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2020年 12月 31日

月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)

◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎2011年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト。

◆最新刊(書籍の発売日は、取次への搬入日であり、書店店頭発売日ではありません)
◎2020年4月30日発売:クレア・ビショップ『ラディカル・ミュゼオロジー』本体2,000円。
◎2020年4月24日発売:『表象14:アポカリプスの表象/表象のアポカリプス』本体2,000円。
◎2020年3月20日発売:井岡詩子『ジョルジュ・バタイユにおける芸術と「幼年期」』本体3,500円、シリーズ・古典転生、第22回配本(本巻21)。
◎2020年3月17日発売:エルンスト・ユンガー『エウメスヴィル』本体3,500円、叢書エクリチュールの冒険、第16回配本。
◎2020年3月2日発売:土橋茂樹編『存在論の再検討』本体4,500円、シリーズ・古典転生、第21回配本(本巻20)。
◎2020年2月6日発売:『西野達完全ガイドブック』本体2,700円。
◎2020年1月22日発売:ロドルフ・ガシェ『脱構築の力』本体2,700円、叢書エクリチュールの冒険、第15回配本。
 星野太氏書評(「artscapeレビュー」2020年2月11日付
◎2020年1月17日発売:秋元康隆『意志の倫理学』本体2,100円、シリーズ〈哲学への扉〉、第6回配本。
◎2019年12月24日発売:ジュディス・バトラー『新版 権力の心的な生』本体3,200円。
◎2019年12月5日発売:『森山大道写真集成(3)写真よさようなら』本体7,500円。
◎2019年11月29日発売:榊貴美作品集『KIMI SAKAKI twinkle』本体2,000円。
◎2019年11月13日発売:カール・ヤスパース『ニーチェ』本体8,400円、シリーズ・古典転生、第20回配本(本巻19)。
 山下真氏書評「全体主義による簒奪からニーチェを取り返す、秘かな思想的抵抗――誰もが自由にニーチェに向き合い、交わりを遂行し得る多源性の空間としてニーチェを現前させる〈メタ・ニーチェ論〉」(「図書新聞」2020年2月22日号書評特集「さらなる現代思想の大海へーー新しい思想史の海図をえがくための三冊」)
◎2019年11月1日発売:ラシード・ブージェドラ『ジブラルタルの征服』本体3,000円、叢書・エクリチュールの冒険、第14回配本。
 福田育弘氏書評「極小の物語による極大の主観性――現実とはなにかをわたしたちに考えさせる力を持っている作品」(「図書新聞」2020年1月25日号)
 福嶋伸洋氏書評「救済の隘路を探す〈歴史〉の営み――独立戦争時のアルジェリアを舞台に、奇妙なまでの堂々巡りが展開される螺旋の物語」(「週刊読書人」2020年2月14日号)
◎2019年10月3日発売:ジョルジョ・アガンベン『書斎の自画像』本体2,700円、シリーズ〈哲学への扉〉、第5回配本。
 鈴木慎二氏短評「19年下半期読書アンケート」(「図書新聞」2019年12月21日号)
 長谷正人氏短評(月刊誌「みすず」2020年1/2月合併号「読書アンケート特集」)
 田中純氏短評(月刊誌「みすず」2020年1/2月合併号「読書アンケート特集」)
◎2019年10月3日発売:水野浩二『倫理と歴史』本体2,200円、シリーズ〈哲学への扉〉、第4回配本。
 増田靖彦氏書評「道標を打ち込むサルトル――サルトル倫理学のありえたであろう全貌に迫る」(「図書新聞」2020年2月22日号書評特集「さらなる現代思想の大海へーー新しい思想史の海図をえがくための三冊」)
◎2019年9月19日発売:『森山大道写真集成(2)狩人』本体5,000円。
◎2019年9月12日発売:山下純照/西洋比較演劇研究会編『西洋演劇論アンソロジー』本体3,600円。
◎2019年8月7日発売:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』本体1,800円、シリーズ〈哲学への扉〉、第3回配本。
◎2019年8月7日発売:新井俊春『名人農家が教える有機栽培の技術』本体2,700円。
◎2019年5月23日発売:『森山大道写真集成(4)光と影』本体6,000円。
◎2019年5月14日発売:ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』本体3,800円、叢書・エクリチュールの冒険、第13回配本。
 中村隆之氏書評「外界を隔つ「私の肌の砦」――カリブ文学を代表する作家の〈原点〉」(「週刊読書人」2019年8月30日号)
◎2019年4月26日発売:『表象13:ファッション批評の可能性』本体2,000円。

◆重版情報
◎2019年5月10日:甲斐義明編訳『写真の理論』2刷。
◎2019年7月26日:ロザリンド・E・クラウス『視覚的無意識』2刷。
◎2019年9月4日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』2刷。
◎2019年10月10日:森山大道『犬と網タイツ』3刷。
◎2020年1月10日:久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説』3刷。

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎品切重版検討中:『ミクロコスモス第1集』2刷、ユンガー『パリ日記』2刷、ギルロイ『ブラック・アトランティック』4刷、ブルワー=リットン『来るべき種族』。
◎品切重版未定:『舞台芸術05』『舞台芸術08』『表象01』『表象02』『表象03』『表象04』『表象05』『表象08』『表象09』『表象12』、毛利嘉孝『文化=政治』、クリフォード『ルーツ』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』、ハーマッハー『他自律』、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』、バトラー『自分自身を説明すること』、クラウス+ボワ『アンフォルム』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』『書物の不在 第二版鉄色本』『謎の男トマ 初版本』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』『新編燈火節』、竹内てるよ『静かなる夜明け』、高柳昌行『汎音楽論集』、大里俊晴『マイナー音楽のために』『ガセネタの荒野』、大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、森山大道写真集『新宿』『新宿+』『大阪+』『オン・ザ・ロード』『にっぽん劇場』『何かへの旅』『モノクローム』、森山大道フォトボックス『NOVEMBRE』、中平卓馬『都市 風景 図鑑』、やなぎみわ作品集『WHITE CASKET』、川田喜久治写真集『地図』、遠藤水城編『曽根裕|Perfect Moment』、『猪瀬光全作品』、佐野方美写真集『SLASH』、熊木裕高写真集『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
◎業界紙系:「新文化 ニュースフラッシュ」「文化通信
◎一般紙系:Yahoo!ニュース「出版業界」「電子書籍」「アマゾン
◎話題系:フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営
◎新刊書店系:日書連 全国書店新聞
◎雑談&裏話:5ちゃんねる 一般書籍

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# by urag | 2020-12-31 23:59 | ご挨拶 | Comments(21)
2020年 07月 06日

「図書新聞」に井岡詩子『ジョルジュ・バタイユにおける芸術と「幼年期」』の書評

「図書新聞」2020年7月11日付第3455号の特集「ポストコロナ時代を透視する思想」欄において、弊社3月刊、井岡詩子著『ジョルジュ・バタイユにおける芸術と「幼年期」』に対する書評、「バタイユ流芸術擁護論をさらに推し進める――ヘーゲル的な価値観に抗するバタイユの野心的な世界観をあらためて浮き彫りに」が掲載されました。評者は東京都立大学准教授の古永真一さんです。「サドに加えてカフカやベケットというカードを並べてみせる本書の戦略は、人類が到達すべき自己意識へと開く芸術という、ヘーゲル的な価値観に抗するバタイユの野心的な世界観をあらためて浮き彫りにする。バタイユが言わんとした、存在の深いところをまなざす自己意識とは何か、それが芸術といかなる関係にあるのかという問題について考えさせられる一冊である」。

# by urag | 2020-07-06 12:05 | 広告・書評 | Comments(0)
2020年 07月 05日

注目新刊:ちくま学芸文庫7月新刊5点、ほか

注目新刊:ちくま学芸文庫7月新刊5点、ほか_a0018105_03533735.jpg


★まず最初に、まもなく発売となるちくま学芸文庫の7月新刊5点をご紹介します。

『大元帥 昭和天皇』山田朗著、ちくま学芸文庫、2020年7月、本体1,500円、文庫判464頁、ISBN978-4-480-09971-6
『記号論講義――日常生活批判のためのレッスン』石田英敬著、ちくま学芸文庫、2020年7月、本体1,700円、文庫判640頁、ISBN978-4-480-09989-1
『資本主義と奴隷制』エリック・ウィリアムズ著、中山毅訳、ちくま学芸文庫、2020年7月、本体1,700円、文庫判512頁、ISBN978-4-480-09992-1
『叙任権闘争』オーギュスタン・フリシュ著、野口洋二訳、ちくま学芸文庫、2020年7月、本体1,300円、文庫判400頁、ISBN978-4-480-09993-8
『ノーベル賞で読む現代経済学』トーマス・カリアー著、小坂恵理訳、ちくま学芸文庫、2020年7月、本体1,800円、文庫判656頁、ISBN978-4-480-09997-6
『数理のめがね』坪井忠二著、ちくま学芸文庫、2020年7月、本体1,200円、文庫判320頁、ISBN978-4-480-09995-2

★『大元帥 昭和天皇』は、1994年に新日本出版社より刊行された単行本の文庫化。「〔天皇の戦争責任に対する否定論に〕具体的な史実の提示によって答え、天皇の戦争責任を考えるための確かな素材を提供しようとするもの」(まえがきより、12頁)。「ちくま学芸文庫版あとがき」によれば、「文庫化するにあたり、新日本出版社版の第14刷を定本として、あらためて誤記・誤植を修正した」とのことです。巻末解説は志學館大学教授の茶谷誠一さんによるもの。「今後も昭和天皇の戦争指導について研究する際、本書は必読の書として読み継がれていくことになるであろう」と評価されておられます。戦争への天皇の具体的関わりを赤裸々に検証した本書のインパクトは今なお、様々なことを読者に考えさせるよすがとなるでしょう。

★『記号論講義』は、2003年に東京大学出版会より刊行された『記号の知/メディアの知――日常生活批判のためのレッスン』を文庫化したもの。文庫化にあたり、巻末に「文庫版のための自著解説」が追加されています。「本書は、大きく言えば、メディアを対象とした記号論の書といえます。メディア記号論という分野の本だと言ってもまちがいではない」(600頁)。「今回「記号論講義」と改題したのは、記号論という学問をもういちど21世紀の学問としてきちんと位置づけ直す本としてあらためて広く世に問いたいと考えたからです」(同)。「メディアと知の転換の見取り図をもとに、記号論や記号学と呼ばれた記号の知が20世紀をとおしてどのような知のインターフェイスを作りだしていったのか、その問題系を11章にわたって追い、レッスン形式で人間の意味世界の変容を理解するための方法を説いたもの」(604~605頁)。

★『資本主義と奴隷制』は、凡例によれば「1978年に理論社から刊行された新装版『資本主義と奴隷制――ニグロ史とイギリス経済史』を底本とし、川北稔氏監修のもと訳語を一部改めた」とのことです。川北さんは巻末解説「「周辺」から世界の歴史を見る」を寄せられています。『Capitalism & Slavery』(The University of North Carolina Press, 1944)の全訳で、底本には1961年版が使用されています。カヴァー裏紹介文の文言を借りると「奴隷貿易と奴隷制プランテーションによって蓄積された資本こそが、産業革命をもたらしたことを突き止め」た、現代の古典です。本書の新訳には『資本主義と奴隷制――経済史から見た黒人奴隷制の発生と崩壊』(山本伸監訳、明石書店、2004年)がありますが、川北さんは「原著の真意が伝わりにくいところもあるので、このたび、手軽に読めるかたちで、中山訳を上梓することになった」と説明されています。

★『叙任権闘争』は、『La querelle des investitures』(Montaigne, 1946)の全訳で、1972年に創文社から初版が刊行され、さらに改訂版が1980年に上梓された単行本の文庫化。書名ともなっている叙任権闘争とは、11世紀後半から12世紀初頭にかけて、聖職者の任命方法をめぐり、教会と王侯貴族との間で起きた争いのこと。「ちくま学芸文庫版訳者あとがき」には「本訳書刊行以降に刊行された主な資料集と参考文献」が追記されています。著者のフリシュ(Augustin Fliche, 1884-1951)はフランスの歴史家で専門は中世史と教会史。著書の日本語訳は本書が唯一のものとなります。

★『ノーベル賞で読む現代経済学』は、『Intellectual Capital: Forty Years of the Nobel Prize in Economics』(Cambridge University Press, 2010)の全訳で、2014年に筑摩書房の「筑摩選書」の新刊として出版された『ノーベル経済学賞の40年――20世紀経済思想史入門』上下巻の改題合本文庫化。1969年から2009年にかけて受賞した64名が紹介されています。経済学者の瀧澤弘和さんが担当された文庫版解説では、2010年から2019年までの受賞者について「簡単に補足」されています。ビジネスマン必携の1冊として広く薦めたい教養書です。

★『数理のめがね』は、1968年に岩波書店から刊行された単行本の文庫化。著者の坪井忠二(つぼい・ちゅうじ:1902-1982)さんは地震学者で地球物理学者。すでにお亡くなりになっているため、旧版からの本文改訂はないようです。解説も特になし。巻頭のはしがきによれば「日常身辺のことをその〔数理という〕めがねを通してみたらどんなことになるか」をめぐって『数学セミナー』に連載されたエッセイをまとめたもの。続篇が1976年に日本評論社から刊行されていますが、こちらはまだ文庫化されていません。

★続いて人文書院さんの6~7月の新刊より3点について。

感染症社会――アフターコロナの生政治』美馬達哉著、人文書院、2020年7月、本体2,000円、4-6判並製256頁、ISBN9784409041130
マンガ・スタディーズ』吉村和真/ジャクリーヌ・ベルント編、人文書院、2020年6月、本体1,900円、4-6判並製220頁、ISBN978-4-409-00113-4
グノーシスの宗教――異邦の神の福音とキリスト教の端緒 増補版』ハンス・ヨナス著、秋山さと子/入江良平訳、人文書院、2020年6月、本体7,500円、A5判上製510頁、ISBN978-4-409-03111-7

★『感染症社会』は帯文の文言を借りると「医師であり注目の医療社会学者でもある著者が、COVID-19に関する医学的知見と発生以来の経緯、そして社会学的分析をふまえ、事態を総合的に捉える迫真の論考」。目次詳細は書名のリンク先でご覧いただけます。「本書は、人間対ウイルスという二項対立の短絡的な考え方を相対化し、社会現象としてのパンデミックとコロナウイルスの存在との隙間にあるさまざまなコンスティテューションの軋みに耳を澄ませて、思考を積み重ねることを目指している」(11頁)。本書の刊行にあたっての著者コメントと第一章の一部が無料で公開されています。

★『マンガ・スタディーズ』は「ブックガイドシリーズ基本の30冊」の約5年ぶりとなる13冊目の新刊。第1部「マンガ/史」、第2部「表現/読者」、第3部「産業/メディア」、第4部「ジェンダー/セクシュアリティ」、第5部「日本/世界」の5部構成で30冊が紹介されています。目次詳細は書名のリンク先でご確認下さい。編者の吉村さん曰く「アカデミズムの枠組みに揺さぶりをかけるようなマンガ研究の問いかけを感じ取っていただきたい」(はじめに、10頁)。

★『グノーシスの宗教 増補版』は、1986年に刊行された訳書(底本は1964年に刊行された第2版)に、英語版第3版(2001年)への序文を訳出して加えた増補版。この序文は注と併せて21頁あり、入江さんによる「増補版への訳者あとがき」では「新しい序文でヨナスは「何が彼をグノーシス主義に導いたのか」という問いに答える形で、心の赴くままに語っていて、興味深い」と評されています。旧版本文には手を入れていないとのことです。著者のハンス・ヨナス(Hans Jonas, 1903-1993)はドイツの哲学者。主著の『責任という原理――科学技術文明のための倫理学の試み』(加藤尚武監訳、東信堂、2000年;新装版、2010年)が有名ですが、グノーシス研究においても本書『グノーシスの宗教』によって広く知られています。

★最後に河出書房新社さんの6~7月の新刊より3点について。

文藝 2020年秋季号』河出書房新社、2020年7月、本体1,350円、A5判並製504頁、ISBN978-4-309-98013-3
古井由吉――文学の奇蹟』河出書房新社編集部編、河出書房新社、2020年6月、本体2,200円、A5判並製288頁、ISBN978-4-309-02897-2
日本小説批評の起源』渡部直己著、河出書房新社、2020年6月、本体3,400円、46判上製290頁、ISBN978-4-309-02888-0

★『文藝 2020年秋季号』は特集「覚醒するシスターフッド」「非常時の日常 23人の2020年4月-5月」「世界の作家は新型コロナ禍をどう捉えたか」の3本立て。目次詳細は誌名のリンク先でご確認いただけます。リニューアル後の『文藝』は文芸書と人文社会書を近づけてくれる試みに満ちていて、毎号意欲的です。特に今号の第一特集「覚醒するシスターフッド」はフェミニズムの棚でも扱われてほしいところです。また、第二特集と第三特集は、このところ他誌でも取り上げられてきた、コロナ関連のコンテンツにさらなる幅と奥行きを与えてくれます。『現代思想2020年5月号:感染/パンデミック――新型コロナウイルスから考える』『ele-king臨時増刊号:コロナが変えた世界』『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』、さらに『現代思想』では7月末発売の8月号が特集「コロナと暮らし」、8月下旬発売の9月臨時増刊号が総特集「〈危機〉の時代を生きるためのブックガイド」という予定なので、人文書売場においても「新型コロナ」もしくは「ウイルスと人類」をめぐっては継続的なコーナーを作っておいた方が良いと思われます。

★『古井由吉』は2月18日に逝去された作家の古井由吉さんをめぐるアンソロジー。再録ではない今回初掲載のコンテンツとしては、古井睿子さんへのインタヴュー「夫・古井由吉の最後の日々」、松浦寿輝さんと堀江敏幸さんの対談「禍々しき静まりの反復」、石川義正さんの論考「時間の感染」、片岡大右さんの論考「古井由吉の風景のための序説」、築地正明さんの論考「反復する「永遠の今」」など。築地さんは「古井由吉全著作解題」も担当されています。

★『日本小説批評の起源』は、月刊誌「新潮」2019年10月号に掲載された「話芸と書法――『水滸伝』から読む十九世紀日本文学(前編)」に端を発し、書き下ろしを加えて一冊としたもの。「ここで問われようとするのは、まさしく「批評」の即物的な起源、あるいは、即物性そのものが起源となるような場の生動にほかならぬ〔…〕。/その場所に向け、一種考古学的な測鉛をおろすこと。――それが、本書がみずからに与えた大きな課題となる」(序文、10頁)。

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# by urag | 2020-07-05 23:51 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)
2020年 07月 01日

本日スタート:月曜社創業20周年在庫僅少本フェア@誠品生活日本橋

◎月曜社創業20周年在庫僅少本フェア

場所:誠品生活日本橋、人文書売場特設コーナー(電話:03-6225-2871)
期間:2020年7月1日~(終了日未定)

書店様紹介文:今年12月7日に創業満20年を迎える月曜社は、人文書と美術書を中心とした良書を生み続ける専門出版社として年々名声を高めています。今回は、中でも貴重な在庫僅少本をごく少部数ご用意頂きました。これを見逃せば二度と手に入らない本ばかり。本との出会いは一期一会です。

出版社コメント:在庫僅少本と品切本を中心に誠品生活日本橋様でブックフェアを催していただけることとなりました。品切本以外も扱っていただいています。全点フェアではございませんが、版元在庫品については店頭にない本は取り寄せ可能です。遠方のお客様はお店より代金引換にて発送可能です。

出品一覧(※価格は本税別体価格、★印は7月3日現在売切、☆は再出荷あり)

◆発行発売:月曜社
2冊:『到来する共同体【初版黄色本】』G・アガンベン著 1,800円
1冊:『マルチチュードの文法【2刷】』P・ヴィルノ著、2,400円★☆
2冊:『他自律』W・ハーマッハー著、2,200円
2冊:『ポストコロニアル理性批判』G・Ch・スピヴァク著、5,500円
2冊:『統治性』W・ウォルターズ著、2,500円
2冊:『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』岡本源太著、3,800円
2冊:『カール・ヤスパースと実存哲学』M・デュフレンヌ/P・リクール著、7,000円
2冊:『労働者』E・ユンガー著、2,800円
1冊:『来るべき種族』E・ブルワー=リットン著、2,400円★☆
2冊:『静かなる夜明け』竹内てるよ著、1,400円
1冊:『野に住みて』片山廣子著、6,400円
1冊:『新編 燈火節』片山廣子著、1,600円★
1冊:『森山大道 オン・ザ・ロード』森山大道写真、2,800円
2冊:『にっぽん劇場 1965-1970』森山大道写真、3,200円
2冊:『何かへの旅 1971-1974』森山大道写真、3,600円
2冊:『モノクローム』森山大道写真、4,600円
2冊:『猪瀬光全作品【限定版】』猪瀬光写真、9,000円
2冊:『汎音楽論集【2刷】』高柳昌行著、3,600円
1冊:『ガセネタの荒野』大里俊晴著、1,400円
1冊:『アンフォルム【3刷】』Y-A・ボワ/R・E・クラウス著、3,200円★
2冊:『表象02:ポスト・ヒューマン』松浦寿輝ほか著、1,800円
1冊:『表象08:ポストメディウム映像のゆくえ』岡田温司ほか著、1,800円★
1冊:『表象09:音と聴取のアルケオロジー』佐藤良明ほか著、1,800円

◆発行:PLACE M(プレイス・エム)/発売:月曜社
1冊:『picnic(ピクニック)』瀬戸正人写真、4,600円

◆発行:京都造形芸術大学・舞台芸術研究センター/発売:月曜社
2冊:『舞台芸術02:メディア・テクノロジー』太田省吾/鴻英良責任編集、2,000円
1冊:『舞台芸術05:劇場と社会』太田省吾/鴻英良責任編集、2,000円

★出荷第2弾(7月8日取次搬入済)
2冊:『書物の不在 【第二版鉄色本】』M・ブランショ著、2,500円
2冊:『マルチチュードの文法【3刷】』P・ヴィルノ著、2,400円
2冊:『ブラジルのホモ・ルーデンス』今福龍太著、1,800円
1冊:『来るべき種族』E・ブルワー=リットン著、2,400円
1冊:『ハワイ』森山大道著、6,000円

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# by urag | 2020-07-01 13:58 | イベント告知 | Comments(0)
2020年 06月 29日

注目新刊:プレストン『合成の時代』(2018年)の訳書がインターシフトより刊行、ほか

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★まず、まもなく発売となる新刊をご紹介します。

合成テクノロジーが世界をつくり変える――生命・物質・地球の未来と人類の選択』クリストファー・プレストン著、松井信彦訳、インターシフト発行、合同出版発売、2020年7月、本体2,300円、四六判上製288頁、ISBN978-4-7726-9569-5

★原著は『The Synthetic Age: Outdesigning Evolution, Resurrecting Species, and Reengineering Our World』(MIT Press, 2018)。著者のプレストン(Christopher J. Preston)は、モンタナ大学の哲学教授。本書(原題『合成の時代』)が初めての訳書です。目次詳細と解説は書名のリンク先で立ち読み可能です。著者は「はじめに:「合成の時代(シンセティック・エイジ)」が始まる」で次のように書いています。「自然の作用を人工的な処理に置き換えることは、「変成新世(プラストセン:Plastocene)」とでも呼べそうな年代の最たる特徴である」(13頁)。「その心は、新たなテクノロジーを開発して導入する資源を持つ者にとって、地球のつくり変えられやすさが前例のないレベルに達しつつあることだ。/地球の最も基本的な物理学的活動や生物学的活動をいくつかの意図的に微調整することによって、人類は「発見される世界」から「つくられる世界」への移行の間際に立つ。変成新世においては、分子生物学者や工学研究者の手で世界が隅から隅まで徹底的につくり変えられ、そのことが地球で初めてとなる「合成の時代」の始まりを告げる」(14頁)。

★「合成の時代になったなら、地球のつくり変えは上っ面を変える程度には留まらなくなるだろう。その触手は地球の代謝の奥深くまで伸びる。この新たな時代を押し進める合成テクノロジーは、地球の見かけのみならず仕組みさえも変える。自然とその営みにおいて、私たちの手による設計の占める割合が増していくだろう。/こうした変化の性格を理解することが重要となる。重大な選択が迫られるからだ。この先の道筋は具体的にはまだ定まっておらず、私たちは地球のつくり変えにどこまで深入りするかを決める必要がある。自然の営みをある程度管理することは避けられないにせよ、みずからの設計をどこまで果敢に進めるかによって変成新世のありようが違ってくる」(同頁)。

★「合成の時代のありようについて、多くの疑問にまだ答えが得られていないのに、私たちは重大な変わり目を迎えている。地球がその歴史の新年代に入るに当たり、私たちは束の間の思索の機会にいる。人類がみずからの影響力の大きさをようやく自覚した今、私は本書でこれから、人類の望む未来のありようについての議論をもうしばらく続ける必要性を訴えていく」(15頁)。「私たちが商業的な利害にすっかり身を委ねてアクセル全開の変成新世に突入したなら、大きなシフトを受け入れざるを得なくなるだろう。地球とその基本的な営みの多くで私たちからの独立性が失われ、現実問題として、最終的に、環境から自然らしさが奪われるに違いない。生物圏は技術圏にすっぽり覆われることになる。/そうなれば、それ相応のことが起こる。地球に対するそうした行為は、巡りめぐって何らかの形で私たちに返ってくるだろう」(16頁)。

★「新次元の物質をつくる」「原子の位置を動かす」「DNAオンデマンド」「人工生物」「ポストナチュラルな生態系」「種(しゅ)の移転と復元」「都市の持つ進化の力」「太陽を退かせる方法」「大気のリミックス」「人工人類」「未来への選択」の全11章。現代哲学が向かう未聞の地平へと読者をいざなってくれる好著です。

★次に、最近出会った新刊を列記します。

パンデミック――世界をゆるがした新型コロナウイルス』スラヴォイ・ジジェク著、斎藤幸平監修、中林敦子訳、ele-king books(Pヴァイン)発行、日販アイ・ピー・エス発売、2020年6月、本体1,850円、46判並製128頁、ISBN978-4-909483-58-4
現代のバベルの塔――反オリンピック・反万博』新教出版社編集部編、新教出版社、2020年6月、本体2,000円、四六判並製200頁、ISBN978-4-400-40750-8
太平記秘伝理尽鈔 5』今井正之助/加美宏/長坂成行校注、東洋文庫(平凡社)、2020年6月、本体3,800円、B6変判函入584頁、ISBN978-4-582-80902-2
自由の哲学――カントの実践理性批判』オトフリート・ヘッフェ著、品川哲彦/竹山重光/平出喜代恵訳、法政大学出版局、2020年6月、本体5,200円、四六判上製572頁、ISBN978-4-588-01114-6
活動の奇跡――アーレント政治理論と哲学カフェ』三浦隆宏著、法政大学出版局、2020年6月、本体3,400円、四六判上製380頁、ISBN978-4-588-13030-4
民衆と情熱――大歴史家が遺した日記 1830-74(Ⅰ)1830~1848年』J・ミシュレ著、大野一道編、大野一道/翠川博之訳、藤原書店、2020年6月、本体6,200円、四六変判上製608頁+口絵8頁、ISBN978-4-86578-276-9
虚心に読む――書評の仕事2011-2020』橋本五郎著、藤原書店、2020年6月、本体2,200円、四六上製288頁、ISBN978-4-86578-274-5

★ジジェク『パンデミック』は、4月に原著が公刊されたばかりだという『Pandemic! COVID-19 Shakes the World』(Orbooks, 2020)の翻訳の緊急出版。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。監修者の斎藤幸平さんによる巻末解説「リュブリャナの約束 古い理論の新しい使い方?」は本書を次のように紹介しています。「イタリアの哲学者アガンベンは人々のパニックを国家が都合のいいように利用して、「例外状態」を作り出しているとして批判し、民主主義を守るべく、過剰なウイルスへの反応を止めるよう警告したのだった。/だが、本書のジジェクは、アガンベンと意見を異にする。ソーシャル・ディスタンスは、ひとつの「社会的連帯」であり、これはうちに引きこもることによって、他者との繋がりをこれまで以上に感じる契機になる。一方、現在の政府の対応は場当たり的で、パニックになっているのは、統治に失敗している権力者たちだと言うのである。/確かに、この見立ては、とりわけ日本に関して、正しいのではないか」(119~120頁)。

★第七章「冷静にパニクれ!」より。「冷笑的な生気論者の視点に立てば、若くて元気な苗がよく育つように腐りかけた苗を引き抜くのと同じで、コロナウイルスは人類に老人・弱者・病者を排除することを許し、世界の健康に貢献する、有益な感染であるように見えるのかもしれない。私が主張する幅広い共産主義アプローチは、そのような粗野な視点から脱する唯一の方法なのだ。/しかし、無条件の連帯が奪い去られてしまう兆候は、すでに現行の議論の中にも認められる」(58頁)。「最も弱い人、高齢者を犠牲にするのか。この状況から、壮絶な汚職が発生する余地が生まれはしないか。このような手続きは、我々が「適者生存」という最も野蛮な論理を発動させる準備をしているという意味になりはしないか。だから、重ねて言う。我々が直面している選択は、野蛮か、それともある種の再考案された共産主義か、なのである」(59頁)。

★第八章「監視と処罰? ええ、お願いします!」より。「アアガンベンは、現在の感染拡大における国家統制機能の重要な側面を解説しているのだが、未解決の疑問も数々残る。そもそも、なぜ国家権力はそのようなパニックの推進に関心があるのだろうか。パニックには国家権力に対する不信がつきまとう(「政府は頼りない、十分なことをやっていない……」)し、資本の円滑な再生産を妨げるというのに。統治を刷新するために世界的な経済危機を引き起こすことが、資本や国家権力の利益に本当にかなうのか。状況をコントロールできていないことに気づいて、一般市民だけでなく、国家権力自体がパニックになっているというのが、明白なサインなのではないか。そんなサインが、本当にただの戦略といえるのか」(61~62頁)。

★ちなみに斎藤さんは3月にスロヴェニアでジジェクと会う予定だった(けれども新型コロナの影響で実現しなかった)とのこと。きっかけとなったのはジジェクが斎藤さんの『大洪水の前に』(堀之内出版、2019年)を批判的に扱う書評「亀裂は何処に?――マルクス、ラカン、資本主義、エコロジー」を書いたことだったそうです。いずれお二人が直接議論する機会が来ることを楽しみにしたいです。

★『現代のバベルの塔』は帯文に「パンデミック下のメガイベントに決定的な否を。東京オリンピック・大阪万博、さようなら!」と謳われたアンソロジー集。編集部による巻頭の「はじめに」によれば「本書は、月刊誌『福音と世界』の2019年8月号特集「現代のバベルの塔――反オリンピック・反万博」の掲載記事6本を加筆修正、新規論考3本と同年8月に開催されたトークイベントの内容を収録したものである。すべてにつうじるのは統治の装置にたいするはっきりとした「否」の声であり、その意味でこれは全面的な闘争の書である〔…〕。オリンピック・パラリンピックや万博はまさしく「現代のバベルの塔」なのだ。その〔スペクタクル的〕統治から離脱し、「ほんとうのこと」のほうへ。わたしたちにはそれさえあればじゅうぶんなのだから」(11~12頁)。寄稿者は有住航、いちむらみさこ(インタビュー)、酒井隆史、有住航×いちむらみさこ×酒井隆史(トークセッション)、入江公康、塚原東吾、田中東子、坂井めぐみ(新規論考)、井谷聡子(新規論考)、白石嘉治(新規論考)、の各氏。詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

★『太平記秘伝理尽鈔 5』は、東洋文庫の第902巻。全10巻予定の第5巻で、巻第十七上から巻第二十を収録。新田義貞の死までが扱われています。「古如勇兵一人もなきに、義貞古如戦ふて討れ給ひし。実に不覚の死にたるべし。内甲に矢を射立てられ給ひて馬より落給へば、敵落ち重なつて御首を給てけり。生年三十七歳とにや」(巻第二十、452頁)。巻末には今井正之助さんによる2本の解説が配されています。「『理尽鈔』の神道論覚書――国常立尊を手がかりにして」と「『理尽鈔』と男色」です。既刊は第1巻:2002年、第2巻:2003年、第3巻:2004年、第4巻:2007年。いずれも版元品切ですが、大型書店の店頭在庫が若干残っているようです。東洋文庫次回配本は7月、『中国伝道四五年――ティモシー・リチャード回想録』とのこと。

★法政大学出版局さんの6月新刊より2点。ヘッフェ『自由の哲学』は、『Kants Kritik der praktischen Vernunft: Eine Philosophie der Freiheit』(C. H. Beck, 2012)の全訳。「四つの駆動力〔啓蒙、批判、道徳、世界市民主義〕」「カントによる道徳哲学の革命」「カントの挑発」「政治哲学」「歴史」「宗教」「展望」の4部構成で全23章から成っています。帯文に曰く「見通しのよい最新の手引き」。巻頭の「序言」によれば、本書(原題では『カントの実践理性批判――自由の哲学』)は2003年に刊行された「私の注釈書『純粋理性批判』に続くもの」とのこと。注釈書というのは『カントの純粋理性批判――近代哲学の基礎づけ』(Kants Kritik der reinen Vernunft: Die Grundlegung der modernen Philosophie)のことかと思います。本書『自由の哲学』はヘッフェにとって過去20~30年間にわたる考察をもとにしたカント研究の中間決算であるとのことです。ヘッフェ(Otfried Höffe, 1943-)はドイツの哲学者。法政大学出版局からは本書のほか、これまでに3点の訳書が刊行されています。

★第7部「展望」第22章「教育の目的――陶冶、市民化、道徳化」より。「今日、倫理学においても公的討論においても、道徳を社会道徳へと切り詰める動向が支配している。この状況に挑発的に対立するしかたで、カントは講義を進めていくなかで導き出す義務を対自義務からはじめている。「この義務の実質は、豪華な衣装を購入したりすることにではなく、(中略)むしろ、みずからをあらゆる被造物よりも高めるような尊厳を人間が自分自身の内部にもつところに成立する」。「その固有の人格における人間性のこうした尊厳を放棄しない」(『人間学』Ⅸ 488f.)という制限的義務に属しているのは、あらゆる不節制を避けること、「他者に対して卑屈な」ふるまいをしないことである。/カントは二番目にはじめて「対他義務」を導入し、これを「あらかじめきわめて早期のうちから子供に教え込む」べき「人間の権利にたいする畏敬および尊敬」と説明する(Ⅸ 489)、というのも、人間の権利は「地上における神の秘蔵っ子」にほかないからだという。たとえば〔以下略〕」(496~497頁)。

★同部第23章「究極目的としての道徳的存在者である人間」より。「生涯にわたって子どものままのひとは当然、高等教育を受けてきたにしても、その生活の糧を自分で稼ぐ能力はないままである。カントはこの点を強調していないものの、内容からするとまったくはっきりと、たんに教養のみを目的として職に就くための修養を目的とはしない教育を拒絶している。論争をしかけるようないい方をすれば、カントは学生を職に就けない人文学者や社会学者になるように教育するということには賛成しないということである」(504頁)。

★同章より。「カントはさまざまな教育目的を「人格性への教育」というひとつの普遍的目的へとまとめている。「人格性」ということでカントが意味していることは、「自由に行為する存在者」ということであり、そこに本書が示してきた四つの段階がみてとられる。それは第一に、衝動の専制から自由になることで、自分自身の自然本性を意志的に支配する段階。第二に、世間知と社会的能力を含んだ技能と能力を身につけることで、人間は他者の目的と相矛盾することなく普遍的に成り立つみずから定めた目的を追求できる。第三に、自由に行為するにはとりわけ、自分自身の生計に配慮するという能力がなくてはならない。最後に、以上によって、私が先に区別した三つの市民的役割――経済の一員としての市民、国家の一員としての市民、世界の一員としての市民(Höffe, 2004〔Wirtschaftsbürger, Staatsbürger, Weltbürger. Beck, 2004〕)――が現前する」(同頁)。

★『活動の奇跡』は、椙山女学園大学人間関係学部准教授をおつとめで、倫理学と臨床哲学がご専門の三浦隆宏(みうら・たかひろ:1975-)さんの初の単著です。2002年から2019年にかけて各媒体で発表されてきた論考の多数に大幅な加筆修正を加えてまとめたもの。「まえがき」によれば「彼女〔ハンナ・アーレント〕の思考を《哲学と政治学のはざま》で駆動されつづけたものとして捉えたうえで、その政治理論の射程をたどり跡づけようとする一つの試みである」。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。三浦さんはいわゆる「哲学カフェ」の活動に関わっており、同じく「まえがき」によれば「哲学カフェをはじめとする公共的な対話の場の意義を中心に、折にふれて自分なりに考え、記してきた事柄をいちど整理してみるとともに、この場の広がりの〈軌跡〉をもたどり跡づけておくこと、これが本書の第二の課題をなす」とのことです。

★藤原書店さんの6月新刊は2点。ミシュレ『民衆と情熱(Ⅰ)1830~1848年』は、フランスの歴史家ジュール・ミシュレ(Jules Michelet, 1798-1874)の日記を全2巻に編集して訳出したもの。第Ⅰ巻は、1830年(ミシュレ32歳)から、1848年(50歳)まで、すなわち七月革命から二月革命への移行期に記されたもの。年譜や関連地図が付され、解題解説なども充実。「われわれがここに残すもの、われわれの家で残るに違いないもの、この世でたゆまず歩むべきもの、そうしたものを見失わないでいるというのは、素晴らしいことではないか。それは、われわれの不死性を示す諸形態の一つでもある。要するに自らを評価し、改善し、救うためには、過ぎ去った人類もやって来る人類も、われわれの原因もわれわれの結果も、閑却してはならないということだ」(307頁、1842年4月4日)。

★「忘れないでくれ。時の確かな歩みのなかで、過去は死なないということを。死のなかには美しく高貴なものが残るのだ」(307~308頁、同日)。「流動する同じ精神が、世代から世代へと流れてゆく。本能的ないくつもの動きが、過去に対し未来に対し、われわれをおののかせ、人類の奥深い同一性をわれわれに明らかにしてくれる。/そのことを何も感じないような者は、自らが過去の世代にいかなる面でも属していないと否定し、ほどなく世界から孤立するようになるだろうし、そういう者はありうるとすれば、とるに足りない人間になってしまうであろう」(308~309頁)。

★『虚心に読む』は近年はテレビコメンテーターとしても著名な、読売新聞特別編集委員を務める橋本五郎(はしもと・ごろう:1946-)さんによる、『「二回半」読む』――書評の仕事1995-2011』(藤原書店、2011年)に続く書評集第2弾。「「自由」と「民主」」「日本とは何か」「生きるということ」の3部構成。詳細目次は書名のリンク先をご覧ください。帯文に曰く「長短の書評に加え、単行本解説、「橋本五郎文庫」のこと、そして著作でたどる小泉信三論を収録」と。「橋本五郎文庫」というのは2011年4月に秋田県三種町の「みたね鯉川地区交流センター」(旧鯉川小学校)にオープンした施設で、橋本さんが寄贈した約2万冊の書籍が活用されています。看板の揮毫は橋本さんの求めにより、中曽根康弘元首相がしたためたもの。

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# by urag | 2020-06-29 23:25 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)
2020年 06月 24日

「図書新聞」にユンガー『エウメスヴィル』の書評

「図書新聞」第3452号(2020年06月20日付)に弊社3月刊、エルンスト・ユンガー『エウメスヴィル』の書評「文明社会の生態系を知り尽くした老いた「マタギ」の手になる「SF小説」――語りのなかに夥しい数の歴史上の人名や出来事への言及を織り込む」が掲載されました。評者は立教大学教授・前田良三さんです。「リベラル市民社会も全体主義社会もともに没落した後の文明社会に生きる人間の姿を幻視し続けた作家のこの書物が、歴史的パンデミックという「例外状態」のただ中の日本に出現したこと――これは単なる偶然だろうか」。「複数のシステムに関与しながらもそれらから自由であろうとする〔主人公の〕マルティンは、自分の基本的態度を「アナーク」(Anarch)とする。〔…〕ユンガーその人の出処進退を彷彿とさせるこの人間類型は、「兵士」、「労働者」、「森人」(Waldgäenger)と並んで作者が美的に造形した人間像、根本的に変容した世界で生き延びる人間の新たな「形姿〔ゲシュタルト〕」と言えるだろう」と評していただきました。

# by urag | 2020-06-24 10:33 | 広告・書評 | Comments(0)
2020年 06月 23日

本日取次搬入:中井亜佐子『〈わたしたち〉の到来ーー英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』

弊社シリーズ〈哲学への扉〉第7回配本、中井亜佐子『〈わたしたち〉の到来ーー英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』を本日取次搬入いたしました。弊社本はパターン配本を行ないません。事前に受注のあった書店様に返品条件付で出荷しております。ネット書店やリアル書店での店頭発売開始は、都心の大型店から25日以降順次となるかと思われます。どの書店様で扱いがあるかについては、地域をご指定いただければ、お知らせできます。弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。
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# by urag | 2020-06-23 17:49 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)
2020年 06月 21日

注目新刊『ele-king臨時増刊号 コロナが変えた世界』Pヴァイン、ほか

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ele-king臨時増刊号 コロナが変えた世界』ele-king編集部編、Pヴァイン発行、日販IPS発売、2020年6月、本体1,800円、A5判並製224頁、ISBN978-4-909483-57-7
隔離の島』J・M・G・ル・クレジオ著、中地義和訳、ちくま文庫、2020年6月、本体1,500円、文庫判640頁、ISBN978-4-480-43681-8
[新訳]ローマ帝国衰亡史』エドワード・ギボン著、中倉玄喜編訳、PHP文庫、2020年6月、本体1,500円、文庫判800頁、ISBN978-4-569-90063-6
ナチス軍需相の証言――シュぺーア回想録(上)』アルベルト・シュペーア著、品田豊治訳、中公文庫、2020年5月、本体1,400円、文庫判496頁、ISBN978-4-12-206888-9
ナチス軍需相の証言――シュぺーア回想録(下)』アルベルト・シュペーア著、品田豊治訳、中公文庫、2020年5月、本体1,400円、文庫判488頁、ISBN978-4-12-206889-6
ペスト』ダニエル・デフォー著、平井正穂訳、中公文庫、1973年初版/2009年改版/2020年5月改版6刷、本体1,200円、文庫判456頁、ISBN978-4-12-205184-3
ビザンツ帝国――千年の興亡と皇帝たち』中谷功治著、中公新書、2020年6月、本体940円、新書判320頁、ISBN978-4-12-102595-1
カール・シュミット――ナチスと例外状況の政治学』蔭山宏著、中公文庫、2020年6月、本体860円、新書判288頁、ISBN978-4-12-102597-5

★『ele-king臨時増刊号 コロナが変えた世界』はまもなく発売。新型コロナが世界の何をどう変えたのか、文化的側面に重点を置きつつ、識者のインタヴューとコラムによって「新しい現実」を検証するもの。インタヴューで登場するのは以下の各氏。内田樹、天笠啓祐、宮台真司、上野千鶴子、五野井郁夫、桔川純子、宇都宮健児、重光哲明、篠原雅武、ダニエル・ミラー、ブライアン・イーノ。そして、コラムを寄稿しているのは以下の各氏です。イアン・F・マーティン、坂本麻里子、後藤護、仲山ひふみ、高島鈴、白石嘉治、三田格。さらに、ブライアン・イーノとヤニス・ヴァルファキスの対談も収録されています。目次詳細は誌名のリンク先でご確認いただけます。

★ブライアン・イーノはインタヴュー「利益の出ないモノをいかに大切にすることができるか──再解釈される文化とアート」の中で次のように発言しています。「我々は文化のことも、〔…〕「コモンズ」〔共同資産〕として考え始めなくてはならないんじゃないかと思う。皆で維持し、守っていくものとして。様々な研究リサーチがそうであるように、いわゆる利潤追求型のやり方では文化を維持できないだろう、その点は認識していかなくてはならないね」(181頁)。「仮にアートにおいても「儲かる作品しかやらない」ということになったら、それはアートの息の根を止めてしまう。というのも、カルチャーはエコロジー、ひとつの生態系であって、生態系の中にはありとあらゆるものが存在するわけだよね。〔…〕興味を持つ人間が少ないから、それ以外のあれこれは何もいらない、とは言えない」(182頁)。「気に入ったものを少しだけつまみ食いし、残りは無視するわけにはいかない。それだって全体の一部なんだからね」(182~183頁)。

★Pヴァインさんでは本号と同時発売で、スラヴォイ・ジジェク『パンデミック――世界をゆるがした新型コロナウイルス』(斎藤幸平監修、中林敦子訳、本体1,850円、ISBN978-4-909483-58-4)を刊行されるとのことです。監修者の斎藤さんが解説「リュブリャナの約束――古い理論の新しい使い方?」を寄せておられるそうです。

★ル・クレジオ『隔離の島』は、2013年に筑摩書房より刊行された単行本の文庫化。原著は『La Quarantaine』(Gallimard, 1995)。巻末の訳者解説「記憶、夢想、フィクション――『黄金探究者』から『隔離の島』へ」によれば、本書は「18世紀末にフランスからインド洋西部モーリシャス島に移住して数世代を重ねた作家の先祖の歴史に素材を汲んだ半自伝的小説3部作の第2巻」。また、「文庫版のための訳者あとがき」ではこう紹介されています。「メディアが、感染者や死者の日々肥大する数としてウイルスの脅威を訴え、感染症拡大を防ぐための外出自粛を説く時代の読者に、19世紀末、インド洋の小島で作家の祖父の身に起きた実話〔天然痘の船内発生と小島への船員乗客の隔離〕に基づくこのフィクション、人間が地を這うようにして生き延び、生まれ変わる、陰惨にして壮麗な物語は、はたして何を伝えるだろうか」。

★3部作の第1部は『黄金探索者』(中地義和訳、新潮社、1993年;『世界文学全集 II-09』所収、河出書房新社、2009年;『Le Chercheur d'Or』Gallimard, 1985)で、第3部は『はじまりの時』(上下巻、村野美優訳、原書房、2005年;『Révolutions』Gallimard, 2003)です。関連する著書である『ロドリゲス島への旅』(中地義和訳、朝日出版社、1988年;『Voyage à Rodrigues』Gallimard, 1986)や、翻訳予定ありと聞く『Alma』(Gallimard, 2017)などを含めて、いずれすべてが文庫化されることを期待したいです。

★ギボン『[新訳]ローマ帝国衰亡史』は、2008年にPHP研究所より上下巻で刊行された新書普及版に加筆修正し、文庫化したもの。元となる単行本は2000年刊。原書は全6巻で1776年から1789年にかけて刊行された『The History of the Decline and Fall of the Roman Empire』。今般文庫化された中倉玄喜訳は抄訳で、「浩瀚な原著の中から各時代の代表的な章をそれぞれ選び〔…〕1冊にまとめたもの」(訳者はしがきより)。全訳には『ローマ帝国衰亡史』(全10巻、村山勇三訳、岩波文庫、1951~1959年)、『ローマ帝国衰亡史』(全10巻、中野好夫/朱牟田夏雄/中野好之訳、ちくま学芸文庫、1995~1996年)がありますが、携帯しうるコンパクトなサイズでその粋を味わえるようにするという今回のような配慮も、評価すべきだと思います。

★シュペーア『ナチス軍需相の証言』は、『第三帝国の神殿にて――ナチス軍需相の証言』(上下巻、中公文庫、2001年)の改題改版。『Erinnerungen』(UlLstein, 1969)の全訳で、単行本では『ナチス狂気の内幕――シュペールの回想録』(読売新聞社、1970年)として刊行されました。巻末特記によれば、改版にあたり「明らかに誤りと考えられる箇所は訂正し、人名・地名・役職名などは現在一般的であるものに改めた」とのことです。ヒトラーの最側近幹部の一人であった建築家シュペーア(Berthold Konrad Hermann Albert Speer, 1905-1981)の少年時代から敗戦までの半生が全30章で綴られた貴重な回想録で、巻頭にはシュペーア自身による「日本語版によせて」が寄せられています。旧文庫版では巻末解説は作家の土門修平さんがお書きになっておられましたが、今回の改版では甲南大学教授の田野大輔さんが「「シュペーア神話」の崩壊」という一文を寄稿されています。また、新たに人名索引が加えられています。

★田野さんは、回想録の出版によって自ら「善きナチス」像の演出に成功したシュペーアについてこう評しています。「〔1980年代以降の歴史研究によって〕多くの人々の共通理解となったのは、けっして単なる総統お抱えの建築家、軍需省のトップに立つ非政治的なテクノクラートではなく、権力欲にかられてヒトラーに近付いた出世主義者、確信的なナチスとして強制労働者を死に追いやった犯罪者だったということである」(471頁)。「2017年にシュペーアの伝記を出版したマグヌス・ブレヒトケンによれば、この男の自己演出が何十年にもわたって成功をおさめたのは、それが多くのドイツ人の免罪欲求と見事に一致していたからだった。「シュペーア神話」は、彼と同じように野心をもってナチズムを支え、戦後はそうした過去から距離を取りたがっていた何百万もの人々にとって、理想的な投影対象を提供したのである」(471~472頁)。

★デフォー『ペスト』は新潮文庫のカミュ『ペスト』とともに新型コロナの流行によって読み返されている古典のひとつ。デフォー(Daniel Defoe, 1660-1731)は言うまでもなくイギリスの高名な作家で、代表作は『ロビンソン・クルーソー』(1719年)。本書『ペスト』は1722年に(当時は匿名で)出版された『A Journal of the Plague Year』を訳したもので、訳者の言葉を借りると「馬具商を営むロンドンの一市民、H・Fなる人物による「観察録、つまり思い出の記録」」という体裁。舞台となった1665年のロンドンでは、当時の市民の6分の1以上がペストで亡くなったと推定されるとのこと。新型コロナのパンデミックが今なお終息を迎えていないこんにち、歴史において人間の愚行は繰り返されるものだということを本書は現代人に教えてくれます。なお同書の既訳書には泉谷治訳『疫病流行記』(現代思潮新社、1967年)があり、今月オンデマンド版が発売されています。

★中谷功治『ビザンツ帝国』は「波乱万丈・有為転変の連続であったビザンツ帝国の歴史を、7世紀から12世紀までの注記を中心に記述」したもの(「はじめに」より)。「この時代こそビザンツが、その歴史的世界のもとで新たな発展を遂げ、周辺領域の人々と交わりつつユニークな歴史を発展させた時期だからである」(同)。「特徴的な皇帝たちの治世を中軸に設定しつつ、その形成から解体にいたるまでを政治の多面性や文化の重層性にも配慮しながら叙述」(同)。章立ては以下の通りです。序章「ビザンツ世界形成への序曲――4~6世紀」、第1章「ヘラクレイオス朝の皇帝とビザンツ世界――7世紀」、第2章「イコノクラスムと皇妃コンクール――8世紀」、第3章「改革者皇帝ニケフォロス1世とテマ制――9世紀」、第4章「文人皇帝コンスタンティノス7世と貴族勢力――10世紀」、第5章「あこがれのメガロポリスと歴史家プセルロス――11世紀」、第6章「たたかう皇帝アレクシオス1世と十字軍の到来――12世紀」、終章「ビザンツ世界の残照――13世紀後半~15世紀」。

★蔭山宏『カール・シュミット』は「シュミットの伝記ではなく、その思想と理論の歩みをテーマ」にしたもの(「まえがき」より)。「序章で生涯をたどった後、第1章から第3章で、シュミットの政治思想として比較的よく知られたこれらの論点〔例外状況、友敵理論、決断主義、自由主義と民主主義、政治的ロマン主義、独裁、権力国家、ワイマール憲法〕を紹介する。第3章の末尾では、ワイマール共和国崩壊期にヒトラー政権を阻止すべく論陣を張ったシュミットの思想的実践を扱う」(同)。章立ては以下の通りです。序章「シュミットの生涯」、第1章「政治学の基礎概念としての「例外」と「政治的なもの」――『政治神学』『政治的なものの概念』」、第2章「近代的市民の批判――『現代議会主義の精神史的地位』『政治的ロマン主義』」、第3章「ワイマール共和国の崩壊とナチス体制の成立――『独裁』『憲法論』『合法性と正統性』」、第4章「ナチス時代の栄光と失墜――『国家・運動・民族』から『陸と海と』へ」、第5章「第二次大戦後における隠遁と復権」、終章「シュミットの思想と学問」。

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# by urag | 2020-06-21 23:33 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)
2020年 06月 19日

新規および継続直取引店情報:月曜社の本を置いてくださる本屋さん

静岡県浜松市中区田町229-13 KAGIYAビル201
直取引。『森山大道写真集成』のご発注。公式ウェブサイトによれば同店は2010年4月に「写真家若木信吾が故郷浜松市にオープンした小さな本屋です。国内外の写真集をはじめ、若木が発行人を務める出版社ヤングトゥリー・プレスの書籍、オリジナルグッズなどがご購入できます。また、展示やトークショーなど、様々なイベントも開催しています」。Facebookで弊社の同シリーズについて「月曜社から刊行されている森山大道写真集成シリーズ入荷しました。初期の名作を初版当時の画像サイズのまま再現したこのシリーズは、写真家自身による当時の回想や撮影にまつわるエピソード、撮影場所など貴重なコメントも収録されています」とご紹介いただきました。


本と珈琲カピバラ
山梨県甲府市大手2-3-12
直取引。人文書の主要商品などをご発注いただきました。同店はツイッターの自己紹介欄によると「甲府の古本カフェ、ですが、一部新刊も扱っています。出版社では、有志舎、共和国、春秋社、月曜社をひいきに。不定期営業で、投稿のトップ表示に毎月の営業カレンダーを掲載していますので、ご確認のうえご来店ください。読書会と著者トークを開いています。こちらもぜひご参加ください。なお、カピバラでは買い取りはしていません」と。今般の仕入れについて「カピバラの出版社別棚に、思想・批評・文学・芸術の分野で貴重な出版を重ねてこられた「月曜社」さんの専用棚を設置しました。これまでも所蔵している本を少しずつ並べてきましたが、このたびまとめて仕入れもして増強しました。積極的に売っていきたいと思います。/期間限定の企画ではなく、定番として常備していきますので、いつでもお買い求めください」とご紹介いただきました。貴重な版元品切本や、絶版の初版本などの扱いがあります。
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福岡県福岡市東区西戸崎1-6-21
直取引。何度目かの追加のご発注です。同店は「海辺の町にある、築100年の元時計店を改装した書店/コーヒースタンド」。開店当時からの書目をコツコツと補充して売ってくださる、とても丁寧な書店さんです。ロドルフ・ガシェ『いまだない世界を求めて』と、ロベール・ドアノー『不完全なレンズで』を個人経営のお店で長期間にわたり一番売ってくださっているのはこちらの本屋さんです。



# by urag | 2020-06-19 17:41 | 販売情報 | Comments(0)
2020年 06月 16日

注目新刊:ギンズブルグ『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』(上村忠男訳、みすず書房)、ほか

注目新刊:ギンズブルグ『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』(上村忠男訳、みすず書房)、ほか_a0018105_01174832.jpg

弊社出版物でお世話になっている著訳者の方々の最近のご活躍をご紹介します。

★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳書:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳書:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『涜神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
イタリアの歴史家ギンズブルグ(Carlo Ginzburg, 1939-)の著書の、上村さんにとって8冊目となる訳書『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』がみすず書房より発売となります。本日6月16日が取次搬入日のようですので、まもなく店頭発売開始となるかと思います。『Nondimanco: Machiavelli, Pascal』(Adelphi, 2018)の全訳で、著者からの要望により未刊の論考「Forging the poeple: Machiavelli, Michelangelo」の翻訳が第5章として追加されています。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。

カルロ・ギンズブルグ著 上村忠男訳
みすず書房 2020年6月 本体5,700円 四六判上製352頁 ISBN978-4-622-08910-0
帯文より:近代的な「統治の技術」を理論化したマキァヴェッリ。「永遠の空間の無限の沈黙」を畏怖した信仰者パスカル。継承関係を追い、書物の宇宙を往還する歴史学。

★星野太さん(著書:『崇高の修辞学』)
月刊誌『群像』2020年7月号に掲載された批評総特集「「論」の遠近法」において、論考「パラサイト――やがて来る食客論のために」(199~212頁)を寄稿されています。この特集は「「危機の時代」の先にある、(いくつかの)バニシング・ポイントを見つめる」というもの。星野さんのほか、東浩紀、安藤礼二、江南亜美子、大澤信亮、小田原のどか、樫村晴香、柄谷行人、高原到、福尾匠、古川日出男、町屋良平、綿野恵太、の各氏が寄稿しています。星野さんのご論考は「人類史をつらぬく「寄生」。生の営みとともにある概念の可能性を拡げる」と紹介されています。弊社刊、アガンベン『バートルビー』に収録された高桑和巳さんの解説「バートルビーの謎」が参照項のひとつとして論及されています。



# by urag | 2020-06-16 01:05 | 本のコンシェルジュ | Comments(0)