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今か今かと待たれていた、ホミ・K・バーバの『文化の場所』The Location of Cultureの日本語訳がついに
法政大学出版局さんから刊行されましたね!
訳者は小社がスピヴァクの本でお世話になった本橋哲也さんを筆頭に、正木恒夫さん、外岡尚美さん、阪元留美さん。90年代前半までのバーバの代表的論文がまとまったかたちで読めるのはこの本だけで、それ以後に発表された論文はまだまとめられていないだけに、まずはこの本を読み込むしかありません。
「訳者あとがき」にもあるように、バーバ(1949-)はスピヴァク(1942-)や故サイード(1935-2003)と並んで、日本では「ポストコロニアル理論御三家」の一人と呼ばれているわけですが、単独著は他の二人より圧倒的に少ないわけです。まあ著者にとっては意図的なことでしょう。
ちなみに、バーバやスピヴァクはともにインド出身ですが、彼らのように欧米でも活躍しているインド出身の同時代の思想家には、厚生経済学者のアマルティア・セン(1933-)、政治思想家のイクバール・アフマド(1934?-1999)、マルクス主義批評家のアイジャズ・アフマド[あるいはアハマド]、社会学者のアルジュン・アパデュライ(1949-)、エコフェミニズム思想家のヴァンダナ・シヴァ(1952-)、作家のアミタヴ・ゴーシュ(1956-)やアルンダティ・ロイ(1959-)などがいます。なかなか頼もしい顔ぶれではありませんか。
上記のほかにも、ポストコロニアル研究やサバルタン研究の関連では、ラナジット・グハ、ギャーネンドラ・パーンデー、パルタ・チャタージー、ディペッシュ・チャクラヴォルティ、ギヤン・プラカッシュ、ゴーリ・ヴィスワナサン[あるいはガウリ・ヴィシュワナタン]などを数えていいと思うのですが。ノーベル賞作家のヴィディアダール・S・ナイポール(1932-)は、……数えにくいですね。
バーバの話に戻りますと、もう四年ほども前から、『サイードとオリエンタリズム』とか『ファノン・リーダー』とかの近刊が
ブラックウェルのオンライン書店部門にはデータ登録されていて、前者はブラックウェルのインプリントであるPolity Pressから、後者はブラックウェル本隊から刊行予定だったのですが、どうもそれらのデータはいつの間にやら消えてなくなりました。
その代わりに、彼とウィリアム・J・T・ミッチェルとの共編となる『
エドワード・サイード――対話の継続』の近刊予告が出ています。おそらく先の『サイードとオリエンタリズム』企画がサイードの生前にはついには実現せず、版元がいつ代わったのかは知りませんが、当然の成り行きで、追悼色の強い論文集に変わったのでしょう。最新情報では、今年五月末に、
シカゴ大学出版局から刊行される予定となっています。
寄稿者は、Lila Abu-Lughod, Daniel Barenboim, Akeel Bilgrami, Paul Bové, Timothy Brennan, Noam Chomsky, Ranajit Guha, Harry Harootunian, Saree Makdisi, Aamir Mufti, Roger Owen, Gyan Prakash, Dan Rabinowitz, Jacqueline Rose, and Gayatri Spivak. と豪華。見逃せませんね。