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2005年 01月 06日

ブレポルス社製の手帳、インタープラン

ブレポルス社製の手帳、インタープラン_a0018105_0144622.jpg

納得できる出来のポケット・ダイアリーに出会うのはなかなか難しいことのように思います。公私にわたる自分の日常にうまくフィットし、なおかつデザインが優れ、誰もが持っていそうなありふれたものとは一味違う――そうした手帳を探すのはそれなりにたいへんです。

私の場合、ここ五年ほどは、ベルギーのブレポルス社(Brepols)の「インタープラン(Interplan, 商品番号736, Spiral Binding)」というポケット・ダイアリーを使っています。利用することになった決め手は、六ヶ国語表記とブランドイメージだったかなと記憶しています。

六ヶ国語表記というのは、月や曜日などが、英語、フラマン=オランダ語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、フランス語で並記されているのです。綺麗にこぢんまりとデザインされているので、うるさい感じはしません。

ブランドイメージについては少し説明が必要です。ブレポルス社は1796年に創立されたたいへん古い印刷会社で、印刷製本業のほか、手帳やアルバムを製造したり、学術出版の牙城であったりします。私にとってブレポルス社はなにより一大コーパス「キリスト教思想集成」を刊行している国際的出版社だったわけで、一出版人としても非常に尊敬しているのですが、手帳もつくっているというのは、あとになってから知ったのです。

崇敬の念を抱いている出版社が手帳も製造しているとは、ということで買ったわけですが、正しくは、印刷製本会社が、出版業もやり、文具製造業もやっているということだったのですね。

写真に写っているのは、手前の六冊が、2000年から2005年までの各年の手帳で、奥が参考までに、「キリスト教思想集成」の中世関連篇で、ライムンドゥス・ルルスのラテン語全集のうちの「アルス・ゲネラリス・ウルティマ」の巻です。通称「アルス・マグナ(大いなる術)」として知られているルルスの主著の校訂版です。十数年前に日本橋丸善に取寄注文をしましたが、当時で三万五千円ほどする高価なものでした。画像では小さく見えますが、実際はデカくて厚くて重い本です。

六冊の手帳は向かって左上から、2000年版、2001年版、2002年版、下の列に移って左から2003年版、2004年版、2005年版です。中味のデザインは基本的にあまり変わりませんが、付録になるようないわゆる「お役立ち情報」には変遷があり、また外装の合皮カバーにも移り変わりがあります。2000年版は手触りの良いソフトなものでしたが、2001年版からは一変して硬いものに変わり、これが2004年版まで続きます。2005年版はいままであった金具が取れ、ステッチの糸の色も変わりました。

何だか話が長いですが、もう少しお付き合いくださいますか。ブレポルス社は直販をしていないので、日本国内で売られているものを頼りにするしかありません。私はいつも丸善の本店級の店舗で購入してきましたが、銀座の伊東屋や、渋谷のロフトなどにも置いてあるそうです。ソニプラでもたまに見かけますね。オンラインストアで買うのも便利ですが、やっぱり手帳は現物をしっかり見て、触ってみないとよくわかりません。

各店に卸している輸入元は株式会社不二越という会社です。不二越で検索すると、工業機器を製造しているあの大会社がどうしてもヒットするわけですが、ここと、ブレポルス社製品の輸入元の不二越とはまったく無関係だそうです。私は後者にたどり着くまでけっこう時間がかかってしまったので、この話題で一筆書くことによって検索エンジンにもっと引っかかりやすくならないかなあと、素人判断をした次第です。(H)

by urag | 2005-01-06 23:58 | 雑談 | Comments(0)


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