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2011年 06月 30日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2011年7月1日(金)
丸善津田沼店:図書1055坪(増床リニューアル開店)
千葉県習志野市谷津7-7-1
帳合はT。旧店舗は1998年に開店、JR津田沼駅南口の駅前にある「ザ・ブロック」B棟2~3階で展開。このたび増床リニューアルすることになり、図書720坪→1055坪、文具80坪→130坪に増えます。隣接するユザワヤ側に店舗が延びていくかたちです。弊社の人文書および芸術書の大半をご発注いただきました。
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by urag | 2011-06-30 16:35 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 29日

近日発売:『VOL05:エピステモロジー――知の未来のために』以文社

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VOL 05「特集=エピステモロジー——知の未来のために」
VOL Collective:編 金森修・近藤和敬・森元斎:責任編集
以文社 2011年6月 本体2,400円 A5判並製280頁 ISBN978-4-7531-0289-1

帯文+カバーコピーより:真理は自然に内在する。新たな現実からの予測不可能な問いに実を捧げ、次代の知の探求へ、そしてエピステモロジーの冒険へ! 知のテクノクラート化のもとで失われた〈概念の哲学〉を再びこの手に――思想誌『VOL』の第5弾! シニシズムの時代からの訣別のために。

目次:
1 宣言/問題提起
近藤和敬&森 元斎「来たるべきエピステモロジー」
近藤和敬「カヴァイエスの問題論的観点からみた科学的構造の生成——来るべきエピステモロジーのために」

2 真理論
中村大介「問題としてのイデアと一なる〈宇宙〉——アルベール・ロトマンのハイデガー読解」
原田雅樹「数学と哲学における操作、対象、経験——フッサールのノエシス‐ノエマ相関とグランジェの操作‐対象双対」
ジャン=トゥサン・ドゥサンティ(中村大介訳、解題)「エピステモロジーとその身分」

3 経験論
ガストン・バシュラール(森 元斎訳、解題)「相対論概念の哲学的弁証論」
三宅岳史「カオス研究前史と決定論をめぐる論争——初期値鋭敏性と特異点に関する哲学的考察」
森元斎「経験の雫——経験論的エピステモロジーを展開するために」

4 主体論
ステリン・ローラン「シモンドンにおける存在の問いとしての個体発生」
パスカル・ジロ(近藤和敬訳、解題)「科学とイデオロギーのあいだ——ルイ・アルチュセールと主体の問い」
アラン・バディウ(松本潤一郎訳、解題)「ジャン=ポール・サルトル(1905 -1980)」

5.社会論
金森修「エピステモロジーに政治性はあるのか?」
西迫大祐「フーコー、ベルヌーイ、ダランベール——天然痘の予防とリスクについて」
ブルーノ・ラトゥール(村澤真保呂訳、解題)「〈社会的なもの〉の終焉——アクターネットワーク理論とガブリエル・タルド」

6.鼎談
小泉義之/米虫正巳/檜垣立哉「ドゥルーズ哲学をエピステモロジーとして読む」

執筆者・訳者一覧

★本日29日取次搬入の新刊です。店頭発売は早くて明日以降になります。『VOL』はこれまで1~3号までB5変形判、4号がB6変形判でした。今回はその中間で、デザインにも変化があります。これからまた新たなフェーズに突入していく未来を感じさせ、常に新しい地平を目指す同誌の挑戦的な姿勢が伺えます。とはいえ、未来により近い「新しさ」だけが『VOL』なのではなく、現代の知の系譜をきっちり系統的に押さえていく今回の「エピステモロジー」特集のような、過去と向き合うことによって得られる展望をも持ち合わせているのが魅力なのですね。

★「過去と向き合う」というと後ろ向きのように聞こえるかもしれませんが、まったくそうではありません。偶然この数日間続けて同じ姿勢を打ち出すかたちになっていますけれど、〈歴史の天使〉は行く手に背を向け、来し方からの風を翼に孕ませて未来へと進むのです。それはあたかも後ずさりしているかのように見えます。しかしそれでも未来に向かって進んでいるのです。天使はカタストロフを見ているとベンヤミンは言いました(「歴史の概念について」)。私たちはこう言わねばなりません、たとえ過去が廃墟のように見えても、その崩壊と塵埃との中から時はまさに紡がれていくのだと。フランス現代思想の基礎は哲学史家とエピステモロジストたちの地道な研究と教育によってつくられてきた、と私は思っています。歴史の泉から自らの手で汲み上げたもののみが未来への扉となります。

★ベンヤミンはこうも言いました、「真のアクチュアリティを手に入れようとする以上、はかなさは当然の、正当な報いなのだ〔…〕タルムードの伝えるところによれば、天使は――毎瞬に新しく無数の群れをなして――創出され、神の前で賛歌を歌い終えると、存在をやめて無の中へ溶けこんでゆく。そのようなアクチュアリティこそが唯一の真実のものなのである」(「雑誌『新しい天使』の予告」より)。なるほど、それ(はかなさ、エフェメールであること)は雑誌の運命でもあると同時に、出版人の、書き手の運命でもあります。ひとつだけ付け加えるならば、天使は無へと溶けこんで消える前に痕跡を残すのだ、ということです。痕跡あるいは灰によって私たちは天使が歌った歌の幻、あるいは亡霊の声を聞き取ることができるかもしれません。その(声の転生の)チャンスに賭けることこそ、現在をつかむ方途なのでしょう。

★責任編集を担当されている近藤和敬さんの論考の注にある通り、弊社では近藤さんの著書『カヴァイエス研究』近藤さんによるカヴァイエスの訳書『科学的構造の生成――論理学と学知の理論について』をシリーズ「古典転生」より刊行予定です。

★VOLバックナンバー
VOL 04:特集「都市への権利/モビライゼーション」(2010年4月)
VOL extra「金融恐慌からコモンズへ――資本主義の現在的批判のために」(2009年11月)
VOL lexicon (2009年7月)
VOL 03:特集「反資本主義/アート」(2008年6月)
VOL 02:特集「ベーシック・インカム/ドゥルーズ『シネマ』」(2007年4月)
VOL 01:特集「政治とはなにか/アヴァン・ガーデニング」(2006年5月)
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by urag | 2011-06-29 22:48 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 28日

ウェブ連載:ルソー『化学教程』翻訳プロジェクト

第1回「ルソーは化学にどのような夢を見たか?」 2011年6月28日 淵田仁

◆知られざる著作
 2011年6月28日。今日はルソーの299回目の誕生日である。そして、来年は彼の生誕三百年にあたる。そのため、来年、ルソーの生地であるジュネーヴやフランスにて様々なイベント、シンポジウムが行われる。

 このような記念すべき日を前にして、私たちはルソーの知られざる著作を読み解きはじめたいと思う。その知られざる著作とは、ルソーが私たちのよく知っている「政治思想家ルソー」になる以前に書かれたものである。すなわち、パリでの論壇デビュー作品『学問芸術論』(1750年)が書かれる以前に書かれた作品であり、ルソーの思想が開花する後の『人間不平等起源論』(1755年)や『社会契約論』(1762年)以前に執筆された。

 その作品は『化学教程Institutions chimiques』と名付けられている。フランスのルソー研究によってこの作品は1747年頃から執筆されていたことが明らかとなっている。その頃、ルソーは大都会パリにやってきて、名を上げようとして必死であった。様々なサロン(哲学者、文筆家、知識人の交流の場)に出入りしつつ、ディドロ、コンディヤックといった若き思想家たちと日々討論していた。そのような知的雰囲気の中で、ルソーは化学という新しい学問へ関心を寄せていた。(ルソーの生涯については、詳しくは小林拓也氏のウェブサイト『ルソー研究への扉』を参照して欲しい。ルソー研究の現在を知る上でも非常に有効である。)

◆従来のルソー像とのズレ
 『化学教程』は、一言で言えば、ルソーによる「化学の教科書」である。これを意外だと思う人も多いであろう。というのも、ルソーに対する私たちのイメージは、学問や都会的生を批判し、素朴な未開人を愛し、人民主権を打ち立てた人であり、あるいは反対に、自らの子供を孤児院の前に置き去りにする冷酷な思想家であり、または性的倒錯者というイメージを私たちはルソーに対して抱いている。そして、一番有名なルソー像は、「自然に帰れ」というルソーであろう(実際に、このようなことをルソー自身は述べていないし、彼の思想においてもこの言葉は間違っている)。

 そのようないわゆる「非理系」的ルソー像を払拭するかのような作品がこの『化学教程』なのである。当時、化学は最先端の学問、技術であった。時代の最先端に位置するこの学問をルソーは大学の講義に出席したり、実際に実験をおこなったりして学んでいた。そして、その学びをルソーは1206枚の膨大な手稿にまとめた。だが、この手稿は出版されることはなかった。それが『化学教程』である。

 1905年に発見されるまで、この『化学教程』の存在は誰にも知られることはなかった。この時まで、このような膨大な手稿を書かせるほど、化学がルソーに多大な関心を抱かせていたということを誰が想像し得ただろうか。徹底的な学問批判、文明批判をしたルソーが「なぜ」化学に関心を寄せていたのか? これが『化学教程』を私たちが読むときのひとつの問いであろう。また、「化学」という技術と政治思想の関係にも注目したい。(『化学教程』についての詳細は今後の月曜社ウェブサイトでの連載解説や、『ミクロコスモス』の編著者でもある平井浩氏のウェブサイト『bibliotheca hermetica』に掲載されている『化学教程』紹介のページをご覧いただきたい。)

◆化学への情熱、科学への夢
 化学に情熱を注いでいたのはルソーだけではなかった。ディドロやドルバック、テュルゴーといった同時代の哲学者たちは皆、化学に飛びついた。化学は新しい世界観を彼らに与え、誰もがそれを熱狂的に自らの思想のうちに取り込もうとしていたのであった。

【続きはこちらからお読みいただけます】


◆訳者略歴
淵田仁(ふちだ・まさし)1984年、福井県生まれ。横浜市立大学卒。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在籍。日本学術振興会特別研究員。専門は、思想史・哲学。論文に「社会契約無き共同体」(『.review001』、2010年)、「なぜルソーは「分析」を批判したのか?――ルソーの『化学教程』についての試論」(『フランス哲学・思想研究』第16号、日仏哲学会、2011年〔掲載予定〕)などがある。また、Project.review編集チームの一員でもある。

飯田賢穂(いいだ・よしほ)1984年、東京都生まれ。中央大学卒。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論分野)博士後期課程在籍。専門は、ジャン=ジャック・ルソーの『社会契約論』に関する研究を中心とした政治思想史。


◆ウェブ連載について
今後、月曜社ウェブサイト内で淵田、飯田共訳による『化学教程』を不定期公開していくが、私たちは読者と共にその作業を進めていきたいと考えている。つまり、『化学教程』というテクストめぐって訳者、読者の相互的なやり取りをつくっていきたい。一方的に訳するだけではなく、読者からの指摘などにも真摯に耳を傾けながら、『化学教程』翻訳プロジェクトを進めていきたい。御感想、御批正を月曜社編集部までお寄せいただければ幸いである。
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by urag | 2011-06-28 10:50 | ウェブ限定コンテンツ | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 27日

弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍

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◎加治屋健司さん(ボワ+クラウス『アンフォルム』共訳者)

ジュンク堂書店京都BAL店の5階にて今月5日から好評開催中のブックフェア「ネゴシエーションとしてのアート──『表象05』サブテクスト20選」で選書を担当されています。同フェアは、平倉圭『ゴダール的方法』(インスクリプト)と橋本一径『指紋論』(青土社)が第2回表象文化論学会賞を受賞したことを記念するブックフェア「ゴダールと指紋――『ゴダール的方法』『指紋論』表象文化論学会賞受賞記念」を構成する四つの柱のひとつになっています。四つの柱とは、「視‐聴覚的思考を更新するための65冊+α──『ゴダール的方法』のコンテクスト【増補版】」(平倉圭=選)、「指先から広がる人文学の世界──『指紋論』をめぐる66冊」(橋本一径=選)、「ネゴシエーションとしてのアート──『表象05』サブテクスト20選」(加治屋健司=選)「写真家たちによって編集されるもっとも過激な!写真雑誌。──『photographers' gallery press no.10』刊行記念フェア」の四つです。平倉圭・選書の65冊(+α)、橋本一径・選書の66冊、加治屋健司・選書の20冊については、それぞれ選書コメント付きのリーフレットが作成されており、売場にて無料配布されています。下記の写真は右が加治屋さんのコメント付き選書リスト小冊子です。フェアは7月16日(土)まで開催されると聞いておりますので、ぜひご来店いただけたら幸いです。

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ご参考までに、写真左は『photographers' gallery press no.10』で、ディディ=ユベルマンをフィーチャーした日本初の特集「ジョルジュ・ディディ=ユベルマン――イメージで思考する」が組まれています。この特集では、『指紋論』の橋本一径さんが、ディディ=ユベルマンの二つのテクスト「蛍の残存――第2章」「イメージは燃える」を翻訳されており、さらに23頁にわたるインタビュー「ジョルジュ・ディディ=ユベルマンに聞く」の聞き手もつとめられ、自ら「《アトラス》――いかにして世界を背負うか」という論考も寄せられています。また、橋本さんとともに上記の学会賞を受賞されている平倉圭さんも「時間の泥――ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェッティ》」という論文を寄稿されています。弊社から発売させていただいた写真集『picnic』の作者である瀬戸正人さんのエッセイ「Varzea/バルセア――消えゆく大地」も、本号に収録されています。


◎西山雄二さん(『ブランショ政治論集』共訳者、デリダ『条件なき大学』訳者)
◎大竹弘二さん(ガルシア・デュットマン『友愛と敵対』共訳者、同『思惟の記憶』訳者)
◎江川隆男さん(ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』訳者)
◎郷原佳以さん(『ブランショ政治論集』共訳者)

四氏が寄稿された『現代思想』7月臨時増刊号「総特集=震災以後を生きるための50冊――〈3・11〉の思想のダイアグラム」が青土社より発売されました。これは55名もの書き手がそれぞれ、今こそ読み直したい(というお題のもとに選ばれたろうと私が勝手に想像している)本を一冊ずつ挙げて読解を試みている特集号で、実に壮観です。四氏が書かれたのは以下の通り。

西山雄二さん「レヴィナス『実存から実存者へ』――カタストロフィの哲学」
大竹弘二さん「シュミット『独裁』――統治が技術に変容するとき」
江川隆男さん「ルクレティウス『物の本性について』――天災と人災の究極的融合:ルクレティウスと気象哲学」
郷原佳以さん「カミュ『シーシュポスの神話』――日常との向き合い方」

ガイドブックにありがちな「分担」形式ではなく、寄稿者が同じ本を選んでも構わないという編集方針だったのか、大宮勘一郎さんと田崎英明さんと門林岳史さんのお三方がクライストの『チリの地震』を選んでいらっしゃるのが印象的でした。そういえば、河出書房新社さんから発売された『思想としての3・11』の巻頭を飾る、佐々木中さんの紀伊國屋じんぶん大賞2010受賞記念講演(4月15日)でも『チリの地震』を取り上げていらっしゃいましたね。同短編作品の既訳には、白旗信訳(井上正蔵編『ドイツ短篇名作集』所収、学生社、1961年)、福田英男訳(『ドイツの文学(12)』所収、三修社、1966年)、柏原兵三・中田美喜訳(『世界の文学 新集(5)』所収、中央公論社、1972年)、種村季弘訳(『チリの地震』所収、王国社、1990年;『ドイツ・ロマン派全集(11)』所収、国書刊行会、1990年;『チリの地震――クライスト短篇集』所収、河出文庫、1996年)、佐藤恵三訳(『クライスト全集(1)』所収、沖積舎、1998年)などがあります。なお、同臨時増刊号では先述した橋本一径さんや平倉圭さんも寄稿されています。

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3・11以後の日本の思想状況を占う上で、今回ご紹介した『現代思想』7月臨時増刊号「総特集=震災以後を生きるための50冊――〈3・11〉の思想のダイアグラム」(青土社)と、先日ご紹介した『思想としての3・11』(河出書房新社)は欠かせないアンソロジーであると言えますが、今後さらに類書が増えそうです。ただし、直接的に「3・11」を掲げていなくても、震災の衝撃はあちこちに波紋を広げています。河出さんの「道の手帖」シリーズ最新刊『ウィトゲンシュタイン』の巻頭に置かれた、鬼界彰夫さんの「今こそ読むべきウィトゲンシュタイン」では、危機の時代にこそいっそうウィトゲンシュタインに注目が集まるだろうと述べられていますし、震災前の連続講義が書籍化された大澤真幸さんの『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社、2011年5月)や、同じく震災前に脱稿された長崎浩さんの『共同体の救済と病理』(作品社、2011年6月)においても、それぞれの「あとがき」に震災へのまなざしが刻みこまれています。震災を境にして何かが変わったというよりは、震災前にすでに語られ書かれていたことがいっそうの重みをもって震災後にそのポテンシャルを顕在化させているのだ、と言うべきだろうと思います。大澤さんは上記書のあとがきにこう綴っておられます、「本書に収録した四つの講義はすべて、3・11の破局よりも前に行われたものである。しかし、私自身が驚いている。講義の中のさまざまな論材が、破局後の主題とあまりに直接的に対応していることに、である」(304頁)。あるいは、長らく品切だった原発関連書が次々に復刊されているのも、問題意識の高まりによって歴史との再会が果たされつつあるからでしょう。過去は墓場なのではなく、生きた現在をつくる幾つもの息吹なのだ、と昨日に続けて今日も強調しておきます。

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西山雄二さんが参加される以下の催事についてもお知らせします。

アレゼール日本シンポジウム「沈黙の喪のなかにいる全国の大学人へ、福島そして東京からのメッセージ」
2011年7月16日(土) 13:30~18:00
早稲田大学 早稲田キャンパス8号館B02教室(地下1階)

発言: 石田葉月(福島大)、入江公康(立教大)、岩崎稔(東京外語大)、鵜飼哲(一橋大)、白石嘉治(上智大)、高橋哲哉(東京大)、西山雄二(首都大学東京)、浜邦彦(早稲田大)
司会:岡山茂(早稲田大)

6月初旬、福島大学の教員12名が県知事に宛てて、放射能被曝の現状解明と対策を求める「要望書」を提出した。福島の大気と大地と海がとりかえしのつかない形で汚染されるなか、その事実から目をそむけることなく行動することを彼らは訴えている。「フクシマ」はわれわれにとって対岸の火事ではない。日本の大学人は惨事後の呆然とした沈黙に留まるよりは、「喪」を意識化する作業を通じて、自らの身体と言葉で応答する準備を始めるべきではないだろうか。今回は、福島からの声を聞き、東京からのメッセージを「大学」という場所で共鳴させることで、現在のカタストロフィを思考するための希望の糸口を模索したい。

参加料無料、事前申込不要 主催:アレゼール日本


◎中山元さん(ブランショ『書物の不在』訳者)

訳書であるカント『純粋理性批判(5)』(光文社古典新訳文庫)が先月、著書の『正義論の名著』(ちくま新書)が今月発売になりました。中山さんの驚くべき仕事量は多くの後進の励みになっているのではないでしょうか。ただただ驚嘆するばかりです。

◎森山大道さん(『新宿』『新宿+』『大阪+』『ハワイ』『にっぽん劇場』『何かへの旅』作者)

明日28日からいよいよ、大阪国立国際美術館にて「森山大道写真展On the Road」(6/28~9/19)が開催されます。弊社より近日発売の公式カタログ『森山大道 オン・ザ・ロード』が、同館ミュージアムショップでは明日より先行発売されます。皆様のご来館をお待ちしております。
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by urag | 2011-06-27 23:54 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 26日

今週発売の注目新刊(2011年6月第5週)

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超常現象を科学にした男――J・B・ラインの挑戦
ステイシー・ホーン(1956-)著 ナカイサヤカ訳 石川幹人監修
紀伊國屋書店 2011年6月 本体2,200円 46判上製348頁 ISBN978-4-314-01077-1

原書 Unbelievable: Investigations into Ghosts, Poltergeists, Telepathy, and Other Unseen Phenomena, from the Duke Parapsychology Laboratory, HarperCollins, 2009.

帯文より:これはオカルトではない! 超心理学のアインシュタインとも言われた男の軌跡を、20世紀という激動の時代とともに描いた瞠目のノンフィクション。

カバーソデより:「超心理学」とは――超常現象は人間の発揮する能力によって引き起こされるとの考えに基づき、それを化学的に解明しようとする学門。1889年のドイツの使われ始めた超心理学という言葉は、J・B・ラインが広く普及させた。また、ESP(超感覚的知覚)という言葉や、テレパシー(他人の心から情報を得る)、透視(物体など、心以外のものから情報を得る)、予知(未来を見る)、PK(念力、心で物体を動かす)などの各事象の定義も、ラインの研究から生まれたものである。

目次:
プロローグ
第1章 交霊会
 はじまり/ボストンの霊媒/J・B・ライン登場/ミナの転落/デューク大学へ
第2章 ESP
 テレパシーとの出合い/ESP――超感覚的知覚/アインシュタインと霊媒/ヒューバート・ピアース/アイリーン・ギャレット/超心理学研究所
第3章 名声と苦闘
 ある少女霊媒の生涯/批判と支持/ブームと論争の日々/ラジオ放送の大反響/米国心理学会/暗雲
第4章 戦争と死者
 戦時下の研究所/PK――念力/終戦/独立と孤立
第5章 悪魔祓い
 エクソシスト/メリーランド悪魔憑依事件/性とポルターガイスト/エクソシストの真相/憑依と脳科学/安定と停滞
第6章 声なき声
 新たな発展を求めて/幻覚仮説/聴こえる幽霊/声を聴く人々/退行催眠と生まれ変わり――ブライディ・マーフィー事例/UFO/著名な訪問者たち/超心理学協会
第7章 ポルターガイスト
 騒がしい霊/偶発的超常事例/四つのポルターガイスト事例/シーフォード・ポルターガイスト事例/シーフォード事例調査研究報告/テレビ出演と新たな手紙/ポルターガイスト後日譚
第8章 特異能力者
 消えた少年/ハロルド・シャーマンの透視/霊能者ピーター・フルコス/六〇年後――続く調査/霊能探偵フルコスの事件簿/フルコスの虚像と実像/ラインと霊能者
第9章 サイケデリックと冷戦
 臨死体験/ティモシー・リアリーとの出会い/ドラッグとESP/サイケデリックの時代/ESPの軍事利用研究/超心理学のスプートニク/遠隔透視諜報計画スターゲイト
第10章 幽霊と科学者たち
 心霊現象再び/幽霊の歴史/超心理学者ロールとジョインズ/量子の謎――物理学者たちの困惑と見解/現代の幽霊研究/電磁波、人工幽霊、脳
第11章 遺産
 苦闘の果て/繰り返される批判、世を去る旧友/FRNMへ/新たなスタート、希望と絶望/ゴール/迷走/ラインの死/記憶の彼方へ
エピローグ
謝辞

解説
年表――J・B・ラインと超心理学
参考文献
索引

★今週水曜日29日に取次搬入の新刊です。店頭販売は30日以降ということになろうかと思います。デューク大学超心理学研究所の盛衰とその創設者ジョセフ・バンクス・ラインの活躍について書かれたドキュメンタリーです。毀誉褒貶に絶えずさらされながら、ラインがいかに「超心理学(パラサイコロジー)」を科学として確立させようと地道な実験の努力を続けたかが分かります。人知ではうまく捉えきれない不可解な事象に対峙してきた苦労の歴史がよく伝わってくる好著です。ESPカードの記号をあしらったカバーと表紙のシンプルで美しいデザインは松田行正さんと日向麻梨子さんによるもの。軽めの本文紙にスミほどキツく見えない柔らかな特色で刷ってある瀟洒な本です。

★俗っぽい言い方になりますが、遠隔透視で日本でも有名なジョー・マクモニーグルも少しだけ登場しますから、いわゆる超能力に関心のある方々に大いに興味を持っていただけると思います。より突っ込んで、ラインの実証実験についてもっと知りたい方は、盟友ジョセフ・ゲイザー・プラット(Joseph Gaither Pratt, 1910-1979)との共著『超心理学概説』(湯浅泰雄訳、宗教心理学研究所、1964年)が教科書としてもっとも名高いですから、図書館などでお読みになってください(残念ながら新刊書店ではもう手に入りません)。また、ライン以前の歴史も知りたい方はジョン・ベロフ『超心理学史――ルネッサンスの魔術から転生研究までの四〇〇年』(笠原敏雄訳、日本教文社、1998年)などが役に立つと思います。さらに、ライン以降の超心理学の発展については、本書『超常現象を科学にした男』の巻末の「解説」で監修者の明治大学教授・石川幹人さんが、『封印された「科学」――超心理学にみる科学者社会の実像(仮)』と題した書籍を紀伊國屋書店から刊行予定であると予告されているので、特記しておきたいと思います。

★御参考までにラインの著作の既訳書と、ライン夫人ルイザ(『超常現象を科学にした男』ではルイーザと表記)の著作の既訳書を以下に列記しておきます。

ジョセフ・バンクス・ライン(Joseph Banks Rhine, 1895-1980) 既訳書
『心理の領域――超心理学』(瀬川愛子訳、北隆館、1950年)
『心理学の新世界』(瀬川愛子訳、日本教文社、1958年)
『超心理学概説――心の科学の前線』(J・G・プラットとの共著、湯浅泰雄訳、宗教心理学研究所、1964年)
『超心理学入門』(C・G・ユング/Ch・T・タートほかとの共著、長尾力ほか訳、青土社、1993年)
※このほか、ラインに宛てられたユングの手紙の数々を、湯浅泰雄訳著『ユング超心理学書簡』(白亜書房、1999年)で読むことができます。

ルイザ・E・ライン(Louisa E. Rhine, 1891-1983)既訳書
『PSI〔サイ〕――その不思議な世界』(笠原敏雄訳、日本教文社、1983年)
『超精神回路』(日暮雅通訳、国書刊行会、1986年)

★ライン以後の超能力研究者として高名な人物には、スタンフォード研究所のラッセル・ターグ(Russell Targ, 1934-)とハロルド・E・パソフ(Harold E. Puthoff, 1936-)、そして変性意識(アルタード・ステーツ/オルタード・ステイト)の研究家チャールズ・T・タート(Charles T. Tart, 1937-)などがいるのは周知の通りです。彼らの著書も以前から訳されていますので、以下に列記しておきます。

ラッセル・ターグ/ハロルド・パソフ『マインド・リーチ――あなたにも超能力がある』(猪股修二訳、集英社、1978年)
ラッセル・ターグ/キース・ハラリー『奇跡のスタンフォード・テクニック――超能力研究のメッカSRIが開発した短期間超能力増強システム』 (アルバトロス・フォーラム訳、学習研究社、1984年)
チャールズ・T・タート『サイ・パワー――意識科学の最前線』(井村宏次・岡田圭吾訳、工作舎、1982年)
チャールズ・T・タート『覚醒のメカニズム――グルジェフの教えの心理学的解明』(吉田豊訳、大野純一監訳、コスモス・ライブラリー、2001年)

★フラワー・ムーブメントからニューエイジ・サイエンス(ニュー・サイエンス)に至る潮流が日本でも流行したことがあった時代に、テレビではユリ・ゲラーがスプーン曲げをして超能力ブームが沸き起こり、五島勉の『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになり、書店では「精神世界」棚が渋谷界隈から自生し始めていました。ニュー・サイエンスの流行と「精神世界」棚の生成は、松岡正剛さんの「遊」(工作舎)時代の活躍と、今はなき大盛堂書店本店がパルコBC渋谷店の覇権以前に先導していた渋谷の書店界の一時代と重なっていますし、さらに言えば構造主義からポスト構造主義と記号論への流れ、そしてニューアカ(ニュー・アカデミズム)の台頭へと至ったのも同時代です。ごく大雑把な理解(誤解)となるリスクを承知で言えば、すべて、70年代から80年代の20年間(いわゆる安定成長期)に起きた出来事でした。皮肉なことに、私たちが生きる2010年代の一般的状況は、これらの歴史をほぼ忘却した上で成り立っている砂漠の上の知の蜃気楼のようなものではないだろうか、と感じることがあります。忘却の砂漠の下にはかつて栄えた都市があり、それらの都市が地下水脈を形成して私たちの今いる地上=現在へと常ににじみ出してきています。変化と変動をもたらすのは未来からの風ではなくて、過去からの亡霊的な息吹です。歴史に学ばねばなりません。


もう一人のソシュール
小松英輔著 相原奈津江編
エディット・パルク 2011年6月 本体3,200円 A5判上製本324頁 ISBN978-4-901188-09-8

帯文より:濃霧の立ちこめる自筆原稿の原野へ! 「小松氏の研究室では、今は亡き三宅徳嘉先生と三人で輪読会が行われた。輪読会では、小松氏が聴講ノートを判読転写した原稿を、聴講ノートのコピーと読み比べながら一字一句検討を重ねていくという地を這うような作業が、昼過ぎから夕方まで連日行われた」(松澤和宏・序文「小松英輔氏とソシュール文献学」より)。

カバー裏紹介文および版元紹介状より:日本人で初めて実際に原資料の調査を行い、マイクロフィルムで記録した国際的評価の高い著者による『ソシュール自伝』、アナグラムについての『事前に読むべき最初のノート』等の全訳をはじめ、『一般言語学はどのようにして書かれたか』、『もう一人のソシュール』、『ソシュール研究のために』等の論考、そして言語学と記号学と神話学を結び合わせている『ホイットニー』、神話のディスクール『トリスタン』の原テキストの掘り起し全文を収録。序文は、小松英輔氏の『一般言語学講義』の掘り起し作業に携わり、日本を代表する国際的なソシュール研究者である名古屋大学大学院教授の松澤和宏氏。

目次:
序文「小松英輔氏とソシュール文献学」(松澤和宏)
編者はしがき

I
 ソシュール自伝
 ソシュールの原資料
 ソシュールの神話・伝説研究および未刊資料の公開
 ソシュール『一般言語学講義』はどのようにして書かれたか 
 もう一人のソシュール(I) ――ソシュールの「アナグラム」について
 もう一人のソシュール(II)――ソシュールの「原典資料」の調査から
 ソシュール研究のために(1) 
 ソシュール研究のために(2)セシュエ著『理論言語学の素案と方法』についてのソシュールの書評の下書
 ソシュール原典資料目録解説 
 ソシュール原典資料目録解説(続)

II
 Essai semiotique du texte de Jean RACINE ―rythmique et semiotique―
 文学とオノマトペ
 源氏物語の固有名詞 
 言語学と失語症
 ソシュール研究会報告

III
 "Notes pour un article sur Whitney" de F. de Saussure
 『ホイットニー』あとがきの抄訳
 TRISTAN ― Notes de Saussure
 『トリスタン』まえがきの抄訳

初出一覧
著作一覧
用語索引
人名索引

★小松英輔編による「ソシュール一般言語学講義」の講義録三巻本を刊行してきた京都の出版社エディット・パルクさんの最新刊です。公式ウェブサイトによれば26日発売となっていますが、大方の書店ではすでに店頭発売が開始になっている様子です。本書を含めた同社のソシュール関連既刊書を以下に列記します。長引く出版不況のさなかに、地道に成果を積み重ねられてきた相原さんのご苦労はいかばかりだったことでしょうか。今回の新刊『もう一人のソシュール』は、自伝やアナグラム研究、神話研究といった知られざるソシュールの様々な横顔を垣間見せてくれる貴重な研究および翻訳が満載で、講義録三巻本に続く最新刊としてもっともふさわしい一書です。

相原奈津江『ソシュールのパラドックス』2005年
フェルディナン・ド・ソシュール『一般言語学第三回講義――コンスタンタンによる講義記録』小松英輔編、相原奈津江・秋津伶訳、西川長夫解題、2003年(絶版)
フェルディナン・ド・ソシュール『一般言語学第三回講義〈増補改訂版〉――コンスタンタンによる講義記録+ソシュールの自筆講義メモ』小松英輔編、相原奈津江・秋津伶訳、2009年
フェルディナン・ド・ソシュール『一般言語学第二回講義――リードランジェ/パトワによる講義記録』小松英輔編、相原奈津江・秋津伶訳、2006年
フェルディナン・ド・ソシュール『一般言語学第一回講義――リードランジェによる講義記録+付「エングラー版批判」小松英輔』小松英輔編、相原奈津江・秋津伶訳、2008年
小松英輔『もう一人のソシュール』相原奈津江編、2011年

★ところで岩波書店では松澤和宏さんの監修・翻訳で2007年秋に『ソシュール「一般言語学」著作集』全4巻を刊行開始すると予告していました。曰く「1996年発見の新資料を含めた自筆原稿とともに、1907年からジュネーヴ大学で行われた全3回の講義の全容を明らかにする学生の聴講ノートを厳密な校訂の下に紹介する」(岩波書店「2007年1月の新刊」所載「2007年の新企画から」欄より)。今回の『もう一人のソシュール』の序文では松澤さん御本人による言及は特にありませんでした。他社さんの本なので当然かもしれませんが……。
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by urag | 2011-06-26 23:16 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 24日

「図書新聞」に『アンフォルム』の書評

「図書新聞」2011年6月25日付8面に、ボワ+クラウス『アンフォルム』の書評「最良の批評的眼差しが息づいている」が掲載されました。評者は上智大学教授・林道郎さんです。「現在、美術史・批評を真剣に考えようとする者にとって避けては通れない著作だろう。〔…〕翻訳、訳注、訳者解説、どれも素晴らしい」と評していただきました。
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by urag | 2011-06-24 22:54 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 24日

2011年7月下旬刊行予定:大里俊晴『ガセネタの荒野』

■ 2011年7月21日取次搬入予定【ジャンル:音楽/芸術】

ガセネタの荒野
大里俊晴著
46判(タテ188ミリ×ヨコ118ミリ)並製、192頁、税込定価1,470円(本体価格1,400円) ISBN:978-4-901477-86-4

19年ぶり、待望の復刊! 1977~1979年のあいだを過剰と速さとで駆け抜けた唯一無二のロック・バンド、ガセネタというデュナミス。【親本:洋泉社、1992年】
山崎春美、浜野純、大里俊晴による伝説のバンド「ガセネタ」の結成から解散までの破天荒な活動を赤裸々に描写。さらに、70年代末期の「吉祥寺マイナー」などのライブハウスやイヴェント現場の内情、ロックとマイナー音楽を取り巻く混沌とした状況、当時の先鋭的なバンドをめぐる精神的傾倒を回想する、アンダーグラウンド音楽シーンの歴史的重要書! 最後の、しかし終わらない伝説。【関連情報:10枚組CDボックス『ちらかしっぱなし――ガセネタ in the BOX』もディスクユニオンより同時発売!】 

大里俊晴(おおさと・としはる):1958年2月5日新潟生まれ。70、80年代に「ガセネタ」「タコ」などのバンドで活動。早稲田大学文学部を卒業後、87~93年、パリ第8大学にてダニエル・シャルルのもとで音楽美学を学ぶ。97年から横浜国立大学にて現代音楽論、マンガ論、映像論などの講義を担当。著書に『マイナー音楽のために』(月曜社、2010年)。音楽批評家・間章に関するドキュメンタリー映画『AA』(監督:青山真治)では全編にわたりインタビュアーを担当。2009年11月17日死去。享年51。

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書店様へ◆事前予約はいますぐどうぞ◆【7月12日受注締切】パターン配本なし、事前受注分のみの新刊配本です。締切後の受注分は配本後に注文出荷となります。電話、FAX、Eメールなどにてご発注を承ります。連絡先は弊社ウェブサイトをご参照ください。
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by urag | 2011-06-24 22:12 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 20日

2011年7月初旬発売予定『森山大道 オン・ザ・ロード』

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森山大道 オン・ザ・ロード
森山大道=写真
月曜社 2011年7月 本体2,800円 B5判変型(タテ238ミリ×ヨコ190ミリ)ソフトカバー400頁(2C+4C+解説・資料) ISBN:978-4-901477-85-7

内容:大阪国立国際美術館(6/29~9/19)「森山大道写真展On the Road」公式カタログ。代表作から最新作まで(1965~2011)、330点の作品で写真家の軌跡をたどる、これぞBEST OF DAIDO!「1960年、ぼくの写真は大阪の路上からはじまっている。そして、半世紀をへて現在にいたるまで、ぼくは延々と長いフィルムの道をカメラを手に歩きつづけてきた。「On the Road」は、そんなひとりのカメラマンが足でたどったロードマップであり、時間と伴走してきたひとまずの履歴書である」(森山大道)。

関連サイト:
国立国際美術館
毎日放送
森山大道

著者:森山大道(もりやま・だいどう):1938年生まれ。最近の作品集・著書に、『森山大道 路上スナップのススメ』(光文社新書、2010年)、『NORTHERN 〈3〉光と影のハイマート』(図書新聞、2011年)、『71 NEWYORK』(講談社、2011年)など。

月曜社・森山大道既刊写真集:
『新宿』2002年7月刊、B5変型判並製カバー装600頁、本体7,200円、毎日芸術賞受賞(2003年)、品切重版未定。
『NOVEMBRE』2004年5月刊、デザイン:滝沢直己、本体6,600円、B/Wフォトプリント24+ボーナスプリント1(41.9×29.6 cm)、スペシャルボックス入り、限定1500部、完売。
『新宿+』2006年11月、本体1,905円、A6判並製カバー装640頁、品切重版未定。
大阪+』2007年6月、本体1,810円、A6判並製カバー装480頁、ISBN978-4-901477-33-8
ハワイ』2007年7月、本体6,000円、A4変型判並製カバー装432頁、ISBN978-4-901477-34-5
にっぽん劇場 1965-1970』2009年9月、本体3,200円、B5変型判並製カバー装410頁、ISBN978-4-901477-48-2
何かへの旅 1971-1974』2009年9月、本体3,600円、B5変型判並製カバー装484頁、ISBN978-4-901477-49-9
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by urag | 2011-06-20 21:03 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 19日

今週発売の注目新刊(2011年6月第4週)

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思想としての3・11
河出書房新社編集部:編
河出書房新社 2011年6月21日 本体1,600円 A5判並製208頁 ISBN 978-4-309-24554-6
帯文より:あの日から何が変わったのか、何が変わらないのか、何を変えるべきなのか。生、死、自然、震災、原発、国家、資本主義……思索者たちがいまこそ問う。

目次:
佐々木中「砕かれた大地に、ひとつの場処を――紀伊國屋じんぶん大賞2010受賞記念講演「前夜はいま」の記録」
鶴見俊輔「日本人は何を学ぶべきか――いま心に浮かぶこと」
吉本隆明「これから人類は危ない橋をとぼとぼ渡っていくことになる」
中井久夫「戦争から、神戸から」
木田元「技術はもう人間の手に負えない?」
山折哲雄「二つの神話と無常戦略」
加藤典洋「未来からの不意打ち」
田島正樹「はじまりもなく終わりもない」
森一郎「世界を愛するということ」
立岩真也「考えなくてもいくらでもすることはあるしたまには考えた方がよいこともある」」
小泉義之「出来事の時――資本主義+電力+善意のナショナリズムに抗して」
檜垣立哉「自然は乱暴であるにきまっている」
池田雄一「われら「福島」国民――3・11以降を生きるためのアジテーション」
友常勉「労働=生の境界に際会して――3・11をめぐる備忘録」
江川隆男「中間休止と脆弱さの規模――天災と人災の究極的融合について」
高祖岩三郎「3・11以降の地球的アナキズム」
廣瀬純「原発から蜂起へ」
『来たるべき蜂起』翻訳委員会「反原発のしるし」

★21日発売です。ということは、河出さんの通例から考えるとおそらく取次搬入日は17日(金)だったでしょうか。徐々に書店店頭に並び始める頃合いです。弊社関連だと、江川隆男さん(ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』訳・解説者)や、廣瀬純さん(『闘争のアサンブレア』共著者、ヴィルノ『マルチチュードの文法』訳者、ネグリ『芸術とマルチチュード』共訳者)が寄稿なさっています。寄稿者の一人である佐々木中さんの『アナレクタ』シリーズ第二弾が今週発売です。

この日々を歌い交わす――アナレクタ2
佐々木中:著
河出書房新社 2011年6月22日 本体2,000円 46判上製216頁 ISBN978-4-309-24553-9
帯文より:「音楽は言葉を抱きとめ、言葉は音楽を孕む。何が、何が終わり得よう。」前巻における死と滅亡の直視から、藝術と生の絶対的肯定へ。破滅の底の底からなおも響き渡る、俊傑・佐々木中の晴れやかなる朗唱。

帯文より:
2010
「小説の言葉、思想の言葉」対談:保坂和志×佐々木中(初掲載)
「日本語ラップという不良音楽」対談:磯部涼×佐々木中(大幅増補完全版)
「この日々を歌い交わす」
「幾冊か選書、何のためでもなく」
「ところがどっこい旺盛だ。」対談:古井由吉×佐々木中
「敗北する歓び、敗北者の歌」対談:宇多丸×佐々木中
「「次の自由」へ向かう」対談:坂口恭平×佐々木中
「歓び、われわれが居ない世界の――〈大学の夜〉の記録」(初掲載)
「文学は死なず、革命は生き延びる」
「ニーチェを搾取し、ビジネス書を売りさばく今の出版界は死すべきか?」


★今月発売になった河出文庫版二巻本『定本 夜戦と永遠』の「文庫版のための跋」に書かれていましたけれど、本書に続く哲学系書き下ろしは、着実に進んでおられるご様子です。「二百枚以上の草稿を破棄」するなど、壮絶な戦いぶりが窺われます。

★河出さんの新刊で同じく6月22日発売の書目には、『哲学入門 ウィトゲンシュタイン――没後60年、ほんとうに哲学するために』があります。また、翌23日にはアドリエンヌ・モニエ『オデオン通り――アドリエンヌ・モニエの書店』(岩崎力訳)とシルヴィア・ビーチ『シェイクスピア・アンド・カンパニイ』(中山末喜訳)が同時に復刊されます。いずれも20世紀前半のフランスの論壇の様子を伝えるドキュメントですから、弊社より同時期に刊行されるユンガー『パリ日記』とぜひ併せて読んでいただければ幸いです。さらに河出さんの7月新刊には2点の新訳が登場します。6日発売・文庫:チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』(巻、佐々木徹訳、河出文庫)、13日発売・単行本:ノーム・チョムスキー『言語と精神』(町田健訳;旧版=川本茂雄訳)。


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パリ日記
エルンスト・ユンガー:著 山本尤:訳
月曜社 2011年6月23日 本体3,800円 46判(タテ190ミリ×ヨコ133ミリ)フランス装464頁 ISBN978-4-901477-84-0

内容:1941~1944年、ナチス占領下のフランスに国防軍将校として配属されていた20世紀ドイツを代表する作家ユンガーが、パリの作家・芸術家たちとの交流、祖国の破滅的な運命に対する省察、ヒトラー暗殺計画グループへの関与など、透徹した思索と行動をつづった日記文学の白眉。

著者:エルンスト・ユンガー――ドイツの作家。1895年ハイデルベルクに生まれ、1998年リートリンゲンに没す。第一次大戦に少尉として従軍、七度負傷するも生還し受勲。戦後その経験をもとにした作品群を発表し、英雄的リアリズムの旗手と見なされた。その後、民族革命運動に参画、『戦争と戦士』(1930)や『労働者』(1932)などの著書で「第三帝国の案内人」とも言われ、ナチスの主導するアカデミーへ招聘されながらもこれを断る。ナチスとは距離をとり続けたものの、ゲシュタポの家宅捜査を受けたことなどが契機となり、1939年に国防軍へ復帰。1941年2月にパリへの転属を命じられる。参謀本部の幕僚長の後盾により、占領下のパリの参謀本部つきとなる。軍部と党の確執の詳細を記録し、その関係資料を収集する任務を与えられた。『パリ日記』はその当時に執筆されたものである。日本語訳の著書に以下がある。『鋼鉄のあらし』(先進社、1930年)、『東西文明の対決』(筑摩書房、1954年)、『大理石の断崖の上で』(岩波書店、1955年)、『文明について』(新潮社、1955年)、『言葉の秘密』(法政大学出版局、1968年)、『砂時計の書』(人文書院、1978年;講談社学術文庫、1990年)、『小さな狩』(人文書院、1982年)、『ヘリオーポリス』(全二巻、国書刊行会、1985-1986年)、『時代の壁ぎわ』(人文書院、1986年)、『追悼の政治――忘れえぬ人々/総動員/平和』(月曜社、2005年)、『ユンガー=シュミット往復書簡1930-1983』(法政大学出版局、2005年)。

★手前味噌で恐縮ですが弊社の今週の新刊です。取次搬入は22日が阪、也、洋。23日がト、ニです。写真左は、弊社既刊のユンガーのエッセイ集『追悼の政治』。この本に所収の「平和」執筆当時はまさに今回の新刊『パリ日記』に描かれている当時で、併せて読んでいただくとユンガー流の「平和」論の裏側が垣間見えて興味深いと思います。なお、弊社のユンガーの訳書としては、『労働者』が続刊予定です。
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by urag | 2011-06-19 22:41 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2011年 06月 15日

リレー講義「日本の出版文化」@東京外国語大学

今日は、東京外国語大学府中キャンパスへお邪魔し、リレー講義「日本の出版文化」の第8回の授業で発表させていただきました。昨年のリレー講義でいただいたお題は「出版社のつくり方――月曜社の10年」でしたが、今年いただいたのは「人文書出版における編集の役割」。なかなか手ごわいテーマでしたけれども、先達の教えをひもときつつ、自身の経験から得たことをお話ししました。熱心にご静聴いただきありがとうございました。また、質疑応答の際に質問して下さった方、授業の後に挨拶に来て下さった方々、ご列席いただいた諸先生方、運営スタッフの皆様、担当教官の岩崎稔先生に深謝申し上げます。受講された皆さんのレスポンスシートは全員分読ませていただきました(前回も全員分読みました)。お一人お一人に返事を書きたい気持ちになりました。また皆さんとどこかで再会し、話の続きをするのを楽しみにしています。レジュメに私のメアドを記載しておきましたので、気が向いたらメールを下さい。お待ちしています。
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by urag | 2011-06-15 23:40 | ご挨拶 | Trackback | Comments(0)