復刊ドットコムさんから
小社近刊『燈火節』(片山廣子=著)についてお問い合わせをいただきました。読者の皆様からの復刊リクエストが入っているんですね。
ここでリクエストされているのは、1953年に暮しの手帖社から刊行された
『燈火節』初版本ですが、小社が今月下旬に刊行するのは、この『燈火節』を含む随筆群および小説群を集成した1冊で、鶴岡真弓先生による長編解説を併録しています。
また、小社では続いて来年中に、片山廣子(松村みね子)さんの短歌を集成した一巻本も刊行します。歌集『野に住みて』『翡翠』『砂漠』ほかを収録するとともに、詳細な年譜、同時代の証言などを編纂収録し、佐佐木幸綱先生と辺見じゅん先生による解説が併録される予定です。
『燈火節』は
オンライン書店bk1で予約を受付中ですが、復刊ドットコムでも扱われるようになるかもしれません。
なお、復刊ドットコムさんで復刊リクエストが登録されている書目のうち、小社が「新版」を刊行予定であるのは以下の2点です。
『地図』川田喜久治写真集(
初版:美術出版社、1965年)
『光の国 あるいはvoyage en vain』丹生谷貴志=著(
初版:朝日出版社、1984年)
前者は来年なかほどまでに、後者は来年末までに刊行したいと考えています。いずれもいわゆる復刻版ではなく、新しく版を組み直し、装丁を一新した「新版」となります。『地図』については雑誌広告や小社ウェブサイトでも簡単な予告を出しておりますが、『光の国』についてはこのブログでの発表が初公開となります。
復刊ドットコムに今まで寄せられてきた、「基本書や名著は品切絶版にしないで!」という読者の皆様のご要望は、小社もまた常日頃から胸に抱いている思いでもあります。微力な小社がそうした「復刊」事業に貢献できるのはごくわずかな部分でしかありませんが、僭越ながら、今後も基本書や名著の再生を試みていきたいと願っています。