★2月10日発売済。ラプラスの大著『天体力学概論 Traité de mécanique céleste』の訳書が刊行開始になりました。訳書では第1巻では第1部「天体の運動と形状に関する一般理論」のうち、第1編「釣り合いと運動の一般法則」全8章と、第2編「万有引力と天体の重心の運動とに関する法則について」全8章が収められています。原著で1800頁を超える大作なので完訳まで相当時間がかかるように思いますが、まさに快挙というべき第一歩です。B5判という大型本なので、文庫と比べると大きいですね。地球と月がはるか彼方の太陽からの光を受ける美しい図像で飾られた、荘厳な存在感のあるカバーです。
★太陽系の起源を説いたいわゆる「カント=ラプラスの星雲説」で参照されるラプラスの著作は、『天体力学概論』の3年前、1796年に刊行された『宇宙体系の解説 Exposition du système du monde』(未訳)で、カントの著作は1755年の『天界の一般自然史と理論 Allgemeine Naturgeschichte und Theorie des Himmels』になります。カントの著作の翻訳には以下があります。