魅力的な人文系ブックフェアをふたつご紹介します。「数学と哲学」フェア@東京堂書店神田神保町本店と、「蜂起せよ!!」フェア@ジュンク堂書店難波店です。
◎「
数学と哲学」フェア
会期:2012年9月1日~9月30日予定
場所:
東京堂書店神田神保町本店 3F 思想・哲学書売場
人文書売場では珍しい、数理哲学のフェアです。選書を担当した三浦亮太さんはフリーペーパー「三階」の執筆制作者としても有名。フェア台の様子は上記タイトルに貼ったリンク先の東京堂ブログ記事の写真をご覧ください。大きなポスターが貼られていますが、選書コメントがこのポスターに細かく印字されています。弊社本では、近藤和敬『構造と生成 I カヴァイエス研究』と、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』が選ばれています。
このポスターもすごいのですが、「三階」同様に三浦さんが執筆された特製冊子「数学と哲学」が20頁に渡る力作論文となっています。「デカルトの数学の懐疑、スピノザの共通概念、田辺元の種の論理の数理哲学的文脈における位置づけ、郡司ペギオ-幸夫さんの粘菌計算機の実験などを解説」したもので、フェアのしおりとして惜しげもなく無料配布されています。
特製冊子「数学と哲学」(三浦亮太執筆、東京堂書店神田神保町店三階発行)
目次:
はじめに
1 デカルトにおける数学の懐疑とスピノザの共通概念
1-1 デカルトにおける数学の懐疑
1-2 スピノザの共通概念
2 連続体と切断
3 原生理論・生物型計算機
結び
なお、東京堂書店さんでは先週、『到来する共同体』が週間売上総合ランキングで8位になりました。これは『書物の不在【初版朱色本】』が発売当時7位になったのに続く、弊社にとっての快挙です。本当に嬉しいです。東京堂さん、ありがとうございます!
◎「蜂起せよ!!――ティクーン『反-装置論』」フェア
会期:2012年9月6日~10月初旬予定
場所:
ジュンク堂書店難波店 人文書エンド台
恒例の「店長本気の一押し!」フェアは、前回の「反原発」フェアに続き、今回は『来たるべき蜂起』翻訳委員会+ティクーン著『反-装置論』(以文社、7月刊)を中心としたフェアになっています。この本で対談が収録されていた廣瀬純さんと白石嘉治さんの本や、矢部史郎さん、ジョン・ホロウェイさんの本などが並んでいます。思想集団ティクーンはご存知の通り、アガンベンに影響を受けており、弊社先月刊『到来する共同体』は『来たるべき蜂起』(彩流社、2010年)や『反-装置論』とともにデモやオキュパイ運動のさなかで読まれてほしい本です。同フェアでは、弊社本はアガンベン『到来する共同体』と、廣瀬純+コレクティボ・シトゥアシオネス『闘争のアサンブレア』が選ばれています。
企画選書者である難波店店長福嶋聡さんによる『反-装置論』の書評は、MARUZEN&ジュンク堂書店のウェブサイトで無料公開されている月刊書評誌「
書標」2012年9月号のPDFで読むことができます。