今から412年前の今日、西暦1600年2月17日、ジョルダーノ・ブルーノ(1548-1600)はローマのカンポ・デ・フィオーリ(花の広場)で生きたまま火刑に処されました。彼は自らの哲学のゆえに異端判決を下されましたが、裁判官に向かって「判決を受け入れる私よりも、 判決を私に言い渡すあなたがたのほうが恐れおののいているではないか」と述べたと言います。この有名な言葉にはいくつかの変奏があって、「私よりも宣告を申し渡したあなたたちの方が真理の前に恐怖に震えているのではないか」(平凡社版『世界大百科事典』「ブルーノ」清水純一)とも「諸君は、私が判決を受ける以上の恐怖をもってその判決を下しているのだろう」(平凡社版『語録 永遠の言葉』「ブルーノ」古在由重)とも「判決を下す諸公の方が、その判決を聞く私よりも、おびえているに違いないのだ」(ブレヒト『暦物語』「異端者の外套」矢川澄子訳)とも伝えられています。焚刑を目撃した学生カスパー・ショッペの書簡では、この言葉はラテン語でMaiori forsan cum timore sententiam in me fertis quam ego accipiamと記されています。