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2026年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆近刊
2026年08月10日取次搬入発売予定:クリスティン・ロス『コミューン形態』本体2,600円。
2026年08月10日取次搬入発売予定:クリストファー・クレアリー『ロジャー・フェデラー』本体3,500円。
2026年07月18日取次搬入発売予定:『長崎浩革命論集成』本体5,000円。
2026年07月17日取次搬入発売予定:ジョルジョ・アガンベン『ぼくが見たもの、聞いたもの、わかったこと…』本体2,000円、シリーズ「哲学への扉」第12回配本。
2026年07月16日取次搬入発売予定:『調査 協働 想像力:アート×リサーチ×アーカイヴ2』東京芸術大学未来創造継承センター編、本体2,800円。

◆新刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません)
2026年05月15日発売:表象文化論学会『表象20:表象文化論の二〇年』本体2,200円。
2026年04月21日発売:松村久美写真集『この先の島じまへ――1969-1980 沖縄』本体4,300円。
2026年04月08日発売:W・H・ハドスン『水晶の時代』本体3,800円。叢書エクリチュールの冒険、第27回配本。
2026年03月18日発売:杉田俊介『無能力批評 増補完全版』本体3,400円。
2026年02月16日発売:堀真悟『祈りのアナーキー ―ーシモーヌ・ヴェイユと解放の神学』本体3,200円。
2026年01月05日発売:『丹生谷貴志コレクションⅢ』本体4,300円。
2025年12月01日発売:『丹生谷貴志コレクションⅡ』本体4,300円。
2025年12月01日発売:『丹生谷貴志コレクションⅠ』本体4,500円。
2025年11月25日発売:東京藝術大学未来創造継承センター『Creative Archive vol.02』本体1,500円。
2025年11月21日発売:甲斐扶佐義写真集『新版 地図のない京都』本体3,000円。
2025年11月06日発売:大竹伸朗展公式図録『網膜』本体4,500円。
2025年10月29日発売:髙山花子『世界のかなしみ――『苦海浄土』全三部作試解』本体2,600円。
2025年10月08日発売:ヴェルナー・ハーマッハー『ベンヤミン読解』本体4,500円。シリーズ・古典転生、第32回配本(本巻31)。
2025年09月18日発売:阿部晴政編『ドゥルーズ革命』本体3,200円。
2025年08月12日発売:ジル・ドゥルーズ『尽くされた』本体2,400円。叢書・エクリチュールの冒険、第26回配本。
2025年07月09日発売:E・P・トムスン『ウィリアム・モリスーーロマン派から革命家へ』本体6,800円。
2025年07月03日発売:河野靖好『谷川雁の黙示録風革命論』本体3,600円。
2025年06月13日発売:東京芸術大学未来創造継承センター編『アート×リサーチ×アーカイヴ――調査するアートと創造的人文学』本体2,400円。

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎重版出来:

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信
◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン
◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞
◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍

※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください。 
※月曜社について一般的につぶやかれている様子はYahoo!リアルタイム検索からもご覧になれます。月曜社が公式に発信しているものではありませんので、未確定・未確認情報が含まれていることにご注意下さい。ちなみに月曜社はtwitterのアカウントを取得する予定はありませんが、当ブログ関連のアカウントはあります。


# by urag | 2026-12-31 23:59 | ご挨拶 | Comments(21)
2026年 07月 10日

月曜社8月新刊:クリスティン・ロス『コミューン形態』箱田徹訳

取次搬入予定:2026年8月10日*人文・社会思想

コミューン形態――パリ・コミューンから大地の蜂起へ
クリスティン・ロス[著] 箱田徹[訳]
月曜社 46判並製(縦188×横130×束12mm, 180g)160頁
本体2,600円、ISBN:978-4-86503-227-7 C0010


パリ・コミューンと1968年を研究してきた思想家ロスは、フランスの空港反対運動に出会い、コミューンの意義と可能性を再発見する。都市や農村で人々は立ちあがり、領域を防衛し、日常生活を解放的・創造的に変貌させる。アナキズム、エコロジー闘争、先住民闘争、反開発・反採取闘争――行政と資本の独占によって〈できない〉と感じさせられている領域を具体的実践によって〈できる〉領域へと変えていく、本書はその〈生存のためのコミューン〉を構想する指針となる注目の書である。

目次:
はじめに 
第一章 ナンテールではなくナント
第二章三空港物語 
第三章防衛、 領有、 編成、 返還 
結論 
あとがき
注 
訳者あとがき 

原書:La Forme-commune, La fabrique éditions, 2023; The Commune-Form: The Transformation of Everyday Life, Verso, 2024.

クリスティン・ロス(Kristin Ross, 1953-):ニューヨーク大学名誉教授。著書に『68年5月とその後――反乱の記憶・表象・現在』(箱田徹訳、航思社、2014年)、『もっと速く、もっときれいに――脱植民地化とフランス文化の再編成』(中村督・平田周訳、人文書院、2019年)、近刊予定に『コミューン・ラグジュアリー』(月曜社)。

箱田徹(はこだ・てつ, 1976-):神戸大学国際文化学研究科准教授。著書に『ミシェル・フーコー』(講談社現代新書、2022年)、『フーコーの闘争』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『フーコー研究』(共著、岩波書店、2021年)など。

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# by urag | 2026-07-10 17:40 | 近刊情報 | Comments(0)
2026年 07月 08日

月曜社8月新刊:Ch・クレアリー『ロジャー・フェデラー:その美しき軌跡』

取次搬入:2026年8月10日*実用書・スポーツ・テニス・伝記

ロジャー・フェデラー:その美しき軌跡
クリストファー・クレアリー[著]本橋哲也[訳]
月曜社 本体3,500円 46判並製(縦188×横130×束37.5mm)576頁
重量620g ISBN:978-4-86503-228-4 C0075


テニスの帝王フェデラーの評伝。20年間にわたりツアーに同行し、誰よりも多くの単独インタビューを行い、コーチ、ライバルらへの取材も重ねてきたスポーツ・ジャーナリストが描く、帝王の〈情熱・誠実・才気〉の軌跡。

「フェデラーの伝記の中で、間違いなく最高の一冊」(英国『タイムズ』紙)、「金字塔的な作品」(イタリア『コリエーレ・デロ・スポルト』紙)ほか、数多くの称賛が寄せられた。「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラー選出、『ブックリスト』誌の最高評価を獲得。

原書:The Master: The Long Run and Beautiful Game of Roger Federer, 2021/2023.

目次:
1章 ティグレ(アルゼンチン)
2章 バーゼル(スイス)
3章 エキュブラン(スイス)
4章 ビール/ビエンヌ(スイス)
5章 シドニー
6章 ウィンブルドン
7章 メルボルン
8章 パルマ・デ・マヨルカ(スペイン)
9章 パリ
10章 ロサンジェルス
11章 フォイジスベルク(スイス)
12章 ニューヨーク
13章 リール
14章 ドバイ
15章 インディアンウェルズ
16章 フェルスベルク(スイス)
17章 南アフリカ
最終章 ロンドン
謝辞
訳者解説:「マスター」の時代、あるいはテニスという文化装置
索引

著者:クリストファー・クレアリー(Christopher Clarey)1964年生まれ。フランス、スペイン、アメリカを拠点に、30年以上にわたり『ニューヨーク・タイムズ』紙および『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』紙でスポーツの取材を続けてきたテニスとオリンピックにおける世界最高峰の権威の一人。

訳者:本橋哲也(もとはし・てつや)1955年生まれ。東京経済大学名誉教授。英文学者。著書・訳書多数。

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# by urag | 2026-07-08 11:58 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)
2026年 07月 06日

注目新刊:ちくま学芸文庫7月新刊、ほか

注目新刊:ちくま学芸文庫7月新刊、ほか_a0018105_03280020.jpg


★まず、まもなく発売となるちくま学芸文庫の7月新刊6点を列記します。

昭和十年代の陸軍と政治――軍部大臣現役武官制の虚像と実像』筒井清忠(著)、ちくま学芸文庫、2026年7月、本体1,600円、文庫判384頁、ISBN978-4-480-51392-2
10万年の世界経済史』グレゴリー・クラーク(著)、久保恵美子(訳)、ちくま学芸文庫、2026年7月、本体2,100円、文庫判640頁、ISBN978-4-480-51387-8
『観無量寿経』講義』阿満利麿(著)、ちくま学芸文庫、本体1,400円、文庫判304頁、ISBN978-4-480-51386-1
世界論』ルネ・デカルト(著)、山田弘明(訳)、ちくま学芸文庫、2026年7月、本体1,400円、文庫判320頁、ISBN978-4-480-51385-4
『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕(上)』蓮實重彦(著)、ちくま学芸文庫、2026年7月、本体1,900円、文庫判624頁、ISBN978-4-480-51376-2
『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕(下)』蓮實重彦(著)、ちくま学芸文庫、2026年7月、本体1,900円、文庫判624頁、ISBN978-4-480-51377-9

★『昭和十年代の陸軍と政治』は、2007年に岩波文庫から上梓された、歴史社会学者の筒井清忠(つつい・きよただ, 1948-)さんの単著の文庫化。帯文に曰く「陸軍の暴走は軍部大臣現役武官制によるのか? 昭和史の定説を覆す画期的研究」。「昭和十年代の陸軍と政治の関係について初めて本格的研究を行ったのが本書である。/現代、日本の政治と軍事を巡る状況は以前に比べさらに厳しい状況となっており、そうであればこそ戦前の日本の陸軍と政治の関係がどのようなものであったのかをよく知る必要は一層高まっているといえよう。その意味では本書の存在意義はますます高くなってきたと思われる」(ちくま学芸文庫版へのあとがき)。

★『10万年の世界経済史』は、2009年に日経BP社から上下巻で刊行されたものの合本文庫化。英国生まれの計量経済史家グレゴリー・クラーク(Gregory Clark, 1957-)の著書『A Farewell to Alms:A Brief Economic History of the World』(Princeton University Press, 2007)の訳書。カバー表4紹介文に曰く「世界経済史を包括的な視座のもとに一望し、多様な統計データを駆使することで、産業革命をもたらした真の要因を浮き彫りにしていく。経済発展とその不均衡を作り出す根本原理に迫る壮大な試み」。巻末解説は、小野塚知二さんが寄せておられます。

★『『観無量寿経』講義』は、明治学院大学名誉教授の阿満利麿(あま・としまろ, 1939-)さんによる、文庫オリジナルの書き下ろし。版元紹介文に曰く「「凡夫」のための教え。浄土教の根本経典として、日本仏教に絶大な影響を与えた『観無量寿経』。平易な現代語訳とわかりやすい解説で明快な読み方を示した決定版入門書」。「『観無量寿経』の魅力」「『観無量寿経』を読む」「法然と『観無量寿経』」「座談会 『観無量寿経』を語る」の4章立て。座談会には「連続無窮の会」同人の4氏が参加されています。

★「ある夜、法然上人は夢をご覧になった。〔…紫雲〕の中から、黒い衣を着た僧侶が一人現れ〔…〕この僧を仰ぎ見ると、上半身は普通の僧の姿だが、下半身は金色で、仏のようであった。〔…僧は上人にこう答えた〕あなたが専修念仏を広めていることが尊いから来たのだ、と。そこでまた問うた、専修念仏の人はみな浄土に往生しておられますか、と。そして、その答えを得ない内に、突如として、夢から覚めた」(「法然上人御夢想記」意訳より、266~267頁)。

★『世界論』は、ルネ・デカルトが1633年にほぼ完成させたは「同年のガリレイ事件のために直前で出版が取りやめとなった」(訳者まえがき)という著書『世界論あるいは光論』の文庫オリジナルの新訳。底本はアダン/タヌリ版『デカルト全集(11)』1996年。「最近の英仏の新研究と既存の邦訳を参照し、裨益されるところ大であった」(同)とのことです。帯文に曰く「註解・資料・解説を完備した新訳。デカルト哲学の起点となった思索の全貌」。付録として『世界論』と密接に関連する5つのテクストが収録されています。「『屈折光学』第二講「屈折について」」「『方法序説』第五部(部分)」「メルセンヌ宛等書簡」「『哲学原理』(概要)」「バイエ『デカルト氏の生涯』(部分)」。文庫版で読める『世界論』(『宇宙論』とも訳されたことがあります)は、本書が初めてです。  

★『『ボヴァリー夫人』論〔増補決定版〕』上下巻は、蓮實重彦(はすみ・しげひこ, 1936-)さんが2014年に筑摩書房から上梓した大著の文庫化。巻末特記によれば「文庫化にあたっては明らかな誤りを適宜正した」ほか、「下巻に論考を一篇加えた」とのこと。加わった一篇というのは補考「散文は生まれたばかりのものである――『ボヴァリー夫人』のテクストに挿入された「余白」についての考察」(下巻523~551頁)で、2023年3月に行われた国際シンポジウム「ロマン主義と第二帝政期の文学」におけるフランス語での発表を日本語に翻訳したもので、初出は『群像』誌2024年3月号です。本書が参照している山田ジャク訳『ボヴァリー夫人』(河出文庫、2009年)に蓮實さんが寄せた解説と今回の補考は同じ題名ですが、「何の関係もない」とのことです。

★「『ボヴァリー夫人』のテクストを批判的かつ分析的に記述し、そこに浮上する予期せぬ齟齬や照応を指摘し、その差異と類似とを意義深く共鳴させようとするテクストがこの書物だといってもよい。それが「テクストをめぐるテクスト」だという意味でなら、メタ=テクスト的ともいえる「批評的なエッセイ」が読まれようとしているのだといいかえてもよい」(序章「読むことの始まりにむけて」13頁)。「十二年前の著者が、まるで赤の他人のように感じられた瞬間がしばしばあった〔…〕おそらく、十二年前の著者もまた、書くことで、自分とは異なる何かへと変貌し尽くしていたからなのかもしれない」(文庫版あとがき、571頁)。

★このほか最近では以下の新刊との出会いがありました。

ディドロ、驚くべき饒舌』ジャン・スタロバンスキー(著)、井田尚(訳)、叢書・ウニベルシタス:法政大学出版局、2026年6月、本体5,400円、四六判上製508頁、ISBN978-4-588-01203-7
芸術の発見――AI時代の生きる条件』岡﨑乾二郎(著)、2026年6月、本体2,600円、A5判並製216頁、ISBN978-4-8459-2533-9
クシシュトフ・ヴォディチコ――アンビヴァレントな記憶装置』瀧健太郎(著)、共和国、2026年7月、本体5,000円、A5変形判上製320頁、ISBN978-4-911729-00-7
刑務所の文章教室』大塚敦子(著)、紀伊國屋書店、2026年7月、本体2,000円、46判並製256頁、ISBN978-4-314-01216-4
最期の後藤新平――「国難」にどう立ち向かうか』後藤新平(著)、楠木賢道/伏見岳人(編・解説)、藤原書店、2026年6月、本体2,700円、B6変型判上製272頁、ISBN978-4-86578-500-5
ブローデル『地中海』入門〈新版〉』浜名優美(著)、藤原書店、2026年6月、本体2,800円、四六判並製320頁、ISBN978-4-86578-501-2
文藝 2026年秋季号』河出書房新社、2026年7月、本体1,400円、A5判並製520頁、雑誌07821-08

★『ディドロ、驚くべき饒舌』は、スイス生まれの批評家ジャン・スタロバンスキー(Jean Starobinski, 1920-2019)のディドロ論をまとめた『Diderot, un diable de ramage』(Gallimard, 2012)の訳書。「言葉の仕掛け」「『ラモーの甥』」「『ダランベールの夢』」「『運命論者ジャック』」「絵画」の5部構成。「ディドロの哲学的想像力は、鳥風琴と鳥のさえずりから、音の領域を離れることなく、考え得る空間全体の限界にまで達するのである。まるで、広大な世界の認識が視覚ではなく、むしろ聴覚の能力だけのものであるかのように!/ディドロは、自分が人間関係の中で耳に響くもの――音や騒音、どよめきやざわめき――にきわめて強く注意を引かれる理由となる様々な動機の理論を述べるのを怠らなかった」(序「おしゃべりと叫び声」13頁)。

★法政大学出版局さんの叢書・ウニベルシタスでのスタロバンスキーの既訳書を列記します。ディドロ論には本書のほかに『絵画を見るディドロ』があります。『フランス革命と芸術』『病のうちなる治療薬』は品切。

1989年08月『フランス革命と芸術―― 一七八九年理性の標章』井上尭裕訳
1993年09月『モンテスキュー ――その生涯と思想』古賀英三郎/高橋誠訳
1993年12月『病のうちなる治療薬――啓蒙の時代の人為に対する批判と正当化』小池健男/ 川那部保明訳
1995年06月『絵画を見るディドロ』小西嘉幸訳
2004年09月『作用と反作用――ある概念の生涯と冒険』井田尚訳
2019年12月『告発と誘惑――ジャン=ジャック・ルソー論』浜名優美/井上櫻子訳
2026年06月『ディドロ、驚くべき饒舌』井田尚訳

★『芸術の発見』は、造形作家で批評家の岡﨑乾二郎(おかざき・けんじろう, 1955-)さんによる書き下ろし。帯文に曰く「いま発見される芸術、古代の問答術、よく生きることの意味。AI終末論に対峙する希望の書。AIにつまずき、AIをつまずかせる──緊迫の応答」。「プロローグ」の立ち読みが可能です。また、刊行記念イベントとして、岡﨑さんと斎藤環さんによる「対話についての対話」が、代官山蔦屋書店3号館2階イベントスペースにて7月9日(木)19時から行われます。オンラインでも視聴可能とのことです。版元さんの告知によれば、岡﨑さんの編著書『芸術の設計──見る/作ることのアプリケーション』の増補改訂版が2026年秋に発売予定とのことです。

★『クシシュトフ・ヴォディチコ』は、東海大学准教授の瀧健太郎(たき・けんたろう, 1973-)さんによる2019年の博士論文「記憶のヴィークルとしてのアート・プロジェクト――クシシュトフ・ヴォディチコのアート戦略」をもとに、「大幅な改稿を施し、ヴォディチコの実践から理論を、また理論から将来の実践を誘発する読み物として、現代アートの戦略を解釈する目的で編まれた」(あとがき)とのこと。帯文に曰く「建造物や彫像にイメージを投影し、都市空間を変容させる〈パブリック・プロジェクション〉の創始者、クシシュトフ・ヴォデイチコ。一貫して政治や社会とアートの境界を揺さぶり、〈公共性〉から〈生存〉へ変転する異能のアーティストの全体像に肉薄する」。

★『刑務所の文章教室』は、刑務所での教育プログラムに長年たずさわってきたノンフィクション作家の大塚敦子(おおつか・あつこ, 1960-)さんが紀伊國屋書店のPR誌『scripta』に寄稿していた同名の連載を大幅加筆修正し、さらに書き下ろしを加えて1冊としたもの。帯文に曰く「窃盗、特殊詐欺、覚醒剤、殺人……受刑者たちは、どのような文章を紡ぎ、どのように変わっていったのか」。ブレイディみかこさんが推薦文を寄せています。曰く「人は言葉によって自らを知り、他者を知り、自分を外に出せるようになる。この教室で学びたくなる人はたくさんいるのではないか」。巻末には読者向けにまとめたという「一人でできる文章創作エクササイズ」も付されています。

★『最期の後藤新平』は、編集部による巻頭の「はしがき」によれば「1929年の最後の4か月間に発表された「挙国一致して国難を救え――昭和4年新年所感」(1929年1月、現代語訳・解説=楠木賢道)、「内政に関わる三提言――電力・生命保険・酒類の国有化についての「覚書」」(1929年1月16日、現代語訳・解説=楠木賢道)、「経済的国難来る――アメリカ資本の極東猛進に対して、いかなる対策があるのか」(1929年3月1日、現代語訳・解説=伏見岳人)、「市会議員選挙に付き東京市民に告ぐ――最後のラジオ演説」(1929年3月14日、解説=伏見岳人)の4篇を収録し、1920年代の後藤が繰り返し発信してきた「国難」というキーワードを手がかりに、最晩年の後藤の世界認識と、内政・外交の両面にたいする提言の核心に迫ることを試みた。さらに、それらの根底をなす、後藤の最も重要な思想が如実に語られた、「自治三訣 処世の心得」(1925年)を巻末に収録した」と。

★『ブローデル『地中海』入門〈新版〉』は、2000年に刊行された浜名優美(はまな・まさみ, 1947-2020)さんによる入門書の再刊。巻末には新たに、リュシアン・フェーヴルの書評「のびゆく本――『地中海』」が浜田道夫さんの訳で収録されています。フェーヴル曰く「〔1100ページの大冊『フェリーペ二世時代の地中海と地中海世界』を〕どこでもかわまない、どの章でもかまわないから、本書を開く。10行、20行あるいは30行を読んでみる。たちまちにしてその文章のもつ品位に心を打たれる。含蓄のある文体の個性的な力強さに心を打たれるのである」(256頁)。

★『文藝 2026年秋季号』は、第一特集が「失踪・家出・エスケープ」で短篇3本、短歌10首、エッセイおよび論考が7本に、ブックガイド「作家・書評家7人による人生を揺さぶる「失踪」文学3選」で構成。特集扉の口上に曰く「「いなくなること」をめぐる解放と喪失をさまざまな角度から見つめ、寄る辺ない生の持つ危ういエネルギーに光を当てる。そしてその先に、私たちをいまこの場所につなぎとめているものの輪郭を探ってみたい」。第二特集は「AIは中原昌也を拡張できるか」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

注目新刊:ちくま学芸文庫7月新刊、ほか_a0018105_03290480.jpg


# by urag | 2026-07-06 03:12 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)
2026年 06月 28日

注目新刊:グレアム・ハーマン『ゲリラ形而上学』法政大学出版局、ほか

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★最近出会いのあった注目新刊を列記します。

ゲリラ形而上学――現象学と事物の大工仕事』グレアム・ハーマン(著)、小嶋恭道(監訳)、飯盛元章(訳)、叢書・ウニベルシタス:法政大学出版局、2026年6月、本体5,800円、四六判上製546頁、ISBN978-4-588-01200-6
建築の装飾――主体性と政治性のあいだ』アントワーヌ・ピコン(著)、千代章一郎(訳)、鹿島出版会、2026年7月、本体3,200円、四六判並製288頁、ISBN978-4-306-04723-5
現代思想2026年7月号 特集=「リベラル」のゆくえ』青土社、2026年6月、本体1,800円、A5判並製238頁、ISBN978-4-7917-1499-5

★『ゲリラ形而上学』は、米国の哲学者グレアム・ハーマン(Graham Harman, 1968-)の著書『Guerrilla Metaphysics: Phenomenology and the Carpentry of Things』(Open Court Publishing, 2005)の全訳。帯文に曰く「人間がアクセスしうる思索の安全領域をめぐって争う伝統的哲学を斥け、想像可能なあらゆる対象の相互作用を記述するオブジェクト指向哲学/存在論の出発点にして、その後の展開を決定づけたハーマンの初期代表作」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

★「オブジェクト指向哲学が主張するのは、人間が花粉や酸素、鷲、風車に対して持つ関係は、これら対象どうしの相互作用と同じものであるということだ」(3頁)。「オブジェクト指向哲学は、対象間の関係に対して、よくある物理的アプローチをとるのではなく、むしろきっぱりと形而上学的アプローチを採用している。実際、オブジェクト指向哲学という名称のかわりに、ゲリラ形而上学という別の名称を使うことができる――この名称が示そうとしているのは、たしかに形而上学に対して現代においてもなおさまざまな批判があるが、わたしはそれらにとくに従うつもりはない、ということだ。/本書は『ゲリラ形而上学』は、前著『道具存在』の続篇である」(4頁)。『道具存在』というのは、ハーマンの単独著第一作『Tool-Being: Heidegger and the Metaphysics of Objects』(Open Court Publishing, 2002;未訳)のこと。

★「オブジェクト指向哲学の主要課題は、〈事物の大工仕事〉である。それが取り扱うのは、別個の存在者のあいだで生じるコミュニケーションと衝突である。そして大工仕事が物語るのは、対象どうしの接合だけでなく、個々の部分から成る対象の内的構成さえも、物理的な仕方ではなく、形而上学的な仕方でなされている、ということだ」(4頁)。ハーマンの既訳書を列記しておきます。

◎グレアム・ハーマン(Graham Harman, 1968-)訳書一覧
四方対象──オブジェクト指向存在論入門』岡嶋隆佑監訳、山下智弘/鈴木優花/石井雅巳訳、人文書院、2017年;The Quadruple Object, Zero Books, 2011.
非唯物論──オブジェクトと社会理論』上野俊哉訳、河出書房新社、2019年; Immaterialism: Objects and Social Theory, Polity Press, 2016.
思弁的実在論入門』上尾真道/森元斎訳、人文書院、2020年;Speculative Realism: An Introduction, Polity Press, 2018.
『ゲリラ形而上学――現象学と事物の大工仕事』小嶋恭道監訳、飯盛元章訳、法政大学出版局、2026年;Guerrilla Metaphysics: Phenomenology and the Carpentry of Things, Open Court Publishing, 2005.

★『建築の装飾』は、フランスの建築史家アントワーヌ・ピコン(Antoine Picon, 1957-)の著書『Ornament: The Politics of Architecture and Subjectivity』(Wiley, 2013)の訳書。訳者あとがきによれば、仏語版も参照したとのことです。帯文に曰く「装飾の黎明から、モダニズムにおける拒絶、ポストモダニズムにおける失敗、そしてデジタル技術による復活まで。時代を横断して装飾の本質を問う、古くて新しい建築史」。アントワーヌ・ピコンの訳書は『建築の物質性』(原著2021年;千代章一郎訳、鹿島出版会、2015年12月)に次ぐ2冊目です。

★「装飾は現代の建築表現において再び重要な位置を占めるようになったが、それは決して付加的な位置づけを取り戻すことではなかった。それどころか、装飾は被膜と切り離すことのできない存在となった。〔…〕現在の状況は、かつて構造的なものと装飾的なものとのあいだに存在した両義性とは比較できないが、多くの場合、装飾的な性質を持つはずのない要素にも影響を及ぼすようになっている。装飾は構造との相互補完的で複雑な駆け引きをする代わりに、構造を汚染しようとしている。/伝統的な装飾と現代の装飾のもうひとつの大きな違いは、少なくとも表面的には、あらゆる種類の象徴的な意味を戦略的に拒否していることである」(第一章「装飾への回帰という問題」63~64頁)。

★『現代思想2026年7月号』の特集は「「リベラル」のゆくえ」。版元紹介文に曰く「世界的な右傾化の進展とともに、政治におけるリベラル勢力の退潮がとみに指摘される現在。その要因はどこにあり、いかにして打開の方途を探るべきなのか。そしてそもそもリベラルとは何であるのか。本特集ではますます混迷する情況を読み解くべく、いまあらためて岐路に立つ「リベラル」の可能性と課題について多様な視点から検討する」。斎藤幸平「リベラルの欺瞞と進歩の終わり」をはじめ、20本の論考を収録。次号8月号の特集は「〈ソロ〉の現在――ひとりでいることの思想」。

★続いて、幻戯書房さんの6月新刊より3点。

夜はわが光』エティエンヌ・ド・グレーフ(著)、梅澤礼(訳)、ルリユール叢書:幻戯書房、2026年6月、本体5,700円、四六変型判上製576頁、ISBN978-4-86488-349-8
加藤晴久文集(Ⅰ)文学・思想篇』幻戯書房、2026年6月、本体3,800円、2026年6月、本体3,800円、四六判上製520頁、ISBN978-4-86488-347-4
加藤晴久文集(Ⅱ)語学教育篇』幻戯書房、2026年6月、本体3,800円、四六判上製368頁、ISBN978-4-86488-348-1

★『夜はわが光』は、ルリユール叢書の第61回配本、81冊目。ベルギーの精神科医で作家のエティエンヌ・ド・グレーフ(Étienne De Greeff, 1898–1961)の小説『La Nuit est ma lumière』(Seuil, 1949)の訳書です。帯文に曰く「医師の父と夫をもつ女性が、ある日突然、統合失調症を発症する。患者、家族、看護師はおのおの苦しみながらも救いを探ってゆく——ベルギー精神医学界の権威であるド・グレーフが、専門家の眼と細やかな筆致で描いた、人間の尊厳と愛の形を問う感動の長編小説。本邦初訳」。フランスの精神科医ジャン・レルミット(Jacques Jean Lhermitte, 1877-1959)は「統合失調症患者の人格の変化を、ここまでリアリティをもって描写できたのは、人間の精神についての深い知識がド・グレーフにあったからこそである」と評したとのことです。ルリユール叢書次回配本は7月下旬予定、ウクライナの詩人イワン・コトリャレウシキー(Ivan Kotlyarevsky, 1769–1838)による叙事詩『エネイーダ』です。

★『加藤晴久文集』全二巻は、東京大学名誉教授で仏文学者の加藤晴久(かとう・はるひさ, 1935-)さんの単行本未収録の文業を集成したもの。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。第Ⅰ巻「文学・思想篇」には、蓮実重彦さんの二篇のコラム「〈わが友〉加藤晴久――世界解読の鋭さ、誤訳を発見する名人」(日本読書新聞、1978年10月30日付)と「加藤晴久さんを送る」(東京大学教養学部報、第400号、1996年2月)、そして、鹿島茂さんのコラム「私の読書日記」(抄録、週刊文春、2016年9月22日号)が併載されています。「この本はサルトルの『存在と無』の「無」に帰するまでの、私のささやかな存在証明である」(「はじめに」より)。加藤さんが蔵書のほとんどを処分したあとに残した「特別な愛着のある本」には、サルトルの『L'Être et le néant』(1961年版)が含まれているとのことです。

★最後に、作品社さんの6月新刊から4点。いずれも、目次詳細を書名のリンク先でご確認いただけます。

著作権全史――古代ギリシアからAI時代まで』デイヴィッド・ベロス/アレクサンドル・モンタギュー(著)、小佐田愛子(訳)、作品社、2026年6月、本体3,200円、四六判並製328頁、ISBN978-4-86793-155-4
ジョン・ボイド――アメリカ軍と戦争を変えた伝説の戦闘機パイロット』ロバート・コーラム(著)、池田忍/冨田直治(訳)、作品社、2026年6月、本体4,500円、四六判並製582頁、ISBN978-4-86793-137-7
現代軍事学入門――文脈・政策・運用・管理』武内和人(著)、作品社、2026年6月、本体2,700円、四六判並製256頁、ISBN978-4-86793-145-5
学から見た人間の〈多様性〉とは何か――遺伝科学と疑似科学』ジョナサン・マークス(著)、桐谷知未(訳)、作品社、2026年6月、本体3,000円、四六判並製264頁、ISBN978-4-86793-154-7

★『著作権全史』は、英国出身の比較文学研究者デイヴィッド・ベロス(David Michael Bellos, 1945-2025)と米国の弁護士アレクサンドル・モンタギュー(Alexandre Montagu)による著書『Who Owns This Sentence?: A History of Copyrights and Wrongs』(Norton, 2024)の訳書。帯文によれば「私たちの生活を取り囲み、巨大マネーマシンとなった「著作権」。その基礎となる、「アイデア」を「所有する」という考えは、いかに生まれたのか? 文化と法制度の、これまでになかったユニークなグローバル史」。

★「今日、世界最大手企業のうち六社は――アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、ディズニーで、それぞれの資本評価額は世界各国の国内総生産よりも大きい――その評価額のほとんどが著作権素材の所有と管理によって構成されている。映画や歌といったコンテンツのものもあれば(ディズニー、アマゾン)、意匠登録や特許という形であったり(アップルとマイクロソフト)、ほとんどがコンピュータ・ソフトウェアの形であったりする(アルファベット、メタ)。IP〔知的財産〕の帝国は、現代の封建的領地といえる」(16頁)。

★「したがって、著作権の最近の歴史は、個人の自由と個人の権利の成長の一部としてみるのは公正ではない。むしろ、その逆の方が真実に近いだろう。〔…〕私たちが貧しい小作人なのは変わらず、享受する無形の品々に、巧妙に隠された使用料を払わねばならない。今日の企業地主の広大な領地に侵入する者には災いあれ!/本書はこのような状況がどのようにして生じたのか、その複雑なストーリーを語り、この状況がもたらす実在するリスクについて考察する」(16~17頁)。

★『ジョン・ボイド』は、米国のジャーナリスト、ロバート・コーラム(Robert Coram)による、ジョン・ボイド(John Richard Boyd, 1927-1997)についての評伝『Boyd: The Fighter Pilot Who Changed the Art of War』(Little, Brown and company, 2002)の訳書。「傑作機F-15、F-16生みの親、湾岸戦争勝利の立役者、ハイブリッド戦争の先駆者、そして孫子以来最も影響力のある理論「OODAループ」を発案した米軍随一の戦闘機パイロットをめぐるオーラルヒストリー」(帯文より)。付録としてボイド自身による論考「破壊と創造」(1979年9月3日付)が巻末に配され、投げ込みでB4判サイズの「戦闘機カタログ/ジョン・ボイド人物相関図」1枚が付属しています。戦闘機カタログはフルカラーです。

★『現代軍事学入門』は、軍事学者の武内和人(たけうち・かずと)さんによる書き下ろし。「基礎から学ぶ政軍関係・文民統制・軍事行政・戦略・作戦・戦術・情報・人事・兵站まで。自由・民主主義の下で、戦争と平和をリアルに考えるため、豊富な図解と用語の解説で体系的に学ぶ入門書」(帯文より)。序論で本書の三つの目標が掲げられています。曰く「現代軍事学の内容を一般の読者に向けて可能な限り体系的な形で伝える」こと、「軍事力が、平和と民主主義に必ずしも矛盾しないことを示す」こと、「軍事理論で運用と管理の問題を総合的に取り扱う」こと。「どのような防衛力を持ち、どのように使うべきか〔…〕私が本書で目指したことは、軍事学の知識が軍人だけでなく国民一人ひとりの大きな助けになることを示すことである」(「はじめに」5頁)。

★『学から見た人間の〈多様性〉とは何か』は、米国の生物人類学者ジョナサン・マークス(Jonathan Mitchell Marks, 1955-)の著書『Understanding Human Diversity』(Cambridge University Press, 2024)の訳書。「本書は自然(生物)人類学と進化遺伝学の視点から、人間の差異のパターンに関する科学的な事実を明らかにし、疑似科学の神話から生まれた誤解をひとつひとつ解きほぐしていく」(「訳者あとがき」より)。コスタス・カンポーラキスによる「序文」に曰く「遺伝学的に言えば、内部で同質の集団や他と完全に区別できる集団に人々を正確に分ける方法は存在しない。マークスによれば、いちばん重要なのは、わたしたちの進化が生物文化的なものであること、つまりわたしたちの文化と生物学が絶えず相互作用していることを忘れてはならないという点だ。そのことを認識して初めて、人間の多様性を理解できる」(12頁)。


# by urag | 2026-06-28 22:36 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)