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2012年 08月 07日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2012年8月31日(金)オープン
東京堂書店東中野店:図書100坪+カフェ20坪
東京都中野区東中野4-4 アトレヴィ東中野 3F
帳合はT。弊社へのご発注は文芸書最新刊一点のみ。6月29日に開店したソヨカふじみ野店に続く新規店です。取次の出品依頼書に付された「概況」によれば、「神田本店のノウハウを活かし、セレクトコーナーや作家さんセレクト棚を設け、カフェと連動した売場作り」をするとのことです。

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一方、閉店情報です。丸善丸の内本店4Fの、「松丸本舗」が9月末で閉店になることは、松岡正剛さんが先月twitterで明らかにされましたし、先般「読売新聞」2012年8月3日記事「実験的書店「松丸本舗」 9月で閉店」でも報道されましたので、皆さんご存知かと思います。あれだけ話題になり、一昨年にムック『松岡正剛の書棚――松丸本舗の挑戦』(中央公論新社、2010年)も出ましたのに、とても残念です。松岡さんの「編集工学研究所」は丸善の組織図を見る限りでは今なおグループ企業の一員ですが、松丸本舗の存続については丸善と同様に丸善CHIホールディングス傘下である「丸善書店」および「ジュンク堂書店」の社長である工藤恭孝さんとお話し合いになったご様子ですね。「捲土重来を期す」と松岡さんは記されています。

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ところでここ一週間でもっとも度肝を抜かれたニュースは「新文化」2012年8月6日付記事「丸善書店の上位3店舗、トーハンから日販に帳合変更」です。丸善丸の内本店、日本橋店、ラゾーナ川崎店が、9月1日よりトーハンから日販に帳合変更するというのです。この3店舗は丸善(社名を正確に言えば丸善書店)の売上げ上位3店で、年商約100億円だそうです。お茶の水店のコミック売場や「9月27日に移転リニューアルする名古屋栄店もすべて日販になる」ばかりでなく、「ジュンク堂書店が運営するビッグウィルの8店舗、年商約20億円分もトーハンから大阪屋に変更される」とのことです。

DNPグループとトーハンの「対立」は、2010年2月にTRCがトーハンから日販に帳合変更したことで表面化したと業界では見られています。これによって売上約130億円が日販に移りました(「新文化」2009年12月15日記事「TRC、主帳合取次を日販に変更」)。その後、2012年6月にトーハンは明屋書店チェーンの筆頭株主になり、日販からトーハンへ帳合変更することによってチェーンの売上約168億が移ることになります(「新文化」2012年6月7日記事「トーハン、明屋書店と資本・業務提携」)。すると今度は文教堂書店が今月から18店舗でトーハンから日販へ帳合変更(「文化通信」2012年7月11日付記事「文教堂書店、18店舗の取引取次変更へ」)。これが年商40億円分です。そしてさらに今回、100億円規模の帳合変更でトーハンに追い打ちがかかることになります。「新文化」によれば、丸善書店の岡充孝副社長は「トーハンの新体制には反対してきた。信頼関係が損なわれたため、しばらくは距離をおきたい」と話しているとのこと。いわゆるこの「新体制」には講談社の野間省伸社長も不満を持っていて、トーハンの社外監査役をお辞めになっているほどです。

いったい何が起きているのか、一般読者の方には分かりづらいかもしれませんが、「新体制」については「月刊FACTA」2012年7月4日配信記事「「トーハンの上瀧天皇」82歳退任の舞台裏」などをご覧になると良いかもしれません。院政への批判はともかく、このところ版元営業マンにとっては楽天のkobo発売よりもずっとこれらの帳合変更のニュースの方が重かったように思います。なぜなら「これだけで事態が収まる気がしない」から。当然ながら、帳合変更によって、一方の取次の売上が落ちますし、新刊配本にも影響が出てくるはずです。常備出荷をしている版元は度重なる伝票切替に困惑してもいますが、はるか上空で起きている出来事になすすべもありません。いよいよ業界再編劇は佳境を迎えつつあるのかもしれません。

by urag | 2012-08-07 18:57 | 販売情報 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 久野宏 at 2012-08-15 22:04 x
ガタリの新著、田村尚子写真集ともに、いま必要とされる本の出版ですね。先日の、アスペルガー症候群の男性に対する「社会に受け皿がなく、再犯の恐れが強い」という理由での、あまりにも恥知らずな判決をみても、ますます読み深められ、実践に活かされるべきだと思います。哲学書房から刊行されていた浅井邦彦先生の著書(『スティグマと差別を超えて――脱施設化と地域ケア』 )も合わせて必読と思います。そういえば、浅井先生の本は、まだ入手可能なのでしょうか……。
Commented by urag at 2012-08-17 10:40
久野宏さんこんにちは。浅井先生のご本はまだ扱っている本屋さんもあるようでございますね。多賀茂・三脇康生編『医療環境を変える――「制度を使った精神療法」の実践と思想』(京都大学学術出版会、2008年) なども参考になります。


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