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2012年 06月 29日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

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★アントニオ・ネグリさん(著書:『芸術とマルチチュード』)
今年に入ってから1月と4月に以下の著書がイタリアで刊行されました。

Inventare il comune, Roma: DeriveApprodi, 2012.
『共〔コモン〕を発明する』は今年1月にローマの版元デリヴェ・アップローディから刊行されました。フランス語版『人間の共〔コモン〕を発明する』(Inventer le commun des hommes)は2010年4月にバイヤール(Bayard)から刊行されています。1990年から2008年までにフランスの『前未来』誌や『ミュルティテュード』誌で発表された論文20本を収録。本書の掉尾を飾るのは、仏語版の書名と同じ題名の論文で、これは、2008年1月に『ミュルティテュード』誌31号で発表された、ジュディット・ルヴェルとの共著になります。巻頭には「2010年、パリにて」と明記されたルヴェルの序文「共〔コモン〕の実験室を考える」(仏語版では「共〔コモン〕の実験室としての思考」)が置かれています。20本の論文の中にはジャン-マリ・ヴァンサンとの共著が2本、マウリツィオ・ラッツァラートとの共著が1本、カルロ・ヴェルチェローネとの共著が1本含まれています。

Il comune in rivolta: Sul potere costituente delle lotte, Verona: ombre corte, 2012.
『蜂起における共〔コモン〕――闘争の構成的権力について』は今年4月、ヴェローナの版元オンブレ・コルテから刊行されました。本書もまた19本のテクストからなる論文集ですが、多くは2009年以降に発表されたもので、新聞や雑誌、アンソロジーなどに寄稿した論文や、ネット上で公開されたテクストなどです。先日訳書が刊行されたばかりのシンポジウム論文集『共産主義の理念』(水声社、2012年6月)に収録されていたネグリのテクスト「共産主義――概念と実践についての省察」が、「マルクス抜きで共産主義者たることは可能か」という題名で掲載されているほか、前述の『共を発明する』に収録されたルヴェルとの共著「人間の共を発明する」も再録されています。ルヴェルとの共著はもう一本、20011年8月にネットおよび新聞で発表された「蜂起における共」で、この本でもルヴェルとの共著が書名にもなっています。本書の巻頭にはジジ・ロッジェーロによる序文「普遍的共〔ユニヴァーサル・コモン〕」が置かれ、掉尾には、2008年12月の『ミクロメガ』誌8号に寄稿したマイケル・ハートとの共著論文「共の構成と左派の根拠」(初出の題名では「構成する力としての左派」)が収められています。また、本書は収録論文を「マルクスを再読する」「フーコーを超えるフーコー」「共〔コモン〕の生産」「マルチチュードとジャックリーの乱」の四部に分けています。


★渡名喜庸哲さん(共訳書:サラ-モランス『ソドム』)
4月より東洋大学の国際哲学研究センターで研究助手として働いておられます。同センターでは、センター長の村上勝三さんの主導で「ポスト福島の哲学」をテーマの一つとしており、今年度も以下の通りの企画を立てておられるとのことです。

◎連続講演会「ポスト福島の哲学」のお知らせ

東洋大学国際哲学研究センター(IRCP)は、昨年7月に設立されて以来、その活動の一環として、2011年3月の大震災および福島第一原発事故以降の時代にあって、どのような「哲学」が可能かという課題を立てています。そのために、昨年12月に、ジャン=リュック ・ナンシー氏およびベルンハルト・ヴァルデンフェルス氏を招き「ポスト福島の哲学」と題したWEB講演会を行ないました。2012年度も引き続き、国内外から研究者を招き、「哲学」を軸に「フクシマ以降」の問題を考える講演会や研究会を開催する所存です。本年度第一回講演会を、以下の日程で、スタンフォード大学教授で『ツナミの小形而上学』等の著書のあるジャン=ピエール・デュピュイ氏、東京大学教授で『低線量被曝のモラル』の編者一ノ瀬正樹氏をお招きして開催いたします。
多くの方のご来場・ご参加をお待ちしております。

第一回「ポスト福島の哲学」講演会
日時:2012年7月4日(水) 17:30-20:30
場所:東洋大学白山キャンパス 2号館16階「スカイホール」
講演者および題目:
ジャン=ピエール・デュピュイ(スタンフォード大学) 「破局的な状況を前にした合理的選択」
一ノ瀬正樹(東京大学)  「放射能問題の被害性――哲学は復興に向けて何を語れるか」

司会:村上勝三(東洋大学)
コメンテーター:渡名喜庸哲(東洋大学)
日本語・フランス語(通訳がつきます)
入場無料・登録不要
主催:東洋大学国際哲学研究センター
お問い合わせ: 渡名喜庸哲(東洋大学国際哲学研究センター研究助手)(tonakiあっとまーくtoyo.jp)

第二回は、9月22日(土)に、エティエンヌ・タッサン氏(パリ第七大学教授・政治哲学)を迎えて開催する予定。


★ポール・ギルロイさん(著書:『ブラック・アトランティック』)
★上野俊哉さん(共訳書:ギルロイ『ブラック・アトランティック』)
★鈴木慎一郎さん(共訳書:ギルロイ『ブラック・アトランティック』)
★鵜飼哲さん(共訳書:ジュネ『公然たる敵』)
★本橋哲也さん(共訳書:スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
2009年2月6日に開催されたシンポジウム「ディアスポラの力を結集する――ギルロイ、スピヴァク、ボヤーリン兄弟」での討議記録を中心とした書籍が刊行されました。ギルロイさんのテクスト「Could You Be Loved?」は2007年19月に和光大学で発表されたギルロイ来日講演で、『ブラック・アトランティック』の共訳者である鈴木さんが翻訳されています。上野さんは巻頭の「ディアスポラ再考」を書き下ろされているほか、鵜飼さん、本橋さんとともにシンポジウムの討議に参加されています。

ディアスポラの力を結集する――ギルロイ・ボヤーリン兄弟・スピヴァク
赤尾光春+早尾貴紀:編
松籟社 2012年6月 本体1,900円 四六判並製352頁 ISBN978-4-87984-306-7
帯文より:〈離散〉した力は、いつしか〈結集〉し、世界の自己閉塞的状況に風穴をあける。


★中平卓馬さん(写真集:『都市 風景 図鑑』)
先日も少し触れましたが、1971年のパリ青年ビエンナーレに参加した中平さんの伝説的な作品群が40年の歳月を経てついに一冊の写真集として刊行されました。販売店が限定されているレアな写真集ですので、ぜひお買い逃しなく。関連イベントとして、銀座のBLDギャラリーでは来月7月4日より写真展「Circulation: Date, Place, Events」が開催されます。

サーキュレーション――日付、場所、行為
中平卓馬写真
オシリス 2012年4月 本体5,000円 A5変型判並製320頁函入 ISBN978-4-905254-01-0 

版元紹介文より:1971年、パリ。世界各国から若い芸術家たちが参加したビエンナーレを舞台に、中平卓馬は「表現とは何か」を問う実験的なプロジェクトを敢行する。「日付」と「場所」に限定された現実を無差別に記録し、ただちに再びそれを現実へと「循環」させるその試みは、自身の写真の方法論を初めて具現化するものだった。

写真:モノクロ257点
収録テキスト(和英併記):
中平卓馬「写真、一日限りのアクチュアリティ」
〃「現代芸術の疲弊――第7回パリ青年ビエンナーレに参加して」
〃「アフリカから帰る」
八角聡仁「残滓の光学--中平卓馬1971パリ」

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by urag | 2012-06-29 23:11 | Comments(0)


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