<   2014年 10月 ( 18 )   > この月の画像一覧


2014年 10月 30日

本日開店「niko and...TOKYO」の書籍コーナー

本日オープンした「niko and...TOKYO」(東京都渋谷区神宮前6-12-20)に設置されている書籍コーナーをご紹介します。ディレクションはリーディングスタイルのKさん。ゆめタウン広島の1Fに2014年4月24日(木)にオープンした「studio CLIP ゆめタウン広島店」に続く2店舗目のディレクションだとか。オープン数日前の、ほぼ整理が終わった段階の書棚の写真をご提供いただいたので、以下にご紹介します。

a0018105_18392428.jpg

a0018105_18422886.jpg

a0018105_18442611.jpg

a0018105_1845867.jpg

a0018105_1845554.jpg

a0018105_1847550.jpg


もう少し寄ってみますと、たとえば「仏 France」と「英 U.K.」の棚はこんな感じです。
a0018105_18544888.jpg


Kさんに同店書籍コーナーの特徴について伺ったところ、次のことを教えていただきました。

◎3つのテーマと、それにまつわる17のキーワードをもとに本をセレクト。棚段ごとにキーワードを割り振り、各々の棚段の中で世界観を創出。小説、エッセイ、詩集、学術書、絵本、写真集等、幅広いジャンルからそのキーワードにまつわる本を集め、「文脈棚」として展開。

自然 Nature:無、夜、風、海、木、花
人間 Human:色、言、愛、私、心、体
創造 Creation:本、音、窓、場、装

メイン棚は5本で、国別棚1本(米英独仏伊日)、文脈棚3本、「BIRTHDAY BUNKO」1本。「BIRTHDAY BUNKO」は今春マルノウチリーディングスタイルで開催されたフェアで、1月1日から12月31日まで366日のそれぞれに生まれた著名人の文庫をオリジナルカバーに巻いて販売したもの。大好評につき「niko and...TOKYO」でも展開ということになったようです。
[PR]

by urag | 2014-10-30 18:51 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 30日

シュレンドルフ監督『シャトーブリアンからの手紙』好評公開中

弊社出版物でお世話になっている著者の皆様方に関連する最新情報をご紹介します。

★エルンスト・ユンガーさん(著者:『追悼の政治』『パリ日記』『労働者』)
先週25日(土)より渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開され、来月より全国で順次公開される映画『シャトーブリアンからの手紙〔La mer à l'aube / Das Meer am Morgen〕』(フォルカー・シュレンドルフ監督、フランス・ドイツ合作、2012年)で登場人物の一人として描かれています(名優ウルリヒ・マテスが好演)。この映画は1941年10月にドイツ人将校が暗殺されたことに対してヒトラーが報復としてフランス人150人の銃殺を命じた史実に基づいた作品です。ナチス・ドイツの一士官だったユンガーはこの一件の記録を担当し『人質問題について〔Zur Geiselfrage〕』(1941/1942年)という文書を書いており、シュレンドルフはこの報告書やユンガーが訳した人質たちの手紙、さらに警察記録などに基づいて脚本を書いたそうです。また、若いドイツ兵士の描写にあたってノーベル賞作家のハインリヒ・ベルによる小説『遺言〔Das Vermächtnis〕』(1982年)が参考にされています。名作『ブリキの太鼓』(1979年)でおなじみの巨匠シュレンドルフ監督の13年ぶりの日本公開作ということで注目が集まっています。。

映画の公開に併せて、神保町の書泉グランデ3Fのエンタメ売場ではパネル展示および関連書籍フェアが展開されており、前売券も販売中とのことです。また、東京駅前の八重洲ブックセンター本店4F人文書売場でも関連書コーナーが設けられています。



◎書泉グランデさんの店頭風景
a0018105_1922316.jpg

a0018105_196478.jpg


★松本俊夫さん(著書:『逸脱の映像』)
今年1月19日にMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店で行われた『逸脱の映像』刊行記念トークイベント(松本俊夫さん、映像評論家の波多野哲朗さん、アニメーション作家の黒坂圭太さんの三氏による対談。司会は編者の金子遊さん)が本日発売の「映画芸術」誌449号で採録されています。「終わりなき「逸脱」へ――映像構築と理論において絶え間ない試行を提示し続けている松本俊夫。その実践の歴史を網羅する書の刊行を機に行われた対話の記録」(136-141頁)と題されています。知的刺激に満ちた対談となっていますので、見逃された方はぜひ誌面でお楽しみ下さい。
[PR]

by urag | 2014-10-30 16:52 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 29日

デリダ没後10年シンポジウム

弊社出版物でお世話になっている著訳者の皆様の関連イベントをご紹介します。
★ジャック・デリダさん(著書:『条件なき大学』)
★西山雄二さん(訳書:デリダ『条件なき大学』、共訳:『ブランショ政治論集』)
★宮崎裕助さん(共訳:ド・マン『盲目と洞察』)
★郷原佳以さん(共訳:『ブランショ政治論集』)
★ロドルフ・ガシェさん(著書:『いまだない世界を求めて』)
デリダ没後10年を記念するシンポジウム2本と関連催事2件が以下の通り開催されます。

◎ジャック・デリダ没後10年シンポジウム──プレセッション
日時:11月21日(金)13:00~18:30
場所:早稲田大学文学部キャンパス33号館第1会議室

第Ⅰ部 ラカン、ドゥルーズ、エコノミー 13:00-15:30
司会:藤本一勇(早稲田大学)/コメンテータ:西山雄二(首都大学東京)
1「暴力と形而上学」における「エコノミー」の問題 鈴木康則(慶應大学)
2 代補と裂け目──デリダとラカンにおける死の欲動の問題圏 工藤顕太(早稲田大学)
3 宙吊りと賭け──デリダとドゥルーズの1968年 鹿野祐嗣(早稲田大学・日本学術振興会DC2)

(15:30-16:00 休憩)

第Ⅱ部 形而上学と出来事の思想 16:00-18:30
司会:宮﨑裕助(新潟大学)/コメンテータ:亀井大輔(立命館大学)
4 デリダにおける出来事と事実性の問い──出来事の(不)可視性と初期目的論批判をめぐって 松田智裕(立命館大学)
5 ジャック・デリダにおける現前の問題の再検討 桐谷慧(東京大・ストラスブール大)
6 デリダと存在神学 長坂真澄(大阪大学・日本学術振興会PD)


◎ジャック・デリダ没後10年シンポジウム
日時:2014年11月22-24日
場所:早稲田大学・小野記念講堂
講演は60-80分、休憩10分、質疑応答20-30分で構成
主催:文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「近代日本の人文学と東アジア文化圏-東アジアにおける人文学の危機と再生」

11月22日(土) テーマ1「デリダと芸術、精神分析」
 10:00-12:00 講演:増田一夫(東京大学)「眼と精神――あるいは瞬きと死のパトス」
 13:00-15:00 講演:守中高明(早稲田大学)「ファロス・亡霊・天皇制――ジャック・デリダと中上健次」
 15:10-17:10 講演:郷原佳以(関東学院大学)「L'enfant que donc je suis、あるいは、あの猫はなぜ「自伝的」なのか」
 17:20-18:50 共同討議・質疑応答 司会=西山雄二(首都大学東京)

11月23日(日) テーマ2「デリダと哲学」
 10:00-12:00 講演:藤本一勇(早稲田大学)「デリダの反時代的テクノロジー」
 13:00-15:00 講演:合田正人(明治大学)「縁から縁――ジャック・デリダとジル・ドゥルーズ」
 15:10-17:10 講演:ロドルフ・ガシェ(ニューヨーク州立大学バッファロー校)「The Force of Deconstruction」(通訳付)
 17:20-18:50 共同討議・質疑応答 司会=宮﨑裕助(新潟大学)

11月24日(月) テーマ3「デリダと政治」
 10:00-12:00 講演:高橋哲哉(東京大学)「〈脱国家〉の企てをめぐって」
 13:00-15:00 講演:梶田裕(早稲田大学)「差延と平等」
 15:10-17:10 講演:松葉祥一(神戸市看護大学)「デモクラシーは来るべきものか──ランシエールのデリダ批判」
 17:20-18:50 共同討議・質疑討議 司会=藤本一勇


日本現象学会第36回研究大会(2014年11月29-30日)
ワークショップ「初期デリダとハイデガー――デリダの『ハイデガー』講義(1964‐65)をめぐって」
日時:11月30日(日)15:20~17:50(5号館 5103室)
会場:東洋大学(白山キャンパス)
発表:亀井大輔(立命館大学)、加藤恵介(神戸山手大学)、長坂真澄(日本学術振興会・大阪大学)


◎ワークショップ「サルトル×デリダ」
日時:2014年12月6日(土)13.00-18.00
場所:立教大学
主催:日本サルトル学会、脱構築研究会、立教大学文学部フランス文学専修
発表:澤田直(立教大学)、北見秀司(津田塾大学)、藤本一勇(早稲田大学)、西山雄二(首都大学東京)
[PR]

by urag | 2014-10-29 12:34 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 28日

11月近刊:森山大道写真集『ニュー新宿』サンプル追加公開

来月上旬(2014年11月)取次搬入予定の新刊『ニュー新宿』の新たな内容サンプルを公開します。同書は現在アマゾン・ジャパンにて好評予約受付中です。

a0018105_10283216.jpg

a0018105_1026186.jpg

a0018105_1027513.jpg

[PR]

by urag | 2014-10-28 10:29 | 森山大道 | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 25日

注目新刊:『アイデア(367)日本オルタナ文学誌 1945-1969 戦後・活字・韻律』誠文堂新光社、など

注目の新刊・既刊・近刊書をここしばらく毎週末、複数冊取り上げて参りましたが、どんどん1回の記事が長くなるばかりで、ご覧になる方も時間がかかるということで、しばらくはより手短なエントリーを心がけることにいたします。取り上げる本がたくさんあるというのは喜ばしいことなのですけれども、簡潔に済ませるというのは存外に難しいものでございますね。

+++

a0018105_23573981.jpg

アイデア(367)日本オルタナ文学誌 1945-1969 戦後・活字・韻律』(誠文堂新光社、2014年11月号)は、オルタナ編集者・郡淳一郎さん(1966-)の構成による、戦後日本出版史における「社内装丁・編集装丁」の系譜を辿るノスタルジックな特集号。書肆ユリイカ、日本孔版研究所、桃源社を始めとする個性的な版元の、珠玉の造本がカラー写真とともに紹介され、本好きにはたまらないうっとりさせる一冊です。すごい編集者たちがいたものです、本当に。ノスタルジーとは懐古趣味ではなくて、未来の不確定な闇へと貫通していく光を見出す視線です。その光となることこそ出版人の本懐ではないでしょうか。同じく郡さんの構成による『アイデア(354)日本オルタナ出版史 1923-1945 ほんとうに美しい本』(2012年9月号)と併せてご覧になればいっそうの感動が味わえます。

エリザベス・シューエル『オルフェウスの声――詩とナチュラル・ヒストリー』(高山宏訳、白水社、2014年10月;原著1960年)は、シリーズ「高山宏セレクション〈異貌の人文学〉」の第5弾。シューエルの訳書としては同シリーズでの『ノンセンスの領域』の再刊(白水社、2012年;河出書房新社、初版1980年;原著1952年)に次ぐ第2作です。ばらばらになった世界の断片を再結合させるオルフェウスの詩(ことば)の力の源泉へと迫る本書は、古びていないどころかますますこんにち熟読されるべき価値を芳香のように放っています。ジョージ・スタイナーが本書を「これは霊感が書かせた書〔・・・〕信じがたく独創的で重要な一書」と絶賛しています。高山さんは近くスタフォード『エコー・オブジェクツ』(産業図書)を上梓される予定だそうです。

ジャン=リュック・ナンシー『アドラシオン――キリスト教的西洋の脱構築』(メランベルジェ眞紀訳、新評論、2014年10月;原著2010年)は、『脱閉域――キリスト教の脱構築(1)』(大西雅一郎訳、現代企画室、2009年;原著2005年)の続編で、ナンシーのいわばライフワークとなる1冊です。副題がキリスト教「的西洋」の脱構築、と変更になっているのは著者自身の要請であることが「日本語版への序文」で明かされています。アドラシオンは「外に向かってことばを送ること」(訳者あとがき)であり、崇拝・差し向け・語りかけとも訳されています。無限へと開かれた関係、諸関係の創造としての世界をめぐるナンシーの「共に avec」の哲学は、いよいよ深まっていきます。なお原著ではまだ第3巻は刊行されていません。

細見和之『フランクフルト学派――ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』(中公新書、2014年10月)は、なんと新書で初めての入門書です。ホルクハイマー、アドルノ、フロム、ベンヤミン、第二世代のハーバーマスが紹介され、最終章では第三世代のホネット、アルフレート・シュミット、ヴェルマー、オッフェ、デミロヴィッチ、ゼールらが言及されています。このほかにも様々な知識人が登場しますから、20世紀ドイツ思想を勉強したい書店さんにはもってこいの本です。巻末には関連年表と参考文献を収載。今月は古松丈周『フランクフルト学派と反ユダヤ主義』(ナカニシヤ出版)という研究書も発売になったばかりですし、ハーバーマスの新刊『自然主義と宗教の間――哲学論集』(庄司信ほか訳、法政大学出版局)も出ていますね。

吉川浩満『理不尽な進化――遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社、2014年10月)は、吉川さんの初の単独著。朝日出版社第二編集部ブログでの同名連載(2011~2013年)に大幅な加筆修正が施されたものです。吉川さんはこれまでに、山本貴光さんとの共著『心脳問題』(朝日出版社、2004年)、『問題がモンダイなのだ』(ちくまプリマー新書、2006年)を通じてポピュラー・サイエンスと哲学のあわいを縫う非常に堅実な啓発書を世に問われてきましたが、今回のテーマ「進化(論)」も科学と哲学を横断する領域であり、知の冒険者としての吉川さんの面目躍如たる一冊となっています。読書家ならではの見事な参考文献は書店人必見です。本書の着想の源はドーキンス『利己的な遺伝子』(紀伊國屋書店)と真木悠介『自我の起原』(岩波現代文庫)の2冊だそうです。折しも朝日出版社さんの新刊では、真木さんの著書と大澤真幸さんによるその読解を1冊にした『現代社会の存立構造/『現代社会の存立構造』を読む』が話題を呼んでいます。

真島一郎・川村伸秀編『山口昌男 人類学的思考の沃野』(東京外国語大学出版会、2014年10月)は、昨春逝去された文化人類学の巨人に捧げられた追悼論集です。昨夏開催された追悼シンポジウム「人類学的思考の沃野」の記録に始まり、多彩な書き下ろしの山口論の数々と、奥様のふさ子さんや中沢新一さんへのインタヴュー、山口さん自身の単行本未収録論考三篇「西アフリカにおける王権のパターン」「ネグリチュード前後」「瓢箪と学生」の再録、さらには著書のブックガイドや、資料編として詳細な学術研究の記録、年譜・著作目録、貴重なスケッチと写真を多数収載しており、盛りだくさんの内容となっています。追悼論集ではありますが、この書物自体がひとつの祝祭であるような、賑やかで晴れやかな一冊です。目次詳細は同出版会ウェブサイトをご覧ください。

的場昭弘『マルクスとともに資本主義の終わりを考える』(亜紀書房、2014年9月)は、『マルクスだったらこう考える』(光文社新書、2004年)以後に起きた様々な出来事――リーマンショックやアラブの春、東日本大震災などの洗礼を経たこんにち、資本主義とグローバリゼーションのゆくえをマルクスをヒントに再考した本です。注目は「小さな社会」を論じた終章です。小さな政府は個人の自由の最大化を志向するリバタリアニズムの理想ですが、小さな社会というのは脱成長と脱覇権主義を志向するアソシエーショニズムの構想です。格差をまき散らさずには成長しえない資本主義の罠について、的場さんは来月も新刊『まんが図解 まるかじり! 資本論』(青春出版社、2014年11月)を上梓される予定です。なお、亜紀書房さんでは今月、仲村清司さんと宮台真司さんの対談集『これが沖縄の生きる道』を刊行されています。沖縄知事選が来月16日に迫ったこの時節、沖縄問題はますます大きな局面を迎えており、店頭でもフェアを組まれる書店さんがおられるのではないかと拝察します。
[PR]

by urag | 2014-10-25 23:57 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 24日

本日取次搬入新刊:アガンベン『いと高き貧しさ』みすず書房

弊社がお世話になっている著訳者の皆様方の最近のご活躍をご紹介します。今日取次搬入の新刊1点と明日開催のイベント1件です。

★ジョルジョ・アガンベンさん(著書:『アウシュヴィッツの残りのもの』『バートルビー』『思考の潜勢力』『瀆神』『到来する共同体』)
★上村忠男さん(訳書:アガンベン『到来する共同体』、編訳:パーチ『関係主義的現象学への道』、スパヴェンタほか『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』、共訳:アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』『瀆神』、スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』)
「ホモ・サケル」シリーズ4-1『Altissima poverta: Regole monastiche e forma di vita』(2011年)の訳書がみすず書房さんより発売されました。本日10月24日取次搬入ですので、週末から来週にかけて書店さんの店頭に並び始めるのではないかと思われます。アガンベンさん関連の新刊では昨日取次搬入済で、アレックス・マリー『ジョルジョ・アガンベン』(高桑和巳訳、青土社、2014年)が発売されています。こちらはシリーズ「現代思想ガイドブック」の最新刊です。

いと高き貧しさ――修道院規則と生の形式
ジョルジョ・アガンベン著 上村忠男+太田綾子訳
みすず書房 2014年10月 本体4,800円 四六判上製256頁 ISBN978-4-622-07853-1

帯文より:物を所有せずに使用する。現代が思考すらできないでいる、法権利の外にある生を求めた聖フランチェスコら托鉢修道者に、大量消費社会を超える可能性を読む。

a0018105_1191567.jpg


★森山大道さん(写真集:『新宿』『ニュー新宿』『新宿+』『大阪+』『パリ+』『ハワイ』『オン・ザ・ロード』『カラー』『モノクローム』『にっぽん劇場』『何かへの旅』『NOVEMBRE』、随筆集:『通過者の視線』)
明日10月25日(土)13時半より、日本近代文学館講堂で森山大道さんと石川直樹さんの対談「文学と写真」が開催されるとのことです。入場料1500円。

◎森山大道×石川直樹 対談「文学と写真

日時:2014年10月25日 13:30~(開場13:00~)
場所:日本近代文学館、講堂
定員:80名
料金:1,500円
申込期間:要問合せ。お問い合わせ先:青土社 info@seidosha.co.jp
参加方法:右記宛先へメールで申し込み。info@seidosha.co.jp
主催:青土社

内容:写真は突きつめていくと言葉のない文学なのだろうか。文学には必ずしも言葉が必要なのだろうか。写真家である森山大道と石川直樹が「文学と写真」について思う存分に語る貴重な時間。
[PR]

by urag | 2014-10-24 11:10 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 23日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

3日連続での新規開店情報の投稿は初めてだと思いますが、そういう波がたまたま来てるんでしょうか。

2014年11月28日(金)オープン
ソリッド・アンド・リキッド天神:103坪(うち書籍20坪)
福岡県福岡市中央区天神1-7-11 天神イムズ 4F
大阪屋帳合。弊社へのご発注は造本に特徴がある外文・芸術・人文書。ソリッド・アンド・リキッドはリーディングスタイルが運営するブック+雑貨+カフェの複合店で、天神店は町田店に続く2店舗目。最寄駅は福岡市営地下鉄空港線「天神」駅です。リーディングスタイルさんは今月末に原宿にオープンする「niko and ... TOKYO」の選書も手掛けておられますし、どんどん活躍の場を広げておられますね。天神地区では福岡パルコ新館6Fに11月13日、フタバ図書福岡パルコ店(160坪)が開店し、同フロアには「みのりカフェ」が併設されていますから、天神地区でブックカフェ形態が来月2店舗オープンとなるわけです。書店の複合化は昨今の避けがたい潮流ですが、かつて90年代後半に有名書店チェーンがしのぎを削った書店戦争(ブック戦争)の激戦区で、まさか十数年後に今度はブックカフェが競合状態になるとは。時代の移り変わりを感じます。

かつて天神イムズには丸善や福家書店、ヴィレッジヴァンガードなどがあった時代もありましたが、現在は書店ゼロ。そこに久しぶりにブックスペースが戻ってくるわけですね。イムズはInter Media Stationの頭文字ですから、そこにブックがないというのはある意味象徴的なことでした。ちなみに昨日10月22日から11月9日まで、B2Fのイムズプラザでは「となりの本棚展」第6弾が開催されています。特設サイトの紹介文によれば、「読書の秋の恒例企画、ギャラリールーモの「となりの本棚展」。職業・年齢・背別を問わず様々な分野の人々が持ち寄ったお気に入り・オススメの本を、その本への想いや魅力を紹介しながら展示します。第6回目となる今回は、イムズとギャラリールーモ、2つの会場での開催。総勢200名のオススメ本と20名の作家による「本にちなんだ作品」が展示されます。誰かの本への想いを感じたり、自分のオススメの本を紹介したり、本からインスパイアされたアート作品を鑑賞したり。「となりの本棚展」で、たくさんの本の魅力を見つけてください」とのことです。
[PR]

by urag | 2014-10-23 11:58 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 22日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2014年11月7日(金)オープン
丸善町田ジョルナ店:140坪
東京都町田市原町田6-6-4 町田ジョルナ B1F
トーハン帳合。弊社へのご発注は社会系の話題書1点でした。坪数から考えると弊社の本が並ぶのはそれくらいの数に留まるのが現実かもしれません。町田ジョルナはJR横浜線「町田駅」前に1976年開業。地下2階、地上4階でメインターゲットとして対象としている客層は16歳から25歳と若者向けのファッション・ビルです。同業の既存店としてはB2Fに文教堂ホビー/アニメガ町田店が営業しています。近隣の書店さんでは、JR町田駅直結の「ルミネ」内に有隣堂とヴィレッジヴァンガードが入っており、さらに隣接する小田急小田原線「町田駅」直結の「町田モディ」にも有隣堂が入っています。地元の雄「久美堂」も駅周辺に本店を含む3店舗を展開しています。まぎれもない激戦区に丸善が参戦するわけですが、坪数がさほど大きくないので扱い点数と物量で圧倒できるわけではないと思います。そんなわけでごく率直に言えば、出店戦略の勘所がいまひとつよくわからない感じです。


2014年11月28日(金)オープン
ジュンク堂書店滋賀草津店:658坪
滋賀県草津市大路1-1-1 ガーデンシティ草津 B1F
トーハン帳合。弊社へのご発注は芸術書および人文書の主要書25点。坪数の割にはご発注が少ない気がしますけれど、書目を見る限りで推察すれば、チェーン既存店での販売数や回転数を参考にした上でのご発注かと思われます。ジュンク堂さんで1000坪台の大型出店やリニューアルが続いていた頃は毎回ほぼ全点のご発注があって大いに感激していたものでしたが、時代の推移とともに専門書がいっそう売れにくくなっていくなかでジュンク堂さんとて苦戦しておられるということなのかなと思います。それでも専門書版元にとってジュンク堂さんは大げさな話ではなく「最後の砦」に等しい運命共同体です。その他のチェーンがどれほど売上において勝っていても、専門書の品揃えにおいてジュンク堂さんに敵う書店はありません。

エルティ932・ガーデンシティ草津は、東海道本線のJR「草津駅」東口直結の複合商業ビルです。ジュンク堂が入居するB1Fは「ばんから横丁」という名の飲食店フロアですが、子供専用の屋内大型プレイグラウンドの「キンダージム草津」(2007年7月14日~2013年9月1日)が閉店した跡地(あるいはキンダージムが460坪だったので、そことエレベーターを挟んだ空きテナントを合わせた計2箇所?)に入居されるのかなと思います。なお、草津市内では弊社はこれまで「イオンモール草津」2Fの喜久屋書店草津店さんにお世話になってきましたが、今後は草津駅周辺でも弊社の主力商品をお求めになれるかと思われます。
[PR]

by urag | 2014-10-22 16:26 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 21日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2014年11月13日(木)オープン
フタバ図書福岡パルコ店:160坪
福岡県福岡市中央区天神2-9-18 福岡パルコ新館6F
日販帳合。弊社へのご発注は芸術書の主要書目。天神地区は全国でも有数の書店激戦区。広島に拠点を置くフタバ図書はすでに福岡県内に複数店舗を展開していますが天神地区は初めてかと思います。旧岩田屋新館ビルを建て替えて開店。福岡パルコの2014年9月14日 付「ニュース・リリース」および新館のウェブサイトによれば、新館6Fは「タマリバ6(シックス)」という名称で、「「出会える」ブック&カフェ/ダイニング/エンタテインメント」がコンセプト。フロアプロデュースは青野玄さんが代表取締役を務める株式会社SLD(エスエルディー)が手掛けておられます。青野さんは1980年生まれで、福岡県ご出身。外食企業、音楽プロダクションを経て弱冠24歳でSLDを設立。飲食店やライブハイスなどの経営のほか、コンサートや野外フェスの企画運営、さらには音楽レーベルなどのエイタテインメント事業、商業空間や店舗のプロデュースおよびコンサルティング事業を行っているとのことです。

フタバ図書の代表取締役社長世良與志雄さんの記名による案内状によれば、「書店創業101年の総力を結集し、「感動づくり・人づくり・繁盛づくり」という企業理念実現の舞台として、〔・・・〕出店いたします。福岡天神の立地を活かし、ライフスタイルを提案する「スタイリッシュな書店」をコンセプトに、今までにない本との出会いを楽しんでいただける洗練された品揃えで、より多くのお客様に喜んでいただく所存」とのことです。

複合商業施設に書店は欠かせない要素のひとつとなっていますが、パルコの中にリブロやパルコBCではなくフタバが入ることになったのは、ご近所の岩田屋本店本館(福岡市中央区天神2-5-35)の7Fにすでにリブロ福岡天神店(同じく日販帳合)が入っているためかと思われます。天神地区での岩田屋の変遷についてはwikipediaなどをご参照ください。
[PR]

by urag | 2014-10-21 10:15 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2014年 10月 19日

注目新刊:ランシエール『平等の方法』航思社、ほか

a0018105_23543940.jpg

平等の方法
ジャック・ランシエール著 市田良彦・上尾真道・信友建志・箱田徹訳
航思社 2014年10月 本体3,400円 四六判並製392頁 ISBN978-4-906738-08-3

帯文より:世界で最も注目される思想家が、みずからの思想を平易なことばで語るロング・インタビュー。2012年までの全著作の自著解説。「分け前なき者」の分け前をめぐる政治思想と、映画や文学、アートなど「感覚的なものの分割」をめぐる美学思想は、いかに形成され、いかに分けられないものとなったか。ランシエール思想、待望の入門書!

★発売済(2014年10月10日取次搬入済)。原書は、La méthode de l'égalité(Bayard, 2012)です。ローラン・ジャンピエールとドール・ザビュニャンによるインタヴュー本で、「生成過程」「いくつもの線」「閾」「現在」の四部構成です。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。巻末には事項索引と人名索引があり、人名索引は人物小辞典を兼ねています。カヴァーはランシエールの顔の大写しで、背にちょうど左目が来るので、棚にあるとどうしてもつい眼が合ってしまいます。これは良い戦略かも。デザインは前田晃伸さんによるものです。ランシエールはインタヴューにかなりざっくばらんに答えていて、学生時代や教員時代の様々なエピソードや自身の著書の話など、同時代の知識人たちとの違いや温度差、影響関係が如実に表れた、非常に興味深い内容となっています。訳者のお一人である市田さんによる驚嘆すべき『ランシエール――新〈音楽の哲学〉』(白水社、2007年)は別格として、ランシエール自身によるランシエール入門として出色の一冊ではないでしょうか。本書はまた、ランシエールの視点から見た現代思想史の貴重な証言集でもあると言えるかもしれません。

インパクトが強い本書のカヴァーは、陳列方法によっていっそう強力になる気がします。たとえば私の手元には偶然2冊の『平等の方法』があるのですが、平積みを少しズラすと眼眼眼・・・になります。これをもっとたくさんの冊数でやったら・・・と想像すると・・・
a0018105_038688.jpg



時間のヒダ、空間のシワ…[時間地図]の試み――杉浦康平ダイアグラム・コレクション
杉浦康平著
鹿島出版会 2014年9月 本体3,500円 A4変型判並製104頁 ISBN978-4-30604606-1

カバーソデ紹介文より:地図の歴史を塗り替えた伝説のダイアグラム「時間地図」「時間軸変形地球儀」――。東京が、日本列島が、そして地球が容赦なく歪み、引っ張られ、凹んでいく。移動速度の変化が引き起こし、文化の振る舞いが映し出された「時間のヒダ、空間のシワ」を可視化する・・・。時間を軸にして、これまでに見慣れた空間地図や地球儀を変形する試み。多視点から解析して生みだされたデータ群を再構成し、新しい視点を加え図像化する。数々の伝説的なヴィジュアル・デザインを生み出した杉浦康平が、1960年代から挑戦しつづけた「ダイアグラムデザイン」、「時間地図」群の全貌・・・。初期ダイアグラム群を共作した松岡正剛との対談をはじめ、多木浩二によるエッセイ、かつて時間地図の編集・制作にかかわった、村山恒夫・赤崎正一らによる寄稿・インタビュー、後半では、建築家・白井宏昌やhclab.の若手クリエーターが、時間地図のデジタライズによって、〈スギウラ時間地図〉の試みを解読する・・・。

目次
記号と記号のかなた――杉浦康平についての覚え書き(多木浩二)
時間地図とは何か――「多にして一」という発想法(インタビュー:杉浦康平×赤崎正一)
ダイアグラム・コレクション
足跡としての、時間地図(対談:松岡正剛×杉浦康平)
紙の「マルチメディア」実験――『百科年鑑』生誕クロニクル(村山恒夫)
新しい時間地図を生みだす――〈スギウラ時間地図〉の試み(杉浦康平)
ダイアグラム・コレクション
時間地図のモデル化に挑む――時間のヒダ、空間のシワを可視化する(杉浦康平)
建築家にとっての時間地図(白井宏昌)
デジタイズされた時間地図の再解釈と展開(hclab.+白井宏昌)
時間地図のかなたへ・・・(杉浦康平)
収録図版データ
執筆者紹介

★発売済。杉浦康平さんによる独創的なダイアグラムの数々を1冊で振り返ることができる新刊です。版元紹介文に曰く「空間や都市にまつわる膨大な事象やデータを図解し、一枚の平面に落とし込んだダイアグラムと時間地図の全貌」。世界を別の視点から見直すことを可能にしてくれる時間地図の数々は、それを見る者が以前に持っていた世界像を変容させ、知を鮮やかに刷新していくインパクトを秘めています。一般的なダイアグラムは学生の教科書にも利用されていますが、たいがいそれらは機能的なものです。杉浦さんが作成したきたものは機能的であるだけでなく美的でもあり、見る者の想像力の膨らませ方がより豊かになる気がします。

★巻頭には次のような特記があります。「本書は、図版に描かれた文字が確実に読みとれるように、高精細印刷を施しています。ルーペを用い詳細に読みとってみてください」。こだわりが半端じゃありません。また、本書には赤青セロファンの眼鏡で見ると立体的に見えるステレオ図も収録されていて、杉浦ファンとしてはロングセラーの名作『立体で見る[星の本]』(福音館書店、1986年)を引っ張り出して付録の眼鏡を使うと良いと思われます。


なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?
ティル・レネベルク著 渡会圭子訳
インターシフト発行 合同出版発売 2014年10月 本体2,200円 46判上製320頁 ISBN978-4-7726-9542-8

帯文より:そのズレがあなたの人生を狂わせる。自分本来のリズムとのズレ。恋人や家族のリズムとのズレ。社会のリズムとのズレ。英国医療協会、年間ベストブック。

★発売済。原題は、Internal Time: Chronotypes, Social Jet Lag, and Why You're So Tired(内部時間:クロノタイプ、社会的時差ぼけ、なぜあなたはとても疲れているのか)で、2010年にケルンのDuMont Buchverlagからドイツ語訳が出たあと、2年後の2012年にHarvard University Pressから英語版が刊行されています。著者のティル・レネベルク(Till Roenneberg, 1953-)は、ミュンヘンのルートヴィヒ-マクシミリアンズ大学医療心理学研究所教授で、時間生物学センターの主任、欧州生物リズム学会の会長をおつとめです。ポピュラー・サイエンスの分野で次々にヒット作を出版してきたインターシフトさんですが、今回の新刊もやっぱり面白いです。面白いという以上に、色々と考えさせられます。一人ひとりの生活、睡眠、労働の質の向上だけでなく、よりよい社会を考える上で、体内時計=生物時計の研究が絶対に欠かせないのだということに気づかされます。

★クロノタイプとは、「個人が一日の中で示す活動の時間的志向性」(21頁)で、「いわゆる朝型・夜型」(同)のこと。個人にとって最適な「寝る」タイミングを決めているのもこのクロノタイプです。生物学的時間(内部時間)を刻むこのクロノタイプが社会的時間(外部時間)を刻む自分の仕事のサイクルとずれていると「社会的時差ぼけ」が起きてしまうようです。社会的時差ぼけというのは「仕事のある日と休みの日の睡眠中央時刻の差」(190頁)のことで、自分の体にとって自然な睡眠サイクルと仕事時間との関係が齟齬をきたしていると、慢性的な健康障害に見舞われます。よく考えてみれば当たり前のように思えますが、ほとんどの現代人はさほど意識していないかもしれません。本書を読んでいると、生物時計の研究がいっそう進んでいるはずの未来社会は、個々人の持つ体内時計の違いというものに対しいっそう寛容で柔軟な体制になっているかもしれないな、と想像させます。




◎作品社さんの新刊より

プラグマティズム古典集成――パース、ジェイムズ、デューイ』チャールズ・サンダース・パース+ウィリアム・ジェイムズ+ジョン・デューイ著、植木豊編訳、作品社、2014年10月、本体4,200円、46判上製660頁、ISBN978-4-86182-501-9
ノワール』ロバート・クーヴァー著、上岡伸雄訳、作品社、2014年10月、本体2,400円、46判上製248頁 ISBN978-4-86182-499-9

★『プラグマティズム古典集成』は発売済。帯文は以下の通り。「20世紀初頭、プラグマティズム運動は何と闘ったのか? 混迷する21世紀を打開する思想となりえるのか? 日本で初めて最重要論文を1冊に編纂。画期的な基本文献集。本邦初訳を含む、全17論文を新訳」。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。初訳なのは、デューイ「アメリカにおけるプラグマティズムの展開」(1925年)、同「真理に関する提要問答」(1910年)で、さらに部分訳しか出版されていなかった論文の新訳として、パース「プラグマティシズムの問題点」(1905年)、同「プラグマティズム」(1907年草稿)、デューイ「自由についての哲学上の諸学説」(1928年)が収められています。また、付録として編訳者の植木さんによる解題「プラグマティズムの百年後」、パース、ジェイムズ、デューイの略歴、掲載論文の出典および先行翻訳一覧、プラグマティズム文献案内が続き、巻末には事項索引と人名索引を完備。

★数多くの入門書や個々の著作集は存在していたものの、原典によってプラグマティズムの古典を集成したアンソロジーは、本書以前では『世界思想教養全集(14)プラグマティズム』(河出書房新社、1963年;『世界の思想(14)』1966年)や『世界の名著(48)パース/ジェイムズ/デューイ』(中央公論社、1968年)があった程度でした。今回の『古典集成』ではプラグマティズムに分類される古典を集めるというよりはプラグマティズムという新語自体の生成と展開に焦点を絞って原典を集めている点が画期的で、歴史的経緯を追いたい方にはぜひとも必要な論文集でした。編訳者の植木さんはボブ・ジェソップやジョン・アーリに師事して社会理論を専門に研究されてきた方で、現在ご自身の著作『プラグマティスト社会理論』をご執筆中であるほか、東京大学出版会から近刊予定の『ジョン・デューイ著作集』(!)の第16巻「政治」の共訳を手掛けられておられるとのことです。

★近頃、ローティの大著『プラグマティズムの帰結』(ちくま学芸文庫、2014年6月)が文庫化されましたし、コーネル・ウェストの『哲学を回避するアメリカ知識人――プラグマティズムの系譜』(未來社、2014年9月)も発売されたばかりです。昨年はヒラリー・パトナム『プラグマティズム――限りなき探究』(晃洋書房、2013年2月)が刊行され、シャンタル・ムフ編『脱構築とプラグマティズム――来たるべき民主主義』の新装版も出ました(法政大学出版局、2013年12月)。ここに東大の『ジョン・デューイ著作集』が加わるとなると、売場もますます盛り上がりそうですね。

★『ノワール』は発売済(2014年10月16日取次搬入済)。帯文に曰く「“夜を連れて”現われたベール姿の魔性の女(ファム・ファタール)「未亡人」とは何者か!? 彼女に調査を依頼された街の大立者「ミスター・ビッグ」の正体は!? そして「君」と名指される探偵フィリップ・M・ノワールの運命は!? ポストモダン文学の巨人による、フィルム・ノワール/ハードボイルド探偵小説の、アイロニカルで周到なパロディ!」。訳者の上岡さんによるクーヴァー(Robert Coover, 1932-)の翻訳は斎藤兆史さんとの共訳『老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る』(作品社、2012年)に続く2作目です。

★訳者あとがきで上岡さんは本書をこう解説しておられます。「『ノワール』は、ジャンル〔フィルム・ノワールやハードボイルド探偵小説〕をユーモラスにいじったメタフィクションであり、環境や役柄を捺しつけられて生きる人間のカリカチュアでもある。物語の時系列的な流れを分断し、過去と現在が複雑に入り組むあたりは、ポストモダン作家クーヴァーらしい構造(語りの過去形と現在形に注意して読んでいただきたい)。パズルを当てはめていくような面白味、あるいはコンピュータでハイパーリンクされた小説を読むような現代性がある。〔・・・〕彼の作品としてはわかりやすく、ご落成が高いので、クーヴァー初心者にもぜひお薦めしたい一冊だ」とのことです。

★作品社さんではクーヴァーの続刊として、上岡さんの訳で『ゴースト・タウン』(原著2000年)や、越川芳明さんの訳で『ある夜の映画館』(原著1987年)の刊行が予定されています。ちなみに越川さん訳の『ユニヴァーサル野球協会』は白水uブックスで今年1月に再刊されています。クーヴァーと同様にポストモダン文学に分類されるトマス・ピンチョンの全小説作品を2010年より全12巻で新訳改訳してきた新潮社では先月『重力の虹』の佐藤良明さんの新訳上下巻でシリーズが完結しましたし、アメリカ文学棚のポストモダン・コーナーが再び賑やかになりつつあることを想像しています。


◎2014年10月文庫新刊より

快楽について』ロレンツォ・ヴァッラ著、近藤恒一訳、岩波文庫、1,200円
現代哲学』バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、1,600円
解釈としての社会批判』マイケル・ウォルツァー著、大川正彦+川本隆史訳、ちくま学芸文庫、1,200円
精神と自然――ワイル講演録』ヘルマン・ワイル著、ピーター・ペジック編、岡村浩訳、ちくま学芸文庫、1,600円
生きがい喪失の悩み』ヴィクトール・E・フランクル著訳、中村友太郎訳、講談社学術文庫、本体880円
三国志演義(二)』井波律子訳、講談社学術文庫、本体1,700円

★まず岩波文庫『快楽について』は原著刊行が1431年。原題は「真の善と偽りの善について」です。もともと第1巻のみ「快楽論」として『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(池上俊一監修、名古屋大学出版会、2010年)に訳出されていたものが全3巻全訳となって文庫化されたものです。イタリア・ルネサンスを彩る知の星座のひとつがこれで日本人にも近づきやすくなりました。訳者の近藤さんはこれまで岩波文庫でペトラルカやカンパネッラの訳書を上梓しているほか、単行本ではエウジェニオ・ガレンの著書を数冊訳しておられます。ヴァッラは今春『「コンスタンティヌスの寄進状」を論ず』(高橋薫訳、水声社、2014年4月)が訳されているほか、『快楽について』と並ぶ主著のひとつ「自由意志について」(1439年)の翻訳が『ルネサンスの人間論――原典翻訳集』(佐藤三夫編訳、有信堂、1984年、109-143頁)に収録されています。

★なお、来月(2014年11月)14日発売の岩波文庫新刊では、ケストナー『人生処方詩集』小松太郎訳、コセリウ『言語変化という問題――共時態、通時態、歴史』田中克彦訳、『マラルメ詩集』渡辺守章訳などが予告されています。言語学を勉強していれば誰しもコセリウの名前には突き当たるとはいえ、なかなか渋い選択です。おそらく『うつりゆくこそことばなれ――サンクロニー・ディアクロニー・ヒストリア』(田中克彦・かめいたかし訳、クロノス、1981年)の文庫化ではないかと思われます。また、『マラルメ詩集』は岩波文庫では鈴木信太郎訳(1963年)以来の新訳でこれは待望の新刊と言えそうです。「エロディアード」「半獣神の午後」の異本を徹底的に読み込み、詳細に注解する、と宣伝されています。

★次にちくま学芸文庫です。ラッセル『現代哲学』はかの有名な、An Outline of Philosophy(1927年)の初訳本です。先週、私はプルードンの『貧困の哲学(上)』(平凡社ライブラリー)について「まさかまさかの本邦初訳」と書きましたが、ラッセルの本書も負けず劣らずまさかの本邦初訳です。後代への影響力を考えれば、とっくの昔に訳されていてもおかしくありませんでした。翻訳大国であるはずの日本でもまだまだ未訳の古典はあるようです。訳題候補として「哲学概論」(出版社サイド)や「哲学のアウトライン」(訳者)が出ていたそうですが、書名を決めることは存外に難しいものですね。「同時代の科学的成果に正面から取り組んで世界観を作ろうとしていること、そしてクオリア問題などまさに現代哲学の課題に通じる議論が展開されていることを踏まえて、『現代哲学』と題することにした」と訳者解説に書かれています。本書は『哲学入門』『論理的原子論の哲学』に続く高村さんによるラッセルの翻訳第3弾。底本であるラウトレッジ・クラシックス版(2009年)に収録されているジョン・G・スレイターによる解説も一緒に訳出されています。

★『解釈としての社会批判』は、Interpretation and Social Criticism(Harvard University Press, 1987)の全訳で、風行社より1996年に刊行されたものの文庫化です。文庫化にあたって、共訳者の大川さんが長めの文庫版解題「足・耳・口の力、約束の想い起こし――ウォルツァー『解釈としての社会批判』のもうひとつの読みかた」が追加され、もう一人の訳者の川本さんはご自身による訳者あとがきに短い「文庫版への追記」を加えられています。ウォルツァーの著作が文庫になるのは本書が初めてです。

★『精神と自然』は、Mind and Nature: Sellected Writings on Philosophy, Mathematics, and Physics(Peter Pesic ed., Princeton University Press, 2009)の全訳で、アメリカでワイルが行った講演を中心に9篇を収めたもの。文庫オリジナルの新刊です。ワイルの文庫本としては『空間・時間・物質』(上下巻、内山龍雄訳、ちくま学芸文庫、2007年)がありましたが現在は品切。同文庫の「マス&サイエンス」シリーズはすぐに読むかどうかに関係なく買っておかないと品切になったあとにひどく悔やむことになるので要注意です。巻頭にペジックによる「はじめに」が置かれ、あとは年代順に「電気と重力」1921年、「形而上学的質問に対するアインシュタインとワイルの2通の手紙」1922年、「宇宙の時間関係性――固有時間、経験された時間、形而上学的時間」1927年、「開かれた時間――科学の形而上学的意味についての三つの講演」1932年(I:神と宇宙、II:因果律、III:無限)、「精神と自然」1934年(I:感覚と主観、II:世界と意識、III:科学と諸概念と理論の構成的性格、IV:相対性、V:量子物理学における主体と対象)、「プリンストン大学創立200周年記念会議での講演」1946年、「人間と科学の基礎」1949年頃、「知識の統一性」1954年、「洞察と反省」1955年、の9篇です。

★ちくま学芸文庫の来月(11月)10日発売の新刊には、サティ『卵のように軽やかに――サティによるサティ』岩佐鉄男・秋山邦晴編訳、ヴェイユ『工場日記』田辺保訳、などが予告されています。前者は筑摩叢書(1992年)からのスイッチで、後者はかつて講談社学術文庫で刊行されていたものの再刊かと思います。『工場日記』はなぜか長期品切だっただけに再度の文庫化は妥当ですね。

★最後に講談社学術文庫です。『生きがい喪失の悩み』は、Das Leiden am sinnlosen Leben(Herder, 1977)の翻訳で、講演録をまとめたものです。親本はエンデルレ書店から1982年に『生きがい喪失の悩み――現代の精神療法』として刊行されています。古書店であまり見かけない本でしたから文庫化は嬉しいです。再刊にあたって「学術文庫版への訳者あとがき」と諸富祥彦(明治大学教授)さんによる解説「フランクル――絶望に効く心理学」が加えられています。訳者の中村さんは「原本の刊行から30ね二条が経過しているので、時代状況の変化にあわせて、いくつかの精神医学用語などの訳語を変更したほか、より分かりやすい表現への改訂にも尽力しました」とのことです。

★『三国志演義(二)』は第31回から第60回までを収録。孔明の登場や「長坂の戦い」「赤壁の戦い」など、物語前半の山場となる場面を収めています。第三巻は来月10日発売予定です。
[PR]

by urag | 2014-10-19 23:54 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)