2015年 05月 03日
楽園は、モノクローム。 荒木経惟写真 アダチプレス 2015年5月 本体3,200円 B4変型判並製96頁 ISBN978-4-908251-00-9 シュリンクシールより:花と人形、ときどき人。エロティックで残酷で、いとをかし。誰も見たことがなかった、写狂老人アラーキーの秘密の花園。 ★昨夏(2014年7月)創業されたアダチプレスさんの出版第一弾です。5月9日発売予定。扱いはトランスビューさんです。収録写真のサンプルは書名のリンク先をご覧ください。サンプルにはありませんが、何年か前に話題になったレディ・ガガさんの緊縛写真は実にかっこいいです。また、荒木さんの撮る花たちはどこまでも妖しく美しく色っぽく、空はどこまでも神々しくて、個人的にとても好きです。紀伊國屋書店グランフロント大阪店ではトランスビューさん扱いの17社のうち14社にアルテスパブリッシング、弦書房、サンライズ出版、スタイルノート、ななみ書房、羽鳥書店、ぷねうま舎、ポット出版、まむかいブックスギャラリーを合わせた23社の商品を集めた「注文出荷制23社フェア」を5月11日から開催されますが、このフェアにアダチプレスさんも参加されています。トランスビューの工藤さん、ころからの木瀬さん、グランフロント大阪店の星店長によるトークイベント「《注文出荷制》は何を目指すのか ~新しい出版流通の現状と未来~」が5月17日(日)に行われるとのことで、業界人必聴かと思われます。参加無料要予約。 ★写真集繋がりでご紹介しておきますと、ほかならぬアダチプレスの足立さんの古巣である平凡社さんでも、ユニークな写真集がまもなく発売されます。林明輝[ドローン]写真集『空飛ぶ写真機――大地から見てきた風景を上空から再発見』(平凡社、2015年5月、本体3,800円、A4変型判上製112頁、ISBN978-4-582-27819-4)です。ドローンというとさいきん某所に落下したのが確認されて大きな話題となっていますけれども、この写真集は空撮ならではの〈鳥になった気分〉を味わうことができる、開放感と爽快感のある美しい作品集となっています。 ドゥルーズ・コレクション I 哲学 ジル・ドゥルーズ著 宇野邦一監修 河出文庫 2015年5月 本体1,300円 344頁 ISBN978-4-309-46409-1 カバー裏紹介文より:ドゥルーズの未収録論考などを集成した『無人島』『狂人の二つの体制』から重要テクストをテーマ別に編んだドゥルーズ没後二十年記念オリジナル・アンソロジー。Ⅰにはドゥルーズの思考の軌跡と哲学者たちをめぐるテクスト群を収録。ますます輝きをますその哲学の魅力を開示する。 目次: 【発想の軌跡】 無人島の原因と理由 (前田英樹訳)8-18 セリー・ノワールの哲学 (鈴木創士訳)19-28 ドラマ化の方法 (財津理訳)29-53 何を構造主義として認めるか (小泉義之訳)54-101 ドゥルーズ/ガタリが自著を語る (杉村昌昭訳)102-135 狂人の二つの体制 (小沢秋広訳)136-144 『意味の論理学』イタリア語版への覚え書き (宇野邦一訳)145-149 宇野への手紙――いかに複数で書いたか (宇野邦一訳)150-154 フェリックスのために (杉村昌昭訳)155-157 内在――ひとつの生…… (小沢秋広訳)158-165 【哲学者たち】 ベルクソン、1859-1941 (前田英樹訳)168-192 ベルクソンにおける差異の概念 (前田英樹訳)193-239 カフカ、セリーヌ、ポンジュの先駆者、ジャン=ジャック・ルソー (宇野邦一訳)240-248 「彼は私の師だった」 (松葉祥一訳)249-256 ジルベール・シモンドン 個体とその物理-生物的な発生 (三脇康生訳)257-264 断層と局所の火 (小泉義之訳)265-278 ヒューム (小泉義之訳)279-295 ニーチェと思考のイマージュについて (鈴木創士訳)296-312 ノマド的思考 (立川健二訳)313-337 監修者あとがき (宇野邦一訳)338-342 ★5月11日発売予定とのことですので、早いお店では今週末あたりから店頭に並び始めるのではないかと思われます。このコレクションは全2巻で、『無人島』『狂人の二つの体制』からテーマ別に再編集したもの。訳語の統一のために各テクストを調整した、と監訳者あとがきで宇野さんが特記されています。第Ⅰ巻の哲学者論編の中で題名に人名がないテクストにおいて誰が論じられているか特記しておくと、「「彼は私の師だった」」ではサルトルが、「断層と局所の火」ではコスタス・アクセロスが、「ノマド的思考」ではニーチェが取り上げられています。さらに監訳者あとがきによれば、続刊予定の第Ⅱ巻「権力/芸術」では、『ペリクレスとヴェルディ――フランソワ・シャトレの哲学』(『ドゥルーズ横断』所収、河出書房新社、1994年)をはじめ、「権力論、情況論といってよい同時代の政治的主題にかかわる一連の文章を、最後のパートには、ドゥルーズ独自の〈美学〉にとって、いわば試金石となった数々の作品(文学、美術、音楽、映画)についての印象深いエセー、講演」をまとめるとのことです。 現代思想 2015年5月号 特集:精神病理の時代――自閉症・うつ・普通精神病… 青土社 2015年4月 本体1,300円 A5判並製246頁 ISBN978-4-7917-1300-4 ★発売済。2本の討議「自閉症スペクトラムの時代――現代思想と精神病理」(内海健+千葉雅也+松本卓也)、「精神病理と精神分析の閾」(藤山直樹+十川幸司)をはじめ、論文が充実しており、大注目です。大澤真幸「近代社会における芸術の精神的位置――動物行動学と精神病理学からの示唆」、小泉義之「自閉症のリトルネロへ向けて」、檜垣立哉「他者はどこにいるのか――ドゥルーズにおける強度と精神と自然」、千葉雅也「バロック的前提から過少の言葉へ」、斎藤環「反-強度的治療としてのオープンダイアローグ」、十川幸司「強度と個体化――その臨床的導入を巡って」など。同誌では大学特集が鉄板だと聞いていますが、今回のようないわば「imago」誌系の内容も手堅いのではないかと思われます。なお、次号(6月号)の特集は「新しい唯物論」で、千葉雅也さんが2号連続の寄稿となるほか、メイヤスーやデランダ、エリザベス・グロスらの翻訳、磯崎新さんのインタヴュー等を収録する予定だそうです。 宗教学 大田俊寛著 人文書院 2015年4月 本体1,900円 4-6判並製236頁 ISBN978-4-409-00111-0 帯文より:オウム真理教事件の蹉跌を越えて、宗教について体系的に思考するための30冊。 ★発売済。「ブックガイドシリーズ 基本の30冊」の第11弾です。目次や巻頭論考「はじめに──宗教の四段階構造論」は書名のリンク先でご覧になれます。本書を含めたシリーズの既刊書を以下に列記しておきます。初学者の皆さんにだけでなく、人文社会書を扱われる書店員さんにとっても古典的基礎文献について勉強できる有益なガイドとなっています。担当編集者のMさんによればこのシリーズはまだ続刊予定があるとのことで、非常に楽しみです。 ◎ブックガイドシリーズ 基本の30冊 2010年10月『東アジア論』丸川哲史著 2010年10月『倫理学』小泉義之著 2010年10月『科学哲学』中山康雄著 2011年06月『グローバル政治理論』土佐弘之編 2011年08月『メディア論』難波功士著 2011年08月『日本思想史』子安宣邦編 2011年10月『文化人類学』松村圭一郎著 2012年01月『政治哲学』伊藤恭彦著 2012年12月『環境と社会』西城戸誠・舩戸修一編 2014年07月『経済学』根井雅弘編 2015年04月『宗教学』大田俊寛著 ★ガイドと言えば、東京外国語大学出版会および同大付属図書館が刊行しているPR誌「ピエリア」2015年春号では「愛の書物、書物への愛」と題した特集が組まれており、各先生方が新入生にそれぞれ個性的な名著を推薦されています。楽しいガイドブック(しかも無料)ですが、学外ではなかなか見かけないかもしれませんので、気になる読者や書店員さんは出版会さんにお問い合わせになってください。 +++ このほかにもここ数週間で様々な新刊との出会いがありました。 『マイ・フレンド――高田渡青春日記 1966-1969』高田渡著、高田漣編、河出書房新社、2015年4月、本体2,500円、46変形判並製368頁、ISBN:978-4-309-27590-1 『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』武田砂鉄著、朝日出版社、2015年4月、本体1,700円、四六判並製288頁、ISBN978-4-255-00834-9 『世界偉人変人博物館 ~77のよりすぐりの人生~』神山修一著、ほりのぶゆき挿画、エンターブレイン、2015年4月、本体1,300円、四六判並製272頁、ISBN978-4-04-730524-3 『2023年の中国――習近平政権後、中国と世界はどうなっているか?』徐静波著、作品社、2015年4月、本体2,400円、46判並製332頁、ISBN978-4-86182-466-1 『川村湊自撰集 2 近代文学編』川村湊著、作品社、2015年4月、本体2,800円、46判上製420頁、ISBN978-4-86182-515-6 『甲骨文の誕生 原論』高島敏夫著、人文書院、2015年4月、本体2,500円、4-6判上製178頁、ISBN978-4-409-51070-4 『あなたの自己回復力を育てる――認知行動療法とレジリエンス』マイケル・ニーナン著、石垣琢麿監訳、柳沢圭子訳、金剛出版、2015年4月、本体3,400円、A5判並製272頁、ISBN978-4-7724-1418-0 『アディクション臨床入門――家族支援は終わらない』信田さよ子著、金剛出版、2015年4月、本体2,800円、四六判上製240頁、ISBN978-4-7724-1409-8 『宗教の社会貢献を問い直す――ホームレス支援の現場から』白波瀬達也著、ナカニシヤ出版、2015年4月、本体3,500円、4-6判上製272頁、ISBN978-4-7795-0960-5 『フランスの生命倫理法――生殖医療の用いられ方』小門穂著、ナカニシヤ出版、2015年4月、本体3,800円、4-6判上製228頁、ISBN978-4-7795-0961-2 『偶然と運命――九鬼周造の倫理学』古川雄嗣著、ナカニシヤ出版、2015年4月、本体5,200円、A5判上製356頁、ISBN978-4-7795-0962-9 ★特記したいのは武田砂鉄さんのデビュー作『紋切型社会』です。武田さんは河出書房新社さんの元編集者で、昨年ライターとして独立されました。言葉を吟味する職業に就いておられただけに、世間に流通している様々な言葉を鋭い批評眼で分析されています。・・・という紹介ではそれこそ本書で批判されている紋切型であるように思えるので、もう少し感じたままを言いますと、内容的にかなり辛辣で毒舌な一冊で、読者を敵に回したくないですとか味方を増やしたいですとか、そうした媚びを感じさせません。「カルチャーの現場は、常に整わない環境を常態化しなければいけない。出る杭があれば育てなければいけない。出てこないで横目で既存の杭を見てそこに背丈を合わせてくるような杭にばかり餌を与えてはいけない。そんな杭は絶対にオリジナルな言葉を持たない。そんなコピペが続くと、文化はのっぺりと揃って、多くの可能性を無自覚にぶっ壊してしまうはずだ」(207-208頁)。これは出版社にも編集者にもずばり言えることですね。紋切型社会に生きる調整型の心臓をドキドキさせる言葉です。 #
by urag
| 2015-05-03 17:47
| 本のコンシェルジュ
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2015年 04月 26日
『サルトル伝――1905-1980』上下巻、アニー・コーエン=ソラル著、石崎晴己訳、藤原書店、2015年4月、本体各3,600円、四六上製672頁/656頁、ISBN978-4-86578-021-5/022-2 『未来世代の権利――地球倫理の先覚者、クストー』服部英二編著、ジャック=イヴ・クストー著、藤原書店、2015年4月、本体3,200円、四六上製360頁、ISBN978-4-86578-024-6 『石造りのように柔軟な――北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略』アンドレア・ボッコ+ジャンフランコ・カヴァリア著、多木陽介編訳、鹿島出版会、2015年4月、本体2,900円、A5判並製208頁、ISBN978-4-306-04621-4 『デモクラシー・プロジェクト――オキュパイ運動・直接民主主義・集合的想像力』デヴィッド・グレーバー著、木下ちがや・江上賢一郎・原民樹訳、2015年4月、本体3,400円、四六判並製368頁、ISBN978-4-906738-10-6 『はたらかないで、たらふく食べたい――「生の負債」からの解放宣言』栗原康著、タバブックス、2015年4月、本体1700円、四六判変型並製224頁、ISBN978-4-907053-08-6 『近代政治哲学――自然・主権・行政』國分功一郎著、ちくま新書、2015年4月、本体820円、256頁、ISBN978-4-480-06820-0 ★『サルトル伝』は、Sartre 1905-1980, Gallimard, 1985の翻訳。ここ半年ほどで日本ではデリダ伝(白水社)、ブランショ伝(水声社)、セガレン伝(水声社)と、かなり読み応えのあるフランスの伝記大冊が立て続けに訳されてきたわけですが、ここでついにサルトル伝の決定版が発売されました。サルトルの思想遍歴や政治活動だけでなく、異性関係もしっかり書かれています(「多妻主義」と著者は評しています)。性に留まらず、生のあらゆる領域において貪欲な探究心を持っていたサルトルが活写されており、その生きざまから少なからぬ刺激をもらえる気がします。本書はすでに11カ国語に翻訳されているそうで、著者は「日本の読者へ」と題した序文で「サルトルのメッセージは、いまやかつてなく今日的なものとなっている」と強調しています。 ★『未来世代の権利』は高名な海洋学者クストー(Jacques-Yves Cousteau, 1910-1997)による地球倫理をめぐる2本の講演「地球の将来のために」(1992年)と「文化と環境」(1995年)や、インタヴュー「人口増加と消費激増が地球資源に致命的負荷」(1992年)、さらに回想録『人、蛸そして蘭』(1997年)の抄訳に、クストーに関係するユネスコの資料などをまとめた貴重な一冊です。この星の未来に責任を持とうと呼びかけるクストーの真摯さに胸を打たれます。たとえば、大きな政治改革をもたらした一国の大統領に対してであろうと、クストーの直言は明解です。チェコのハヴェル大統領とのやりとりはクストーの面目を伝えるものではないかと感じました(74頁)。クストー再評価のきっかけを本書は提供してくれます。 ★なお、藤原書店さんが来月発売の61号をもって学芸総合誌『環』の第I期を終刊されることについて特記したいと思います。「来季、新しい姿で再び読者の前に現れることを願っている」と藤原社長は投げ込みの月刊PR誌「機」277号の「出版随想」欄に記されています。 ★『石造りのように柔軟な』は、Flessibile come di pietra (CELID, 2008)に、大幅な加筆と再編集を施したもので、原書以上にヴィジュアル的にも優れた訳書になっています。著者はトリノ工科大で教鞭をとる建築家。「社会の多様な発展モデルおよびそれらが地球レベルでおよぼす社会的、経済的、環境的な影響に特別な関心を寄せてきた」(14頁)という彼らは、「現代の発展モデルは、〔・・・〕このまま無制御に続けていけるものではなくなってきた」(15頁)と考え、「より小規模で身近なレベルから修正をはじめながら新しい発展のモデルを探求しなければならない」(同)と述べます。よりサステイナブルなモデルを求め、彼らはアルプスの山岳地帯の建築と文化を調査しました。その美しく啓発的な成果が本書です。 ★『デモクラシー・プロジェクト』は、The Democracy Project: A History, A Crisis, A Movement (Spiegel & Grau, 2013)の翻訳です。アナキスト人類学者グレーバー(David Graeber, 1961-)の著書が訳されるのは、『アナーキスト人類学のための断章』(以文社、2006年)、『資本主義後の世界のために』(以文社、2009年)に続いて本書が3冊目。久しぶりの新刊を待ちわびていた読者もいらっしゃるのではないかと思います。ウォール・ストリートで始まったオキュパイ運動に密接に関わった著者が、この運動の経緯と民主主義の可能性について書いたのが本書です。「国家による暴力独占に基礎づけられた民主国家など矛盾なのだ」(281頁)とグレーバーは書きます。情熱あふれる記述は、日本人のもやもやした「現在」にも反射光のように痛烈に突き刺さってきます。 ★『はたらかないで、たらふく食べたい』は、『大杉栄伝』(夜光社、2013年)でブレイクの兆しが著しい脱力系アナキストの星、栗原康(くりはら・やすし:1979-)の4冊目の著書です。ここ何年かのうちに発表されたエッセイ(論文というほど堅苦しくないのが栗原さんの美点)に書き下ろしを加えた1冊。今までの著書の中で一番売れる気がしてならない魅力的な新刊です。本屋さんでは人文書や社会書で置かれるだろうと想像するのですが、ともかくこれらのお堅いジャンルで近年こんなにも読者を笑わせてくれるのは、この本を措いてないと思われます。恐怖のあまり二度寝、ですとか、痛い目に遭ったのにまた合コンに行きたい、ですとか、親孝行からの親不孝、ですとか、色々とひどいです(褒め言葉です)が、ただの与太話で終わらないのが栗原さんの魅力です。初めてかと思いますが、カバーに顔写真が載っています。俳優のように端正な顔立ちと、本文でのダメっぷりのギャップにもやられます。 ★『近代政治哲学』は大学での講義がもとになったという啓発的な概説書です。ボダン、ホッブズ、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カントらの著書から読み解く政治哲学の歴史を手際よく解説されています。「我々は近代政治哲学が構想した政治体制の中に生きている。そして、その中にあまりに多くの問題点があることを知っている。だが、それにもかかわらず未だ有効な改善策を打ち出せずにいる」(9-10頁)と國分さんは書きます。本書のキーワードは副題にある「自然・主権・行政」です。国民主権と行政との関係性を問い直すきっかけを与えてくれるだけでなく、現代人にはほとんどなじみがないかもしれない自然権についても注意を促してくれます。本書は一見すると西欧近代の哲学史を扱っているように思えるのですが、実際にはすべて現代の日本社会を考える上で欠かせない問題群を扱っているということに、読者の皆さんは気づかれるのではないかと思われます。 #
by urag
| 2015-04-26 00:00
| 本のコンシェルジュ
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2015年 04月 21日
今月(2015年4月)10日にオープンしたららぽーと富士見ですが、その1Fに、かのリーディングスタイルが手掛ける5つ目の店舗「BOWL(ボウル)」が開店しました。運営するリーディングポートJPによるプレスリリースはこちら。書籍雑誌や雑貨を扱うほか、カフェを併設しています。担当者の選書担当のKさん曰く、「丸の内(マルノウチリーディングスタイル)、町田(ソリッドアンドリキッド)、天神(ソリッドアンドリキッド)と立ちあげてきましたが、今回が一番の出来」だそうです。弊社本も置いていただいています。Kさんからご提供いただいた店内の写真は以下の通り。 現在「BOWL」では、「BRANCHART(ブランチャート)」というブックフェアを展開中です。リーディングスタイル、サニー・ボーイ・ブックス、ヌマブックス、ペーパーウォールといった個性派書店が協力して選書したフェアで、「チャートに沿って質問項目にYES/NOで答えていくと番号の本にたどりつく」というもの。人生編、恋愛編、仕事編、ぼんやり編の4種類があって、それぞれ32冊が選ばれています。写真を見ていただければ分かると思いますが、本は数字が書いてあるカバーでくるまれています。 チャートとブックリストは印刷されて、本を1冊お買上の方に配布されています。4種類のチャートから各1冊ずつお買上の方にはコースターをプレゼント。このほかにも特製のしおりやシールなどのノベルティがあります。 さらに、なんと今回リーディングスタイルさんは、ららぽーと富士見の同じく1Fにあるスーパーマーケットの「ヤオコー」さんの書籍売場も手掛けておられます。普通のスーパーの書籍売場と違った感じで面白いですね。ゴールデンウィークにららぽーと富士見へお出かけの折にはぜひ「BOWL」とヤオコーの書籍売場の両方をご覧になってみてください。 #
by urag
| 2015-04-21 17:20
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2015年 04月 19日
◎古典の初訳、新訳、再刊が続々と ここ数カ月、古くは紀元前のものから新しくは前世紀のものまで、古典ものの初訳、新訳、文庫化再刊などの収穫が多いです。まとめて買おうとするとそれなりの出費になるのでご注意ください。 『パンパイデイア――生涯にわたる教育の改善』J・A・コメニウス著、太田光一訳、東信堂、2015年2月、本体5,800円、A5判上製456頁、ISBN978-4-7989-1282-0 『フランス・ルネサンス文学集(1)学問と信仰と』宮下志朗・伊藤進・平野隆文編訳、江口修・小島久和・菅波和子・高橋薫・二宮敬訳、白水社、2015年3月、本体6,800円、四六判上製574頁、ISBN978-4-560-08431-1 『痴愚神の勝利――『痴愚神礼讃』(エラスムス)原典』ファウスティーノ・ペリザウリ著、谷口伊兵衛訳、而立書房、2015年3月、本体2,500円、A5判上製112頁、ISBN978-4-88059-386-9 まずはルネサンス、近世ものです。『パンパイデイア』はシリーズ「コメニウス・セレクション」の9年ぶりの第2回配本です。コメニウスの遺稿『人間についての熟議』7部作の中の、教育論である第4部の訳書。巻末には『人間についての熟議』全体の序文が併載されています。訳者の太田さんはシリーズ継続への決意をあとがきで述べておられます。コメニウスの汎知学は教育や学習、学問のあり方が問われているこんにち、いよいよ再評価されていくように思えてなりません。ヤン・パトチカ『ヤン・パトチカのコメニウス研究――世界を教育の相のもとに』(相馬伸一編訳、九州大学出版会、2014年8月)、北詰裕子『コメニウスの世界観と教育思想――17世紀における事物・言葉・書物』(勁草書房、2015年1月)と、このところ研究書の刊行が続いていることにも注目したいです。 『フランス・ルネサンス文学集』は『フランス中世文学集』(全4巻、白水社、1990-1996年)や『フランス中世文学名作選』(白水社、2013年)に続くシリーズで、第1巻「学問と信仰と」は思想・宗教・科学・芸術に関する貴重な作品が収録されている感動的な大冊です。目次は書名のリンク先をご覧ください。抄訳とはいえ、ジャン・ボダンの国家論と魔女論が収録されていることに眼をみはります。田中雅志編訳『魔女の誕生と衰退――原典資料で読む西洋悪魔学の歴史』(三交社、2008年)でボダンの魔女論をすでに読まれた方にもお薦めします。『フランス・ルネサンス文学集』は今後、第2巻「笑いと涙と」、第3感「旅と日常と」の刊行が予定されています。 『痴愚神の勝利』は帯文に曰く「名作『痴愚神礼讃』は二番煎じか?! ルネサンスの天才作家エラスムスが『痴愚神礼讃』の執筆にあたり底本にしながら、極秘にしてきた原典の本邦初訳。イタリア以外では、世界初の"秘書"公開である。(詳しくは訳者解説を参照)」と。ペリザウリ(1450c-1523)はイタリアのほぼ無名の神父。エラスムスの変名ではありません。『痴愚神の勝利』は1524年刊、『痴愚神礼讃』は1511年刊です。なぜ前者が後者の種本だと推理されうるのかについては訳者解説にごく簡潔に書かれています(ネタバレは避けたいので、どうぞ本書をご覧ください)。それをどう評価するかは読者によって賛否があるかもしれません。 これらのほかに、以下の新刊も見逃せません。アリストテレスとロセッティは新訳、『法華経』はかの梵漢和対照版(上下巻、岩波書店、2008年)の改訳で、そのほかは文庫化です。『法華経』改訳版は、梵漢和対照版から現代語訳のみを抜き出し「日本語として読みやすいように大幅に手を入れた」(はしがき)とのことで訳者の献身に深い感銘を覚えます。対照版をお持ちの方にもお薦めします。『スッタニパータ』は講談社版『原始仏典』第7巻「ブッダの詩I」から「スッタニパータ」を独立させたもの。訂正は最小限に留めたと文庫版あとがきにあります。ロック『知性の正しい導き方』は御茶の水書房の親本に訳者が適宜修正を加えたとのことなので、文庫版を決定版と見るべきかと思います。ヤスパース『われわれの戦争責任について』は平凡社ライブラリー版『戦争の罪を問う』(1998年)からの再文庫化です。初訳時は創元文庫(『戦争の罪』1952年)でしたから、再々文庫化と言うべきでしょうか。 『新版 アリストテレス全集(6)気象論/宇宙について』三浦要/金澤修訳、岩波書店、2015年3月、本体5,600円、A5判上製函入402頁、ISBN978-4-00-092776-5 『サンスクリット原典現代語訳 法華経』上下巻、植木雅俊訳、岩波書店、2015年3月、本体各2,300円、四六判上製302頁/310頁、ISBN978-4-00-024787-0/024788-7 『スッタニパータ[釈尊のことば]全現代語訳』荒牧典俊・本庄良文・榎本文雄訳、講談社学術文庫、2015年4月、 本体1,080円、336頁、ISBN978-4-06-292289-0 『知性の正しい導き方』ジョン・ロック著、下川潔訳、ちくま学芸文庫、2015年3月、本体1,300円、336頁、ISBN978-4-480-09658-6 『D.G.ロセッティ作品集』南條竹則・松村伸一編訳、岩波文庫、2015年3月、本体900円、380頁、ISBN978-4-00-372051-6 『われわれの戦争責任について』カール・ヤスパース著、橋本文夫訳、ちくま学芸文庫、2015年3月、本体1,100円、256頁、ISBN978-4-480-09669-2 続いて、20世紀の古典の新訳や初訳本、伝記の注目新刊です。 『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』モーリス・メルロ=ポンティ著、富松保文訳注、武蔵野美術大学出版局、2015年3月、本体1,700円、四六判並製264頁、ISBN978-4-86463-020-7 『政治と歴史――エコール・ノルマル講義 1955-1972』ルイ・アルチュセール著、市田良彦・王寺賢太訳、平凡社、2015年4月、本体7,200円、A5判上製560頁、ISBN978-4-582-70339-9 『ヒロシマの人々の物語』ジョルジュ・バタイユ著、酒井健訳、景文館書店、2015年3月、本体520円、四六判ペーパーバック64頁、ISBN978-4-907105-04-4 『映画とは何か』上下巻、アンドレ・バザン著、野崎歓・大原宣久・谷本道昭訳、岩波文庫、2015年2月、本体1,020円/840円、370頁/284+21頁、ISBN978-4-00-335781-1/335782-8 『ヴィクトル・セガレン伝』ジル・マンスロン著、木下誠訳、水声社、2015年3月、本体10,000円、A5判上製688+8頁、ISBN978-4-8010-0087-2 『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』はメルロ=ポンティ生前最後の公刊となる『眼と精神』の新訳です。既訳には『眼と精神』所収の滝浦静雄・木田元の両先生による共訳(みすず書房、1966年、251-301頁)があります。今回の新訳では既訳になかったクロード・ルフォールの序文が読めるほか、ジャコメッティ、セザンヌ、マティス、クレーなど、没後の原書単行本版に掲載されている図版のほかにも、芸術家たちの作品が採録されており、非常に嬉しい一冊となっています。訳者による丁寧で啓発的な補注の数々も、本書の背景を知る上で有益です。訳者あとがきでは、翻訳独占権を持っているみすず書房さんが、新訳の刊行を許可されたことに触れられています。とても良い話ですね。なにせ『眼と精神』は難解で冒頭の一文「科学は物を操作するのであって、物に住みつくことは諦めている(La science manipule les choses et renonce à les habiter)」からして読者を絶句させるには充分ですから、複数の翻訳を読めるということは本当にありがたいことです。 『政治と歴史』はまもなく発売となるアルチュセールの講義録で、同名の訳書(『政治と歴史――モンテスキュー・ルソー・ヘーゲルとマルクス』西川長夫・阪上孝訳、紀伊國屋書店、1974年;新訂版『政治と歴史――モンテスキュー・ヘーゲルとマルクス』西川長夫・阪上孝訳、紀伊國屋書店、2004年)とは別物です。平凡社版は2006年にSeuilから刊行されたものの翻訳に、2012年にTemps des Cerisesから刊行されたルソー講義の訳を付け加えたものです。巻頭にはフランソワ・マトゥロンによる編者解題が置かれ、続いて「歴史哲学の諸問題(1955-1956)」「マキァヴェッリ(1962)」「ルソーとその先行者たち――17-18世紀における政治哲学(1965-1966)」「ホッブズ(1971-1972)」「ルソー講義(1972)」が収められています。ちなみに紀伊國屋書店初版本に収められていたルソー講義「ルソーの「社会契約」について」(143-209頁)は1965-1966年のエコール・ノルマル講義の再録でした(新訂版には版権の都合で収録から外されています)。平凡社版では331~367頁に当たり、趣旨は同じですが、平凡社版は聴講ノートとタイプ原稿からテクストが確定されているため、紀伊國屋書店版の再録論文とは互いに別ヴァージョンの関係にあると言っていいと思われます。 『ヒロシマの人々の物語』は1947年の「クリティーク」誌1-2月合併号で発表された「ヒロシマの人々の物語について」の新訳です。既訳には「広島のひとたちの物語」(山本功訳、『バタイユ著作集(14)戦争/政治/実存――社会科学論集1』所収、二見書房、1972年、10-37頁)があります。新訳を手掛けられた酒井さんにはバタイユの訳書・共訳書だけでなく、バタイユ論を多数上梓されていることは周知の通りです。今回の新訳はエッセイ1本ではあるものの、再読に値する内容であると同時に文庫本以上に廉価であるため、バタイユの読者層を広げてくれるのではないかと思います。同書の奥付裏の近刊予告によれば、「魔法使いの弟子」が酒井さんの新訳で同版元から刊行予定だそうです。バタイユによる〈恋人の共同体〉論として知られる同エッセイの既訳には入沢康夫訳(『バタイユ・ブランショ研究』竹内書店や『バタイユの世界』青土社に所収)や、西谷修訳(『聖社会学』工作舎所収)があります。 『映画とは何か』は周知の通りバザンの評論集ですが、とりわけ巻頭論文の「写真映像の存在論」(上巻、9-24頁)における「ミイラ・コンプレックス」という死に抵抗する人間の保存願望をうまく言い表した言葉で有名かもしれません。既訳には小海永二訳(『映画とは何か』全4巻、美術出版社、1967-1977年;『小海永二翻訳撰集(4)映画とは何か』丸善、2008年)があります。映画研究における有名な基本的文献なので、新訳はある意味当然ではあります。しかしそれは訳者と版元の努力の賜物なわけで、先述の『眼と精神』と同様にありがたいことです。欲を言えば分厚く高価になってもいいから全1巻にしてもらった方が使い勝手がよかった気もしますけれど、紙媒体での分冊はやむをえないでしょうか。 『ヴィクトル・セガレン伝』は、1991年にフランスで刊行された記念碑的大冊の翻訳です。A5判2段組で本論が450頁近くあり、そのあと140頁ほど原注がたっぷり続きます。文献案内(「書誌」)や人名索引を完備。巻頭には著者による「日本語版への序文」が付されています。「ヴィクトル・セガレンの伝記が日本の読者に読めるようになることをどうして喜ばないわけがあろうか」という一文がその書き出しです。その序文で著者はセガレンが1910年に日本を訪問したことについて言及しています。その当時の日記は『煉瓦と瓦』(水声社版『セガレン著作集』第8巻、未刊)で読むことができます。著者の祖父はセガレンと友人だったそうです。訳者あとがきで木下さんは本書を「その後もこれを上回る内容の伝記は出版されていないため、現在まで最も信頼できるセガレン伝としてセガレン研究者の誰もが参照する本であり続けている」と紹介しておられます。セガレンの著作の初訳は1959年(スガラン『滅びゆく島』室淳介訳、角川書店)と古いのですが、その後30年以上翻訳がなく、単行本が再び出始めたのは90年代になってからでした。そのためか、セガレンは現代の作家のように思われがちでしたが、実際にはあと数年で没後百年を迎えます。水声社さんでは2001年から『セガレン著作集』を刊行され、残る配本は第2巻「ゴーガン礼讃/異教の思考」と上記の第8巻のみです。長く続く出版不況の最中でのこの長丁場は版元さんにとっては並大抵のものではなかったのではないかと思います。 水声社さんでは周知の通りアマゾン・ジャパンへの出荷を引き続き停止し、ポイントサービスへの異議申し立てを続けておられます。アマゾンだけをもっぱら利用されている方にはなかなかお目に留まっていないかもしれませんが、2月から4月にかけて同社では以下の新刊を刊行されています。 まずは芸術書の分野で2点(展覧会の図録『高松次郎 制作の軌跡』を含めると3点): 『幽霊の真理――絶対自由に向かうために《対話集》』荒川修作+小林康夫著、水声社、2015年3月、本体3,000円、46判上製312頁、ISBN978-4-8010-0088-9 『タイムコレクション』今井祝雄著、大日方欣一構成・テキスト、水声社、2015年3月、本体3,200円、A5判上製120頁、ISBN978-4-8010-0081-0 続いて文芸書の分野で4点(上述のセガレン伝と先日ご紹介したル・クレジオ『氷山へ』、未見のモディアノ『地平線』を含めると7点): 『ガラスの国境』カルロス・フエンテス著、寺尾隆吉訳、水声社、2015年3月、本体3,000円、46判上製352頁、ISBN978-4-89176-956-7 『カフカの動物物語――〈檻〉に囚われた生』山尾涼著、水声社、2015年3月、本体4,000円、A5判上製256頁、ISBN978-4-8010-0091-9 『小島信夫短篇集成(5)眼/階段のあがりはな』水声社、2015年3月、本体6,000円、A5判上製416頁、ISBN978-4-8010-0065-0 『小島信夫短篇集成(6)ハッピネス/女たち』水声社、2015年3月、本体7,000円、A5判上製472頁、ISBN978-4-8010-0066-7 さらに人文書の分野では4点(未見のパツラフ+ザスマンスハウゼン『シュタイナー教育基本指針(II)三歳から九歳まで』を含めると5点): 『ポストメディア人類学に向けて――集合的知性』ピエール・レヴィ著、米山優・清水高志・曽我千亜紀・井上寛雄訳、水声社、2015年3月、本体4,000円、46判上製368頁、ISBN978-4-8010-0090-2 『平成ボーダー文化論』阿部嘉昭著、水声社、2015年3月、本体4,500円、46判上製440頁、ISBN978-4-8010-0089-6 『甦るレヴィナス――『全体性と無限』読解』小手川正二郎著、水声社、2015年2月、本体3,500円、46判上製352頁、ISBN978-4-8010-0085-8 『ベンヤミンにおける「純化」の思考――「アンファング」から「カール・クラウス」まで』小林哲也著、水声社、2015年4月、本体6,500円、A5判上製488頁、ISBN978-4-8010-0092-6 以上、15点が発売済であり、まもなく赤羽研三『〈冒険〉としての小説――ロマネスクをめぐって』が近刊と聞きます。 #
by urag
| 2015-04-19 23:58
| 本のコンシェルジュ
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2015年 04月 16日
★宮崎裕助さん(共訳:ド・マン『盲目と洞察』) 新潟大学大学院現代社会文化研究科共同研究プロジェクト「世界の視点をめぐる思想史的研究」の一環として公刊されている学術誌『世界の視点──知のトポス』の第10号が発刊されました。ヘーゲル、ハイデガー、クリューガー、グラネル、ツィヒェらの論考の翻訳が掲載されています。目次詳細はこちらをご覧ください。宮崎さんはグラネルの伝説的なデリダ論「ジャック・デリダと起源の抹消」を共訳されておられます。 ★猪瀬光さん(写真集:『猪瀬光全作品』) 銀座のAkio Nagawasa Galleryで行われている展覧会「THE COMPLETE WORKS」第2期"PHANTASMAGORIA"の会期がいよいよ今週末4月19日(日)までです。プリントを見る機会はめったにありませんので、どうぞお見逃しなく。なお、写真集『猪瀬光全作品』はネット書店を除くと現物はこれまで都内のギャラリーや専門店のみで販売されていましたが、5月1日(金)開店予定の梅田蔦屋書店さんでも写真集売場で販売されます。東京より西側では初めての展開となります。 +++在庫僅少、重版情報 バトラー『権力の心的な生』品切、2刷準備中 アガンベン『アイシュヴィッツの残りのもの』在庫僅少、7刷準備中 ユンガー『追悼の政治』在庫僅少 森山大道『オン・ザ・ロード』在庫僅少 『表象08:ポストメディウム映像のゆくえ』在庫僅少 #
by urag
| 2015-04-16 11:37
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