今日、2月4日は、詩人竹内てるよさんの五回忌です。
大地は静まりて 風おだやかに
やがて地上に ひかり立ちぬ
近づく黎明に 何をもってこたえん
ただ人間の愛と誠実とを
小社刊行の詩文集『静かなる夜明け』の掉尾を飾るこの短詩は、昭和21年(1946年)4月に、当時の神田区駿河台に所在した目黒書店から初版3000部で刊行された自選詩集、『いのち新し』に掲げられていた「序」でした。
長く苦しかった戦争が終わり、暗黒から黎明へ、新しい時代が幕を開けようとしていました。戦後60周年のこんにち、時代はいつのまにかまた暗黒へ、今度は白昼の「皆既日食」へと近づいている気配です。
日食の時代に生きる私たちは、翳りの大地に立ち、吹き荒れる風のなかで、愛と誠実とを取り戻せるでしょうか。私たちはどこへいくのでしょうか。「人は悲哀あるとき、もっとも立派に生きていかねばならない」――これが竹内てるよさんの人生観の要諦にあるものです。この言葉を噛み締めながら、出版人としてできることを今年も掘り下げていきたいと思います。(H)