人気ブログランキング |

ウラゲツ☆ブログ

urag.exblog.jp
ブログトップ
2020年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊と近刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません)
◎2020年1月22日発売予定:ロドルフ・ガシェ『脱構築の力』本体2,700円、叢書エクリチュールの冒険、第15回配本。
◎2020年1月17日発売予定:秋元康隆『意志の倫理学』本体2,100円、シリーズ〈哲学への扉〉、第6回配本。
◎2019年12月24日発売:ジュディス・バトラー『新版 権力の心的な生』本体3,200円。
◎2019年12月5日発売:『森山大道写真集成(3)写真よさようなら』本体7,500円。
◎2019年11月29日発売:榊貴美作品集『KIMI SAKAKI twinkle』本体2,000円。
◎2019年11月13日発売:カール・ヤスパース『ニーチェ』本体8,400円、シリーズ・古典転生、第20回配本(本巻19)。
◎2019年11月1日発売:ラシード・ブージェドラ『ジブラルタルの征服』本体3,000円、叢書・エクリチュールの冒険、第14回配本。
◎2019年10月3日発売:ジョルジョ・アガンベン『書斎の自画像』本体2,700円、シリーズ〈哲学への扉〉、第5回配本。
 西山雄二氏書評「独特かつ魅力的な自伝――多種多様な知的交流を回想しつつ、みずからの生涯を綴る」(「週刊読書人」2020年1月3日号)
 鈴木慎二氏短評「19年下半期読書アンケート」(「図書新聞」2019年12月21日号)
◎2019年10月3日発売:水野浩二『倫理と歴史』本体2,200円、シリーズ〈哲学への扉〉、第4回配本。
◎2019年9月19日発売:『森山大道写真集成(2)狩人』本体5,000円。
◎2019年9月12日発売:山下純照/西洋比較演劇研究会編『西洋演劇論アンソロジー』本体3,600円。
◎2019年8月7日発売:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』本体1,800円、シリーズ〈哲学への扉〉、第3回配本。
◎2019年8月7日発売:新井俊春『名人農家が教える有機栽培の技術』本体2,700円。
◎2019年5月23日発売:『森山大道写真集成(4)光と影』本体6,000円。
◎2019年5月14日発売:ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』本体3,800円、叢書・エクリチュールの冒険、第13回配本。
 中村隆之氏書評「外界を隔つ「私の肌の砦」――カリブ文学を代表する作家の〈原点〉」(「週刊読書人」2019年8月30日号)
◎2019年4月26日発売:『表象13:ファッション批評の可能性』本体2,000円。
◎2019年3月22日発売:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』本体4,500円。
 志賀信夫氏書評「テキストの迷宮が絵画とは何かを問いかける」(「週刊読書人」2019年5月31日号)
 暮沢剛巳氏書評「グリーンバーグのモダニズム美術論の批判的克服、ある種の「親殺し」の書――ようやく実現した待望の邦訳の出版を素直に喜びたい」(「図書新聞」2019年6月15日号)
 沢山遼氏書評「モダニズムの視覚と欲望とは」(「美術手帖」2019年8月号「BOOK」欄)
◎2019年3月6日発売:筧菜奈子『ジャクソン・ポロック研究』本体4,000円、シリーズ・古典転生、第19回配本、本巻18。
 中島水緒氏短評(「美術手帖」2019年6月号「BOOK」欄)
 大島徹也氏書評「ポロック芸術の再解釈を果敢に試みる――ポロックの装飾性の研究はさらなる発展の可能性を感じさせる」(「図書新聞」2019年6月29日号)
 黒岩恭介氏書評「整理された良質の研究書――ポロックの様式展開を考える上で、重要な問題提起を含む」(「週刊読書人」2019年7月19日号)
◎2019年2月22日発売:ハナ・ロスチャイルド『パノニカ――ジャズ男爵夫人の謎を追う』本体2,700円。
 宮下志朗氏短評(「読売新聞」2019年5月5日付書評欄)
◎2019年2月20日発売:十和田市現代美術館編『毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする』本体2,200円。
◎2019年2月18日発売:須藤温子『エリアス・カネッティ――生涯と著作』本体3,500円、シリーズ・古典転生、第18回配本、本巻17。
 古矢晋一氏書評「死者たちの群衆の後に唯一者として「生き残る」――カネッティは実に多彩な思想的、芸術的問題と格闘していた」(「図書新聞」2019年6月22日号)
◎2019年2月1日発売:松江泰治『JP-34』本体3600円。
◎2018年12月17日発売:『森山大道写真集成(1)にっぽん劇場写真帖』本体6,000円。

◆重版情報
◎2019年5月10日:甲斐義明編訳『写真の理論』2刷。
◎2019年7月26日:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』2刷。
◎2019年9月4日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』2刷。
◎2019年10月10日:森山大道『犬と網タイツ』3刷。
◎2020年1月10日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』3刷。

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎品切重版検討中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷、バトラー『権力の心的な生』新版。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象02』『表象04』『表象05』『表象08』『表象09』、毛利嘉孝『文化=政治』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、ハーマッハー『他自律』、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』『新編燈火節』、竹内てるよ『静かなる夜明け』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』『書物の不在 第二版鉄色本』『謎の男トマ 初版本』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道写真集『新宿』『新宿+』『大阪+』『オン・ザ・ロード』『何かへの旅』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信
◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン
◎話題系:フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営
◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞
◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍

※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください。 
※このブログについてネット上でつぶやかれていることをご覧になりたい方はYahoo!のリアルタイム検索をご覧ください。
※このブログがWWWにおいてどのような地位にあるのかについてはこちらをご覧ください。
※月曜社について一般的につぶやかれている様子はYahoo!リアルタイム検索からもご覧になれます。弊社が発信しているものではありませんので、未確定・未確認情報が含まれていることにご注意下さい。ちなみに弊社にはtwitterのアカウントを取得する予定はありませんが、当ブログ関連のアカウントはあります。


# by urag | 2020-12-31 23:59 | ご挨拶 | Trackback(1) | Comments(21)
2020年 01月 19日

注目新刊:ドンズロ『社会的なものの発明』インスクリプト、ほか

注目新刊:ドンズロ『社会的なものの発明』インスクリプト、ほか_a0018105_22480999.jpg

社会的なものの発明――政治的熱情の凋落をめぐる試論』ジャック・ドンズロ著、真島一郎訳解説、インスクリプト、2020年1月、本体4,200円、四六判上製420頁、ISBN978-4-900997-74-5
『騒音の文明史――ノイズ都市論』原克著、東洋書林、2020年1月、本体3,800円、四六判上製432頁、ISBN978-4-99721-827-7
自然宗教をめぐる対話』デイヴィッド・ヒューム著、犬塚元訳、岩波文庫、2020年1月、本体780円、文庫判226頁、ISBN978-4-00-336197-9
怪物――ブッツァーティ短篇集Ⅲ』ディーノ・ブッツァーティ著、長野徹訳、東宣出版、2020年1月、本体2,200円、四六判変形並製259頁、ISBN978-4-88588-100-8

★『社会的なものの発明』はフランスの社会学者ドンズロ(Jacques Donzelot, 1943-)の主著のひとつ『L'invention du social : essai sur le déclin des passions politiques』(Fayard, 1984; Seuil, 1994)の全訳。巻頭には本書の「アウトラインが簡潔に予告された」講演論考だという1982年の「社会の動員」(La mobilisation de la société)がフランス語原稿から訳出され、巻末には注を併せて100頁強の「ドンズロの問いをひらくために――訳者解説に代えて」が置かれています。訳者の言葉を借りると本書は「フランスで「福祉国家」の名により展開した一連の統治実践をめぐる思想史的考察として、すでに古典の位置を占めている。〔…〕福祉国家体制の基層にあたる社会的なものが〔…〕統治戦略としていかに発明されたかを、本書は解き明かす」ものです。

★ドンズロの訳書はこれでようやく3冊目。ドゥルーズによるあとがき「社会的なものの上昇」が付された『家族に介入する社会――近代家族と国家の管理装置』(原著1977年;宇波彰訳、新曜社、1991年)は品切、『都市が壊れるとき――郊外の危機に対応できるのはどのような政治か』(原著2006年;宇城輝人訳、人文書院、2012年)は現在も新刊書店で入手可能です。前者はそろそろ文庫化されても良い頃でしょう。

★『騒音の文明史』は帯文に曰く「大都会の交響楽を聴く、耳へのまなざし〔…〕無数のメディアに表出した庶民の織りなす音風景の小譚を〔…〕縦横無尽に博捜する、ノイズ三都物語「東京篇」」とのこと。著者の原克(はら・かつみ:1954-:早稲田大学教育学部教授)さんは巻頭の「はじめに」で本書の狙いをこう端的に書いておられます、「騒音の歴史を通して日本の近代をあぶりだす」(2頁)と。全10章の章題を列記すると「都市の周縁の音世界」「寺の鐘と教会の鐘の政治学」「太鼓と木魚の社会秩序」「拍子木と自由の観念」「精神という神話とモダンタイムズ」「プライバシーの音響学」「騒音と静寂の権力論」「都市の交響楽」「サイレンと国家イデオロギー」「ラジオと時代の突端性」。本書に続く「ベルリン篇」や「ニューヨーク篇」は今後の課題、とのことです。

★『自然宗教をめぐる対話』はヒュームの死去より3年後に出版された『Dialogues concerning Natural Religion』(1779年)の全訳。凡例によれば初版本を底本としつつ、スコットランド国立図書館所蔵の草稿や、現代の各版の校訂・補注を参考にして、テキストの正本と意味を確定した、とのことです。巻末の訳者解説で本書は「ヒュームの理論的成果のエッセンスを集約しているばかりか、その実践的意図もはっきりと伝えるテキストであり、ヒュームの思想世界をわかりやすい伝えてくれる」と評価されています。岩波文庫でのヒュームは『人性論』全4巻、『市民の国について』上下巻に続く7冊目。その現代的再評価の割には文庫化が少ないです。

★『怪物』は未邦訳短篇集を謳った「ブッツァーティ短篇集」の第3弾。収録された18篇の題名は書名のリンク先でご確認いただけます。表題作「怪物」は屋根裏部屋での怪異目撃をめぐる話。心の内面へと下っていく筆致から滲む不穏な空気感はブッツァーティらしい独特のもの。同短篇集は第1巻『魔法にかかった男』2017年12月刊、第2巻『現代の地獄への旅』2018年12月刊、そして今回の第3巻で当初の計画を完遂したとのことですが、訳者あとがきによればまだまだ数冊分の未訳短篇が残っているとのこと。ぜひ続巻を期待したいです。

+++


# by urag | 2020-01-19 22:24 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 17日

ブックツリー「哲学読書室」に秋元康隆さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『意志の倫理学――カントに学ぶ善への勇気』(月曜社、2020年1月)の著者、秋元康隆さんによるブックツリー(コメント付き選書リスト)「「利他」とは何かを学ぶために」が公開されました。以下のリンク先一覧からご覧になれます。

◎哲学読書室
1)星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
2)國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
3)近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
4)上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
5)篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
6)渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
7)西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
8)岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
9)金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
10)藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
11)吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
12)高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
13)杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
14)河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
15)岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
16)吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
17)明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
18)相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
19)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん/洪貴義(ほん・きうい:1965-)さん選書「反時代的〈人文学〉のススメ
20)権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
21)河南瑠莉(かわなみ・るり:1990-)さん選書「後期資本主義時代の文化を知る。欲望がクリエイティビティを吞みこむとき
22)百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える
23)津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さん選書「哲学書の修辞学のために
24)堀千晶(ほり・ちあき:1981-)さん選書「批判・暴力・臨床:ドゥルーズから「古典」への漂流
25)坂本尚志(さかもと・たかし:1976-)さん選書「フランスの哲学教育から教養の今と未来を考える
26)奥野克巳(おくの・かつみ:1962-)さん選書「文化相対主義を考え直すために多自然主義を知る
27)藤野寛(ふじの・ひろし:1956-)さん選書「友情という承認の形――アリストテレスと21世紀が出会う
28)市田良彦(いちだ・よしひこ : 1957-)さん選書「壊れた脳が歪んだ身体を哲学する
29)森茂起(もりしげゆき:1955-)さん選書「精神分析の辺域への旅:トラウマ・解離・生命・身体
30)荒木優太(あらき・ゆうた:1987-)さん選書「「偶然」にかけられた魔術を解く
31)小倉拓也(おぐら・たくや:1985-)さん選書「大文字の「生」ではなく、「人生」の哲学のための五冊
32)渡名喜庸哲(となき・ようてつ:1980-)さん選書「『ドローンの哲学』からさらに思考を広げるために
33)真柴隆弘(ましば・たかひろ:1963-)さん選書「AIの危うさと不可能性について考察する5冊
34)福尾匠(ふくお・たくみ:1992-)さん選書「眼は拘束された光である──ドゥルーズ『シネマ』に反射する5冊
35)的場昭弘(まとば・あきひろ:1952-)さん選書「マルクス生誕200年:ソ連、中国の呪縛から離れたマルクスを読む。
36)小林えみ(こばやし・えみ:1978-)さん選書「『nyx』5号をより楽しく読むための5冊
37)小林浩(こばやし・ひろし:1968-)選書「書架(もしくは頭蓋)の暗闇に巣食うものたち
38)鈴木智之(すずき・ともゆき:1962-)さん選書「記憶と歴史――過去とのつながりを考えるための5冊
39)山井敏章(やまい・としあき:1954-)さん選書「資本主義史研究の新たなジンテーゼ?
40)伊藤嘉高(いとう・ひろたか:1980-)さん選書「なぜ、いま、アクターネットワーク理論なのか
41)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん選書「映画論で見る表象の権力と対抗文化
42)門林岳史(かどばやし・たけし:1974-)さん選書「ポストヒューマンに抗して──状況に置かれた知
43)松山洋平(まつやま・ようへい:1984-)さん選書「イスラムがもっと「わからなく」なる、ナマモノ5選
44)森田裕之(もりた・ひろゆき:1967-)さん選書「ドゥルーズ『差異と反復』へ、そしてその先へ
45)久保田晃弘 (くぼた・あきひろ:1960-)さん選書「新たなる思考のためのメタファーはどこにあるのか?
46)亀井大輔(かめい・だいすけ:1973-)さん選書「「歴史の思考」へと誘う5冊
47)須藤温子(すとう・はるこ:1972-)さん選書「やわらかな思考、奇想の知へようこそ!
48)斎藤幸平(さいとう・こうへい:1987-)さん選書「マルクスと環境危機とエコ社会主義
49)木澤佐登志(きざわ・さとし:1988-)さん選書「いまさら〈近代〉について考えるための5冊
50)筧菜奈子(かけい・ななこ:1986-)さん選書「抽象絵画を理解するにうってつけの5冊
51)西山雄二(にしやま・ゆうじ:1971-)さん選書「フランスにおける動物論の展開
52)山下壮起(やました・そうき:1981-)さん選書「アフリカ的霊性からヒップホップを考える
53)綿野恵太(わたの・けいた:1988-)さん選書「「ポリティカル・コレクトネス」を再考するための5冊
54)久保明教(くぼ・あきのり:1978-)さん選書「文系的思考をその根っこから科学技術へと開くために
55)築地正明(つきじ・まさあき:1981-)さん選書「信仰について考える。ベルクソンとドゥルーズと共に
56)浅野俊哉(あさの・としや:1962-)さん選書「〈触発〉の意味の広がりに触れる5冊
57)岩野卓司(いわの・たくじ:1959-)さん/赤羽健(あかはね・けん:1991-)さん選書「贈与論を通してどう資本主義を突き抜けていくか
58)秋元康隆(あきもと・やすたか:1978-)さん選書「「利他」とは何かを学ぶために

+++




# by urag | 2020-01-17 19:39 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 16日

ブックツリー「哲学読書室」に岩野卓司さん/赤羽健さんの選書リストが追加されました

オンライン書店「honto」のブックツリー「哲学読書室」に、『贈与論――資本主義を突き抜けるための哲学』(青土社、2019年9月)の著者、岩野卓司さんと担当編集者の赤羽健さんによるブックツリー(コメント付き選書リスト)「贈与論を通してどう資本主義を突き抜けていくか」が公開されました。以下のリンク先一覧からご覧になれます。

◎哲学読書室
1)星野太(ほしの・ふとし:1983-)さん選書「崇高が分かれば西洋が分かる
2)國分功一郎(こくぶん・こういちろう:1974-)さん選書「意志について考える。そこから中動態の哲学へ!
3)近藤和敬(こんどう・かずのり:1979-)さん選書「20世紀フランスの哲学地図を書き換える
4)上尾真道(うえお・まさみち:1979-)さん選書「心のケアを問う哲学。精神医療とフランス現代思想
5)篠原雅武(しのはら・まさたけ:1975-)さん選書「じつは私たちは、様々な人と会話しながら考えている
6)渡辺洋平(わたなべ・ようへい:1985-)さん選書「今、哲学を(再)開始するために
7)西兼志(にし・けんじ:1972-)さん選書「〈アイドル〉を通してメディア文化を考える
8)岡本健(おかもと・たけし:1983-)さん選書「ゾンビを/で哲学してみる!?
9)金澤忠信(かなざわ・ただのぶ:1970-)さん選書「19世紀末の歴史的文脈のなかでソシュールを読み直す
10)藤井俊之(ふじい・としゆき:1979-)さん選書「ナルシシズムの時代に自らを省みることの困難について
11)吉松覚(よしまつ・さとる:1987-)さん選書「ラディカル無神論をめぐる思想的布置
12)高桑和巳(たかくわ・かずみ:1972-)さん選書「死刑を考えなおす、何度でも
13)杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さん選書「運命論から『ジョジョの奇妙な冒険』を読む
14)河野真太郎(こうの・しんたろう:1974-)さん選書「労働のいまと〈戦闘美少女〉の現在
15)岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ:1987-)さん選書「「実在」とは何か:21世紀哲学の諸潮流
16)吉田奈緒子(よしだ・なおこ:1968-)さん選書「お金に人生を明け渡したくない人へ
17)明石健五(あかし・けんご:1965-)さん選書「今を生きのびるための読書
18)相澤真一(あいざわ・しんいち:1979-)さん/磯直樹(いそ・なおき:1979-)さん選書「現代イギリスの文化と不平等を明視する
19)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん/洪貴義(ほん・きうい:1965-)さん選書「反時代的〈人文学〉のススメ
20)権安理(ごん・あんり:1971-)さん選書「そしてもう一度、公共(性)を考える!
21)河南瑠莉(かわなみ・るり:1990-)さん選書「後期資本主義時代の文化を知る。欲望がクリエイティビティを吞みこむとき
22)百木漠(ももき・ばく:1982-)さん選書「アーレントとマルクスから「労働と全体主義」を考える
23)津崎良典(つざき・よしのり:1977-)さん選書「哲学書の修辞学のために
24)堀千晶(ほり・ちあき:1981-)さん選書「批判・暴力・臨床:ドゥルーズから「古典」への漂流
25)坂本尚志(さかもと・たかし:1976-)さん選書「フランスの哲学教育から教養の今と未来を考える
26)奥野克巳(おくの・かつみ:1962-)さん選書「文化相対主義を考え直すために多自然主義を知る
27)藤野寛(ふじの・ひろし:1956-)さん選書「友情という承認の形――アリストテレスと21世紀が出会う
28)市田良彦(いちだ・よしひこ : 1957-)さん選書「壊れた脳が歪んだ身体を哲学する
29)森茂起(もりしげゆき:1955-)さん選書「精神分析の辺域への旅:トラウマ・解離・生命・身体
30)荒木優太(あらき・ゆうた:1987-)さん選書「「偶然」にかけられた魔術を解く
31)小倉拓也(おぐら・たくや:1985-)さん選書「大文字の「生」ではなく、「人生」の哲学のための五冊
32)渡名喜庸哲(となき・ようてつ:1980-)さん選書「『ドローンの哲学』からさらに思考を広げるために
33)真柴隆弘(ましば・たかひろ:1963-)さん選書「AIの危うさと不可能性について考察する5冊
34)福尾匠(ふくお・たくみ:1992-)さん選書「眼は拘束された光である──ドゥルーズ『シネマ』に反射する5冊
35)的場昭弘(まとば・あきひろ:1952-)さん選書「マルクス生誕200年:ソ連、中国の呪縛から離れたマルクスを読む。
36)小林えみ(こばやし・えみ:1978-)さん選書「『nyx』5号をより楽しく読むための5冊
37)小林浩(こばやし・ひろし:1968-)選書「書架(もしくは頭蓋)の暗闇に巣食うものたち
38)鈴木智之(すずき・ともゆき:1962-)さん選書「記憶と歴史――過去とのつながりを考えるための5冊
39)山井敏章(やまい・としあき:1954-)さん選書「資本主義史研究の新たなジンテーゼ?
40)伊藤嘉高(いとう・ひろたか:1980-)さん選書「なぜ、いま、アクターネットワーク理論なのか
41)早尾貴紀(はやお・たかのり:1973-)さん選書「映画論で見る表象の権力と対抗文化
42)門林岳史(かどばやし・たけし:1974-)さん選書「ポストヒューマンに抗して──状況に置かれた知
43)松山洋平(まつやま・ようへい:1984-)さん選書「イスラムがもっと「わからなく」なる、ナマモノ5選
44)森田裕之(もりた・ひろゆき:1967-)さん選書「ドゥルーズ『差異と反復』へ、そしてその先へ
45)久保田晃弘 (くぼた・あきひろ:1960-)さん選書「新たなる思考のためのメタファーはどこにあるのか?
46)亀井大輔(かめい・だいすけ:1973-)さん選書「「歴史の思考」へと誘う5冊
47)須藤温子(すとう・はるこ:1972-)さん選書「やわらかな思考、奇想の知へようこそ!
48)斎藤幸平(さいとう・こうへい:1987-)さん選書「マルクスと環境危機とエコ社会主義
49)木澤佐登志(きざわ・さとし:1988-)さん選書「いまさら〈近代〉について考えるための5冊
50)筧菜奈子(かけい・ななこ:1986-)さん選書「抽象絵画を理解するにうってつけの5冊
51)西山雄二(にしやま・ゆうじ:1971-)さん選書「フランスにおける動物論の展開
52)山下壮起(やました・そうき:1981-)さん選書「アフリカ的霊性からヒップホップを考える
53)綿野恵太(わたの・けいた:1988-)さん選書「「ポリティカル・コレクトネス」を再考するための5冊
54)久保明教(くぼ・あきのり:1978-)さん選書「文系的思考をその根っこから科学技術へと開くために
55)築地正明(つきじ・まさあき:1981-)さん選書「信仰について考える。ベルクソンとドゥルーズと共に
56)浅野俊哉(あさの・としや:1962-)さん選書「〈触発〉の意味の広がりに触れる5冊
57)岩野卓司(いわの・たくじ:1959-)さん/赤羽健(あかはね・けん:1991-)さん選書「贈与論を通してどう資本主義を突き抜けていくか

+++



# by urag | 2020-01-16 19:25 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 16日

本日取次搬入:秋元康隆『意志の倫理学ーーカントに学ぶ善への勇気』

秋元康隆(あきもと・やすたか:1978-:トリア大学講師)さんのデビュー作『意志の倫理学ーーカントに学ぶ善への勇気』が本日1月16日、取次搬入となりました。書店さんの店頭に並び始めるのは来週前半からかと思われます。どの書店さんでの扱いがあるかについては、地域をご指定のうえ、弊社までお尋ねいただけたら幸いです。同書はシリーズ〈哲学への扉〉の第6回配本です。

本日取次搬入:秋元康隆『意志の倫理学ーーカントに学ぶ善への勇気』_a0018105_18592450.jpg


# by urag | 2020-01-16 18:59 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 15日

注目新刊:久保明教『「家庭料理」という戦場』コトニ社、ほか

注目新刊:久保明教『「家庭料理」という戦場』コトニ社、ほか_a0018105_20310871.jpg


弊社出版物でお世話になっている著訳者の皆さんの最近のご活躍をご紹介します。

★久保明教さん(著書:『ブルーノ・ラトゥールの取説』)
最新著『「家庭料理」という戦場――暮らしはデザインできるか?』がコトニ社さんより先週発売となりました。版元紹介文に曰く「江上トミ、土井勝、小林カツ代、栗原はるみ、土井義晴といった個性豊かな料理研究家たちの著作、「食べるラー油」ブームの火付け役となった生活情報誌『マート』、レシピ投稿サービス「クックパッド」。数々のレシピをもとに調理と実食を繰り返し、生活と学問を往復しながら家庭料理をめぐる諸関係の変遷を追跡する」。

なお、昨夏弊社より出版した前作『ブルーノ・ラトゥールの取説』は3刷ができあがったばかりです。また、新評論さんからは年末にブルーノ・ラトゥールさんの近著『Où atterrir ? : Comment s'orienter en politique』(La Découverte, 2017)の訳書、『地球に降り立つ――新気候体制を生き抜くための政治』が発売されました。訳者解題によれば「フランス語版を参考に、その後原注等にいくつか修正の加わった英語版〔『Down to Earth: Politics in the New Climatic Regime』 Polity Press, 2018〕を底本としている」とのことです。

★門林岳史さん(共訳:リピット水田堯『原子の光(影の光学)』)
先月、フィルムアート社さんより編著書『22世紀の荒川修作+マドリン・ギンズ――天命反転する経験と身体』を上梓されました。版元紹介文によれば「死すべき存在である人間の運命に戦いを仕掛けた荒川+ギンズの思考に迫る、22世紀の身体論。荒川修作没後10年、今なお刺激に満ちた現在進行形の彼らの思想を再発見していく画期的論集」とのことです。

+++


# by urag | 2020-01-15 20:31 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 13日

注目新刊:モホイ=ナジ『ヴィジョン・イン・モーション』国書刊行会、ほか

注目新刊:モホイ=ナジ『ヴィジョン・イン・モーション』国書刊行会、ほか_a0018105_03121604.jpg

ヴィジョン・イン・モーション』ラースロー・モホイ=ナジ著、井口壽乃訳、国書刊行会、2019年12月、本体8,600円、A4変型判上製388頁、ISBN978-4-336-06370-0
グリッドシステム――グラフィックデザインのために』ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン著、古賀稔章訳、白井敬尚監修、ボーンデジタル、2019年11月、本体6,500円、A4判上製184頁、ISBN978-4-86246-448-4
ウェールズ語原典訳 マビノギオン』森野聡子編訳、原書房、2019年11月、本体5,000円、A5判上製560頁、ISBN978-4-562-05690-3
対抗言論――反ヘイトのための交差路 1号:ヘイトの時代に対抗する』杉田俊介/櫻井信栄編、川村湊編集協力、法政大学出版局、2019年12月、本体1,800円、A5判並製346頁、ISBN978-4-588-61611-2
文藝 2020年春季号 特集:中国・SF・革命』河出書房新社、2020年1月、本体1,350円、A5判並製520頁、ISBN978-4-309-97989-2
吉本隆明全集第21巻 1984-1987』吉本隆明著、晶文社、2020年1月、本体7,200円、A5判変型上製760頁、ISBN978-4-7949-7121-0

★『ヴィジョン・イン・モーション』と『グリッドシステム』は大型本。原著は前者が1947年刊、後者が1981年刊。前者は帯文に曰く「ヴァイマールとデッサウのバウハウスにおける基礎課程の教育方法を扱った著作『ザ・ニュー・ヴィジョン』刊行ののちアメリカに渡ったモホイ=ナジが、シカゴのデザイン研究所における教育活動を経て、より一般的な芸術と生活の関係について考察を深化させたデザイン哲学の記念碑的名著」。後者は「グラフィックデザイナー、タイポグラファ、展示デザイナーのための手引き」(カバーソデ紹介文より)であり「2次元、3次元を扱うデザイナーが彼あのデザインを構想し、構造化し、造形するうえで、より早く確実に、視覚的な問題へと対処し、その問題を解決することを可能にするための実用的な仕事上の道具を提供する」(「本書について」より)もの。良書とも図版多数です。

★モホイ=ナジ曰く「デザインすることは複雑で込み入った仕事である。それは、技術上、社会上、経済上の要求と生物学的必要性、そして素材や形、色彩、量感、空間による精神物理学的効果の統合である。つまり、関係性のなかで思考することである。デザイナーは中心と同じように周辺を、少なくとも生物学的意味において、一番近いものと一番遠いものを見なければならない。〔…〕デザインというものは分割できないものである」(42頁)。

★ミューラー=ブロックマン曰く「デザイナーの仕事は、数学的思考に基づいて明白でわかりやすく、即物的かつ機能的でなければならず、また、美的な質を備えていなければならない〔…〕。/構成的で、分析や再生産をすることが可能なデザインは、社会の美的価値観や時代の形や色の文化に影響を与えうるものであり、また、それを広めることができる。そして、即物的で、公共の利益に寄与し、良く構成された文化的なデザインは、民主的なふるまいの素地を養うのである」(10頁)。

★20世紀を、世界戦争後の近代主義の徹底と見ていいなら、それは「設計と制御としてのデザインの時代」であったと言えるのではないかと感じます。戦争の野蛮から立ち直るべく近代的価値を再確認したものの、一方でそれらの価値の徹底化によってすら克服しえない暗黒面も見えてきます。つまり設計と制御によっても野蛮は払しょくできず、争いは再び(相変わらず?)地上に蔓延します。そう確認したのが20世紀末であったように思います。21世紀は設計と制御が再度問われる「デザインの時代」もしくは〈デザイン・ポリティクス〉の時代、の続きですが、人工知能とロボティクスの進展によって、デザインが人間の手から離れることすらありうるのかもしれません。デザインと編集と人間について再考する必要があります。

★『ウェールズ語原典訳 マビノギオン』は「14世紀の写本に収録された11編の中世ウェールズの物語と中世ウェールズの伝説的詩人タリエシンの転生譚『タリエシン物語』をウェールズ語原典から訳出し、解説・訳注を付けたもの」(「まえがき」より)。この11編というのが『マビノギオン』のこと。すなわち「マビノギの四つの枝」(4編)、「三つのロマンス」(3編)、その他4編のウェールズ伝承物語(「スリーズとスレヴェリスの冒険」「ローマ皇帝マクセン公の夢」「キルフーフがオルウェンを手に入れたる次第」「フロナヴィの夢」)です。周知の通り原書房さんでは井辻朱美さん訳の『シャーロット・ゲスト版 マビノギオン――ケルト神話物語』を2003年に刊行しています。今回の原典訳では全体の3分の1強を、160頁を超える長篇解説、さらに訳注と参考文献が占めており、労作と言うべきかと思われます。なお、ウェールズ語原典からの既訳には、中野節子訳『マビノギオン――中世ウェールズ幻想物語集』(JULA出版局、2000年)があります。

★『対抗言論』は法政大学出版局さんから創刊された新雑誌。流通上はISBN付きの書籍で、年1回刊行。巻頭言に曰く「ヘイトに対抗するための雑誌」。70年代半ば生まれの2氏、批評家の杉田俊介(すぎた・しゅんすけ:1975-)さんと、日本文学研究者の櫻井信栄(さくらい・のぶひで:1974-)さんが編集委員を務めています。同誌はクラウドファンディングによって222名のパトロンを得たとのこと。目次詳細は誌名のリンク先でご確認いただけます。巻末には、編集委員とスタッフが「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」と協力して作成した「反ヘイトを考えるためのブックリスト42」が掲出されています。一過性のフェアではなく、常設の「反ヘイト」棚が求められているのではないでしょうか。

★『文藝 2020年春季号』は特集「中国・SF・革命」。リニューアル第2号の2019年秋季号「「韓国・フェミニズム・日本」が3刷、続く冬季号が「詩(うた)・ラップ・ことば」が2刷ときて今回の「中国・SF・革命」も意欲的。中国の作家・閻連科(えん・れんか:1958-)さんは短編「村長が死んだ」が訳出され、平野啓一郎さんとの対談「海を越え爆発するリアリズム」が掲載。河出さんでは著書『日熄』(仮題)も近刊予定とのこと。このところウェブだけでなく紙媒体の各雑誌でも毎月のように新たなテクストを発表されている木澤佐登志さんは同号では、ニック・ドルナソのグラフィック・ノベル『サブリナ』(早川書房、2019年10月)への書評を寄せておられます。

★『吉本隆明全集第21巻 1984-1987』はまもなく発売となる、晶文社版全集の第22回配本。版元紹介文に曰く「「野生時代」の連作詩を組み替えてなった長編詩『記号の森の伝説歌』、柳田の新しい像を作り上げようと試みた「柳田国男論」、そして長い年月をかけてまとめられた西行と良寛についての二つの長篇評論を収録する。単行本未収録7篇」と。第Ⅳ部に収められた「『試行』の立場」は1987年10月に行われた講演録。横浜市教育文化センター文化事業課が主催した連続講演「書物の現在」のひとつで、吉本さんが主宰していた『試行』誌を例に、雑誌出版の困難について赤裸々に語っておられます(蓮實重彦・清水徹・浅沼圭司の3氏との共著で、書肆風の薔薇より『書物の現在』として89年に発売)。87年と言えばニューアカ・ブームの残光がまだまだ明るかった頃。それでもすでに厳しかった状況が言明されていて、80年代出版史の一面を垣間見せてもらえるだけでなく、現代の出版人がどう考えるべきかも、ヒントとして含まれていると感じます。

★「文化や教養の質が変わってきて、一見むつかしい本を読まなくてもその代わりに、読書以外の、映画や音楽などさまざまな文化のジャンル、その分野では感覚を磨いているわけです。だから、若い読者がむつかしいものはご免だといったとしても、彼らを馬鹿だと思ったら大間違いです。彼らは他の分野に関して、われわれが持っていなかったものを持っています。/要するに読書については、むつかしい本を読まなくなったかも知れないけれど、その分どこかで感覚や頭脳の磨き方を知っている筈なんです。だから、思想なんてお断りだと思っているというだけで、一概に馬鹿にしたり侮ってはいけないのであって、普通、反体制といわれている文学者とか、それらしき進歩的なことをいう人たちは「近ごろの若者には思想がなくなった、むつかしい本を読まなくなった、駄目になった」とかいいますが、それは大間違いです」(683~684頁)。

★「判り易いように表現するとは、判り易い言葉で、という意味では決してないのです。易しい言葉を使えば判り易く表現したことになるかというと、そうではないのです。つまり、むつかしい本は読まなくなったが、絵画や音楽、映画や映像という部分ではものすごく鋭敏な、幅広い感覚を持っている人たちに訴えられるような文章で、なおかつ内容の高度な文章を書けるかどうかという課題が、必ずある筈なんです。つまり、言葉を易しくすればいいというのは単なる啓蒙主義にすぎません。もっと悪くいえば、大衆を馬鹿にしていることにもなります。馬鹿にするやり方が啓蒙主義なんです。/ぼくがいってるのは、むつかしい本は読まなくなったかもしれないけれど、他の分野では、ものすごい、かつてなかったような鋭敏な感覚、鋭敏な鑑賞力を持っている人たちに応えられるような文章で、高度な内容を書けるかどうかという課題がこっちにもある筈じゃないか、と反省する必要があるんじゃないかということです」(684頁)。引き受け方として真っ当なご意見であり、ぐうの音もでません。

★付属の「月報22」は、川本三郎さんによる「知識人嫌いの知識人」、石森洋さんによる「ご近所の吉本さん」、ハルノ宵子さんによる「幻の機械」の3篇を収録。末尾の「編集部より」には、昨秋発売された第20巻の解題についての修正が特記されています。

注目新刊:モホイ=ナジ『ヴィジョン・イン・モーション』国書刊行会、ほか_a0018105_03130002.jpg

★続いて文庫の注目新刊を列記します。

アラバスターの壺/女王の瞳――ルゴーネス幻想短編集』レオポルド・ルゴーネス著、大西亮訳、光文社古典新訳文庫、2020年1月、本体1,060円、文庫判336頁、ISBN978-4-334-75418-1
完全な真空』スタニスワフ・レム著、沼野充義/工藤幸雄/長谷見一雄訳、河出文庫、2020年1月、本体1,250円、文庫判384頁、ISBN978-4-309-46499-2
山峡奇談』志村有弘編訳、河出文庫、2020年1月、本体760円、文庫判256頁、ISBN978-4-309-41729-5
増補 責任という虚構』小坂井敏晶著、ちくま学芸文庫、2020年1月、本体1,600円、文庫判544頁、ISBN978-4-480-09953-2
〈ひと〉の現象学』鷲田清一著、ちくま学芸文庫、2020年1月、本体1,200円、文庫判304頁、ISBN 978-4-480-09965-5
ヨーロッパとイスラーム世界』R・W・サザン著、鈴木利章訳、ちくま学芸文庫、2020年1月、本体1,100円、文庫判240頁、ISBN978-4-480-09956-3
線型代数――生態と意味』森毅著、ちくま学芸文庫、2020年1月、本体1,200円、文庫判320頁、ISBN978-4-480-09966-2

★『アラバスターの壺/女王の瞳』はアルゼンチンの作家ルゴーネス(Leopoldo Lugones, 1874-1938)の初文庫化。オリジナル編集で18篇を収録(詳細は書名のリンク先)。目次を見比べる限り、国書刊行会の「バベルの図書館」(現在は「新編バベルの図書館」に再編、第6巻「ラテンアメリカ・中国・アラビア編」に収録)に収められた7篇とはほとんど重複していないようです。帯文に曰く「ボルヘス、コルタサルと並ぶラプラタの幻想文学の巨匠が描く、面妖・回帰の世界へようこそ」。

★『完全な真空』は、国書刊行会「文学の冒険」シリーズで1989年に刊行された、ポーランドのSF作家レム(Stanisław Herman Lem, 1921-2006)による架空本の書評集(原著は71年刊)の文庫化。巻末には共訳者の沼野さんによる「レムの架空図書館――三十年後の解説」が新たに付されています。河出文庫でのレム本は本書が初めて。

★『山峡奇談』は、奈良時代から昭和までの「山」をめぐる不思議な話の数々、80篇強を集成したもの。「『諸国里人談』『奇談雑史』『怪談実話揃』などの奇譚の宝庫から蒐集し、現代語訳で届ける怪異集」(カバー裏紹介文より)。編訳者の相模女子大学名誉教授・志村有弘(しむら・くにひろ:1941-)さんは河出文庫でこれまで怪談ものを6点上梓されています。冬に読む怪談も格別ですね。

★ちくま学芸文庫さんの1月新刊は「Math & Science」シリーズ1点を含む4点。『増補 責任という虚構』は2008年に東京大学出版会より刊行された単行本の文庫化。巻末特記には「大幅な増補と改訂を行った」とあります。目次を見る限り全6章構成は変わっていないようですが、「結論に代えて」の後に「補考 近代の原罪――主体と普遍」(389~472頁)が加えられ、さらに「文庫版あとがき」と、尾崎一郎さんによる解説「虚構を暴き、虚構に生きる」が付されています。

★「文庫版あとがき」にはこう記されています。「「補考」で大澤真幸・河野哲也・古田徹也・國分功一郎・斎藤慶典諸氏の考究と対峙したおかげで、私論の立ち位置がより明確になった。どなたとも面識がないが、失礼を顧みず、比較対象に挙げさせていただいた」。小坂井敏晶(こざかい・としあき:1956-)さんは現在、パリ第八大学心理学部准教授。ちくま学芸文庫では主著のひとつ『民族という虚構』が増補されて2011年に文庫化されており、こちらの元本はフランス語でも刊行されていますが、『責任という虚構』のフランス語原稿は今なお出版されていません。その辺の事情も「文庫版あとがき」で明かされています。

★『〈ひと〉の現象学』は、筑摩書房より2013年に刊行された単行本の文庫化。巻末に「文庫版あとがき」が加えられています。「〈ひと〉の一生は一つの途ではない。つねに偶発的なものに突き動かされ、その存在の拠点すらずらされて、別の〈ひと〉との衝突や因縁、誘いやしがらみのなかで、何かになりゆくものだと思っている。〔…〕説明したり分析したりするよりも先に、何よりも丹念に、分厚く、記述することがたいせつだ」(288頁)。章立ては親本の書誌情報に記載されています。

★『ヨーロッパとイスラーム世界』は岩波書店の「岩波現代選書」の一冊として1980年に刊行されたものの文庫化。親本では著者名はサザーン(文庫ではサザン)、書名は『ヨーロッパとイスラム世界』で、イスラムがイスラームに変更されています。原著は『Western Views of Islam in the Middle Ages』(Harvard University Press, 1962)で、もともとは1961年にハーヴァード大学で行なわれた全3回の講義録です。「7世紀から宗教改革期まで、ヨーロッパの人々のイスラーム観〔の変遷〕」(カヴァー裏紹介文より)をめぐるもの。「文庫版訳者あとがき」と山本芳久さんによる解説「キリスト教とイスラム今日の相互理解の原点」が付されています。サザン(Sir Richard William Southern, 1912-2001)はイギリスの中世史家。近年の訳書に『カンタベリーのアンセルムス――風景の中の肖像』(矢内義顕訳、知泉書館、2015年;著者名表記は「サザーン」)などがあります。

★『線型代数』は1980年に日本評論社から刊行された単行本の文庫化。著者は2010年にお亡くなりになっており、追加テクストや文庫版解説はなし。「あとがき」によれば本書はもともと、『数学セミナー』誌上での連載「基礎講座 線型代数」(1979年5月~1980年8月)をまとめたもので、序論に代えて同じく『数学セミナー』1978年6月号掲載の「線型代数の“なぜ,なにを,いかに”」の前半を加えたもの、とのことです。語り口は柔らか。例えば「3次元空間の直線」には『聊斎志異』における鬼(ユーレイ)と聻(ユーレイのユーレイ)が譬えとして出てきます。

+++


# by urag | 2020-01-13 23:53 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2020年 01月 10日

重版出来:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』3刷

久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』(2019年8月刊)の3刷ができあがりました。1月14日(火)より取次搬入を開始します。

# by urag | 2020-01-10 20:02 | 重版情報 | Trackback | Comments(0)
2019年 12月 31日

月曜社の出版物【2019】

弊社は2019年12月7日で創業満19周年を迎え、20年目の営業へと入りました。今年一年の皆様のご愛顧に深く御礼申し上げます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

◎2019年の発行/発売実績

★自社発行
02月01日:松江泰治『JP-34』本体3600円【芸術/写真】
02月18日:須藤温子『エリアス・カネッティ――生涯と著作』本体3,500円、シリーズ・古典転生、第18回配本、本巻17【人文/思想研究】
02月20日:十和田市現代美術館編『毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする』本体2,200円【芸術/作品集】
02月22日:ハナ・ロスチャイルド『パノニカ――ジャズ男爵夫人の謎を追う』小田中裕次訳、本体2,700円【音楽/評伝】
03月06日:筧菜奈子『ジャクソン・ポロック研究――その作品における形象と装飾性』本体4,000円、シリーズ・古典転生、第19回配本、本巻18【芸術/作品研究】
03月22日:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』谷川渥/小西信之訳、本体4,500円【芸術/芸術論】
05月14日:ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』吉田裕訳、本体3,800円、叢書・エクリチュールの冒険、第13回配本【外国文学/カリブ文学】
05月23日:『森山大道写真集成(4)光と影』本体6,000円【芸術/写真集】
08月07日:新井俊春『名人農家が教える有機栽培の技術』本体2,700円【農業】
08月07日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説――アクターネットワーク論から存在様態探求へ』本体1,800円、シリーズ〈哲学への扉〉、第3回配本【人文/思想研究】
09月12日:山下純照/西洋比較演劇研究会編『西洋演劇論アンソロジー』本体3,600円【芸術/演劇】
09月19日:『森山大道写真集成(2)狩人』本体5,000円【芸術/写真集】
10月03日:水野浩二『倫理と歴史――1960年代のサルトルの倫理学』本体2,200円、シリーズ〈哲学への扉〉、第4回配本【人文/思想研究】
10月03日:ジョルジョ・アガンベン『書斎の自画像』岡田温司訳、本体2,700円、シリーズ〈哲学への扉〉、第5回配本【人文/思想】
11月01日:ラシード・ブージェドラ『ジブラルタルの征服』下境真由美訳、本体3,000円、叢書・エクリチュールの冒険、第14回配本【外国文学/マグレブ文学】
11月13日:カール・ヤスパース『ニーチェ――彼の〈哲学すること〉の理解への導き』本体8,400円、シリーズ・古典転生、第20回配本、本巻19【人文/哲学】
11月29日:榊貴美『KIMI SAKAKI twinkle』本体2,000円【芸術/画集】
12月05日:『森山大道写真集成(3)写真よさようなら』本体7,500円【芸術/写真集】
12月24日:ジュディス・バトラー『新版 権力の心的な生』佐藤嘉幸/清水知子訳、本体3,200円【人文/思想】

★自社重版
05月10日:甲斐義明編訳『写真の理論』2刷【芸術/写真論】
07月26日:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』2刷【芸術/芸術批評】
09月04日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』2刷【人文/思想研究】
10月10日:森山大道『犬と網タイツ』3刷【芸術/写真集】

★発売元請負
04月26日:表象文化論学会『表象13:ファッション批評の可能性』本体2,000円【人文/思想】

★製作請負
12月06日:日本ヤスパース協会『コムニカチオン 第26号』【人文/哲学】

以上、自社本19点、重版4点、発売元請負1点、製作請負1点でした。第20期も出版事業に微力を尽くします。どうぞよろしくお願いいたします。


# by urag | 2019-12-31 12:44 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2019年 12月 30日

2020年手帳:ブレポルスのリマがないためパレルモに

当ブログでは不定期でベルギーのブレポルス社製の手帳について3回書いてきました。


2020年手帳:ブレポルスのリマがないためパレルモに_a0018105_16155532.jpg

今回が4回目です。おそらく2000年版から毎年、Brepolsの手帳を銀座の伊東屋か、輸入元の株式会社不二越がヤフーに出店しているオンラインストア「DESCO Online Store」か、いずれかで買っていました(最初の1、2年は日本橋の丸善を利用していたと記憶します)。Genova、Parelmo、Ravenna、などの合皮カヴァーに「Interplan」のリフィルが付いたものを長らく使用していましたが、2016年版からLimaに乗り換えていました。合皮カヴァーのシリーズをやめた理由については以前のエントリーに書いています。

しかしこの2019年末、困ったことにLimaのInterplanは輸入されていません。フォーマットでInterplanを選ぼうとすると、リフィル以外ではMooseかCorolaを選ぶしかない。けれども、色味やデザインが派手だったり、表紙の資材だったりで好きになれないのです。Interplan以外の製本版ではSetaシリーズがあるものの、見開きに2週間を詰め込んでいるBreplan仕様のため、見開きで1週間のInterplanに比べると書き込む欄が狭すぎます。

困り果てたあげく、久しぶりにParelmoに戻ることになりました。3,300円也。結果、LimaのInterplanは2016年からわずか4年で終了。ベルギー本国ではまだ生産されているようなので、2021年版を不二越さんが再び仕入れて下さるならLimaに戻りたいと思います。ぜひ、ムースやコロラではなく、リマを輸入してくださると嬉しいです。



# by urag | 2019-12-30 16:17 | 雑談 | Trackback | Comments(0)