力ナショナリズムが破綻に瀕している今日、支配しない他者を宛先とする新しい人間像を「水俣病という思想」に読み解く。※待望の、というべきかと思います。ぜひ読まねばなりません。 体内の神秘――皮膚の下に広がるファンタスティックな生命の鼓動とアートの世界 スーザン・グリーンフィールド著 崎山武志・日本語版監修 玉嵜敦子訳 産調出版 本体7800円 タテ35cm 288p 4-88282-417-5 / 2005.04. 最新の画像技術で体内を冒険し、人体の驚くべき仕組みを発見する。何千倍にも拡大された赤血球が織りなす模様、皮膚という壮大な建築物、体内器官のネットワークを形成する複雑な内臓の実態など、神秘的な世界が姿を現す。著者は英国王立研究所所長。※カラーページがほとんどなのでしょうか、やや高価ではありますが、これはぜひじっくり堪能したい本です。 数理科学美術館――数学とアートの融合 森川浩(1975-)著 工学社 本体1900円 タテ24cm 135p 4-7775-1128-6 / 2005.04. 内容:「数学」「物理」「コンピュータ」「アート」を融合させ、視覚的に美しいと思えるものを集めたバーチャル美術館。マンデルの涙、カチ割りダイヤモンド、音を見る、クラインの壺など、理系の人が感じる「美」を体験しよう。付属資料:CD-ROM(1枚 12cm)。著者は現在、株式会社ソフトウェアクレイドルにて「数値流体力学における可視化ソフトの構築」の仕事に携わっている。※たとえば、マンデルブロの『フラクタル幾何学』日経サイエンス社というのも美しい書物でした。品切で残念ですが。 世界ロボット大図鑑 ロバート・マローン著 新樹社 本体3800円 タテ29cm 192p 4-7875-8537-1 / 2005.05. 内容:フルカラー写真でロボットの進歩を生き生きとつづった、究極のロボット・ギャラリー。古いブリキのオモチャにはじまり、最新技術を駆使したヒューマノイドや宇宙探査機まで、それぞれの時代を象徴する様々なロボットが登場。著者はインダストリアル・デザイナー。※ロマンですよ、ロマン。 眼の冒険――デザインの道具箱 松田行正著 紀伊国屋書店 本体2800円 タテ20cm 326p 4-314-00982-9 / 2005.04. 内容:デザイナーは「デザインの種」をどのように切り出してくるのか? 第一線で活躍するグラフィックデザイナーが、絵画や写真、ポスター、イラストなどを使い、その手法・見方を一挙公開する。図版約400点収録。※ファンなのです。松田さんの主宰する「牛若丸」という出版社も大好きです。 睡蓮と蓮の世界――水の妖精 赤沼敏春(1968-)+宮川浩一著 エムピージェー マリン企画(発売) 本体1886円 タテ21cm 127p 4-89512-532-7 / 2005.04. 内容:スイレンとハスについて、その栽培方法やミニビオトープとしての楽しさ、多彩な品種群の図鑑、さらにマニアックな楽しみまで、幅広く紹介する。※ロータスはなぜかくも輝かしく厳かで美しいのでしょうか。 ジョットとスクロヴェーニ礼拝堂 渡辺晋輔(1972-)著 小学館 本体1700円 21cm 127p 4-09-606054-2 / 2005.05. 内容:見学時間わずか15分、厳重な管理下にあるイタリア・パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂は、中世最大の画家ジョットの華麗な壁画で装飾されている。その礼拝堂の全壁画を収録するほか、ジョットの生涯と作品についても解説。著者は国立西洋美術館研究員で、専門はイタリア美術史。「ショトル・ミュージアム」シリーズの一冊。※ジョットの絵の崇高さ。 バカなおとなにならない脳 養老孟司著 100%Orange装画+挿画 理論社 本体1200円 タテ20cm 213p 4-652-07811-0 / 2005.04. 内容:「よりみちパン!セ」シリーズの第11弾。※養老さんがと言うより、100%オレンジさんがイラスト担当というのがミソ。 ガイアの素顔――科学・人類・宇宙をめぐる29章 フリーマン・ダイソン(1923-)著 幾島幸子訳 工作舎 本体2500円 タテ20cm 381p 4-87502-385-5 / 2005.04. 内容:理想の科学教育、地球環境問題への提案、宇宙探査の未来、若きファインマンとの交流…。現代科学の発展を見届けてきた天才物理学者が、科学の役割、人類の行方、そして宇宙への憧れを冷静かつあたたかな視点で語るエッセイ集。※ダイソンさんはまだご存命だったんですね。かつてテレビCMかなにかで、広くお茶の間にも知られたことがありましたっけね。 ケプラー予想――四百年の難問が解けるまで ジョージ・G・スピーロ(1950-)著 青木薫訳 新潮社 本体2400円 タテ20cm 365,47p 4-10-545401-3 / 2005.04. 400年もの長きにわたって数学史に君臨し続けた、数学界の超難問「ケプラー予想」はいかにして証明されたのか。有名数学者たちの苦闘の歴史と、彼らのユニークな横顔を描く。著者はヘブライ大学で数理経済学と財政学の博士号を取得後に、チューリッヒ大学などの教員を経て、現在、科学ジャーナリストとして、スイス系日刊紙のイスラエル駐在員を務める。※新潮社は2000年にサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』で成功した前歴がありますから、この手のジャンルは続けてやれるのでしょうね。ケプラー予想というのは、ウィキペディアによれば、「球を敷き詰めたときに、面心立方格子が最密になる」というもので、1997年にトーマス・C・ハレスが証明したそうです。ちなみに常温で面心立方格子構造を有するのは、ネオン(Ne)、アルミニウム(Al)、アルゴン(Ar)、カルシウム(Ca)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、クリプトン(Kr)、ストロンチウム(Sr)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、キセノン(Xe)、セリウム(Ce)、イッテルビウム(Yb)、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)、金(Au)、鉛(Pb)、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th) などだそうです。 チャップリン自伝――若き日々 チャップリン著 中野好夫訳 新潮社(新潮文庫) 本体667円 タテ16cm 390p 4-10-218501-1 / 2005.04. 内容:1966年刊の抜粋。 ※臆面もなく言えば、チャップリンは永遠です。 *** 今週はアート系と理数系に収穫があるようです。刊行点数1487点のうちから、単行本12冊と、文庫1冊、全集1セットを選びました。図書館販売用である全集を除いて、ぜんぶ購入した場合、税込34,496円也。(H)
by urag
| 2005-05-01 23:45
| 本のコンシェルジュ
|
Comments(0)
|
アバウト
カレンダー
ブログジャンル
検索
リンク
カテゴリ
最新の記事
画像一覧
記事ランキング
以前の記事
2026年 12月 2026年 06月 2026年 05月 2026年 04月 2026年 03月 2026年 02月 2026年 01月 2025年 12月 2025年 11月 2025年 10月 2025年 09月 2025年 08月 2025年 07月 2025年 06月 2025年 05月 2025年 04月 2025年 03月 2025年 02月 2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 2004年 05月 最新のコメント
最新のトラックバック
|
ファン申請 |
||