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ウラゲツ☆ブログ

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2021年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません)
◎2021年6月1日発売:アルベール・ロトマン『数理哲学論集』本体4,500円、シリーズ・古典転生第24回配本(本巻23)。
◎2021年5月7日発売:『表象15:配信の政治――ライヴとライフのメディア』本体2,000円。
◎2021年4月5日発売:柿木伸之『断絶からの歴史』本体3,600円。
◎2021年3月19日発売:ロドルフ・ガシェ『地理哲学』本体3,000円、叢書エクリチュールの冒険、第18回配本。
◎2021年3月5日発売:吉田裕『持たざる者たちの文学史』本体4,500円。
◎2021年3月5日発売:カトリーヌ・マラブー『真ん中の部屋』本体3,400円、シリーズ〈哲学への扉〉、第8回配本。
◎2021年3月3日発売:ロザリンド・E・クラウス『アヴァンギャルドのオリジナリティ』本体4,500円。
 大岩雄典氏書評「さらば、全てのアヴァン……」(「美術手帖」2021年6月号「BOOK」欄)
◎2020年12月9日発売:桑原甲子雄『物語昭和写真史』本体2,400円。
◎2020年11月6日発売:アルフォンス・ド・ヴァーレンス『マルティン・ハイデガーの哲学』本体4,500円、シリーズ・古典転生第23回配本(本巻22)。
 森一郎氏書評「フランスにおけるハイデガー受容史上の道標」(「週刊読書人」2021年2月19日号)
 黒岡佳柾氏書評「『存在と時間』の読解とフランス哲学界とハイデガー哲学との対話から、現代にも通じる独自の「ハイデガー論」が開陳される良書」(図書新聞4月10日号「特集:哲学と思想の波打際」)
◎2020年10月29日発売:ジェイソン・ワイス編『スティーヴ・レイシーとの対話』本体3,500円。
 塚原立志氏書評(「ミュージック・マガジン」2021年1月号「BOOK」欄)
 松尾史朗氏書評「自発的な求道者がゆむぐ驚異的に破綻のない言葉たち」(「レコード・コレクターズ」2021年2月号「INFO.STATION BOOKS」欄)
◎2020年10月2日発売:『多様体2 総特集:ジャン=リュック・ナンシー』本体3,200円。
◎2020年8月12日発売:ジャック・デリダ『スクリッブル 付:パトリック・トール「形象変化」』本体2,200円、叢書エクリチュールの冒険、第17回配本。
◎2020年6月23日発売:中井亜佐子『〈わたしたち〉の到来』本体2,000円、シリーズ〈哲学への扉〉、第7回配本。
 巽孝之氏短評(「図書新聞」2020年7月25日号、「2020年上半期読書アンケート」)
 山田雄三氏書評「だれも排除しない理想の「わたしたち」ーー沈黙を余儀なくされてきた女性たちが慎重に、しかし凛として語りはじめる」(「図書新聞」2020年10月31日号)
 片山亜紀氏書評「〈わたしたち〉は歴史のつくり手になれるのか」(『レイモンド・ウィリアムズ研究』第10号、レイモンド・ウィリアムズ研究会、2021年3月)

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎重版出来:
 2021年3月29日:クラウス『視覚的無意識』3刷
 2021年2月15日:ビショップ『ラディカル・ミュゼオロジー』2刷
 2021年2月17日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』4刷
 2021年5月19日:ボワ/クラウス『アンフォルム』4刷
 2021年6月07日:ブルワー=リットン『来るべき種族』2刷
◎品切重版検討中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷、ブルワー=リットン『来るべき種族』。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象02』『表象03』『表象04』『表象05』『表象07』『表象08』『表象09』『表象12』、毛利嘉孝『文化=政治』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、ハーマッハー『他自律』、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』、バトラー『自分自身を説明すること』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』『書物の不在 第二版鉄色本』『謎の男トマ 初版本』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』『新編燈火節』、竹内てるよ『静かなる夜明け』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』『ガセネタの荒野』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道写真集『新宿』『新宿+』『大阪+』『オン・ザ・ロード』『にっぽん劇場』『何かへの旅』『モノクローム』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、中平卓馬『都市 風景 図鑑』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、『猪瀬光全作品』、佐野方美写真集『SLASH』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信
◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン
◎話題系:フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営
◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞
◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍

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# by urag | 2021-12-31 23:59 | ご挨拶 | Comments(21)
2021年 06月 20日

注目新刊:グレトゥイゼン『哲学的人間学』知泉書館、ほか

注目新刊:グレトゥイゼン『哲学的人間学』知泉書館、ほか_a0018105_03234846.jpg

哲学的人間学』ベルンハルト・グレトゥイゼン著、金子晴勇/菱刈晃夫訳、知泉書館、2021年6月、本体5,400円、新書判上製424頁、ISBN978-4-862-85338-7
魔術の書』DK社編、池上俊一監修、和田侑子/小林豊子/涌井希美訳、グラフィック社、2021年6月、本体3,800円、A4変形判並製320頁、ISBN978-4-7661-3479-7
資本主義と危機――世界の知識人からの警告』マルクス・ガブリエル/イマニュエル・ウォーラーステイン/ナンシー・フレイザー/アクセル・ホネット/ジョン・ベラミー・フォスター/大河内泰樹/斎藤幸平/ガエル・カーティ著、岩波書店、2021年5月、本体1,900円、四六判並製216頁、ISBN978-4-00-061471-9

★『哲学的人間学』は『Philosophische Anthropologie』(1931年)の全訳。知泉学術叢書の第15弾です。「古代からルネサンス近代にいたる人間学の歴史を,原典を踏まえながら考察した名著の待望の翻訳」(カバー表4紹介文より)。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。グレトゥイゼン(Bernard Groethuysen, 1880-1946)はベルリン生まれの文化哲学者でディルタイの弟子。母親からロシア移民の血筋を引いています。20世紀初頭にフランスへ遊学した経験があり、後年にはナチス政権樹立後フランスに亡命し、同国の国籍を取得。大手出版社ガリマールに勤務経験があり、同時代のフランス知識人との広い交流で知られています。著作にはドイツ語のものとフランス語のものがあります。日本語訳は70年代に4点刊行されていますが、そこからしばらく紹介が途絶えていました。グレトゥイゼンの特異な足跡とその人文知は再評価されて良いはずです。

★『魔術の書』は『A History of Magic: Wicthcraft & the Occult』(DK, 2020)の訳書。古代から現代までの魔術の歴史を豊富なカラー図版の数々とともに紹介しています。名古屋大学出版会の「ルネサンス原典シリーズ」を手掛けられている池上俊一さんが監修されていることもあり、購入にためらいはありませんでした。日本の陰陽道も見開きで取り上げられています。宗教書売場で扱われるものと思いますが、魔術は様々な文化や学問との広範な歴史的接点を持っているので、「隠されたもの」としてのオカルトという異相の深淵を書棚でどう正当に扱うかという問題は、なかなかの難問ではあります。

★『資本主義と危機』は日本版オリジナルのインタヴュー集。帯文に曰く「世界の知識人が、欲望、市場、規範、ジェンダー、構造的危機、エコロジーなどの論点から、危機の原因とその克服の可能性を熱く語る」と。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。こうした、現代社会の難問をめぐって世界の知性に尋ねるインタヴュー集は他社では新書として刊行されることがここ数年増えているので、本書は単行本ではあるものの、新書売場で関連書とともに扱ってみるというのも一つの拡販手段となるかもしれません。

★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。

ミクロ政治学』F・ガタリ/シュエリー・ロルニク著、杉村昌昭/村澤真保呂訳、法政大学出版局、2021年6月、本体5,400円、四六判上製670頁、ISBN978-4-588-01128-3 
他者の靴を履く――アナーキック・エンパシーのすすめ』ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年6月、本体1,450円、四六判上製仮フランス装304頁、ISBN978-4-16-391392-6
ポピュリズムとファシズム――21世紀の全体主義のゆくえ』エンツォ・トラヴェルソ著、湯川順夫訳、作品社、2021年5月、本体2,600円、46判上製326頁、ISBN978-4-86182-847-8
伊藤整日記 4 1959-1960年』伊藤整著、伊藤礼編、平凡社、2021年6月、本体4,400円、A5判上製函入486頁、ISBN978-4-582-36534-4

★『ミクロ政治学』はまもなく発売。『Micropolitiques』(Les Empêcheurs de penser en rond, 2007)の訳書です。共著者であるブラジルの精神分析家シュエリー・ロルニク(Suely Rolnik, 1948-)による「日本語版へのあとがき」が加えられています。ロルニクは巻頭の「外国語版とブラジル版第七版への序文」と、元版であるポルトガル語版(1986年刊)に付された「この本について」も書いています。本書は「1982年にガタリがロルニクとともにブラジル各地を旅しながら行なった「講演=討論会ライブ」の収録を柱にしながら、シュエリーがそれに関連するガタリのさまざまなテクストや自分自身のテクストをも組み合わせて、多声的な生きた言語空間として構成したもの」(訳者あとがきより)。帯文に曰く「民主化へと向かうブラジル社会のうねりに身をゆだね、活動家、知識人、学生、マイノリティ、フェミニスト、同性愛者らのグループと対話を重ねた一か月の記録」。ガタリ自身は本書を「一種の航海日誌である」と表現しています。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

★『他者の靴を履く』はまもなく発売。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社、2019年;新潮文庫、2021年6月)に続く副読本とのこと。帯文の文言を並べると、「〈多様性の時代〉のカオスを生き抜くための本」、「エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに」と。「わたしがわたし自身を生きる」アナキズムと「他者の靴を履く」エンパシーとの間に繋がりをめぐる卓抜なエッセイ集です。

★『ポピュリズムとファシズム』は発売済。『The New Faces of Fascism: Populism and the Far Right』(Verso, 2019)の訳書。「ポピュリズムのゆくえ――歴史としての現在」と「ファシズムの新しい顔――現在の中の歴史」の二部構成。巻末には訳者あとがきのほか、中村勝己さんによる解説「新型コロナの時代におけるポピュリズムをいかに考えるか?――トラヴェルソのポスト・ファシズム論をめぐって」が併載。訳者によれば本書は「21世紀世界のゆくえを左右していくであろうポピュリズムに対して、20世紀世界を動かしたファシズムとの比較によって、構造的で能動的な分析を行なったもの」です。トラヴェルソ(Enzo Traverso, 1957-)はイタリア生まれの歴史家。現在は米国コーネル大学で教授を務めておられます。

★『伊藤整日記 4 1959-1960年』は発売済、第4回配本。1952年から1969年までの18年間を記録した日記を全8巻で公刊するもので、巻数通りの順番で発売されています。第4巻は欧州から貨物船で帰国後、小説連載や『日本文壇史』、大学講義を継続し、『谷崎潤一郎全集』解説、礼さんの訳書の翻訳チェック、三島由紀夫らとの座談会や、講演旅行、さらに世界文学全集の企画に、米国コロンビア大学での招聘研究員、と相変わらずご多忙。次回配本は7月刊行予定の第5巻「1961-1962年」。


# by urag | 2021-06-20 23:30 | Comments(0)
2021年 06月 08日

月曜社2021年7月新刊:『小泉義之政治論集成』全2巻

■ 2021年7月5日取次搬入予定 *人文・思想

災厄と性愛 小泉義之政治論集成 Ⅰ
闘争と統治 小泉義之政治論集成 Ⅱ
月曜社 2021年7月 本体各2,600円、46判(縦188mm×横125mm)並製368/352頁 ISBN:978-4-86503-114-0/115-7

内容紹介:
【第Ⅰ巻】共通善の政治理念へ向けて――つねに生と死の倫理に立ち返りながら、左右の言説を根底から検証・批判する。震災、大事故、疫病と向き合い、〈政治〉を問い直す災厄論、マジョリティを批判し、生と性と人類を問い直す、原理的にしてラディカルな性/生殖論へ。

【第Ⅱ巻】資本主義の「リアル」を破壊する――障害、福祉、精神医療、債務、BI、貧困などに向き合いながら〈別の生〉を開く統治論の新たなる展開。来たるべき政治のために資本主義と統治の根拠とその現在を批判し〈なに〉と〈いかに〉闘うべきかを問い続けてきた根源的にして戦闘的な哲学者による政治社会論。〈全二巻〉

目次概要:
I-Ⅰ:災厄/疫病
恵まれたる者、呪われたる者――ダニエル・デフォーとジャン・カルヴァンにおける自然状態の純粋暴力における法と正義/公衆衛生と医療――集団の救済と病人の救済/停止で紡ぎ出される夢が停止を惹き起こすために――中井久夫小論/出来事の時――資本主義+電力+善意のナショナリズムに対して/「どれだけ」に縛られる人生/やはり嘘つきの舌は抜かれるべきである――デモクラシーは一度でも現われたか

I-Ⅱ:性/生殖
国家に抗する社会における鰥夫と子供/最後のダーク・ツーリズム――『少女終末旅行』を読む/類としての人間の生殖――婚姻と子供の聖化について/性差別についての考え方/暴力の性化と享楽化の此方(彼方)へ/異性愛批判の行方――支配服従問題の消失と再興/フーコーの精神分析批判――『性の歴史Ⅰ』に即して/身体――結核の歴史から/傷痕と再生/共通善と大学

Ⅱ-Ⅰ:運動/政治
一九六八年以後の共産党――革命と改良の間で/日本イデオローグ批判/殺すことはない/誰かの死だけが和らげる苦痛?/配分的正義を――死の配分と財の配分/戦争と平和と人道の共犯/競技場に闘技が入場するとき/老女と人形 現代における迷信と科学/人工知能の正しい使用法――人間の仕事がなくなる危機を好機とする/天気の大人――二一世紀初めにおける終末論的論調について/啓蒙と霊性/天皇制論の罠/死骸さえあれば、蛆虫には事欠かない/謀叛と歴史――『明智軍記』に寄せて

Ⅱ-Ⅱ:統治/福祉
包摂による統治――障害力テゴリーの濫用について/統治と治安の完成――自己を治める者が他者を治めるように治められる/多彩な療法の分散――その歴史と行方/経済の起源における債権債務関係の優越的地位――『道徳の系譜』と『通貨論』/残余から隙間へ――ベーシックインカムの社会福祉的社会防衛/国家の眼としての貧困調査/死に場所を探して/モラリズムの蔓延/資本主義の軛

著者:
小泉義之(こいずみ・よしゆき)1954年札幌生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科特任教授。近著に、『あたかも壊れた世界』(青土社、2019年)、『ドゥルーズの霊性』(河出書房新社、2019年)、『フーコー研究』(共編著、岩波書店、2021年)など。

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# by urag | 2021-06-08 02:59 | Comments(0)
2021年 06月 07日

ブルワー=リットン『来るべき種族』2刷出来

ブルワー=リットン『来るべき種族』(小沢正人訳、月曜社、2018年)の2刷が本日できあがりました。明日より取次搬入を開始いたします。皆様からのご発注をお待ちしております。

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# by urag | 2021-06-07 15:11 | Comments(0)
2021年 06月 06日

注目新刊:『原典 イタリア・ルネサンス芸術論(上・下)』名古屋大学出版会、ほか

注目新刊:『原典 イタリア・ルネサンス芸術論(上・下)』名古屋大学出版会、ほか_a0018105_03063298.jpg

原典 イタリア・ルネサンス芸術論【上巻】』池上俊一監修、名古屋大学出版会、2021年6月、本体9,000円、A5判上製524頁、ISBN978-4-8158-1026-9
原典 イタリア・ルネサンス芸術論【下巻】』池上俊一監修、名古屋大学出版会、2021年6月、本体9,000円、A5判上製506頁、ISBN978-4-8158-1027-6
受肉した絵画』ジョルジュ・ディディ=ユベルマン著、桑田光平/鈴木亘訳、水声社、2021年5月、本体3,500円、A5判上製244頁、ISBN978-4-8010-0558-7
マニエーラ・イタリアーナ――ルネサンス・二人の先駆者・マニエリスム:官能の庭Ⅰ』​マリオ・プラーツ著、伊藤博明/白崎容子/若桑みどり/上村清雄/森田義之訳、伊藤博明監修、ありな書房、2021年5月、 本体2,400円、A5判並製192頁、ISBN978-4-7566-2175-7

★『原典 イタリア・ルネサンス芸術論』上下巻は、美学から反芸術まで27の主題に30篇(ブルーノ、カミッロ、アルベルティ、チェッリーニ、デッラ・フランチェスカ、ベンボ、ヴァッラ、等々)の原典翻訳を一挙掲載した2冊本。2冊で税込2万円近くなる容赦ない値段ですが、ここでひるんで買い控えると後々後悔しますから、目をつぶってでも買い求めておくべき史料的価値の高い翻訳です。目次詳細はそれぞれの書名のリンク先でご確認いただけます。監修者の池上俊一さんはこれまでに名古屋大学出版会から、『原典 イタリア・ルネサンス人文主義』(2010年)、『原典 ルネサンス自然学』(上下巻、2017年)といった大冊のアンソロジーを手掛けておられ、この分野における継続的なご尽力にはただただ敬意を表すばかりです。

★誤解のないように補足しておくと、30篇のうちの1篇として前段では数えた、上巻第14篇の印刷術・書体論では、アルド・マヌーツィオの「関連史料」と題して、請願書、手紙、遺言書、の3点がおさめられていますし、さらにもう1篇、上巻第16篇のパトロン論「画家とパトロン」のパートでは、10点の歴史的資料(契約書や財産目録、嘆願書、書簡など)が訳出されています。版元サイトではそこまでの細目は記載されておらず、図書館が目次のデータ化を細かくやるか疑問なので、僭越ながらここに転記しておきます。

14 印刷術・書体論:アルド・マヌーツィオ「関連史料」
Ⅰ ヴェネツィア元老院への請願書(1496年)
Ⅱ ロレンツォ・ダ・パヴィアからイザベッラ・デステへの手紙(1501年)
Ⅲ アルド・マヌーツィオの遺言書(1515年)

16 パトロン論:「画家とパトロン」
(1)ピエロ・デッラ・フランチェスカとミゼリコルディア兄弟会の契約書。1445年6月11日。《ミゼリコルディア祭壇画》について
(2)ドメニコ・ギルランダイオとジョヴァンニ・トルナプオーニの契約書。1485年9月1日。サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂トルナプオーニ礼拝堂の壁画装飾について
(3)フィリポ・リッピからピエロ・デ・メディチ宛の書簡。1439年8月13日。窮状の訴え
(4)ベノッツォ・ゴッツォリからピエロ・デ・メディチ宛の書簡。1459年7月10日。メディチ邸マギ拝礼同の壁画装飾について
(5)メディチ家の財産目録(1492年)「ロレンツォの部屋」
(6)ルドヴィーコ・ゴンザーガからアンドレア・マンテーニャ宛の書簡。1458年4月15日。マントヴァ宮廷への招聘
(7)イザベッラ・デステからペルジーノ宛の書簡。1504年1月12日。《愛と貞節の戦い》について
(8)ティツィアーノからヴェネツィア共和国統領レオナルド・ロレダン宛の嘆願書。1516年1月18日。ドゥカーレ宮殿大評議会広間の装飾について
(9)フェデリコ・ゴンザーガからティツィアーノ宛の書簡。1531年3月5日。《改悛する聖マグダラのマリア》について
(10)メディチ家のコジモ一世からミケランジェロ宛の書簡。1557年5月8日。帰国の勧誘

★『受肉した絵画』は、ディディ=ユベルマンの初期作『La Peinture incarnée suivi du Chef-d'œuvre inconnu de Balzac』(Minuit, 1985)の全訳。訳者あとがきの文言を借りると、バルザックの小説『知られざる傑作』に対する「注釈のかたちで、絵画の生命という問題を色彩の観点から扱った」論考。「ジャック・ラカンやピエール・フェディダの精神分析から多くのインスピレーションを受けながら、ユベール・ダミッシュのバルザック論「絵画の下層」(『カドミウム・イエローの窓』〔水声社、2019年〕所収)の問題を美術史・文学史・思想史に目くばせしながら、さらに繊細に発展させたもの」とのことです。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。巻末には芳川泰久さんによる訳でバルザックの『知られざる傑作』が併載されています。これは『バルザック芸術/狂気小説選集(1)絵画と狂気篇:知られざる傑作 他』(水声社、2010年)から再録されたものかと思われます。

★訳者によれば『受肉した絵画』は初期作で晦渋さが目立つとのこと。本書巻頭「画家の懐疑(叡智)」の冒頭から引用します。「――絵画は思考する。どのように? これは恐るべき問いである。おそらく思考の手には負えない問いだろう。我々は手探りで模索する。導きの糸を捜し求めるのだ。ここではこの問いを、画家の叡智、すなわち画家の分別と学識の資質に関する問いとして取り組むつもりである。だが、そのように問いかけても、やはり一筋縄ではいかないだろう。おそらく問いは、ただすらされたにすぎないのだ。分別も学識も絶えず意味=感覚〔sens〕によって汚染され、損なわれ、意味=感覚として交錯してきたのであり、つまるところ、意味=感覚とともに作り上げられているのである。しかし、意味=感覚とはそれ自体ひとつの錯綜体、ひとつの倒錯である」(15頁)。

★『マニエーラ・イタリアーナ』は、プラーツの芸術論集『Il giardino dei sensi : studi sul manierismo e il barocco』(Mondadori, 1975)の全訳である『官能の庭――マニエリスム・エンブレム・バロック』(若桑みどり/森田義之/白崎容子/上村清雄/伊藤博明訳、ありな書房、1992年、品切)の「第一部と第二部をもとに、一部の論考をさしかえて刊行するもの」(監修者の伊藤博明さんによる「エピローグ」より)。既訳分は各訳者自身があらためて検討を加えたとのことで、故人である若桑さんと上村さんの担当分は伊藤さんが「新たに細部にわたって確認修正した」とのことです。

★本書は日本版オリジナル編集と言っていいであろう、新版『官能の庭』全5巻の第1巻。目次構成は書名のリンク先でご確認いただけます。全5巻の各巻書名は以下の通りです。

官能の庭(全5巻)
Ⅰ:マニエーラ・イタリアーナ――ルネサンス・二人の先駆者・マニエリスム
Ⅱ:アルミーダの庭――ペトラルカからエンブレムへ(仮)
Ⅲ:ベルニーニの天啓――17世紀の芸術(仮)
Ⅳ:官能の庭――バロックの宇宙(仮)
Ⅴ:マリオ・プラーツ――稀代の碩学の脳髄の中に(仮)

★旧版『官能の庭』は以下の通り5部構成でした。 1.二人の先駆者、2.マニエリスム研究、3.ペトラルカからエンブレムへ、4.17世紀の芸術、5.バロックの宇宙。新版の副題と旧版の部題の対照から考えると、新版は第4巻までで旧版のコンテンツをカバーし、第5巻はプラーツ論も含むのかなと想像できます。続刊が楽しみです。

★まもなく発売(10日発売予定)となるちくま学芸文庫の6月新刊5点を列記します。

『戦国乱世を生きる力』神田千里著、ちくま学芸文庫、2021年6月、本体1,300円、文庫判400頁、ISBN978-4-480-51030-3
『修験道入門』五来重著、ちくま学芸文庫、2021年6月、本体1,500円、文庫判480頁、ISBN978-4-480-51055-6
『戦争体験―― 一九七〇年への遺書』安田武著、ちくま学芸文庫、2021年6月、本体1,200円、文庫判304頁、ISBN978-4-480-51056-3
『山岡鉄舟先生正伝――おれの師匠』小倉鉄樹炉話、石津寛/牛山栄治手記、ちくま学芸文庫、2021年6月、本体1,500円、文庫判512頁、ISBN978-4-480-51057-0
『システム分析入門』齊藤芳正著、ちくま学芸文庫、2021年6月、本体1,100円、文庫判208頁、ISBN978-4-480-51061-7

★『戦国乱世を生きる力』は、中央公論新社のシリーズ「日本の中世」の第11巻(2002年)が親本。文庫化にあたり、著者自身による「ちくま学芸文庫版へのあとがき」が加わっています。それによれば「明白な誤記、事実誤認などは確認できた限り改めたが、それ以外は初刊行時のままである」とのことです。「現代日本が直面している困難な課題を思う時、過去に学ぶこともまた必要であるように思われる。〔…〕戦国びとの生きざまを知ることの重要さは〔初版刊行の〕20年前と少しも変わらないはずだ」。

★『修験道入門』は、角川書店より1980年に刊行された単行本が親本。著者は1993年に逝去されており、文庫化にあたり、慶應義塾大学名誉教授の鈴木正崇さんによる文庫版解説「五来重の修験道研究」が付されています。「本書は修験道の優れた概説書で、五来重(1908~1993)の活き活きとした描写によって修験道の歴史・思想・実践が明らかにされ、日本の文化や社会の中に修験道を位置づける役割を果たした」。「40年ぶりに読み直してみたが、まさに問題提起の書であり、今なお魅力を失っていない」と鈴木さんは評価されています。

★『戦争体験』は、戦中派の評論家・安田武(やすだ・たけし, 1922-1986)さんが戦争体験の語り難さと伝承の困難をめぐって1954年から1963年にかけて各種媒体で書き続けてきた文章を一冊にまとめたもので、1963年に未來社より刊行され、94年に朝文社より再刊された単行本の文庫化です。立命館大学の福間良明さんによる解説「安田武と「語り難さ」へのこだわり」が加えられています。「「わかりやすさ」に基づく「継承」が、何を取りこぼし、いかなる忘却を生み出してきたのか。本書『戦争体験』をはじめとする安田の戦争体験論は、こうした問いを現代に投げ掛けている」。

★『山岡鉄舟先生正伝』は1937年に春風館から刊行されたものの文庫化。幕末から明治時代を生きた山岡鉄舟の生きざまと歴史的事件の数々を、その内弟子である小倉鉄樹が直接見聞きしたことを自身の弟子たちに書き取らせたもの。巻末解説は、東洋大学教授・岩下哲典さんによる「ありありと描かれた幕末維新の人間模様」です。「「江戸無血開城」最大の功労者、鉄舟山岡鉄太郎の人となりを知ることができる『山岡鉄舟先生正伝――おれの師匠』が身近になった。現代の通用文字に置き換えられて出版されたことで、多くの人に読まれることになるのは、実に喜ばしい」。

★『システム分析入門』は文庫内シリーズ「Math&Science」の一冊。ちくま学芸文庫のために新たに書き下ろされたものとのことです。著者の齊藤芳正(さいとう・よしまさ, 1948-)さんはすでに同文庫で『はじめてのオペレーションズ・リサーチ』を昨春に再刊されています。今回の新著で紹介されるシステム分析というのは、巻頭の「はじめに」によれば「何をなすべきなのか」という意思決定の場に直面した時に適用すべき有用な方法、とのこと。その方法を分かりやすく説明したのが本書です。「政策決定、経営、資源配分、情報技術等、様々な局面で使用される意思決定の技法入門」(カバー表4紹介文より)。目次は以下の通りです。

はじめに
第1章 システム分析の意義
 第1節 システム分析の有用性
 第2節 従来の意思決定において陥りやすい落とし穴
第2章 システム分析の方法
 第1節 システム分析の一般的手順
 第2節 同質の機能を果たすシステム案の中から選択する場合
 第3節 異質の機能を果たすシステム案の中から選択する場合
第3章 システム分析の沿革
おわりに
参考文献
あとがき

★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。

未来派――百年後を羨望した芸術家たち』多木浩二著、コトニ社、2021年6月、本体3,600円、A5変型判並製352頁、ISBN978-4-910108-05-6 
日本の体罰――学校とスポーツの人類学』アーロン・L・ミラー著、石井昌幸/坂元正樹/志村真幸/中田浩司/中村哲也訳、共和国、2021年6月、本体3,600円、四六判並製404頁、ISBN978-4-907986-11-7
27クラブ――ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリクス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、エイミー・ワインハウス』ハワード・スーンズ著、萩原麻理訳、作品社、2021年6月、本体3,600円、四六判並製468頁、ISBN978-4-86182-852-2

★『未来派』は、評論家の多木浩二(たき・こうじ, 1928-2011)さんによる未来派関連の論考をまとめ、ご子息の多木陽介(たき・ようすけ, 1962-)さんによる翻訳で未来派関連の宣言11篇を付録として付したもの。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。第一章「未来派という現象」は『大航海』誌50号~58号(2004年4月~2006年4月)に連載された「未来派という現象」が初出で、第三章「機械・ファシズム、そして人間」は『映像の歴史哲学』(みすず書房、2013年)の第4章「未来派――二〇世紀を考える」からの収録。いずれも「事実や人名、日付の確認作業を行い、一部補訂・訂正・削除等をおこなったところがある」と、陽介さんによる「あとがきにかえて」に特記されています。第二章「未来派ギャラリー」は、未来派関連の絵画・彫刻・建築などの図版約120点を収録。サイズはA5判の左右のまま、天地の長さを2/3に縮めた横長本で、内容だけでなく造本も非常に印象的です。

★『日本の体罰』は、『Discourses of Discipline: An Anthropology of Corporal Punishment in Japan's Schools and Sports』(Institute of East Asian Studies, 2013)の全訳。「カリフォルニア在住の気鋭の日本研究者が、豊富な資料やフィールドワークを通して検証する、日本の体罰の現実とその思想的背景。すぐれた体罰論にして、現代日本社会論」(帯文より)。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。著者のアーロン・L・ミラー(Aaron L. Miller, 1980-)はカリフォルニア州立大学イーストベイ校およびセントメアリーズカレッジ・オブ・カリフォルニアの講師。ご専門は文化人類学と日本研究で、日本の大学で教壇に立たれたこともあります。本書が初めての訳書です。

★『27クラブ』は、『Amy 27: Amy Winehouse and the 27 Club』(Hodder & Stoughton, 2013)の全訳。帯文に曰く「27歳で夭折したスター(27クラブ)の中でも、最も有名な6人の天才ミュージシャンの生と死を横断的に描くバイオグラフィ」。原書名からも分かる通り、2011年に死去したエイミー・ワインハウスを中心として6人に共通する「物語」へ迫ろうとしています。著者のハワード・スーンズ(Howard Sounes, 1965-)は英国のジャーナリスト。 これまでに『ブコウスキー伝』(河出書房新社、2000年)や『ブコウスキー・イン・ピクチャーズ』(河出書房新社、2001年)、『ダウン・ザ・ハイウェイ――ボブ・ディランの生涯』(河出書房新社、2002年;新装版2016年)などの訳書があります。



# by urag | 2021-06-06 23:30 | Comments(0)