弊社9月新刊、松本俊夫『逸脱の映像』は本日取次搬入です。日販、トーハン、大阪屋、栗田、太洋社の五社へ本日11日に搬入しています。パターン配本は行っておりません。事前にご発注いただいた書店さんにのみ、配本しております。書店店頭での発売開始は、都内の一部超大型書店さんでは明日以降の発売となります。全国的には早ければ今週金曜日13日、あるいは三連休明けの来週17日以降に店頭に並び始めるのではないかと思われます。某ネット書店最大手での初回の扱いは多くありませんので、書店店頭で入手される方が速いと言えそうです。どの書店さんに置いてあるかは、この記事のコメント欄などで地域を限定してお尋ねください。なお、目次詳細と、書影も公開いたします。
*芸術(映画論・映像文化論)
逸脱の映像――拡張・変容・実験精神
松本俊夫=著 金子遊=編
月曜社 2013年9月 本体3,600円 46 判(130x190mm)上製312 頁 ISBN978-4-86503-004-4
伝説的映像作家の20数年ぶりの単著。1980年代から現在にいたるまでの論考と対話を精選。
武満徹や寺山修司、湯浅譲二などと数々の実験映画/映像を世に問うてきた松本俊夫、20数年ぶりの単著! 〈逸脱〉という概念を核に、制度的なものの規範を揺さぶり、創造的カオスを誘発し続けるそのラディカリズムの現在性とは……。1980年代から現在にいたるまでの論考と対話を精選した著者6冊目の映画/映像批評集。
目次:
I 逸脱の映像
逸脱の映像とは何か/〈わからない〉ということ/映像の詩的機能/形態的規範を疑え/期待図式と意味の支配/述語的世界としての感性/無意識・他者・欲動/狂気と沈黙の映像/ズレとはぐらかし/詩的生成性のメカニズム/統辞と範列の異化/構造化活動の前景化/物質的組成の自己指示/概念の映像と映像の概念/装置芸術としての映像
II 論考
明日の映像/ニュー・メディアの両義性/ニュー・テクノロジーと映画芸術/映像体験における身体の生成システムについて/実質・感覚・身体性/映像と文化変容
III 対話
映像の関係場をめぐって(松本俊夫×『季刊ヴォワイアン』編集部)/アヴァンギャルドの現在性--ルプリーズ=反復・繰り返し(松本俊夫×西嶋憲生)/映像史のパラダイム・チェンジ(松本俊夫×武邑光裕)/イメージと思考を喚起するもの(松本俊夫×武満徹)
あとがきにかえて(聞き手=金子遊)
初出一覧
著者:松本俊夫(まつもと・としお)1932年生まれ。映画監督・映像作家・映画理論家。『薔薇の葬列』『ドグラ・マグラ』などの劇映画と平行して、実験映画やビデオアートの制作、批評活動をおこなう。著書に『映像の発見』(三一書房、1963年/清流出版、2005年)、『表現の世界』(三一書房、1967年/清流出版、2006年)、『映像の変革』(三一書房、1972年)、『幻視の美学』(フィルムアート社、1976年)、『映像の探求』(三一書房、1991年)。編著書に『美術×映像』(美術出版社、2010年)。近年の美術展に『松本俊夫 映像の変革』展(川崎市市民ミュージアム、2006年)、『白昼夢 松本俊夫の世界―幻想のラディカリズム』展(久万美術館、2012年)など。
編者:金子遊(かねこ・ゆう)映画作家・批評家。編著書に『フィルムメーカーズ』(アーツアンドクラフツ、2011年)。
ブックデザイン:宇川直宏(うかわ・なおひろ) 映像作家・DOMMUNE 代表。