2026年 12月 31日
◆新刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません) 2024年12月12日発売:豊田市美術館編『しないで、おくこと。――芸術と生のアナキズム』本体2,600円。 2024年12月09日発売:本橋哲也『鈴木忠志の演劇――騙る身体と利賀の思想』本体2,400円。 2024年12月09日発売:長崎浩『他力という力――叛乱論終章』本体3,200円。 2024年11月27日発売:H・G・ウェルズ『モダン・ユートピア』本体3,400円、叢書・エクリチュールの冒険、第25回配本。 2024年10月30日発売:ゲルハルト・クリューガー『カントの批判における哲学と道徳』本体5,400円、シリーズ・古典転生第31回配本(本巻30)。 2024年10月24日発売:中山幸雄『暴動の時代に生きて――山谷 '68-'86』本体3,200円。 2024年09月18日発売:『多様体6(第1期終刊号)特集:展開/分岐』本体2,600円。 2024年09月02日発売:ジュディス・バトラー『改訳決定版 権力の心的な生』本体3,200円。 2024年07月25日発売:東京藝術大学未来創造継承センター『Creative Archive vol.1』本体1,500円。 2024年06月05日発売:表象文化論学会『表象18:皮膚感覚と情動――表象から現前のテクノロジーへ』本体2,000円。 2024年05月16日発売:谷川雁『筑豊からの報告――大正行動隊から退職者同盟へ』本体3,600円。 2024年04月30日発売:ジョヴァンニ・ジェンティーレ『純粋行為としての精神の一般理論』本体5,400円、シリーズ・古典転生第30回配本(本巻29)。 2024年04月30日発売:アンヌ・ソヴァニャルグ『ドゥルーズと芸術』本体3,600円。 2024年04月10日発売:江川隆男『内在性の問題』本体4,300円。 2024年03月21日発売:『平岡正明著作集』上下巻、各3,200円。 2024年02月16日発売:シャルロット・デルボー『無益な知識――アウシュヴィッツとその後2』本体2,400円。 2024年02月06日発売:アルベール・カミュ『結婚』本体2,000円、叢書・エクリチュールの冒険第24回配本。 2024年01月18日発売:ジュディス・バトラー『新版 自分自身を説明すること』本体2,700円。 2024年01月09日発売:近藤和敬『人類史の哲学』本体3,800円。 2023年12月01日発売:アンジェロ・ポリツィアーノ『シルウァエ』本体5,400円、シリーズ・古典転生第29回配本(本巻28)。 2023年12月01日発売:石川義正『存在論的中絶』本体2,600円。 2023年11月17日発売:小田原のどか/山本浩貴編『この国(近代日本)の芸術――〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』本体3,600円。 2023年11月09日発売:渡辺由利子『ふたりの世界の重なるところ――ジネヴラとジョルジョと友人たち』本体2,200円、シリーズ〈哲学への扉〉第10回配本。 ◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々) ◎重版出来: 2024年06月19日:小田原・山本編『この国の芸術』2刷(2023年11月初刷) 2024年07月24日:マルム『パイプライン爆破法』2刷(2021年12月初刷) 2024年08月01日:モリス『小さな芸術』2刷(2022年11月初刷)
◆出版=書店業界情報:リンクまとめ ◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信」 ◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン」 ◎話題系:フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営」 ◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞 ◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍 ※このブログの最新記事は当エントリーより下段をご覧ください。 ※月曜社について一般的につぶやかれている様子はYahoo!リアルタイム検索からもご覧になれます。月曜社が公式に発信しているものではありませんので、未確定・未確認情報が含まれていることにご注意下さい。ちなみに月曜社はtwitterのアカウントを取得する予定はありませんが、当ブログ関連のアカウントはあります。 #
by urag
| 2026-12-31 23:59
| ご挨拶
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2025年 01月 18日
★最近出会いのあった新刊既刊を列記します。 『ヨーロッパの地理哲学』マッシモ・カッチャーリ(著)、上村忠男(訳)、講談社選書メチエ、2025年1月、本体2,050円、四六判並製288頁、ISBN978-4-06-538160-1 『伊藤明彦の仕事(1)未来からの遺言――ある被爆者体験の伝記/シナリオ 被爆太郎伝説』伊藤明彦(著)、編集室水平線、2024年12月、本体2,200円、四六判並製356頁、ISBN978-4-909291-07-3 『映画監督 ドン・シーゲル――ノワールを遠く離れて』吉田広明(著)、作品社、2025年1月、本体2,700円、四六判並製320頁、ISBN978-4-86793-071-7 『メイジー・チェンのラストチャンス』リサ・イー(著)、代田亜香子(訳)、作品社、2025年1月、本体2,200円、46判並製248頁、ISBN978-4-86793-070-0 『文藝 2025年春季号』河出書房新社、2025年1月、本体1,350円、A5判並製472頁、雑誌07821-02 『季刊 農業と経済 2024年秋号 特集:本気の有機農業「25%」実現にむけて──思考、技術、システム転換』秋津元輝/松平尚也/宮浦理恵/中村貴子(責任編集)、英明企画編集、2024年11月、本体1,700円、A5判並製240頁、ISBN978-4-909151-63-6 ★『ヨーロッパの地理哲学』は、イタリアの思想家で政治家のマッシモ・カッチャーリ(Massimo Cacciari, 1944-)の著書『Geofilosofia dell'Europa』(Adelphi, 1994; quinta ed., 2008)の全訳。カバー表4紹介文に曰く「ヨーロッパは、いかにして自らを「ヨーロッパ」として同定するに至ったか。古典古代のテクストに準拠しつつ、中世から近代、現代にいたるさまざまなヨーロッパ像と突き合わせながら丹念に読み解く労作」。 ★『未来からの遺言/被爆太郎伝説』は、編集室水平線の新シリーズ『伊藤明彦の仕事』全6巻の第1回配本。帯文に曰く「生涯で2000人を超える被爆者を訪問し、1000人以上の「声」を聴きとり録音した、稀有な人物の仕事を網羅するシリーズ、第1巻」。伊藤明彦(いとう・あきひこ, 1936-2009)さんは元長崎放送記者。 ★作品社の新刊より2点。『映画監督 ドン・シーゲル』は、映画評論家の吉田広明(よしだ・ひろあき, 1964-)さんによる「40年にわたりハリウッドでアクション映画、犯罪映画を撮り続けた職人監督のキャリアと主題を詳細に辿る、モノグラフの名手による書き下ろし長篇評論」(帯文より)。詳細なフィルモグラフィー付。 ★『メイジー・チェンのラストチャンス』は、中国系アメリカ人三世の作家、リサ・イー(Lisa Yee, 1959-)さんの小説『Maizy Chen's Last Chance』(2022年)の訳書。シリーズ「金原瑞人選モダン・クラシックYA」の1冊です。原著はニューベリー名誉賞を受賞しています。 ★雑誌新刊より2点。『文藝 2025年冬季号』では、町屋良平、滝口悠生、倉本さおりの三氏による座談会「文芸批評は断絶したか――小説の死後の未来」に注目。司会は文筆家の水上文さん。書肆侃侃房のウェブ連載マガジン「web侃づめ」に掲載された、町屋良平さんによる「小説の死後──(にも書かれる散文のために)── 序文」について触れるところから座談会が始まっています。 ★『季刊 農業と経済 2024年秋号』の特集「本気の有機農業「25%」実現にむけて」は、版元紹介文に曰く「日本の有機農業や自然循環型農業の豊かな歴史のなかで培われてきた思考や技術を継承しつつ、現代的・世界的な課題や論点も踏まえたうえで、農と食からの社会システム転換および消費側の意識改革の必要性を含めて、「本気」の有機農業の拡大について検討する」と。
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by urag
| 2025-01-18 21:59
| ENCOUNTER(本のコンシェルジュ)
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2025年 01月 13日
★注目文庫既刊(2024年8~12月)を列記します。まずは、講談社学術文庫。文庫オリジナルは、新訳の『ティマイオス』『アストロノミカ』『善悪の彼岸』。『アストロノミカ』は『占星術または天の聖なる学』(有田忠郎訳、白水社:ヘルメス叢書、1993年)に続くマーニーリウス(マルクス・マニリウス)の訳書。訳者の竹下哲文さんは『詩の中の宇宙 マーニーリウス『アストロノミカ』の世界』(京都大学学術出版会:プリミエ・コレクション、2021年)の著者です。 『ティマイオス』プラトン(著)、土屋睦廣(訳)、講談社学術文庫、2024年12月、本体1,250円、A6判304頁、ISBN978-4-06-538095-6 『哲学宗教日記 1930-1932/1936-1937』ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン(著)、イルゼ・ゾマヴィラ(編)、鬼界彰夫(訳)、講談社学術文庫、2024年12月、本体1,460円、A6判400頁、ISBN978-4-06-536565-6 『陶淵明』興膳宏(著)、講談社学術文庫、2024年12月、本体780円、A6判112頁、ISBN978-4-06-537649-2 『日本動物民俗誌』中村禎里(著)、小松和彦(解説)、講談社学術文庫、2024年12月、本体1,150円、A6判264頁、ISBN978-4-06-537935-6 『アストロノミカ』マーニーリウス(著)、竹下哲文(訳)、講談社学術文庫、2024年11月、本体1,460円、A6判400頁、ISBN978-4-06-537794-9 『インドの宗教とキリスト教』ルードルフ・オットー(著)、立川武蔵/立川希代子(訳)、講談社学術文庫、2024年11月、本体1,100円、A6判248頁、ISBN978-4-06-537674-4 『善悪の彼岸』フリードリヒ・ニーチェ(著)、丘沢静也(訳)、講談社学術文庫、2024年10月、本体1,380円、A6判368頁、ISBN978-4-06-537320-0 『英雄伝』コルネリウス・ネポス(著)、山下太郎/上村健二(訳)、講談社学術文庫、2024年9月、本体1,210円、A6判280頁、ISBN978-4-06-536363-8 ★続いて、岩波文庫。『政治的神学』は、『政治的なものの概念』(岩波文庫、2022年)に続く、権左武志さんによる岩波文庫でのシュミットの訳書の2冊目。『エティオピア物語』は2022年に廃業した国文社の「叢書アレクサンドリア図書館」で2003年に刊行されたものの文庫化。同叢書からは先述の講談社学術文庫でネポス『英雄伝』が再刊されています。国文社から刊行されていた数々の名著は今後も少しずつ文庫化されていくのではないかと想像します。 『政治的神学――主権論四章』カール・シュミット(著)、権左武志(訳)、岩波文庫、2024年11月、本体720円、文庫判168頁、ISBN978-4-00-340303-7 『日本往生極楽記・続本朝往生伝』大曾根章介/小峯和明(校注)、岩波文庫、2024年11月、本体910円、文庫判262頁、ISBN978-4-00-300441-8 『過去と思索(五)』ゲルツェン(著)、金子幸彦/長縄光男(訳)、岩波文庫、2024年12月、本体1,430円、文庫判540頁、ISBN978-4-00-386044-1 『過去と思索(四)』ゲルツェン(著)、金子幸彦/長縄光男(訳)、岩波文庫、2024年10月、本体1,500円、文庫判590頁、ISBN978-4-00-386043-4 『エティオピア物語(下)』ヘリオドロス(作)、下田立行(訳)、岩波文庫、2024年11月、本体910円、文庫判334頁、ISBN978-4-00-321272-1 『エティオピア物語(上)』ヘリオドロス(作)、下田立行(訳)、岩波文庫、2024年10月、本体910円、文庫判308頁、ISBN978-4-00-321271-4 ★次に河出文庫。『「国を守る」とは何か』は、三島生誕百年記念の文庫オリジナル政治論集。カバー表4紹介文に曰く「戦時下に書かれた「大東亜戦に対する所感」から、1970年11月25日に撒かれた「檄」まで、政治をめぐる文章を精選」と。全28篇。解題は友常勉さんが寄せておられます。ブコウスキーの3点はいずれも新装再刊。『雨月物語』は『日本文学全集』からのスイッチですが、同文庫では『雨月物語』関連ではこれまでに、円地文子訳『現代語訳 雨月物語 春雨物語』(『現代語訳日本の古典』シリーズよりのスイッチ、2008年)と『水木しげるの雨月物語』(1985年)を刊行しており、円地訳は現在も販売中。水木さんのはイラスト付きで「吉備津の釜」「夢応の鯉魚」「蛇性の婬」の三話を収録した再話絵本で、河出文庫では品切ですが、2017年に復刻ドットコムよりA4判サイズの大判で函入の愛蔵復刻版が刊行されました。なお水木さんには「新・雨月物語」という劇画作品もあって、こちらは『水木しげる漫画大全集(77)現代妖怪譚[全]他』(講談社、2015年)に収録されています。周知の通り『雨月物語』は岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま学芸文庫、角川ソフィア文庫などでも読める、古典の人気作です。 『「国を守る」とは何か――三島由紀夫政治論集』三島由紀夫(著)、河出文庫、2024年12月、本体1,100円、文庫判280頁、ISBN978-4-309-42155-1 『雨月物語』円城塔(訳)、河出文庫、2024年11月、本体800円、文庫判216頁、ISBN978-4-309-42151-3 『詩人と女たち』チャールズ・ブコウスキー(著)、中川五郎(訳)、河出文庫、2024年10月、本体1,500円、文庫判544頁、ISBN978-4-309-46809-9 『くそったれ! 少年時代』チャールズ・ブコウスキー(著)、中川五郎(訳)、河出文庫、2024年9月、本体1,300円、文庫判448頁、ISBN978-4-309-46805-1 『死をポケットに入れて』チャールズ・ブコウスキー(著)、ロバート・クラム(画)、中川五郎(訳)、河出文庫、2024年8月、本体900円、文庫判248頁、ISBN978-4-309-46804-4 ★次に角川文庫と角川ソフィア文庫。「100分間で楽しむ名作小説」は角川文庫の創刊75周年を記念して昨春(2024年3月)にスタートしたレーベル内シリーズで、キャッチフレーズは「あなたの時間を少しだけ、小説とともに。いつもより大きな文字で届ける厳選名作」。読書に時間を割きづらい現代人に完読の達成感を与えてくれる、ハードルを下げてくれる廉価シリーズです。いずれも薄い本なので、たとえ100分では読み切れなくても、短期間で読了できるでしょう。好感と共感を抱けるシリーズです。既刊は14点ですが、私はまず安吾と夢野久作を選んでみました。安吾の表題作は先の大戦での空襲の描写がすさまじく、中東の惨状を報道で見聞きしている日本人には改めてリアリティをもって迫るのではないかと感じます。久作の方は収録作の3篇とも死の色が濃厚な怖い1冊。このシリーズを全冊読破する楽しみもあるのではないかと思います。 『100分間で楽しむ名作小説 瓶詰の地獄』夢野久作(著)、角川文庫、2024年11月、本体600円、文庫判144頁、ISBN978-4-04-115253-9 『100分間で楽しむ名作小説 白痴』坂口安吾(著)、角川文庫、2024年11月、本体600円、文庫判128頁、ISBN978-4-04-115250-8 『蛇の神――蛇信仰とその源泉』小島瓔禮(編著)、河出ソフィア文庫、2024年11月、本体1,360円、文庫判336頁、ISBN978-4-04-400850-5 『現代語訳 東都歳事記』斎藤月岑(著)、長谷川雪旦/長谷川雪堤(画)、小林祥次郎(解説)、角川ソフィア文庫、2024年10月、本体1,450円、文庫判496頁、ISBN978-4-04-400833-8 ★続いて光文社古典新訳文庫。丘沢さんはカフカの『変身』『流刑地にて』『訴訟』と代表作を手がけられ、ついに『城』を上梓。史的批判版からの新訳。帯文に「カフカの最高傑作」とありますが、私も個人的にはそう思います。『訴訟(判決)』も名作ですが、『城』は迷宮感がさらに増しており、生きづらい現代社会をなぞっているように感じます。丘沢さんはニーチェ『善悪の彼岸』の新訳も、カフカ『城』の2か月前に刊行されており、訳業に圧倒されるばかりです。 『城』カフカ(著)、丘沢静也(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年11月、本体1,420円、文庫判600頁、ISBN978-4-334-10505-1 『ネコのムル君の人生観(下)』ホフマン(著)、鈴木芳子(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年10月、本体1,400円、文庫判464頁、ISBN978-4-334-10467-2 『ネコのムル君の人生観(上)』ホフマン(著)、鈴木芳子(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年9月、本体1,400円、文庫判++頁、ISBN978-4-334-10420-7 『沈黙の春』レイチェル・カーソン(著)、渡辺政隆(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年9月、本体1,100円、文庫判496頁、ISBN978-4-334-10421-4 ★最後に、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、創元推理文庫、創元ライブラリー、ちくま文庫、双葉文庫、宝島SUGOI文庫。ホフマンは『ムル』の新訳が先述の通り出ましたが、『ドイツロマン派怪奇幻想傑作集』でも「からくり人形」と「砂男」の新訳が収められています。この手の翻訳アンゾロジーは品切にならないうちに購入しないと後悔しますね。 『数覚とは何か?〔新版〕――心が数を創り、操る仕組み』スタニスラス・ドゥアンヌ(著)、長谷川眞理子/小林哲生(訳)、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2024年12月、本体1,600円、文庫判684頁、ISBN978-4-15-050612-4 『ドイツロマン派怪奇幻想傑作集』ティーク/ザリーツェ=コンテッサ/フケー/ハウフ/フォン・アルニム/ホフマン(著)、遠山明子(編訳)、創元推理文庫、2024年9月、本体1,200円、文庫判414頁、ISBN978-4-488-58409-2 『サラゴサ手稿〈下〉』ヤン・ポトツキ(著)、工藤幸雄(訳)、創元ライブラリー、2024年8月、本体1,200円、文庫判406頁、ISBN978-4-488-07061-8 『ストリートの思想 増補新版』毛利嘉孝(著)、ちくま文庫、2024年9月、本体900円、文庫判368頁、ISBN978-4-480-43956-7 『世界マヌケ反乱の手引書――ふざけた場所の作り方 増補版』松本哉(著)、ちくま文庫、2024年9月、本体880円、文庫判352頁、ISBN978-4-480-43972-7 『人類前史――失われた文明の鍵はアメリカ大陸にあった(上)』グラハム・ハンコック(著)、大地舜/榊原美奈子(訳)、双葉文庫、2024年9月、本体1,200円、A6判576頁、ISBN978-4-575-71506-4 『人類前史――失われた文明の鍵はアメリカ大陸にあった(下)』グラハム・ハンコック(著)、大地舜/榊原美奈子(訳)、双葉文庫、2024年9月、本体1,200円、A6判640頁、ISBN978-4-575-71507-1 『神社に秘められた日本史の謎』新谷尚紀(監修)、古川順弘(著)、宝島SUGOI文庫、2024年9月、本体800円、文庫判192頁、ISBN978-4-299-05994-9 #
by urag
| 2025-01-13 20:06
| ENCOUNTER(本のコンシェルジュ)
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2025年 01月 13日
★注目文庫既刊(2024年8~12月)で過去に言及できていなかったものを列記します。まずは、講談社学術文庫。文庫オリジナルは、新訳の『ティマイオス』『アストロノミカ』『善悪の彼岸』。『アストロノミカ』は『占星術または天の聖なる学』(有田忠郎訳、白水社:ヘルメス叢書、1993年)に続くマーニーリウス(マルクス・マニリウス)の訳書。訳者の竹下哲文さんは『詩の中の宇宙 マーニーリウス『アストロノミカ』の世界』(京都大学学術出版会:プリミエ・コレクション、2021年)の著者です。 『ティマイオス』プラトン(著)、土屋睦廣(訳)、講談社学術文庫、2024年12月、本体1,250円、A6判304頁、ISBN978-4-06-538095-6 『哲学宗教日記 1930-1932/1936-1937』ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン(著)、イルゼ・ゾマヴィラ(編)、鬼界彰夫(訳)、講談社学術文庫、2024年12月、本体1,460円、A6判400頁、ISBN978-4-06-536565-6 『陶淵明』興膳宏(著)、講談社学術文庫、2024年12月、本体780円、A6判112頁、ISBN978-4-06-537649-2 『日本動物民俗誌』中村禎里(著)、小松和彦(解説)、講談社学術文庫、2024年12月、本体1,150円、A6判264頁、ISBN978-4-06-537935-6 『アストロノミカ』マーニーリウス(著)、竹下哲文(訳)、講談社学術文庫、2024年11月、本体1,460円、A6判400頁、ISBN978-4-06-537794-9 『インドの宗教とキリスト教』ルードルフ・オットー(著)、立川武蔵/立川希代子(訳)、講談社学術文庫、2024年11月、本体1,100円、A6判248頁、ISBN978-4-06-537674-4 『善悪の彼岸』フリードリヒ・ニーチェ(著)、丘沢静也(訳)、講談社学術文庫、2024年10月、本体1,380円、A6判368頁、ISBN978-4-06-537320-0 『英雄伝』コルネリウス・ネポス(著)、山下太郎/上村健二(訳)、講談社学術文庫、2024年9月、本体1,210円、A6判280頁、ISBN978-4-06-536363-8 ★続いて、岩波文庫。『政治的神学』は、『政治的なものの概念』(岩波文庫、2022年)に続く、権左武志さんによる岩波文庫でのシュミットの訳書の2冊目。『エティオピア物語』は2022年に廃業した国文社の「叢書アレクサンドリア図書館」で2003年に刊行されたものの文庫化。同叢書からは先述の講談社学術文庫でネポス『英雄伝』が再刊されています。国文社から刊行されていた数々の名著は今後も少しずつ文庫化されていくのではないかと想像します。 『政治的神学――主権論四章』カール・シュミット(著)、権左武志(訳)、岩波文庫、2024年11月、本体720円、文庫判168頁、ISBN978-4-00-340303-7 『日本往生極楽記・続本朝往生伝』大曾根章介/小峯和明(校注)、岩波文庫、2024年11月、本体910円、文庫判262頁、ISBN978-4-00-300441-8 『過去と思索(五)』ゲルツェン(著)、金子幸彦/長縄光男(訳)、岩波文庫、2024年12月、本体1,430円、文庫判540頁、ISBN978-4-00-386044-1 『過去と思索(四)』ゲルツェン(著)、金子幸彦/長縄光男(訳)、岩波文庫、2024年10月、本体1,500円、文庫判590頁、ISBN978-4-00-386043-4 『エティオピア物語(下)』ヘリオドロス(作)、下田立行(訳)、岩波文庫、2024年11月、本体910円、文庫判334頁、ISBN978-4-00-321272-1 『エティオピア物語(上)』ヘリオドロス(作)、下田立行(訳)、岩波文庫、2024年10月、本体910円、文庫判308頁、ISBN978-4-00-321271-4 ★次に河出文庫。『「国を守る」とは何か』は、三島生誕百年記念の文庫オリジナル政治論集。カバー表4紹介文に曰く「戦時下に書かれた「大東亜戦に対する所感」から、1970年11月25日に撒かれた「檄」まで、政治をめぐる文章を精選」と。全28篇。解題は友常勉さんが寄せておられます。ブコウスキーの3点はいずれも新装再刊。『雨月物語』は『日本文学全集』からのスイッチですが、同文庫では『雨月物語』関連ではこれまでに、円地文子訳『現代語訳 雨月物語 春雨物語』(『現代語訳日本の古典』シリーズよりのスイッチ、2008年)と『水木しげるの雨月物語』(1985年)を刊行しており、円地訳は現在も販売中。水木さんのはイラスト付きで「吉備津の釜」「夢応の鯉魚」「蛇性の婬」の三話を収録した再話絵本で、河出文庫では品切ですが、2017年に復刻ドットコムよりA4判サイズの大判で函入の愛蔵復刻版が刊行されました。なお水木さんには「新・雨月物語」という劇画作品もあって、こちらは『水木しげる漫画大全集(77)現代妖怪譚[全]他』(講談社、2015年)に収録されています。周知の通り『雨月物語』は岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま学芸文庫、角川ソフィア文庫などでも読める、古典の人気作です。 『「国を守る」とは何か――三島由紀夫政治論集』三島由紀夫(著)、河出文庫、2024年12月、本体1,100円、文庫判280頁、ISBN978-4-309-42155-1 『雨月物語』円城塔(訳)、河出文庫、2024年11月、本体800円、文庫判216頁、ISBN978-4-309-42151-3 『詩人と女たち』チャールズ・ブコウスキー(著)、中川五郎(訳)、河出文庫、2024年10月、本体1,500円、文庫判544頁、ISBN978-4-309-46809-9 『くそったれ! 少年時代』チャールズ・ブコウスキー(著)、中川五郎(訳)、河出文庫、2024年9月、本体1,300円、文庫判448頁、ISBN978-4-309-46805-1 『死をポケットに入れて』チャールズ・ブコウスキー(著)、ロバート・クラム(画)、中川五郎(訳)、河出文庫、2024年8月、本体900円、文庫判248頁、ISBN978-4-309-46804-4 ★次に角川文庫と角川ソフィア文庫。「100分間で楽しむ名作小説」は角川文庫の創刊75周年を記念して昨春(2024年3月)にスタートしたレーベル内シリーズで、キャッチフレーズは「あなたの時間を少しだけ、小説とともに。いつもより大きな文字で届ける厳選名作」。読書に時間を割きづらい現代人に完読の達成感を与えてくれる、ハードルを下げてくれる廉価シリーズです。いずれも薄い本なので、たとえ100分では読み切れなくても、短期間で読了できるでしょう。好感と共感を抱けるシリーズです。既刊は14点ですが、私はまず安吾と夢野久作を選んでみました。安吾の表題作は先の大戦での空襲の描写がすさまじく、中東の惨状を報道で見聞きしている日本人には改めてリアリティをもって迫るのではないかと感じます。久作の方は収録作の3篇とも死の色が濃厚な怖い1冊。このシリーズを全冊読破する楽しみもあるのではないかと思います。 『100分間で楽しむ名作小説 瓶詰の地獄』夢野久作(著)、角川文庫、2024年11月、本体600円、文庫判144頁、ISBN978-4-04-115253-9 『100分間で楽しむ名作小説 白痴』坂口安吾(著)、角川文庫、2024年11月、本体600円、文庫判128頁、ISBN978-4-04-115250-8 『蛇の神――蛇信仰とその源泉』小島瓔禮(編著)、河出ソフィア文庫、2024年11月、本体1,360円、文庫判336頁、ISBN978-4-04-400850-5 『現代語訳 東都歳事記』斎藤月岑(著)、長谷川雪旦/長谷川雪堤(画)、小林祥次郎(解説)、角川ソフィア文庫、2024年10月、本体1,450円、文庫判496頁、ISBN978-4-04-400833-8 ★続いて光文社古典新訳文庫。丘沢さんはカフカの『変身』『流刑地にて』『訴訟』と代表作を手がけられ、ついに『城』を上梓。史的批判版からの新訳。帯文に「カフカの最高傑作」とありますが、私も個人的にはそう思います。『訴訟(判決)』も名作ですが、『城』は迷宮感がさらに増しており、生きづらい現代社会をなぞっているように感じます。丘沢さんはニーチェ『善悪の彼岸』の新訳も、カフカ『城』の2か月前に刊行されており、訳業に圧倒されるばかりです。 『城』カフカ(著)、丘沢静也(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年11月、本体1,420円、文庫判600頁、ISBN978-4-334-10505-1 『ネコのムル君の人生観(下)』ホフマン(著)、鈴木芳子(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年10月、本体1,400円、文庫判464頁、ISBN978-4-334-10467-2 『ネコのムル君の人生観(上)』ホフマン(著)、鈴木芳子(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年9月、本体1,400円、文庫判++頁、ISBN978-4-334-10420-7 『沈黙の春』レイチェル・カーソン(著)、渡辺政隆(訳)、光文社古典新訳文庫、2024年9月、本体1,100円、文庫判496頁、ISBN978-4-334-10421-4 ★最後に、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、創元推理文庫、創元ライブラリー、ちくま文庫、双葉文庫、宝島SUGOI文庫。ホフマンは『ムル』の新訳が先述の通り出ましたが、『ドイツロマン派怪奇幻想傑作集』でも「からくり人形」と「砂男」の新訳が収められています。この手の翻訳アンゾロジーは品切にならないうちに購入しないと後悔しますね。 『数覚とは何か?〔新版〕――心が数を創り、操る仕組み』スタニスラス・ドゥアンヌ(著)、長谷川眞理子/小林哲生(訳)、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2024年12月、本体1,600円、文庫判684頁、ISBN978-4-15-050612-4 『ドイツロマン派怪奇幻想傑作集』ティーク/ザリーツェ=コンテッサ/フケー/ハウフ/フォン・アルニム/ホフマン(著)、遠山明子(編訳)、創元推理文庫、2024年9月、本体1,200円、文庫判414頁、ISBN978-4-488-58409-2 『サラゴサ手稿〈下〉』ヤン・ポトツキ(著)、工藤幸雄(訳)、創元ライブラリー、2024年8月、本体1,200円、文庫判406頁、ISBN978-4-488-07061-8 『ストリートの思想 増補新版』毛利嘉孝(著)、ちくま文庫、2024年9月、本体900円、文庫判368頁、ISBN978-4-480-43956-7 『世界マヌケ反乱の手引書――ふざけた場所の作り方 増補版』松本哉(著)、ちくま文庫、2024年9月、本体880円、文庫判352頁、ISBN978-4-480-43972-7 『人類前史――失われた文明の鍵はアメリカ大陸にあった(上)』グラハム・ハンコック(著)、大地舜/榊原美奈子(訳)、双葉文庫、2024年9月、本体1,200円、A6判576頁、ISBN978-4-575-71506-4 『人類前史――失われた文明の鍵はアメリカ大陸にあった(下)』グラハム・ハンコック(著)、大地舜/榊原美奈子(訳)、双葉文庫、2024年9月、本体1,200円、A6判640頁、ISBN978-4-575-71507-1 『神社に秘められた日本史の謎』新谷尚紀(監修)、古川順弘(著)、宝島SUGOI文庫、2024年9月、本体800円、文庫判192頁、ISBN978-4-299-05994-9 #
by urag
| 2025-01-13 20:06
| ENCOUNTER(本のコンシェルジュ)
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2025年 01月 12日
山本貴光さんと吉川浩満さんのユニット「哲学の劇場」による『人文的、あまりに人文的 同人版#003』(2024年12月刊、CAVA BOOKSさんのリンクを貼っておきます)のアンケート特集「最後の哲学書」に寄稿しました。私が取り上げたのは、ジャンケレヴィッチ『死』(仲澤紀雄訳、みすず書房、1978年)でした。前号『人文的、あまりに人文的 同人版#002』(2024年5月刊)でのアンケート特集「はじめての哲学書」では、オイゲン・ヘリゲル『日本の弓術>』(柴田治三郎訳、岩波文庫、1983年)を選んでコメントしました。お目に留まれる機会があれば幸いです。 #
by urag
| 2025-01-12 20:41
| ご挨拶
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