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URGT-B(ウラゲツブログ)

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2010年 03月 25日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2010年4月5日(月)
東北大学生協工学部店:90坪
宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6 東北大学工学部
増床リニューアルするとのことです。取次はN。写真集をご発注いただきました。出品依頼書によれば、「新たに購買棟を新築し、移転増床」するとのこと。「リニューアルのコンセプトは「ブックカフェ」で、現状の書籍在庫を15,000冊から25,000冊へ大幅に増やし、本を読みながらコーヒーが飲める〈理工書主体〉の書籍売場へ生まれ変わります」とのこと。

学生さんにとってより親しみやすい売場に転換するのは一計です。ただし配慮してほしいのは、購入していない本をもしもカフェで読めるようにする場合、本の扱い方を学生さんにマナーとして知ってもらうよう啓発活動をしてほしい、ということです。生協さんが本を返品しないという前提ならば、扱い方は自由で構いませんが(常備や長期委託で出荷してくれ、というのですから実際は買切るお考えはないようですが)、さんざん座り読みされてくたびれてしまった汚損本を返品されるのは版元にとって複雑な話です。

このへんに、書店さんと版元とのあいだで若干齟齬があるように思います。見本としてお客様に自由に見てもらう本を「実物による宣材」として考え、その効果によって同じ本が複数冊売れていく(はずだ)、という見込みないし販促計画を事前に版元営業に説明できていれば、将来的にショタレ本を返品入帳してもいいと考える出版社がいなくもないでしょう。しかし、何の説明もなしに「サンプルとして利用していて、汚なくなったので、新しいのと交換してくれませんか」といきなり言われるのは、本の種類によっては困惑してしまうのですね。サンプルとして利用していいかどうかというのは、本当は版元によって(あるいは銘柄によって)それぞれ事情(卸条件)が異なるので、事前に版元に確認した方がトラブルを避けやすいわけです。仕入れに主体的に取り組んでいる書店さんは別として、取次の送品に任せているような場合、きちんと一点ごとの条件の違いを意識的に把握している書店さんがどれほどいらっしゃるのか、たまに疑いたくなるような電話を受けたりします。

ようするに「ほとんどの本はいつでもなんでも返品できる」という委託制度の便利さが、ぬるい商習慣の免罪符にもなっている、と言えなくもありません。本当は「ほとんどの本はいつでもなんでも返品できる」というのは現実にはない話です。「貴社の本はフリー入帳ですか」などと電話口で尋ねられるたびに思わず噴き出しそうになります。なぜ噴き出しそうになるのか。流通のしくみについて長い説明が必要なのでここでは省略します。

by urag | 2010-03-25 15:03 | 販売情報 | Comments(0)


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