瑞雲舎さんで岩波版絵本「ちびくろ・さんぼ」の二話のうち
「とらとバター」の話が来月中旬に復刊される運びとなり、マスコミ各社が取り上げています。
たしかに再注目されているとはいえ、今晩ヤフー・オクションで終了した三つの岩波版「ちびくろ・さんぼ」の落札価格は、
11,250円、
22,000円、
18,000円と、もとの定価である500円を大きく大きく上回る値段になっています。
古書店によっては5~10万円の値段をつけることもあるらしい。EasySeekに個人の方が出品している「
83年6月発行の極美品、49,800円」(リンク切れの場合はご容赦ください)のような例もありますけれども、さすがにまだ売れていません。この出品者さんは「ちびくろ・さんぼ」を「発禁本」と表記していますが、これは
岩波書店の自主絶版なので、いわゆる「発禁本」ではないと思います。わざとそう書いているとしたら、ちょっと……。
EasySeekではこのほか、150万円という法外な値段をつけている個人出品者もいましたが、こちらは何か別の意図があったのでしょう。
瑞雲舎さんがなぜ二話目の「ふたごのおとうと」を併せて、元通りに復刊しないのかは、現時点では特に理由が説明されていません。一話目は問題を感じなくても、二話目には問題を感じたのか、それとも一話目だけをまず出して様子を見るのか。後日に別途復刊することがありえないわけでもないかもしれません。ただそうなると、たとえ読者の熱烈な支持があったとしても、「一粒で二度おいしい」と揶揄するような口さがない人々も出てくるのではないでしょうか。心配です。
現時点ではこの復刊の影響で、図らずも余計に岩波版の価値が上がる結果となっています。復刊ドット・コムでは、今回のニュースで新規投票が増えて、
645票も集まっているわけです。投票は今後さらに増えるでしょう。(H)