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2020年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊と近刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません)
◎2019年5月23日発売:『森山大道写真集成(4)光と影』本体6,000円。
◎2019年5月14日発売:『私の肌の砦のなかで』本体3,800円、叢書・エクリチュールの冒険第13回配本。
◎2019年4月26日発売:『表象13:ファッション批評の可能性』本体2,000円。
◎2019年3月22日発売:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』本体4,500円。
 志賀信夫氏書評「テキストの迷宮が絵画とは何かを問いかける」(「週刊読書人」2019年5月31日号)
 暮沢剛巳氏書評「グリーンバーグのモダニズム美術論の批判的克服、ある種の「親殺し」の書――ようやく実現した待望の邦訳の出版を素直に喜びたい」(「図書新聞」2019年6月15日号)
◎2019年3月6日発売:筧菜奈子『ジャクソン・ポロック研究』本体4,000円、シリーズ・古典転生第19回配本、本巻18。
 中島水緒氏短評(「美術手帖」2019年6月号「BOOK」欄)
◎2019年2月22日発売:ハナ・ロスチャイルド『パノニカ――ジャズ男爵夫人の謎を追う』本体2,700円。
 宮下志朗氏短評(「読売新聞」2019年5月5日付書評欄)
◎2019年2月20日発売:十和田市現代美術館編『毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする』本体2,200円。
◎2019年2月18日発売:須藤温子『エリアス・カネッティ――生涯と著作』本体3,500円、シリーズ・古典転生第18回配本、本巻17。
◎2019年2月1日発売:松江泰治『JP-34』本体3600円。
◎2018年12月17日発売:『森山大道写真集成(1)にっぽん劇場写真帖』本体6,000円。
◎2018年10月5日発売:東琢磨ほか編『忘却の記憶 広島』本体2,400円。
 好井裕明氏書評「読み応えのあるヒロシマ論――「記憶」の「劣化」を防ぐために」(「週刊読書人」12月8日号)
 渡邊英理氏書評「「忘却の口」=他なる記憶の穴へとはいりこむ――「信頼」への「信頼」を忘れていたかもしれないことに、わたしたちは本書を通じて気づくことができる」(「図書新聞」2019年1月19日号)
◎2018年10月1日発売:AYUO『OUTSIDE SOCIETY』本体2,000円。
 松山晋也氏書評「稀有な体験を糧に唯一無二の視点からの優れた音楽論」(「intoxicate」#137(2018 December)O-CHA-NO-MA REVIEW「BOOK」欄)
◎2018年8月20日発売:エドワード・ブルワー=リットン『来るべき種族』本体2,400円、叢書・エクリチュールの冒険第12回配本。
 冬木糸一氏短評(「SFマガジン」2018年12月号「OVERSEAS」欄)
 宇佐和通氏特集記事「地底世界の奇書『来るべき種族』解読:ナチス・ドイツを動かしたヴリル伝説の聖典」(月刊「ムー」誌2019年1月号)
◎2018年8月16日発売:ステファヌ・マラルメ『詩集』本体2,200円、叢書・エクリチュールの冒険第11回配本。
 岡山茂氏書評「ジャーナリズムへと戻る回路――長年のマラルメ研究に一つの区切り」(「図書新聞」2018年12月8日号)
 立花史氏書評「「理解可能なマラルメ」を追求――一般読者に親しみやすい現代語訳を」(「週刊読書人」2018年10月12日号)
◎2018年6月27日発売:岡田温司『アガンベンの身振り』本体1,500円、哲学への扉第2回配本。

◆重版情報
◎2019年5月10日:甲斐義明編訳『写真の理論』2刷。

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎品切重版検討中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷、バトラー『権力の心的な生』新版。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象02』『表象04』『表象05』『表象08』『表象09』、毛利嘉孝『文化=政治』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、ハーマッハー『他自律』、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』『新編燈火節』、竹内てるよ『静かなる夜明け』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』『書物の不在 第二版鉄色本』『謎の男トマ 初版本』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道写真集『新宿』『新宿+』『大阪+』『オン・ザ・ロード』『何かへの旅』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信
◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン
◎話題系:フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営
◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞
◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍

※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください。 
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# by urag | 2020-12-31 23:59 | ご挨拶 | Trackback(1) | Comments(21)
2019年 06月 18日

注目新刊:ギンズブルク『政治的イコノグラフィーについて』上村忠男訳、ほか

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★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳書:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳書:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『涜神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
イタリアの歴史学者カルロ・ギンズブルグ(Carlo Ginzburg, 1939-)の2015年の著書『Paura reverenza terrore』(『畏怖・崇敬・恐怖』)の訳書を先週上梓されました。「図像の発揮する政治的効果についての試論」と訳者あとがきで紹介されています。目次は書名のリンク先でご覧いただけます。

政治的イコノグラフィーについて
カルロ・ギンズブルグ著 上村忠男訳
みすず書房 2019年6月 本体4,800円 四六判上製264頁 ISBN978-4-622-08815-8
帯文より:イメージには権力を発揮する仕掛けが隠されている。神聖さを利用する世俗画、戦争ポスター、《ゲルニカ》。政治の言語とイメージの嘘を明かす図像学的実験。

★星野太さん(著書:『崇高の修辞学』)
先月末発売となった月刊誌『現代思想』2019年6月号「特集=加速主義――資本主義の疾走、未来への〈脱出〉」に掲載された、イギリス出身の哲学者レイ・ブラシエ(Ray Brassier, 1965-)さんの2014年の論考「さまよえる抽象」("Wandering Abstruction")の全訳を担当されています(78~99頁)。 星野さんによるブラシエ論文の日本語訳には「絶滅の真理」(『現代思想2015年9月号:絶滅――人間不在の世界』50~78頁)があり、また、星野さんによるブラシエ論には「暗き生――メイヤスー、ブラシエ、サッカー」(『現代思想2018年1月号:現代思想の総展望2018』164~175頁)。メイヤスー『亡霊のジレンマ――思弁的唯物論の展開』(青土社、2018年6月)と同じようにもう少し論文の本数が増えたらブラシエさんのオリジナル論文集ができそうですね。

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# by urag | 2019-06-18 13:52 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 17日

注目新刊:近藤和敬『〈内在の哲学〉へ』、バトラー『欲望の主体』

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★近藤和敬さん(著書:『カヴァイエス研究』、訳書:カヴァイエス『論理学と学知の理論について』)
2010年から2019年にかけて各媒体や研究会等で発表されてきた17本の論文をまとめ、書き下ろしの「序」、さらに「あとがきと謝辞」を付した最新著が、青土社さんより発売となりました。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

〈内在の哲学〉へ――カヴァイエス・ドゥルーズ・スピノザ

近藤和敬著
青土社 2019年6月 本体3,600円 四六判上製494+vi頁 ISBN978-4-7917-7169-1
帯文より:絶望と勇気! 現代思想の次なる航海。我々が〈現在〉の外へ出るために、いま〈内在の哲学〉の哲学的基盤が必要とされている。カヴァイエス、シモンドン、ドゥルーズ、バディウ、メイヤスーらを射程に、エピステモロジー、シミュラークル論、プラトニスムといった複線を展開、「内在」と「外」、そして「脳」へと、哲学界の俊英が思考の臨界に迫る。

★ジュディス・バトラーさん(著書:『自分自身を説明すること』『権力の心的な生』)
デビュー作にして代表作である『Subjects of Desire: Hegelian Reflections in Twentieth-Century France』(Columbia University Press, 1987/1999/2012)の日本語訳がついに刊行されました。書き下ろしの「日本語版への序文」も掲載されています。一般書店での発売はまもなくですが、堀之内出版さんの公式ストアではすでに購入可能です。目次詳細は版元ドットコムさんの単品頁でご覧いただけます。

欲望の主体――ヘーゲルと二〇世紀フランスにおけるポスト・ヘーゲル主義
ジュディス・バトラー著 大河内泰樹/岡崎佑香/岡崎龍/野尻英一訳
堀之内出版 2019年6月 本体4,000円 四六判上製492頁 ISBN978-4-909237-38-5
帯文より:「現代思想の源流としてのヘーゲルを別の仕方で読むこと。それは、全体化へと向かう単一の主体をずらし、変容を生み出す思想を可能にした。哲学のみならずさまざまな社会運動にも影響を与えつづけるバトラーの原点」(松本卓也)。

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# by urag | 2019-06-17 15:47 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 17日

「図書新聞」に須藤温子『エリアス・カネッティ』の書評が掲載

図書新聞」2019年6月22日号の1面に、弊社2月刊、須藤温子『エリアス・カネッティ――生涯と著作』の書評「死者たちの群衆の後に唯一者として「生き残る」――カネッティは実に多彩な思想的、芸術的問題と格闘していた」が掲載されました。評者は立教大学の古矢晋一さんです。「エリアス・カネッティの著作と生涯に含まれる魅力と問題を余すところなく描いている。本書全体の特徴は、作家とその作品を論じる際の絶妙なバランス感覚であろう。作品の内在的な解釈と同時に、同時代の言説との比較、周囲にいた作家や家族との関係、文学的評価の変遷と背景についても、先行研究を踏まえながら説得的かつ批判的に取り上げられている」と評していただきました。古矢先生、ありがとうございました。

# by urag | 2019-06-17 14:42 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 17日

リレー講義「文化を職業にする」@明星大学

先週土曜日(2019年6月15日)は、明星大学日野キャンパスにお邪魔し、人文学部共通科目「自己と社会Ⅱ:文化を職業にする」というリレー講義で発表させていただきました。今年はテーマを「小規模出版社の仕事」と題し、さまざまな規模の出版社の活躍や出版界の変化(出版社・取次・書店)についてご紹介しました。ご清聴いただきありがとうございました。担当教官の小林一岳先生に深謝申し上げます。受講された皆さんから頂戴したご質問に対し、ひとつひとつ回答を書きましたので、いずれ皆さんのお手元に配付されることと思います。また皆さんとお目に掛かってお話をする機会があれば幸いです。

◎「文化を職業にする」@明星大学
2012年6月16日「文化を職業にする」
2013年6月15日「独立系出版社の仕事」
2014年6月07日「変貌する出版界と独立系出版社の仕事」
2015年6月13日「独立系出版社の挑戦」
2016年6月11日「出版界の現在と独立系出版社」
2017年6月17日「出版社の仕事と出版界の現在」
2018年6月16日「出版社とは:仕事、現在、未来」
2019年6月15日「小規模出版社の仕事」

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なお、同大学資料図書館の貴重書コレクション展「ウィリアム・モリス――理想の書物を求めて」の第Ⅰ期(~6月22日まで)を鑑賞してきました。ケルムスコット・プレスの美麗な書物の数々は拝みたくなるような素晴らしさでした。明星大学の貴重書コレクションはすごいです。第Ⅱ期、第Ⅲ期と今年いっぱい開催予定。同展は事前予約制で学外でも入場無料。お土産に、紙製のブックカバーや栞などが配布されています。これも素敵でした。

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# by urag | 2019-06-17 12:11 | ご挨拶 | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 16日

注目新刊:ユング『分析心理学セミナー1925』創元社、ほか

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分析心理学セミナー1925――ユング心理学のはじまり』C・G・ユング著、ソヌ・シャムダサーニ/ウィリアム・マクガイア編、河合俊雄監訳、猪股剛/小木曽由佳/宮澤淳滋/鹿野友章訳、創元社、2019年6月、本体3,400円、A5判並製320頁、ISBN978-4-422-11708-9
変身物語 1』オウィディウス著、高橋宏幸訳、京都大学学術出版会、2019年5月、本体3,900円、四六変上製466頁、ISBN978-4-8140-0222-1

★『分析心理学セミナー1925』はユングが1925年にチューリッヒで行ったセミナーの記録『Introduction to Jungian Psychology: Notes of the Seminar on Analytical Psychology Given in 1925』(Princeton University Press, 1989/2012)の訳書です。アニエラ・ヤッフェ編『ユング自伝』(上下巻、みすず書房、1972~1973年)にはこのセミナーから選ばれたエピソードが複数あるといいます。編者のシャムダサーニは「2012年フィレモン・シリーズ版へのまえがき」でこう述べています。「ユングが行なった講義の中で、このセミナーほど多くの点で歴史的意義のあるものはない。後に『赤の書』に結実する彼の着想や自己実験の展開を、ユング自身の言葉で述べた唯一の信頼できる一次資料と言えるからである。それにもかかわらず、このセミナーはそれに相応しい注目を広く集めることがないままであった。本セミナーは1989年にウィリアム・マクガイアの編集により、ボーリンゲン・シリーズの一冊としてすでに出版されている。その水準はきわめて高いものであった。しかし『赤の書』が公刊されたことで、このセミナーは新たな相貌を見せる機会を得ることになった。ここで行なわれたユングの議論が新しい光のもとに照らし出されたからである。フィレモン・シリーズとして改訂した本書には、新たな序論を加えたほか、『赤の書』におけるユングの言及箇所を参照できるようにし、さらに新しい情報を注の中で、《2012年追記》として示してある」(9頁)。

★数々の印象的な講義の中から、第13講の講義末尾部分を引用します。「人は、他の人々にもたらす影響を通してのみ、自分が何者であるのかを知ることができます。このようなやり方で、自分の人格を創造するのです。意識についての話はこのくらいにしておきましょう。/無意識の側については、夢を通して推測することで作業をしなければなりません。意識と同じような目に映る範囲を想定しなければなりませんが、少し独特なのは、夢の中では人が厳密にいつもその人自身であるわけではないからです。無意識の中では性別すら必ずしも明確に定められるわけではありません。無意識の中にも事物が存在すること、つまり集合的無意識のイメージがあることを想定することができます。こういった事物とあなたの関係とは何でしょうか? それもはやり、女性です。もしあなたが現実において女性を手放すのなら、あなたはアニマの犠牲になります。男性が最も好まないのは、女性とのつながりが避けられないものであるという自分の感情です。男性が女性との関係を断ち切って自由になったと確信し、さて自分自身の内的世界を動きまわろうとするまさにその時こそ、注意してください。その男性は自分の母親の膝の上にいるのです!」(113頁)。

★『変身物語 1』は「西洋古典叢書」の2019年第1回配本。凡例によると本書は、プブリウス・オウィディウス・ナーソー『変身物語』全15巻の翻訳であり、第1分冊に第1~8巻、第2分冊に第9~15巻を収録する、と。底本はウィリアム・S・アンダーソン校訂によるトイプナー社1998年版。入手しやすい既訳には中村善也訳『変身物語』上下巻(岩波文庫、1981~1984年)がありますが、新訳は久しぶりのものです。解説に曰く「オウィディウス『変身物語』はギリシアを中心に、ローマは言うまでもなく、エジプトやアラビアなど東方に由来するものも含め、大小250あまりのさまざまな「変身」が関わる物語を連ねて、1万5千行あまりという大作をなしている。ギリシア・ラテン文学の中でもっともよく読まれ、また、後世の文学に限らず、さまざまな芸術にもっとも大きな影響を与えた作品の一つと言える。/その魅力はなにより、物語が心に引き起こす驚きの感興であろう。そんなことが現実に起きるはずがないと思いながら、物語は読者に不思議な情景を生き生きと思い描かせる」(410頁)。天地創造、人間の誕生と失墜、神が起こした大洪水による人間の殲滅と生き残りの男女に託された新世界――。めくるめく物語の渦が読者の想像力を捉えて離しません。付属の月報140には木村健治さんによる「オウィディウスの魅力」と、國方栄二さんによる連載「西洋古典雑録集」第14回が収められています。

★2019年の西洋古典叢書の刊行は全6点予定。そのなかにはカルキディウスによるプラトン『ティマイオス』の註解書(土屋睦廣訳)も予告されています。たいへん楽しみにです。

★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。

泰山――中国人の信仰』エドゥアール・シャヴァンヌ著、菊地章太訳注、東洋文庫:平凡社、2019年6月、本体3,200円、B6変判上製函入320頁、ISBN978-4-582-80895-7
加藤周一青春ノート 1937-1942』加藤周一著、鷲巣力/半田侑子編、人文書院、2019年5月、本体3,800円、4-6判上製346頁、ISBN978-4-409-04111-6
ボランティアとファシズム――自発性と社会貢献の近現代史』池田浩士著、人文書院、2019年5月、本体4,500円、4-6判上製400頁、ISBN978-4-409-52077-2
平成の天皇と戦後日本――平成の天皇と戦後日本』河西秀哉著、人文書院、2019年6月、本体2,000円、4-6判上製190頁、ISBN978-4-409-52078-9
野党が政権に就くとき――地方分権と民主主義』中野晃一著、中野真紀子訳、人文書院、2019年6月、本体2,700円、4-6判上製256頁、ISBN978-4-409-24125-7

★『泰山』は東洋文庫の第895弾で発売済。勉誠出版の「アシアーナ叢書」より2001年に刊行されたものの改訳版。凡例によれば本書は『Le T'ai chan : Essai de monographie d'un culte chinois』(Leroux, 1910)の第1章、第2章、第6章、結論を訳出したもの。「古文献と金石文のフランス語訳である第3章「封禅関係文献」、第4章「願文」、第5章「碑文」は訳出していない」とのことです。また、訳者あとがきによれば勉誠出版より刊行した後に「シャヴァンヌが参照したほぼすべての文献に目を通すことができた〔…〕訳注を大幅に増補し、初版以後に知り得た内外の研究成果を加えた」と。巻末に索引あり。古典的名著ゆえに旧訳版の古書価が安定的に高額でしたから、改訳版刊行は嬉しいです。訳者の菊地章太(きくち・のりたか:1959-)さんはシャヴァンヌ(Édouard Chavannes, 1865-1918)のもう一冊の訳書『古代中国の社――土地神信仰成立史』も東洋文庫から昨年上梓されています。また、すでに長らく絶版ですが、『司馬遷と史記』(岩村忍訳、新潮選書、1974年)という既訳書もあります。東洋文庫次回配本は8月、『神の書』とのこと。『鳥の言葉』と同じくアッタールの著書でしょうか。

★『加藤周一青春ノート 1937-1942』は発売済。加藤周一(かとう・しゅういち:1919-2008)さんが18歳から22歳(1937年から1942年)の頃、旧制高校時代から大学時代にかけて書かれ、歿後に書庫から発見された全8冊のノートから、若き日の思索や戦争時代の証言として貴重なものを選んで抄録したという一冊。編者による註、半田さんによる関連年譜、鷲巣さんによる解説とあとがきなどが付されています。樋口陽一さんの推薦文が帯に刷られています。曰く「のちにその作品群によって知性と感性のゆたかなポリフォニーを響かせることとなる秘密が、ここにある」。鷲巣さんはあとがきにこう綴っておられます。「本書は加藤を「神話化」するために刊行するのではない。未熟も稚拙も含めて読者に伝えることによって、加藤が時代といかに向き合い、自分自身をどのように鍛えたかを知って欲しい。加藤のありのままの姿から、私たちが考えること、学ぶことは多い。とりわけ加藤の青春時代と似た時代になりつつある今日を生きる人びとにとって、それらは示唆に富むに違いないと考えるからに他ならない」(337頁)。

★『ボランティアとファシズム』は発売済。日本やドイツの歴史を通じて、ボランティアという活動が「社会にとってとりわけ重要な意味を持ったのは、平穏な時代ではなく、危機の時代、「非常時」とも呼ばれた激動の時代において」(序章、16頁)であったことを明かします。「この表題は、ボランティアはファシストだ、とか、ボランティア活動はファシズムの一環だ、とか、主張しているのではありません。ファシズムとは、きわめて簡潔に言うなら、“危機の時代からの脱却や、危機的状況の解消を実現するための、全社会的・全国民的な運動の一形態”を言い表す概念です。このファシズムと、私たちに身近なボランティア活動という、それ自体なんの関係もない二つの名詞が、私たちの歴史のなかで、いわば切っても切れない関係を与えられてきたという事実を、私たちは持っているのです。この歴史的な現実を、いまあらためて見つめ直したい――というのが、本書のモティーフにほかなりません」(16~17頁)。

★『平成の天皇と戦後日本』はまもなく発売。帯文に曰く「現代天皇制研究の第一人者が描く、明仁天皇の半生」と。あとがきによれば本書は2016年に洋泉社の「歴史新書y」の1冊として刊行された『明仁天皇と戦後日本』の増補版とのこと。目次詳細は書名のリンク先でご覧いただけます。「本書の試みによって、象徴天皇制が戦後社会にあってどのような位置づけにあり、それがどのように変化しているのかもわかるはずである。明仁天皇の歩みを通して、戦後社会の姿や象徴天皇制とは何かを明らかにする試みとしたい」(はじめに、11頁)。増補されたのは、2016年以降の出来事を記した「終章 「平成流」の完成へ」。著者の河西秀哉(かわにし・ひでや:1977-)さんは神戸女学院大学文学部准教授。近著に『天皇制と民主主義の昭和史』(人文書院、2018年)、『近代天皇制から象徴天皇制へ』(吉田書店、2018年)などがあります。

★『野党が政権に就くとき』はまもなく発売。上智大学国際教養学部の学部長をおつとめの中野晃一(なかの・こういち:1970-)さんが2010年に刊行された著書『Party Politics and Decentralization in Japan and France: When the Opposition Governs』(Routledge, 2010)の、中野真紀子さんによる日本語訳に著者自身が加筆修正を施したものです。「1980年代のフランスと1990年代の日本における地方分権改革の政治過程を取り上げ」、「野党、政党間競争、そして政権交代という政党政治の力学が、自由民主主義の深まりに寄与するメカニズムを解明しようと試みるもの」(序、7頁)。「本書で注目するのは、日仏の社会党という野党が、ともに数十年の在野を経てようやく政権を獲得するに至った時、初めて歴史に残る地方分権改革が推し進められたという事実である」(8頁)。「政権交代と連立政権入りという日仏の違いが政策過程や政策結果にもたらした影響についても詳細に論じる」(同)。

★「今日、あえて本書を世に問う意味としては、1994年に小選挙区制が導入されて以降、とりわけ日本において新自由主義的とも言えるシュンペーター流の自由民主主義観が広く一般に浸透してしまい、ともすれば政党間競争を通じた野党による民主主義の深化が等閑視される傾向が強いことがあげられる。「政権担当能力」というかなり意味内容の怪しい言葉が喧伝され、野党の存在意義があたかも「代替与党」としてしかないかのような状況がつづいてきたと言わざるを得ない。主要政策や政治手法に関して大幅な現状追認を前提にしない限り、野党は「反対や批判ばかりで現実的ではない」と論評され、「政権担当能力のなさが危ぶまれる」というまことしやかな誹謗を繰り返し受けてきた」(12頁)。

★「選挙で自公政権与党を合わせて圧倒的な多数を得ていることをもって、安倍政権は民主的な正当性を主張するわけだが、実際には、野党の分断、投票率の低迷、そして小選挙区制の歪みの三つの要因によって、得票率から著しく乖離し「水増し」された議席数を獲得しているにすぎない。安倍自民党は、2012年12月、2014年12月、2017年10月と3回つづけて公明党と合わせて議席の三分の二を超える圧勝を遂げているが、2009年8月に民主党に惨敗し下野した際に麻生自民党が獲得した得票数を下回りつづけていることが何よりも明確にこのことを裏書きしている」(14~15頁)。

★「本書の事例が明らかにしたのは、オポジションであること(つまり政権与党に反対し、厳しく対峙すること)と、政権与党に代わりうるオルタナティブとなることは矛盾しないし両立する、ということである。これは言い換えれば、ともすると「対決」か「対案」か、という二元論に陥りがちな日本における野党のありかたをめぐる論争そのものを斥けるものである。政権与党の設定したアジェンダに乗ることをもって「対案」型というならば、そのような野党は永遠に政権の補完勢力に終わるだろう。むしろ明確に「対決」した上で、野党であることを踏まえて市民社会の声をすくいあげた別の政策アジェンダを「提案」することができてはじめて、野党〔オポジション〕はオルタナティブになりえる」(あとがき、250頁)。

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# by urag | 2019-06-16 23:55 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 13日

ブックツリー「哲学読書室」に木澤佐登志さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『ニック・ランドと新反動主義』(星海社新書、2019年5月)の著者、木澤佐登志さんによるコメント付き選書リスト「いまさら〈近代〉について考えるための5冊」が「哲学読書室」が追加されました。以下のリンク先一覧からご覧になれます。

◎哲学読書室
1)星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
2)國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
3)近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
4)上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
5)篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
6)渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
7)西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
8)岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
9)金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
10)藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
11)吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
12)高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
13)杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
14)河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
15)岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
16)吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
17)明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
18)相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
19)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん/洪貴義(ほん・きうい:1965-)さん選書「反時代的〈人文学〉のススメ
20)権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
21)河南瑠莉(かわなみ・るり:1990-)さん選書「後期資本主義時代の文化を知る。欲望がクリエイティビティを吞みこむとき
22)百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える
23)津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さん選書「哲学書の修辞学のために
24)堀千晶(ほり・ちあき:1981-)さん選書「批判・暴力・臨床:ドゥルーズから「古典」への漂流
25)坂本尚志(さかもと・たかし:1976-)さん選書「フランスの哲学教育から教養の今と未来を考える
26)奥野克巳(おくの・かつみ:1962-)さん選書「文化相対主義を考え直すために多自然主義を知る
27)藤野寛(ふじの・ひろし:1956-)さん選書「友情という承認の形――アリストテレスと21世紀が出会う
28)市田良彦(いちだ・よしひこ : 1957-)さん選書「壊れた脳が歪んだ身体を哲学する
29)森茂起(もりしげゆき:1955-)さん選書「精神分析の辺域への旅:トラウマ・解離・生命・身体
30)荒木優太(あらき・ゆうた:1987-)さん選書「「偶然」にかけられた魔術を解く
31)小倉拓也(おぐら・たくや:1985-)さん選書「大文字の「生」ではなく、「人生」の哲学のための五冊
32)渡名喜庸哲(となき・ようてつ:1980-)さん選書「『ドローンの哲学』からさらに思考を広げるために
33)真柴隆弘(ましば・たかひろ:1963-)さん選書「AIの危うさと不可能性について考察する5冊
34)福尾匠(ふくお・たくみ:1992-)さん選書「眼は拘束された光である──ドゥルーズ『シネマ』に反射する5冊
35)的場昭弘(まとば・あきひろ:1952-)さん選書「マルクス生誕200年:ソ連、中国の呪縛から離れたマルクスを読む。
36)小林えみ(こばやし・えみ:1978-)さん選書「『nyx』5号をより楽しく読むための5冊
37)小林浩(こばやし・ひろし:1968-)選書「書架(もしくは頭蓋)の暗闇に巣食うものたち
38)鈴木智之(すずき・ともゆき:1962-)さん選書「記憶と歴史――過去とのつながりを考えるための5冊
39)山井敏章(やまい・としあき:1954-)さん選書「資本主義史研究の新たなジンテーゼ?
40)伊藤嘉高(いとう・ひろたか:1980-)さん選書「なぜ、いま、アクターネットワーク理論なのか
41)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん選書「映画論で見る表象の権力と対抗文化
42)門林岳史(かどばやし・たけし:1974-)さん選書「ポストヒューマンに抗して──状況に置かれた知
43)松山洋平(まつやま・ようへい:1984-)さん選書「イスラムがもっと「わからなく」なる、ナマモノ5選
44)森田裕之(もりた・ひろゆき:1967-)さん選書「ドゥルーズ『差異と反復』へ、そしてその先へ
45)久保田晃弘 (くぼた・あきひろ:1960-)さん選書「新たなる思考のためのメタファーはどこにあるのか?
46)亀井大輔(かめい・だいすけ:1973-)さん選書「「歴史の思考」へと誘う5冊
47)須藤温子(すとう・はるこ:1972-)さん選書「やわらかな思考、奇想の知へようこそ!
48)斎藤幸平(さいとう・こうへい:1987-)さん選書「マルクスと環境危機とエコ社会主義
49)木澤佐登志(きざわ・さとし:1988-)さん選書「いまさら〈近代〉について考えるための5冊

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# by urag | 2019-06-13 16:29 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 10日

注目既刊書:アリザール『犬たち』、ビュルガ『猫たち』、『イメージ学の現在』

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★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
法政大学出版局さんから先月、フランスの哲学者マルク・アリザール(Mark Alizart, 1975-)さんとフロランス・ビュルガ(Florence Burgat, 1962-)さんのそれぞれの著書の共訳書を上梓されました。それぞれの内容紹介や目次は書名のリンク先でご覧いただけます。

犬たち
マルク・アリザール著、西山雄二/八木悠允訳
法政大学出版局、2019年5月、本体2,000円、四六判上製182頁、ISBN978-4-588-13027-4
帯文より:喜びに身を寄せる思想家の物語

猫たち
フロランス・ビュルガ著、西山雄二/松葉類訳
法政大学出版局、2019年5月、本体1,800円、四六判上製134頁、ISBN978-4-588-13028-1
帯文より:見知らぬ者とともに生きる哲学

★竹峰義和さん(訳書:メニングハウス『生のなかば』、共訳:シュティーグラー『写真の映像』)
★岡田温司さん(著書:『アガンベンの身振り』)
★門林岳史さん(共訳:リピット水田堯『原子の光(影の光学)』)
★清水一浩さん(共訳:ガルシア・デュットマン『友愛と敵対』)
★ヴィンフリート・メニングハウスさん(著書:『生のなかば』)
東京大学出版会さんより4月に発売されたアンソロジー『イメージ学の現在』にそれぞれ寄与されています。竹峰さんは論考「点になること――ヴァイマル時代のクラカウアーの身体表象」を寄稿され、岡田さんはフェリックス・イェーガーの論文「君主の補綴的身体――一六世紀における甲冑・解剖学・芸術」を翻訳。門林さんは論文「メディウムを混ぜかえす――映画理論から見たロザリンド・クラウスの「ポストメディウム」概念」を寄稿し、清水さんはホルスト・ブレーデカンプの論文「イメージと自然との共生――ネオ・マニエリスムにむけて考える」を翻訳。メニングハウスさんは論文「言語と文学の経験美学――旧来の文学研究よりうまく処理できること、そしてできないことは何か?」を寄せておられます。アンソロジー全体の目次は書名のリンク先でご確認いただけます。

イメージ学の現在――ヴァールブルクから神経系イメージ学へ
坂本泰宏/田中純/竹峰義和編
東京大学出版会、2019年4月、本体8,400円、A5判上製550頁、ISBN978-4-13-010140-0
帯文より:「目は光学的レンズで見るのではない。レンズの背後の「迷宮としての世界」(G・R・ホッケ、1957)という名の脳で見る。「ひとは目を目がいかに見るかを見るためにこそ必要とする」(B・グラシアン、1657)という幻惑の大逆説で始まったマニエリスム知の300年に、1990年代、「脳の10年」を経て今、神経系イメージ学が応答の総力戦を開始した。知の究極だ。学術またマニエリスムに憑依されたからである」(高山宏)。

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# by urag | 2019-06-10 12:51 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 09日

注目新刊:小泉義之『ドゥルーズの霊性』河出書房新社、ほか

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ドゥルーズの霊性』小泉義之著、河出書房新社、2019年6月、本体3,900円、46変形判上製384頁、ISBN978-4-309-24912-4
ウンベルト・エーコの文体練習[完全版]』ウンベルト・エーコ著、和田忠彦訳、河出文庫、2019年6月、本体1,200円、文庫判336頁、ISBN978-4-309-46497-8
ぼそぼそ声のフェミニズム』栗田隆子著、作品社、2019年5月、本体1,800円、ISBN 978-4-86182-751-8

★『ドゥルーズの霊性』はまもなく発売。1991年から2019年まで各媒体で発表されてきた論文14本に書き下ろし「フーコーの霊性」を加えた1冊。後書によれば「これまでドゥルーズ哲学について書いてきたもののなかから8論文を選び、関連する6論文をあわせて編んだものである。〔…〕堅実に研究を進めていたなら、ドゥルーズについてであれ、ホッブズかスピノザについてであれ、もっとまとまったものにできたはずであるが、〔…〕なかなかそうもいかなかった〔…〕一哲学徒の苦戦ぶりを眺めて、その先へ進んでいただければ、と思っている」とあります。目次を以下に転記しておきます。

ドゥルーズの霊性――恩寵の光としての自然の光
Ⅰ 生命/魂
 ドゥルーズにおける普遍数学――『差異と反復』を読む
 ドゥルーズにおける意味と表現
 ドゥルーズにおける意味と表現(2)表面の言葉
 ドゥルーズにおける意味と表現(3)器官なき身体の娘たち
 出来事(事象)としての人生――ドゥルーズ『意味の論理学』における
Ⅱ 政治/倫理
 ドゥルーズ/ガタリにおける政治と哲学
 フーコーのディシプリン――『言葉と物』と『監獄の誕生』における生産と労働
 戦時-戦後体制を貫くもの――ハイデガー(「ヒューマニズム書簡」と「ブレーメン講演」)の場合
 思考も身体もままならぬとき――ドゥルーズ『シネマ』から
Ⅲ 自然/善
 〈自然状態〉の論理と倫理――ホッブズについて
 自己原因から自己保存へ――スピノザ『エチカ』をめぐって
 インテリゲンティアの幸福――『エチカ』第四部をめぐって
 最高善の在処
フーコーの霊性――真の生と真の世界、あるいは蜂起と歴史
後書

★「芸術作品が霊的な帝国を垣間見させる形像として差し出すのが、〈来たるべき民衆〉である。現世において、集団的な魂が〈来たるべき民衆〉になること、それがドゥルーズの霊性である」(38頁)。「国家による統治とは別の統治〔…〕地域共同体、宗教共同体による自己統治である。〔…〕フーコーは、この別の統治を支えている宗教性、あるいはむしろ霊性に注意を向ける」(374頁)。「真なる生とは、国家による統治とは別の自己統治を推し進める生のことだけではなく、国家による弾圧で殺された死者の霊魂、蜂起で斃れた人間の亡霊、聖なる者の魂、それら不可視のものが彷徨い取り憑く次元、復讐をもたらす怨霊だけではなく救済をもたらす善霊もそこに宿るような次元、それが現前化するような政治的な生のことでもある」(375頁)。「蜂起は歴史を断つ。それは、蜂起が、他界に関わっているからである。〔…〕この霊性の蜂起こそが、歴史を開く。この世での真なる生こそが、死後の世界、未来の真なる世界を開くのである」(377頁)。「この熱情的な霊性を、最後のフーコーは語ろうとしていたのである」(378頁)。

★『ウンベルト・エーコの文体練習[完全版]』は、新潮社より1992年に刊行された単行本『ウンベルト・エーコの文体練習』(1999年に新潮文庫で再刊)に、月刊誌「新潮」1997年1月号の特集「ウンベルト・エーコの挑戦状」を追補して再文庫化したもの。新潮社版『ウンベルト・エーコの文体練習』は『ささやかな日誌』(Diario minimo, Bompiani, 1963)から12篇を選んで収録し、エーコによる日本語版への序文と、訳者の和田さんによるエーコとの交友をめぐるエッセイを付したもの。今回の河出文庫版は、さらにここに月刊誌「新潮」1997年1月号の特集「ウンベルト・エーコの挑戦状」に掲載された、『ささやかな日誌2』(Il secondo diario minimo, Bompiani, 1992)から選ばれた8篇とエーコによる特集への前口上と訳者によるエッセイを再録し、巻末に「文庫版訳者あとがき」を加えたもの。目次は以下の通りです。

第1部
序――もしわたしが日本語を知っていたら
ノニータ
新入り猫の素描〔エスキス〕
もうひとつの至高天
物体
芸術家マンゾーニの肖像の再浮上〔くびきり〕による反復行為〔かくされたいみ〕の散策〔じゅにく〕のための彼の虚構化〔じじつこうせい〕をめぐる小生の分析〔ぐろう〕
ポー川流域社会における工業と性的抑圧
フランティ礼讃
息子への手紙
変則書評三篇
アメリカ発見
あなたも映画を作ってみませんか
涙ながらの却下〔ボツ〕――編集者への読者レポート
楽しみはつづかない――ウンベルト・Eの文学遊戯(和田忠彦)
第2部
ささやかな挑戦状
帝国の地図(縮尺1/1)
編集チェック
かくれん本
定量分析批評概要
調子はいかが?
聖バウドリーノの奇蹟
教官公募
取扱い説明書
エーコは霧のむこうに(和田忠彦)
文庫版訳者あとがき

★『ぼそぼそ声のフェミニズム』は、2007年から2018年にかけて各媒体で発表されてきた論考10本を加筆修正し、書き下ろしの論考「「愚かさ」「弱さ」の尊重」と「はじめに ぼそぼそ声のフェミニズム」「あとがき」を加えて1冊にまとめたもの。目次詳細は書名のリンク先でご覧いただけます。「現在、家事等の労働を外国の人に委託し、移民とさえ認めずに「人材」を輸入しようという動きが日本にはある。このような立場の女性を無視して、あるいは無自覚に利用して「社会進出」をなしたと考えることこそが、フェミニズムだとしたら、恐ろしい。「国内の優秀な女性」のために「国外の女性」が不安定な条件で働くのを当然と考えるとしたら……『ぼそぼそ声のフェミニズム』は、こんな構図を「見なかったこと」にはできない。こぶしを上げて闘えなくても、ぼそぼそとつぶやき続ける」(21~22頁)。「様々な支配的な状況や抑圧を単純に弾き飛ばすのではなく、その支配的価値観をわが身に抱え込んで、四苦八苦しながらなおも、社会の柔順なコマにはそうそう簡単になれない、ならない体や心を抱えているところに、今は可能性を感じている」(142頁)。

★次に、まもなく発売となるちくま学芸文庫の6月新刊を列記します。

『書き換えられた聖書』バート・D・アーマン著、松田和也訳、ちくま学芸文庫、2019年6月、本体1,400円、文庫判384頁、ISBN978-4-480-09928-0
『柳宗悦 美の菩薩』阿満利麿著、ちくま学芸文庫、2019年6月、本体1,000円、文庫判240頁、ISBN978-4-480-09922-8
『台湾総督府』黄昭堂著、ちくま学芸文庫、2019年6月、本体1,200円、文庫判288頁、ISBN978-4-480-09932-7
『増補 中国「反日」の源流』岡本隆司著、ちくま学芸文庫、2019年6月、本体1,200円、文庫判352頁、ISBN978-4-480-09927-3
『現代数学概論』赤攝也著、ちくま学芸文庫、2019年6月、本体1,400円、文庫判368頁、ISBN978-4-480-09929-7

★『書き換えられた聖書』は2006年に柏書房より刊行された単行本『捏造された聖書』の改題文庫化です。原著は『Misquoting Jesus: The Story Behind Who Changed the Bible and Why』(HarperSanFrancisco, 2005:『イエスの誤引用――聖書を改変した人々とその理由の背後にある物語』)。文庫版解説は東京大学大学院総合文化研究科准教授の筒井賢治さんがお書きになっています。著者のアーマン(Bart Denton Ehrman, 1955-)は聖書学者。これまでに本書のほか、『破綻した神キリスト』(松田和也訳、柏書房、2008年)、『キリスト教成立の謎を解く――改竄された新約聖書』(津守京子訳、柏書房、2010年)、『キリスト教の創造――容認された偽造文書』(津守京子訳、柏書房、2011年)などの訳書があります。

★『書き換えられた聖書』の「はじめに」にはこう書かれています。「本書のテーマは新約聖書の古い写本の数々と、そこに見出される相違点、それに聖書を複製しつつ、時にそれを改竄した書記たちの物語だ。とても自叙伝の鍵にはなりそうもないテーマだが、事実そうなんだからしかたがない。事実は小説よりも奇なりというわけだ」(11頁)。「本文批評については何も知らないけれど、書記たちが聖書をどんなふうに改竄したのか、なぜそんなことが解るのかというようなことに興味を持ってくださるあなたのために書いた。〔…〕今の新約聖書がどうやって出来たのか、オリジナルの著者のことばがわからないとはどういうことなのか、その言葉がどんな興味深い理由で改竄されたのか、そして私たちが厳密な分析方法をどんなふうに適用し、本物のオリジナルな言葉を再現していくか、というようなことに興味を持つあなたなら、楽しんで読んでいただけると思う」(35頁)。



★『柳宗悦 美の菩薩』は1987年にリブロポートから刊行された単行本を増補し文庫化したもの。文庫化に際し、補章「「美の菩薩」をめぐって」が加えられ、陶工・鈴木照雄さんによる解説「私にとって柳宗悦とは何か」が巻末に配されています。「はじめに」で著者はこう書いています。「本文においてくわしくのべるように、〈宗教的人間〉であることが柳宗悦の本領なのである。宗教がどういうものであるかを熟知した上で、宗教をさらに美の形で追求しようとしたのである」(8頁)。「菩薩とは、いつ実現するともわからない理想に命を捧げ続ける人のことであり、この言葉には、人間の悲願がこめられている。その悲願に私は共感するのであり、柳宗悦の、この世をすべて美しいもので埋めつくそうとした生き方は、私にとっては菩薩と表現するしかないのである」(9頁)。

★『台湾総督府』は1981年に教育社から刊行された、昭和大学名誉教授・黄昭堂(こう・しょうどう:1932-2011)さんの単独著の文庫化。巻末には中京大学法学部教授・檜山幸夫さんによる解説が付されています。檜山さんは本書を「台湾人研究者による台湾近代史概説書であるとともに、日本統治下台湾紙の概説書〔…〕親日的ともいわれる台湾人の対日感情の形成は、日本統治下の台湾の歴史にあっただけではなく、台湾の戦後史に原因していた〔…〕それを、台湾総督府による統治という歴史を解くことにより論じたのが本書である」と紹介されています。

★『増補 中国「反日」の源流』は、2011年に講談社選書メチエの1冊として刊行されたものを増補し文庫化したもの。補論「日中関係を考える――歴史からのアプローチ」、文庫版あとがき、東京大学大学院法学政治学研究科教授の五百旗頭薫さんによる解説が加えられています。文庫版あとがきによれば「誤植の訂正や表現の改善を除いて、ほとんど手を入れていない。しかし旧版そのまま、というのも、あまりに藝がないので、小著のレジュメ・ダイジェストも兼ねるような増補を施した」(323頁)。「日中関係はやはり底が知れない。それを解きほぐすには、互いの真摯な探求と考察が不可欠である」(324頁)。

★『現代数学概論』は1976年に筑摩書房の「数学講座」第1巻として刊行されたものの文庫化。数学者の赤攝也(せき・せつや:1926-)さんの単独著のちくま学芸文庫での文庫化は、『集合論入門』『確率論入門』『現代の初等幾何学』に続く4点目。巻頭には「文庫化に際して」という新たな序文が付され、巻末には「文庫版付記」が加えられています。親本からそのまま掲載された「まえがき」によれば、本書は雑誌「数理科学」に連載した記事「数学概論」に大幅な加筆を施したもので、「現代数学の地図である」とのことです。「集合」「写像とグラフ」「群論ABC」「数学的構造」「数学の記号化」「集合と数の基本法則」「論理の法則」「トートロジー」「論理の完全性」「計算とは何か」の全10章。

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★遠からず言及しようと機会を伺いつつなかなか触れることのできなかったここしばらくの既刊書について、書名と誌名を列記します。過去に何度か経験したことがありますが、たまにエキブロでは入力したテキストデータがアップに失敗した場合、すべて消えてしまうということがあったりします。バックアップを取らずに直接入力した場合には悲惨なことになります。以下の既刊書への言及はそうした消失の苦難を経て再構成されたものです。

フィルカル Vol. 4, No. 1』ミュー、2019年3月、本体1,800円、A5判並製436頁、ISBN978-4-943995-21-0
しししし2 特集:ドストエフスキー』双子のライオン堂出版部、2019年1月、本体1,800円、A5判並製188頁、ISBN978-4-9909283-5-3
社会学史』大澤真幸著、講談社現代新書、2019年3月、本体1,400円、新書判640頁、ISBN978-4-06-288449-5
原始文化(上)』エドワード・バーネット・タイラー著、松村一男監修、奥山倫明/奥山史亮/長谷千代子/堀雅彦訳、国書刊行会、2019年3月、本体6,600円、A5判上製626頁、ISBN978-4-336-05692-4
後期スコラ神学批判文書集』マルティン・ルター著、金子晴勇訳、知泉書館、2019年4月、本体5,000円、新書判上製402頁、ISBN978-4-86285-293-9
トマス・アクィナス 霊性の教師』J.-P.トレル著、保井亮人訳、知泉書館、2019年4月、本体6,500円、新書判上製708頁、ISBN978-4-86285-294-6
対話集』デジデリウス・エラスムス著、金子晴勇訳、知泉書館、2019年4月、本体5,000円、新書判456頁、ISBN978-4-86285-295-3
新訳 夢判断』フロイト著、大平健編訳、新潮社、2019年4月、本体2,500円、四六判変型上製464頁、ISBN978-4-10-591007-5
人類、宇宙に住む――実現への3つのステップ』ミチオ・カク著、斉藤隆央訳、NHK出版、2019年4月、本体2,500円、四六判上製456頁、ISBN978-4-14-081776-6
姿勢としてのデザイン――「デザイン」が変革の主体となるとき』アリス・ローソーン著、石原薫訳、フィルムアート社、2019年4月、本体2,300円、四六判並製252頁、ISBN978-4-8459-1832-4

★『フィルカル』第4巻第1号は特集2本立てで、「ポピュラー哲学」と「『映画で考える生命環境倫理学』」。後者は勁草書房さんから2月に刊行されたアンソロジーのスピンオフ企画とのことです。特別寄稿は一ノ瀬正樹さんによる「リズムの時間遡及的本性についての哲学ノート――「音楽化された認識論」への小さなインタールード」。「あなたはすでに見越しているだろう。私の議論も一つのリズムである、と。その響きが反響され、別のリズムが律動してくること、それがこの世界のゆらぎゆく姿なのである」(14頁)。翻訳はドナルド・ジャッド「特殊な物体」(河合大介訳:"Specific Objects" in Arts Yearbook 8, 1965)。

★『しししし』第2号は特集「ドストエフスキー」。山城むつみさんによる「ドストエフスキーの目玉にあたる」や、吉川浩満さんによる「ひがむ力――ドストエフスキーのエモーションハッキング」などを収めています。山城さんは特別企画「作品はだれのものなのか」で横田創さんと対談しておられます。本屋初の文芸誌は今号も温かみのある充実した誌面で楽しませてくれます。

★『社会学史』は、古代ギリシア哲学(アリストテレス)から思弁的実在論(メイヤスー)まで、大澤さんならではの明晰な通史を平明な講義スタイルで読むことができます。実際に本書は講談社の会議室で行われた講義を基にしているとのことです。索引を付しているのも親切。

★『原始文化』上巻は「宗教学名著選」全6巻の第4回配本。上巻には第11章「アニミズム(1)」までを収録。同シリーズでは、同下巻とラッファエーレ・ペッタッツォーニ『神の全知――宗教史学論集』の2点の続刊を待つのみとなりました。問答無用で買い揃えるべき名シリーズです。

★『後期スコラ神学批判文書集』『トマス・アクィナス 霊性の教師』『対話集』は「知泉学術叢書」の第6~8巻。金子晴勇さんの訳書が立て続けに刊行されたことも驚きですが、知泉書館さんでは今月より新訳「ヘーゲル全集」の刊行を開始されています。古典の訳書と高度な学術書を続々と出版される知泉書館さんのご活躍にただただ感嘆するばかりです。

★『新訳 夢判断』は精神科医の大平健(おおひら・けん:1949-)さんによる新訳。訳者まえがきによれば「ほぼ全体の骨格が出来上がったドイツ語版第4版と最後の加筆の行われた同第8版のふたつを元に"編訳"し、道標とも言うべき注を細かく付けました。いわばレジデント(研修医)用の敷衍訳」とのことです。

★『人類、宇宙に住む』は『The Future of Humanity: Terraforming Mars, Interstellar Travel, Immortality, and Our Destiny Beyond Earth』(Allen Lane, 2018)の訳書。目次詳細は書名のリンク先でご覧ください。版元サイトでは、カク博士への特別インタビュー「今世紀中に人類は、火星に住むようになる!」「地球外生命は存在する」が掲載されています。本書は主に理工書で売られるものかと思いますが、ここしばらくの注目新刊の流れで言えば、「現代思想」2019年6月号(特集:加速主義)や、木澤佐登志さんの2著『ダークウェブ・アンダーグラウンド』(イーストプレス)と『ニック・ランドと新反動主義』(星海社新書)、ブライドル『ニュー・ダーク・エイジ』(NTT出版)、ブライドッティ『ポストヒューマン』(フィルムアート社)などと共に併売・併読されるのがもっとも刺激的だと思います。こんな時に、ティモシー・リアリーの『神経政治学』(山形浩生訳、トレヴィル、1989年)や『大気圏外進化論』(菅靖彦訳、リブロポート、1995年)、ジョン・C・リリー『バイオコンピュータとLSD』(菅靖彦訳、リブロポート。1993年)、セオドア・ローザク『意識の進化と神秘主義』(志村正雄訳、紀伊國屋書店、1978年/1995年)などが文庫化されればいっそう面白くなるのですが。




★『姿勢としてのデザイン』は『Design as an Attitude』(JRP Ringier, 2018)の全訳。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。プロローグによれば本書はアートマガジン「フリーズ」で2014~2017年に連載した「By Design」というコラムに基づいたものとのこと。「それ〔デザイン〕は一貫して「世の中に起こるあらゆる変化――社会、政治、経済、科学、技術、文化、環境、その他――が人々にとってマイナスではなくプラスに働くように翻訳する《変革の主体》としての役割」を担ってきた。かつてないほどのスピードと規模の変化がさまざまな局面で起こり、リスクも多いこの激動の時代に、デザイナーたち(本職かどうかにかかわらず)は、その役割をどのように果たしているのか。それを本書で取り上げる」(11頁)。巻末の「デザイナーとデザインプロジェクト」では、日本からは柳宗悦さんと柳宗理さんのお二人が紹介されています。

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# by urag | 2019-06-09 23:13 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 06月 07日

クラウス『視覚的無意識』の書評が「週刊読書人」と「図書新聞」に掲載

弊社3月刊、ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』の書評が2誌に掲載されました。
志賀信夫氏書評「テキストの迷宮が絵画とは何かを問いかける」(「週刊読書人」2019年5月31日号)
暮沢剛巳氏書評「グリーンバーグのモダニズム美術論の批判的克服、ある種の「親殺し」の書――ようやく実現した待望の邦訳の出版を素直に喜びたい」(「図書新聞」2019年6月15日号)




# by urag | 2019-06-07 16:57 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)