批評と臨床
ジル・ドゥルーズ著 守中高明+谷昌親訳
河出文庫 10年5月 本体1,300円 文庫判328頁 ISBN978-4-309-46333-9
◆帯文より:ドゥルーズ最後の著書。錯乱から創造へ。来るべき民衆=人民(ピープル)のために生を解き放つ極限の思考。
◆カバー裏説明文より:文学とは錯乱/一つの健康の企てであり、その役割は来たるべき民衆=人民(ピープル)を創造することなのだ。文学=書くことを主題に、ロレンス、ホイットマン、メルヴィル、カント、ニーチェなどをめぐりつつ「神の裁き」から生を解き放つ極限の思考。ドゥルーズの到達点をしめす生前最後の著書にして不滅の名著。
★単行本は2002年10月に刊行されました。その際は、守中さん、谷さん、そして第6章「ニーチェと聖パウロ、ロレンスとパトモスのヨハネ」をお訳しになった鈴木雅大さんが共訳者でいらっしゃいましたが、今回の文庫版では、谷さんが第6章を新訳されておられ、訳者は単行本版の三名から二名となっています。今回の文庫化にあたっては、「固有名詞の誤記を正し、基本的な術語の統一を図り、再び必要最小限度の調整を行った」とのことです。
★河出文庫ではこれまでドゥルーズの著書や共著では、『
アンチ・オイディプス』(上下巻、新訳)、『
差異と反復』(上下巻)、『
意味の論理学』(上下巻、新訳)、『
ニーチェと哲学』(新訳)、『
記号と事件』、『
フーコー』が刊行されました。河出の単行本で文庫化されていないのは、『
経験論と主体性』、『
襞』、『
無人島』全二巻、『
狂人の二つの体制』全二巻、『
対話』、『
千のプラトー』、『
哲学とは何か』になります。
★今回の文庫版新刊はゴールデンウィーク明けの5月7日、発売予定とのことです。5月の河出文庫の新刊ではこのほかに、弊社から『
貧しい音楽』を刊行させていただいた大谷能生さんの有名な『
憂鬱と官能を教えた学校』(菊地成孔さんとの共著)が上下巻で発売されます。
★また、5月末の河出書房新社さんの単行本として、東浩紀+濱野智史編『
ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』と同書の『
設計篇』の発売が予告されています。