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2011年 01月 30日

アラン・カイエ『功利的理性批判』が以文社より発売

パリのロイター発2011年01月26日付記事「アンチ資本主義者、中国よりフランスの方が多い=調査」によれば、「共産党が一党支配する中国やほかの先進国よりも、フランスの方が自由市場資本主義に反対する人が多いとする世論調査の結果が明らかになった。26日付の仏ラ・クロワ紙が発表した」とのことです。興味深い結果ですが、さほど驚かせるものではありません。フランスは長い間、民主主義社会のあるべき姿について模索を続けてきた過程で、資本主義や自由市場の「効用」をアメリカほどには信じてきませんでしたし、一方、中国は共産党の一党支配のもとでの急激な経済政策によってもはや後戻り不可能なほど資本主義を内在化させつつあるからです。

今月、フランスの社会学者アラン・カイエ(1944-)の主著『功利的理性批判』が以文社より翻訳出版されました。原著副題は「MAUSS宣言」と言います。MAUSSというのは「社会科学における反功利主義運動」の略称で、人類学者のマルセル・モースの名前にひっかけています。カイエは「MAUSS雑誌」の主幹をつとめており、「訳者付記」によればこの雑誌の寄稿者には以下の知識人の名前が見えます。

レヴィ=ストロース(1908-2009)
モラン(1921-)
カストリアディス(1922-1997)
ジラール(1923-)
ルフォール(1924-2010)
トゥーレーヌ(1925-)
ウォーラーステイン(1930-)
ネグリ(1933-)
ラクラウ(1935-)
デュピュイ(1941-)
ムフ(1943-)
ゴーシェ(1946-)
ホネット(1949-)
ヴァン・パレース(1951-)

さらに「訳者付記」では、カイエの古い友人であるセルジュ・ラトゥーシュの著書が昨年作品社より刊行されたことを「非常に有意義な出来事」として紹介しています(このラトゥーシュの本についても以下に書誌情報を掲げます)。カイエはラトゥーシュらとともに昨年来日しています。カイエもラトゥーシュも、資本主義や市場経済に疑義を呈しているフランス人の一人です。

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功利的理性批判――民主主義・贈与・共同体
アラン・カイエ(Alain Caillé: 1944-)著 藤岡俊博(ふじおか・としひろ:1979-)訳
以文社 2011年1月 本体:2,800円 四六判上製カバー装272頁 ISBN978-4-7531-0286-0

◆帯文(表1)より:新しい科学、新しい政治へ。〈利益〉を絶対視する「経済的モデル」があらゆる領野の思考を枯渇させ、〈市場〉の覇権と荒廃をもたらした。危機感を抱く社会科学者たちが〈贈与論〉のモースの名の下に結集し、新しい「一般社会科学」と新しい民主主義への可能性を切りひらいた画期的宣言書。

◆帯文(表4)より:「一九七〇年代の多幸感のあとに生まれた社会科学の雑誌で、これほどまでフランス出版界の風景を根底的に刷新し、数年のうちに必須の参照文献になったものは少ない」(本書から生まれた『MAUSS雑誌』について。『ル・モンド』2010年8月6日)。

◆原書: Critique de la raison utilitaire: Manifeste du MAUSS, La Découverte, 1989/2003.

◆目次:
日本語版への序文
 MAUSS――特異な歴史
 贈与――いかなる贈与か?
 一般社会学(社会科学)に向けて?
 贈与と承認のパラダイム
 日本に期待を寄せながら
二〇〇三年版への序文
はじめに
第一部 功利主義の力の台頭
 1 漠然とした功利主義から支配的な功利主義へ
   I 漠然とした功利主義
   II 社会科学の古典的領野と、支配的ではあるが相殺された功利主義
      経済学
      社会学
      集団化された功利主義としての社会科学
      哲学
      その他の言説および学科〔ディシプリン〕
 2 支配的な功利主義から一般化された婉曲的な功利主義へ
   I 理論における一般化された功利主義
      表現を和らげ、説明を加えるなら
   II 実践における一般化された功利主義
      婉曲的な功利主義
      さまざまな両義性
第二部 功利的理性批判の諸要素
 3 近代功利主義の発生に関する諸断片
   I 宗教改革
   II 科学
   III 市場と中流階級の勝利
   IV 功利主義の力と壮麗さ
 4 功利主義と経済主義
   I 歴史の功利主義的な見方
      稀少性、労働
      物々交換の寓話
      贈与
      市場
   II 第三世界と発展の問題
 5 理性の不確実さと主体のさまざまな状態
   I 理性の不確実さ
   II 主体のさまざまな状態
 6 反功利主義と民主主義の問い
   I 民主主義の概念への簡潔な指摘
   II 民主主義・贈与・共同体
   III それほど反時代的ではない考察
   IV なにをなすべきか
結論 知の改革のために
あとがき 功利主義の概念、規範的な功利的理性の二律背反〔アンチノミー〕と贈与のパラダイム
   I 功利主義の概念
   II 規範的な功利的理性の二律背反〔アンチノミー〕
   III 功利主義に代わるパラダイムとしての贈与
訳注
文献案内
《MAUSS》の賭け 訳者付記

+++

経済成長なき社会発展は可能か?――〈脱成長〉と〈ポスト開発〉の経済学
セルジュ・ラトゥーシュ(Serge Latouche:1940-)著 中野佳裕(なかの・よしひろ:1977-)訳
作品社 2010年7月 本体2,800円 四六判上製カバー装364頁 ISBN978-4-86182-297-1

◆帯文(表1)より:欧州で最も注目を浴びるポスト・グローバル化時代の経済学の新たな潮流。“経済成長なき社会発展”を目指す経済学者ラトゥーシュによる〈脱成長〔デクロワサンス〕〉理論の基本書。

◆帯文(表4)より:いかなる経済学が、新自由主義に代わって、ポスト・グローバル化時代の指針となるのか? 金融危機・債務危機を引き起し、地球環境を破壊してしまった「新自由主義」に代わって、現在、最も欧州で注目されているのが、〈脱成長〉(décroissance)の経済学である。“脱成長による新たな社会発展”を目指すこの経済理論は、グローバル資本主義の構造的矛盾を克服するものとして、左右の政治の壁を越えて話題となり、国会でも論議されている。〈脱開発〉を掲げる新聞・学術誌が発刊され、学会や地方政党も誕生し、社会現象となるまでにいたっている。本書は、その提唱者である経済学者ラトゥーシュの代表作二冊を日本読者向けに一冊にまとめた、〈脱開発〉学派の基本書というべきものである。

◆原書1:Survive au développement, Fayard, 2004.
◆原書2:Petit traité de la décroissaance sereine, Fayard, 2007.

◆目次:
「経済成長」信仰の呪縛から逃れるために――日本の読者の皆さんへ
第I部 〈ポスト開発〉という経済思想――経済想念の脱植民地化から、オルタナティブ社会の構築へ
 はじめに
 序章 〈ポスト開発〉と呼ばれる思想潮流
 第1章 ある概念の誕生、死、そして復活
 第2章 神話と現実としての発展
 第3章 「形容詞付き」の発展パラダイム
 第4章 発展主義の欺瞞
 第5章 発展パラダイムから抜け出す
 結論 想念の脱植民地化
第II部 〈脱成長〔デクロワサンス〕〉による新たな社会発展――エコロジズムと地域主義
 はじめに
 序章 われわれは何処から来て、何処に行こうとしているのか?
 第1章 〈脱成長〔デクロワサンス〕〉のテリトリー
 第2章 〈脱成長〔デクロワサンス〕〉――具体的なユートピアとして
 第3章 政策としての〈脱成長〔デクロワサンス〕〉
 結論 〈脱成長〔デクロワサンス〕〉は人間主義か?
セルジュ・ラトゥーシュ・インタヴュー
 目的地の変更は、痛みをともなう (インタヴュアー パスカル・カンファン)
日本語版解説 セルジュ・ラトゥーシュの思想圏について (中野佳裕)
 1 セルジュ・ラトゥーシュの研究経歴と問題関心
 2 解題『〈ポスト開発〉という経済思想』
 3 解題『〈脱成長〔デクロワサンス〕〉による新たな社会発展』
 4 日本におけるラトゥーシュ思想の位置付け
 結語 日本社会の未来のために――平和、民主主義、〈脱成長〉
謝辞
参照文献一覧

+++

なお、以文社では『民主主義は、いま?――不可能な問いへの8つの思想的介入』という新刊が2月15日に発売予定だそうです。版元ウェブサイトに掲載された紹介文によれば、本書の内容は以下の通りです。「フランスの独立系出版社「ラ・ファブリック」が、現代を代表する思想家8人に素朴かつ深淵な問いを投げかけた――あなたは自らを「民主主義者」と言うことに意味がありますか? 「民主主義」という、冷戦の終結・グローバリゼーションの発展以後、急速に規定の難しくなった政治的概念に対して、彼らはいかなる考察をもって揺さぶりをかけるのか?」。寄稿している思想家8人というのは以下の人々です。ジョルジョ・アガンベン、アラン・バディウ、ダニエル・ベンサイード、ウェンディ・ブラウン、ジャン=リュック・ナンシー、ジャック・ランシエール、クリスティン・ロス、スラヴォイ・ジジェク。

一方、作品社では、ジョヴァンニ・アリギ『北京のアダム・スミス』や、デヴィッド・ハーヴェイ『コスモポリタニズム』といった書目が今春までの近刊予定に挙がっています。カイエやラトゥーシュの本と併せて読みたいですね。
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by urag | 2011-01-30 20:24 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 27日

『マイナー音楽のために』書評など

1月20日発売の「ミュージック・マガジン」2011年2月号の書評欄で弊社刊・大里俊晴『マイナー音楽のために』が取り上げられました。「09年に他界した音楽家/音楽学者の著作集」という記事で、評者は行川和彦さんです。「豊富な教養と雑学をミックスして探究心を加速させた文章に引きこまれ」る、と評していただきました。

1月7日発売の月刊誌「新潮」2011年2月号では、佐々木敦さんが連載「批評時空間」の第2回「歴史について」で『マイナー音楽のために』に論及されています。「こうして一冊の書物に纏まってみると、読み進めながら新たな発見や驚きがあり、あらためてわれわれが貴重な音楽批評家を喪ったことを悔まざるをえない。〔中略〕残された雑多なテキストの集積が映し出す「大里俊晴」の/による「マイナー音楽史」に、限りない共感を覚えるのだ」(237-238頁)と評していただきました。

昨年12月10日発売の「アイデア idea」2011年1号(通号344号)の書評欄でも『マイナー音楽のために』が取り上げられています。無記名の記事です。「80年代から音楽批評を行いながらも、論攷や批評がまとめられたのは本書が初で(漫画批評も若干収録)、まさに遅すぎた一冊だが、その分内容は濃縮されており、500を超えるどのページも鮮烈である」と評していただきました。
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by urag | 2011-01-27 10:28 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 21日

ブックフェア「紀伊國屋じんぶん大賞2010――読者がえらぶ人文書ベストブック」

微力ながらお手伝いした紀伊國屋書店新宿本店人文書売場のブックフェアが15日(土)から始まっています。私と千葉雅也さんの「文藝」対談の続きを掲載した小冊子もほどなく配布される予定です。以下は紀伊國屋書店さんからのご案内全文です。

◆ブックフェア「紀伊國屋じんぶん大賞2010――読者がえらぶ人文書ベストブック」

会期:2011年1月15日(土)~3月10日(木)
会場:紀伊國屋書店新宿本店 5階 A階段 横 壁棚
問合:紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-5700(5階直通番号)

内容:2010年に刊行された「人文書」のうち、読者が選んだベストブック30を展示いたします。

 ~あわせて展示いたします~
 第1弾 2010年およびゼロ年代に売れたベスト人文書
 第2弾 小林浩(月曜社取締役)がえらぶ2010年必読基本書(2月9日~)

 ~オリジナル小冊子を無料配布いたします~
 『文藝 2010年冬号』(河出書房新社)に掲載された「ひと足早い これだけは読んでおきたいブックガイド2010」千葉雅也×小林浩の対談のつづきを収録した小冊子を無料配布いたします。

++++

◆発表!!紀伊國屋じんぶん大賞2010

この度、「今こそ!人文書宣言」企画第20弾として、読者の皆様に“2010年に刊行された「人文書」ベスト3”についてアンケートを募集致しましたところ(2010年12月10日~31日)、短期間にもかかわらず多数のご投票を頂くことができました。誠にありがとうございました。頂戴しましたアンケートをこちらで集約、1位を3点、2位を2点、3位を1点としてカウントし※、「紀伊國屋じんぶん大賞」およびベスト30を選定させて頂きました。

※紀伊國屋書店新宿本店5階人文書売場にて扱っている書籍(小ジャンル分類:哲学・歴史・宗教・心理・教育・文芸批評)に限定させて頂きました。

◎大賞『切りとれ、あの祈る手を』佐々木中/河出書房新社

◎ベスト30
『カチンの森』ヴィクトル・ザスラフスキー/みすず書房
『日本政治思想史』渡辺浩/東京大学出版会
『パンとペン』黒岩比佐子/講談社
『来たるべき蜂起』不可視委員会/彩流社
『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』フランセス・イエイツ/工作舎
『エスの系譜――沈黙の西洋思想史』互盛央/講談社
『肉体のアナーキズム』黒ダライ児/grambooks
『幻のアフリカ』ミシェル・レリス/平凡社ライブラリー
『ことばの哲学』池内紀/青土社
『スラムの惑星』マイク・デイヴィス/明石書店
『哲学的なものと政治的なもの』松葉祥一/青土社
『世界史の構造』柄谷行人/岩波書店
『スターリン――赤い皇帝と廷臣たち』(上下) モンテフィオーリ/白水社
『これから「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル/早川書房
『NO FUTURE――イタリア・アウトノミア運動史』フランコ・ベラルディ/洛北出版
『古代ローマの24時間』アルベルト・アンジェラ/河出書房新社
『青色本』ウィトゲンシュタイン/ちくま学芸文庫
『思想地図β』(vol.1) 東浩紀編集/コンテクチュアズ
『人間の条件――そんなものはない』立岩真也/理論社
『ビザンツ――驚くべき中世帝国』ジュディス・ヘリン/白水社
『女ぎらい――ニッポンのミソジニー』上野千鶴子/紀伊國屋書店
『ヤノマミ』国分拓/NHK出版
『土の文明史』デイビッド・モントゴメリ-/築地書館
『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』エーコ+カリエール/阪急コミュニケーションズ
『トーラーの名において』ヤコヴ・M・ラブキン/平凡社
『移行期的混乱』平川克美/筑摩書房
『アテネ民主政――命をかけた八人の政治家』澤田典子/講談社選書メチエ
『改訂版 正義論』ジョン・ロールズ/紀伊國屋書店
『毛沢東――ある人生』(上下) フィリップ・ショート/白水社

その他   ※人文書売場で扱っていないものの多数ご推薦頂いた本

『終わらざる夏』(上下) 浅田次郎/集英社
『馬鹿たちの学校』サーシャ・ソコロフ/河出書房新社
『無縁社会』NHK/文藝春秋
『物質的恍惚』ル・クレジオ/岩波文庫


また、今回のブックフェアを記念して『文藝 2010年冬号』(河出書房新社)「ひと足早い これだけは読んでおきたいブックガイド2010」に掲載された千葉雅也さんと小林浩さんの対談のつづきをブックフェアのためにお寄せ頂きました。タイトルは、その名も「ポスト人文学の思想的境位――2010年を振り返って」。こちらはベスト30の推薦文と合わせ、オリジナル小冊子として配布予定です。『文藝2010年冬号』とあわせ、是非お読みくださいませ。

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by urag | 2011-01-21 17:52 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 19日

書影公開・近日発売:中平卓馬写真集『都市 風景 図鑑』

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オンライン書店bk1では現在予約受付中です。

近日発売予定の中平卓馬写真集『都市 風景 図鑑』(マガジンワーク1964-1982)の書影を公開します。装丁は中島浩さんによるものです。B5判(タテ257mm×ヨコ182mm)並製ソフトカバーで652頁(カラー172頁)、束(本の厚さ)が40mmほどある分厚い写真集です。1964年から1982年にかけて雑誌で発表された写真を集めたもので、当時のネガは写真家自らほとんど焼却してしまっているため、本書収録の雑誌掲載でしか見られない写真が多数あります。作品の重複や掲載雑誌の紙と印刷の経年劣化もそのままに、写真家の当時を集成したものとなっております。巻末には清水穣さんによる解説を付しています。

書名:都市 風景 図鑑
写真:中平卓馬
判型:B5判ソフトカバー652頁(4C=172頁)
定価:税込6,720円(本体価格6,400円)
ISBN:978-4-901477-82-6

中平卓馬(なかひら・たくま):1938年生まれ。東京外国語大学スペイン科卒業後、「現代の眼」誌で寺山修司、東松照明の編集担当者となる。1968年、高梨豊、岡田隆彦、多木浩二らと共に、写真同人誌「プロヴォーク」創刊(2号から森山大道も参加)。1973年ころ、過去の自らの表現を自己批判し、撮影された写真のネガ・フィルムやプリントのほとんどを焼却する。1977年9月11日未明、飲酒により昏睡状態となり入院。その後、身体と意識は回復したものの、言語能力と記憶に障害が残る。回復後、写真家としての活動を再開する。2003年には、初めての本格的な個展「原点復帰—横浜」が横浜美術館で開かれた。現在も旺盛に撮影しつづけている。主な著書・写真集に、『来たるべき言葉のために』(写真集、オシリス、2010年)、『なぜ、植物図鑑か』(批評集、ちくま学芸文庫、2007年)、『見続ける涯に火が 批評集成1965-1977』(オシリス、2007年)、『ADIEU A X』(写真集、河出書房新社、2006年)、『日本の写真家36 中平卓馬』(写真集、岩波書店、1999年)、『決闘写真論』(批評集、篠山紀信との共著、朝日文庫、1995年)、『新たなる凝視』(写真集、晶文社、1983年)。

+++

書店様へ。新刊配本の事前予約は本日19日(水)いっぱいで締め切ります。弊社ではパターン配本を行っておらず、受注分のみ出荷いたします(取次の見計らいはほとんどありませんのでご注意ください)。20日以降のご発注は注文出荷となりますのでご了承ください。取次搬入は来週27日(木)を予定しておりますが、取次の都合次第ではそれ以降になる可能性もあります。確定次第、再度告知させていただきます。

【2011年1月25日追記:取次搬入日は27日(木)で確定いたしました。】
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by urag | 2011-01-19 14:56 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 17日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2011年3月3日(木)
丸善博多店:約800坪(和書670坪、洋書30坪、文具70坪、メガネ30坪)
福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 アミュプラザ博多 8F

帳合はTアミュプラザ博多はJR博多駅の新しい駅ビルで、阪急百貨店や九州初出店となる東急ハンズのほか、シネコンや日本最大級のレストランゾーンを有するビルになります。丸善は昨年6月に福岡ビル店を閉店し、九州最大の書店激戦区だった天神地区から撤退していますが、天神地区にはジュンク堂書店福岡店がありますから、同グループ内での競合を避けたかたちです。天神地区とは那珂川をはさんで東側になる博多地区、特に丸善が博多店を開店しようという博多駅中央街では、紀伊國屋書店福岡本店やあおい書店博多本店が待ち構えています。天神地区で紀伊國屋を撤退へと事実上追い込んだあとに、今度は博多からも追い出そうというのでしょうか。「紀伊國屋/ジュンク堂頂上決戦」の新たなラウンドが始まるでしょう。こう書くとなにか私が故意に煽りたてているかのように読む方もいらっしゃるかもしれませんが、まったくそんなツマらないことは考えていません。「ジュンク堂=丸善」連合が全国ナンバーワンの揺るぎない地位を築こうとがんばっているのは、スキャンダラスでもなんでもないドライな現実だと私は受け止めています。

丸善書店株式会社の社長である工藤恭孝さん(元ジュンク堂書店の社長さんです)のお名前のある挨拶状にはこう書かれています。「ショップコンセプトを「ブック・マルシェ」とし、アカデミックからサブカルチャーまで様々な文化と出会い、そこから新たな文化を育む「知」の素が集まる場といたします。常に欲しいものが見つかる、常に新しい驚きに出会える、そのための鮮度の高い商品(書籍・文具・雑貨)が集まる市場(マルシェ)として、探す楽しみも提供する店舗を創造いたします」とのことです。

先月開店した丸善書店札幌北一条店についてご紹介する際に、CHIグループ内で「丸善」「MARUZEN&ジュンク堂書店」「丸善書店」「ジュンク堂書店」のすみ分けはどうなるのだろう、ということを少し書きました。どうやら今後、丸善の名前を冠する店舗の展開戦略については、書店に特化した中規模店が「丸善書店」で、書籍や雑誌以外のものも併売する大型店が「丸善」である、とそんな大雑把な分別の解釈が成り立ちそうです。弊社への発注書を見る限りでは、「丸善書店」では少量の人文書と文芸書のみのオーダーでしたが、今回の「丸善」では、「ジュンク堂」並みに弊社の全ジャンルの本をほぼ網羅的に注文されています。要するに、CHIグループでは、ぞれぞれの地域でどんな形態の店舗を出せば既存の地域一番店に対抗できるのか、そこを考えて「丸善」(大規模書店+文具雑貨その他)か「ジュンク堂」(大規模書店)か、それともブランド力で「Maruzen&ジュンク堂」にするかを決めているのだろうと推察できます。

+++

なお、開店あれば閉店あり、ということで、ここ最近の閉店で特に胸を打たれたのは、2010年12月25日閉店「高円寺文庫センター」、2010年12月28日閉店「プロジェット」(川崎ラ・チッタデッラ内)、2011年1月31日閉店「冨貴堂MEGA」の三店舗です。何と言ったらいいか、2011年の業界に垂れこめつつある暗雲のことを思います。
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by urag | 2011-01-17 17:14 | 販売情報 | Trackback | Comments(8)
2011年 01月 14日

書評情報:『不完全なレンズで』『ミクロコスモス第1集』

読売新聞ウェブサイト「本 よみうり堂」内のコーナー「書店員のオススメ読書日記」2010年1月13日付に、『不完全なレンズで』の書評が掲載されました。評者は青山BC六本木店の間室道子さんです。ドアノーへの愛情にあふれた紹介をしてくださっています。間室さんは『不完全なレンズで』の訳者・堀江敏幸さんのトークセッションをセッティングされたご担当者でもいらっしゃいます。堀江さんは定期的に青山BC六本木店でトークセッションに出演なさっているので、折々に同BCのウェブサイトでイベント情報を確認してみてください。たとえば直近では、六本木店で、1月23日(日)に、堀江さんと写真家の鬼海弘雄さんとのトークセッション「人々の暮らしと風景」が開催されます。詳細情報と予約はリンク先をご覧ください。

一方、2010年10月に刊行された『モルフォロギア――ゲーテと自然科学』第32号「特集=現代におけるフマニスムス――ゲーテとE・R・クルツィウス」の書評欄では、『ミクロコスモス 第1集』の書評「「ミクロコスモス」の再現としての精神史研究」が掲載されました。評者は松山壽一さんで、3段組5頁にわたる長文の書評です。「意欲的で先駆的で多面的な取り組み〔…〕次集以降の更なる試みが世に登場することを鶴首している」と励ましていただきました。『ミクロコスモス』は現在第2集を準備中です。進行状況については、『ミクロコスモス』ブログや、編者の平井浩さんの日記などをご参照ください。第1集は版元品切ですが、ジュンク堂書店では14日現在20店舗で入手可能です。第1集は第2集刊行の折に重版する予定です。
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by urag | 2011-01-14 16:27 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 13日

展覧会関連書籍『曽根裕|Perfect Moment』

曽根裕|Perfect Moment 〔ソネ・ユタカ・パーフェクト・モーメント〕
遠藤水城(えんどう・みずき)編著
月曜社 2011年1月 本体1,905円(税込2,000円) B5判並製100頁 ISBN978-4-901477-70-6

ロサンゼルスを拠点に活躍するアーティスト曽根裕(そね・ゆたか:1965-)の、日本での約10年ぶりの個展「曽根裕|Perfect Moment」開催にあわせて発刊される関連書籍。内容は、中国の片隅で地元の職人と彫りつづけた大理石彫刻群のカラー図版16頁をはじめ、遠藤水城(本展キュレーター)による論考、長谷川祐子(東京都現代美術館・チーフキュレーター)らへのインタビュー、2000年以降の曽根に関する海外レビュー総括、朋友である職人からの手紙など。曽根裕の現在地点が多角的に照射されます。

目次:
カラー図版
《ホンコン・アイランド/チャイニーズ》1998年、大理石、65x120x80cm
《アミューズメント》1998年、大理石、47.9x60x190cm
《ハイウェイ・ジャンクション14-5》2002年、大理石、34x133x123.5cm
《ハイウェイ・ジャンクション110-105》2002年、大理石、25.8x145.2x150.2cm
《ハイウェイ・ジャンクション110-105》(部分)
《ハイウェイ・ジャンクション110-10》2002年、大理石、24.1x133.4x130.1cm
《ハイウェイ・ジャンクション405-10》2003年、大理石、22.5x118.3x161.2cm
《ジャイアント・スノー・レオパード》2004年、大理石、63.5x228.6x185.4cm
《スキー・リフト》2004-2005年、大理石、80x98x89cm
《2階建てジャングル》1999年、大理石、30x38.5x34.3cm
《6階建てジャングル》2008年、大理石、60x72x150cm
《リトル・マンハッタン》2010年、大理石、85x265x55cm
《リトル・マンハッタン》(部分)
《大観覧車》2010年、大理石、37x90x100cm
《木のあいだの光#1》2010年、大理石、62x62x62cm
《木のあいだの光#2》2010年、大理石、70x55x128cm

遠藤水樹|大理石・彫刻・プロジェクト:ポストモダニズムにおける実践と媒体
堀本彰インタビュー
長谷川祐子インタビュー
桝田倫広|2000年以降の欧米文献に見る曽根裕作品の評価について
資料編
蒋智賢からの手紙

★2011年1月15日(土)から3月27日まで東京オペラシティアートギャラリーで開催される「曽根裕展|Perfect Moment」の開催にあわせて発刊される関連書籍です。展覧会では2点のヴィデオ作品と7点の大理石彫刻が展示されています。

★この商品は展示会場に併設されたgallery 5ナディッフ)で販売されます【1月15日追記:ナディッフでは各支店の店頭でお買い求めになれるほか、公式サイトの和書新刊コーナーにて通販でのご注文が可能です】。一般書店でお買い求めの場合は、1月末以降にお取り寄せ注文が可能となる予定です。

★本書は仕様で裏表紙が破られ、最終頁が露出した状態になっています。書影写真右をご参照ください。破損本ではありませんので、ご理解のほどお願いいたします。手作業による加工のため、1冊ごとに破け方が異なります。本書はシュリンクに包まれた状態で販売されます。中身をご確認されたいお客様はgallery 5店頭の見本をご覧いただけると幸いです。

★写真では確認できないかもしれませんが、表紙には書名(曽根裕|Perfect Moment)と欧文表記(SONE Yutaka: Perfect Moment)と版元名(月曜社)の空押し、背には白インクで書名と欧文表記と版元名(Getsuyosha)が印刷されています。

★書店様へ。本書は新刊配本いたしません。客注がある場合のみ出荷いたしますが、出荷は1月末以降になります。

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★写真右がオモテの表紙、左がウラの表紙(ダメージ加工で最終頁は露出)です。シュリンクがかかっています。シュリンクの上からバーコードなど書誌情報を載せたステッカーが貼られています(写真右の表紙の左下部分がそれです)。

【2011年1月26日追記:26日現在、以下のオンライン書店各店からの発注が可能となっています。「e-hon」「セブンネットショッピング」「bk1」「boople」「楽天ブックス」。ただし、出荷が早いのは在庫を持っている「ナディッフ」のみで、上記オンライン書店では基本的に取り寄せになりますので、ご注意ください。】
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by urag | 2011-01-13 17:48 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 11日

「毎日新聞」1月9日付書評欄に『不完全なレンズで』の書評

「毎日新聞」2011年1月9日(日)付の「今週の本棚」欄に、弊社のドアノー『不完全なレンズで』の書評「シャッターが過去をとどめるように」が掲載されました。評者は池内紀さんです。「回想がこれほど強靭な表現力をともなってあらわれたケースも珍しい」と評していただきました。池内先生、ありがとうございます。なお、同書は先週金曜日に2刷が出来上がっております。今日は書評をご覧になった読者の皆様の客注や店頭分の補充発注がどしどし入っていますが、当面は安定供給できますので、この機会にどうぞご利用ください。
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by urag | 2011-01-11 17:04 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 09日

サンデル「ハーバード白熱教室」と、本日放送の小林正弥「白熱教室JAPAN」

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サンデル教授の「ハーバード白熱教室」がお正月に二夜連続で再放送された影響で、本屋さんでサンデル本が再び売れているようです。いくらなんでも元旦にやるとは正直驚きましたが、正月休みだからこそ見れる、という視聴者もいたことでしょう。年末には講義のDVDBOXが発売されたことですし、何度見直しても勉強になりますね。再放送された「ハーヴァード白熱教室」について復習されたい方は昨年10月に刊行された『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』(上下巻、早川書房)をぜひお読みください。

DVDBOXのほか、昨年末にはサンデル教授の六本木ヒルズでの講義が『日本で「正義」の話をしよう』(早川書房)として発売され、さらに「白熱教室」の解説でおなじみの小林正弥教授の『サンデルの政治哲学――〈正義〉とは何か』(平凡社新書)も刊行されました。『日本で「正義」の話をしよう』は本文が日英対訳で、来日の様子の写真も併載しています。六本木講義(小飼弾さんが出席していたあの講義です)でのあのお決まりの「発言者を指名するポーズ」や相手の発言をじっと聞いている様子、さらに八重洲BC本店を訪れた時のサイン会の写真も載っていて、ちょっとしたサンデル写真集としても楽しめます。講義の名手はこうも格好良いものなんだなと見惚れました。講義の様子は付録の2カ国語音声DVDで視聴でき、サンデル哲学を通じて英語の勉強もできるという、一粒で三度おいしい本になっています。

[DVDブック]日本で「正義」の話をしよう――サンデル教授の特別授業
マイケル・サンデル(Michael J. Sandel, 1953-)著 鬼澤忍訳 小林正弥監修・解説
早川書房 2010年12月 本体3,000円 A5判上製120頁 ISBN978-4-15-209179-6

版元紹介文より:教育や医療に市場原理を適用すべきか? 遺伝子工学が提起する倫理的問題とは? 一夜限りのエキサイティングな哲学教室を、英語・日本語完全対訳ブック+二カ国語音声DVDで贈る。英語学習にも最適な永久保存版!

目次:
プロローグ
議論(1)市場に道徳的な限界はあるか?
議論(2)バイオテクノロジー:遺伝子工学がもたらす危険
解説


一方、小林先生の『サンデルの政治哲学』ですが、売行良好につき現在版元品切のようです。間違いなく重版するでしょう。本書ではサンデル教授のこれまでの著書すべてが懇切に解説されていて、講義の名手としてのサンデルが彼自身としてはどんな哲学を唱えているかが明らかにされます。「ハーヴァード白熱講義」は受講者を啓蒙するための政治哲学入門ですからサンデル教授自身の個性は前面には出ていませんでしたが、小林先生の解説本ではサンデル哲学のオリジナリティが見えてきます。

サンデルの政治哲学――〈正義〉とは何か
小林正弥(こばやし・まさや、1963-)著
平凡社新書 2010年12月 本体940円 新書判376頁 ISBN978-4-582-85553-1

カバーソデ紹介文より:「ハーバード白熱教室」での鮮やかな講義と、核心を衝く哲学の議論で、一大旋風を巻き起こした政治哲学者マイケル・J・サンデル。彼自身の思想と「コミュニタリアニズム」について、サンデルがもっとも信頼を寄せる著者が、その全貌を余すところなく記した。全著作を一冊で読む。サンデル哲学の根源に迫る!

帯文より:「日本の読者に私の考えを紹介してくれている小林教授に、私は深く感謝している。長年にわたり多くを語りあっているので、彼の判断を私は信頼しており、私の政治哲学と同時代への示唆について、完全にそして深く、彼は理解してくれている」(マイケル・サンデル)。

目次:
はじめに──マイケル・サンデルの政治哲学の全体像
序 新しい「知」と「美徳」の時代へ──なぜ、このような大反響となったのか
第一講 「ハーバード講義」の思想的エッセンス──『正義』の探求のために
第二講 ロールズの魔術を解く──『リベラリズムと正義の限界』の解読
第三講 共和主義の再生を目指して──『民主政の不満』のアメリカ史像
第四講 「遺伝子工学による人間改造」反対論──『完成に反対する理由』の生命倫理
第五講 コミュニタリアニズム的共和主義の展開──『公共哲学』論集の洞察
最終講 「本来の正義」とは何か?──正義論批判から新・正義論へ
あとがき
文献案内


なお、本日(2011年1月9日)午後6時より、NHK教育テレビの1時間番組「白熱教室JAPAN」で、小林正弥教授(千葉大学公共哲学センター)の講義が放映されます。講義は全4回にわたり、今日の放送はその第1回「命の価値を議論する」になります。「白熱教室JAPAN」は日本の大学で行われている対話形式の講義を紹介するもので、第1弾は横浜市立大学国際総合科学部准教授で国際化推進センター長の上村雄彦先生の連続講義でした(昨年11月から12月にかけて全4回放映)。小林先生の講義は第2弾になります。

第1回「命の価値を議論する」2011年1月9日(日)午後6時
第2回「私を所有しているのは私?」2011年1月16日(日)午後6時
第3回「イラク日本人人質事件を議論する」2011年1月23日(日)午後6時
第4回「ウィキリークスに正義はあるのか」2011年1月30日(日)午後6時

***

関連催事についてさらにご案内します。来たる2月4日(金)午後3:00~6:30には、東京大学本郷キャンパス医学部教育研究棟14F鉄門記念講堂にてシンポジウム「ロールズ『正義論』と現代――自由・平等・友愛の社会へ」が開かれるとのことです。『正義論〔改訂版〕』の訳者である川本隆史先生(東京大学大学院教育学研究科)が「『正義論』の宇宙、再訪」と題した基調講演を行い、その後、井上達夫(東京大学大学院法学政治学研究科)、大沢真理(東京大学社会科学研究所)、盛山和夫(東京大学大学院人文社会系研究科)、森政稔(東京大学大学院総合文化研究科)の各氏をパネリストに迎え、川本さんとのパネルディスカッションが行われる予定です。定員280名、入場無料・要予約。予約申し込みは、東大生協本郷書籍部ホームページか、駒場書籍部ホームページから可能とのことです。当日限りで『正義論〔改訂版〕』が特価7000円だそうですよ。学外の方々も参加可能なようですが、念のため電話で確認されるのがいいかもしれません(本郷書籍部03-3811-5481)。【1月11日追記:駒場書籍部のご担当者Tさんに確認したところ、シンポジウム参加および記念特価は学外の方でもOKとのことでした。】
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by urag | 2011-01-09 02:26 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2011年 01月 08日

まもなく来日:ジャック・アタリの新刊2点

このほど作品社より発売された『国家債務危機』(原著は昨年刊行された"Tous ruines dans dix ans?")にあわせて、著者のジャック・アタリさんがまもなく来日し、都内3か所で講演会が開かれます。『国家債務危機』はロングセラーの『21世紀の歴史』(作品社、2008年)に負けないくらい売れる予感がします。『21世紀の歴史』は近未来世界の暗黒面を予見したものですが、『国家債務危機』は今ここにある危機を分析したものですから、リアリティがより深く胸に迫ります。作品社ではアタリの最新著『危機とサバイバル』も近刊予定とのこと。また、アタリの幅広い問題意識は、早川書房より昨年末刊行された『いま、目の前で起きていることの意味について』によくあらわれています。併せてのご購読をお薦めします。

◎ジャック・アタリ公開講演会予定(2011年1月14日~18日、『国家債務危機』刊行記念)

※3講演とも、日本語同時通訳あり。

◆《10年後は世界的危機か?――国債破綻とサバイバル》

日時:2011年1月15日(土)午後2時~3時30分(受付開始1時30分)
場所:慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール

講演者:
ジャック・アタリ
海江田万里(内閣府特命担当大臣/経済財政政策・科学技術政策担当)
土居丈朗(慶應義塾大学経済学部教授)
太田康彦(日本経済新聞社編集委員 兼 論説委員)

主催:慶應義塾大学経済学部
共催:フランス大使館
協賛:作品社
問い合わせ:慶應義塾大学経済学部(入場無料・事前登録制)


◆《グローバルな経済危機とミレニアム開発目標に向けての新しい途》

日時:2011年1月17日(月)午後4時20分~5時50分
会場:明治大学リバティホール1013教室(駿河台キャンパス・リバティタワー1F)
入場無料(予約不要・先着順)
問い合わせ:明治大学国際連携本部( TEL: 03-3296-4191)

http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0007294.html


◆《多極的世界とヨーロッパ・日本・アジア》

日時:1月18日(火)午後3時~4時30分
会場:中央大学多摩キャンパス(3号棟3115番教室)
入場無料(予約不要)

主催:中央大学
共催:フランス大使館
後援:作品社

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国家債務危機――ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?
ジャック・アタリ(Jacques Attali, 1943-)著 林昌宏訳
作品社 2011年1月 本体2,200円 四六判上製318頁 ISBN978-4-86182-307-7

帯文より:900兆円債務を抱えて、日本は10年後を展望できるのか? 〈過剰債務〉が、国家と世界の命運を決する――“欧州最高の知性”が、史上最大の公的債務に脅かされる先進諸国の今後10年を大胆に見通す! サルコジ大統領が、財政再建の“答え”を求めた書!

目次:
[日本語版序文]日本は、九〇〇兆円の債務を背負ったまま、未来を展望できるのか?
[序文]われわれは債務危機から逃れられるか?――いま世界は史上最大の過剰債務に脅かされている
第1章 公的債務の誕生――国家主権と債務の終わりなき攻防のはじまり
 1 債務という概念ができる前の「債務」
 2 イギリス――「主権債務」のはじまり
 3 イタリアの都市国家――「国債」と「公庫」の誕生
 4 フランス――「徴税請負人」の誕生
第2章 公的債務が、戦争、革命、そして歴史をつくってきた――覇権国家は必ず財政破綻に陥る
 1 次々に破産していった覇権国の債務システム
 2 フランス大革命前、財政に何が起きていたのか?
 3 アメリカ独立の鍵を握った「主権債務」
 4 旧体制の債務に翻弄されつづけたフランス革命政府
 5 債務に頼らず戦争をつづけたナポレオン
 6 一九世紀、平和を謳歌するヨーロッパと独立する中南米
 7 南北戦争によって借金体質へと回帰したアメリカ
第3章 20世紀、〈国民主権〉と債務の時代――全国民が責任を負うことになった国家の借金
 1 第一次大戦から、第二次大戦へ――国際金融システムの形成
 2 戦後の世界経済体制――インフレによる債務解消
 3 債務によってコントロールされる途上国――ワシントン・コンセンサス
 4 アメリカ型資本主義システム――主権債務をレバレッジに利用する
第4章 世界史の分岐点となった2008年――途上国から借金する先進国
 1 世界金融危機と激増する公的債務
 2 ワシントン・コンセンサスから、北京コンセンサスへ
 3 破綻寸前にまで激増した公的債務――徴候としてのギリシャ
第5章 債務危機の歴史から学ぶ12の教訓
 1 公的債務とは、親が子供に、相続放棄できない借金を負わせることである
 2 公的債務は、経済成長に役立つことも、鈍化させることもある
 3 市場は、主権者が公的債務のために発展させた金融手段を用いて、主権者に襲いかかる
 4 貯蓄投資バランスと財政収支・貿易サービス収支は、密接に結びついている
 5 主権者が、税収の伸び率よりも支出を増加させる傾向を是正しないかぎり、主権債務の増加は不可避となる
 6 国内貯蓄によってまかなわれている公的債務であれば、耐え得る
 7 債権者が債務者を支援しないと、債務者は債権者を支援しない
 8 公的債務危機が切迫すると、政府は救いがたい楽観主義者となり、切り抜けることは可能だと考える
 9 主権債務危機が勃発するのは、杓子定規な債務比率を超えた時よりも、市場の信頼が失われる時である
10 主権債務の解消には八つもの戦略があるが、常に採用される戦略はインフレである
11 過剰債務に陥った国のほとんどは、最終的にデフォルトする
12 責任感ある主権者であれば、経常費を借入によってまかなってはならない。また投資は、自らの返済能力の範囲に制限しなければならない
第6章 想定される「最悪のシナリオ」
 1 楽観的な主要先進国の指導者たち
 2 第一段階:国家の過剰債務が、さらに増大する
 3 第二段階:ユーロ破綻と世界的不況
 4 第三段階:ドル破綻と世界的インフレ
 5 第四段階: 世界的不況から、アジアの失速へ
第7章 「健全な債務」とそのレベルとは?
 1 公的債務の「過剰な増加」とは何か?
 2 「健全な公的債務」の使途と管理
 3 「健全なレベル」とは?――経済学はまったく役に立たない
第8章 フランスの過剰債務を例にとって考えてみると
 1 フランスの債務に対する挑戦と挫折の歴史
 2 フランスの公的債務の現状
 3 公的債務の今後の見通し
 4 フランスにおける「最悪のシナリオ」
 5 財政再建――未来から奪ったものを、未来に返す
 6 社会モデルの再定義――国家の領域と市場の領域を明確にする
 7 「健全な債務」のためのガバナンス
 8 「健全な債務」を実現するのは、断固たる政治的意志である
第9章 債務危機に脅かされるヨーロッパ――ユーロは破綻から逃れられるか?
 1 ヨーロッパの「最悪のシナリオ」
 2 財政危機の回避策――「ヨーロッパ債」
 3 ユーロの強化のために――「ヨーロッパ予算基金」
 4 ヨーロッパに必要な投資とは?
第10章 いま世界は、何をなすべきか?
 1 主権債務を管理するための世界的な枠組みとは?
 2 国際規模での債務の把握・長期分散・制御・管理・効果的利用
 3 世界経済の持続的成長と世界の富の秩序だった増加のために
[終わりに]債務についての哲学的なメモ

付録 アタリ政策委員会と「第二次報告書」の概要について――フランスは、本書の理念をどのように実践しようとしているのか? (林昌宏)
 1 「アタリ政策委員会」について
 2 「第一次報告書」(二〇〇八年一月発表)について
 3 「第二次報告書」(二〇一〇年一〇月一五日発表)について
 4 「第二次報告書」の構成
 5 「第二次報告書」が最緊急課題として掲げる「公的債務」対策の概要
訳者あとがき


いま、目の前で起きていることの意味について――行動する33の知性
ジャック・アタリ著 岩澤雅利+木村高子+加藤かおり訳
早川書房 2010年12月 本体3,000円 四六判上製446頁 ISBN978-4-15-209183-3

帯文より:民主主義、安全保障、暴力、平和、科学、無償、音楽、出版、芸術、家族、恋愛、宗教、女性……すべてを貫く〈意味〉とは何か。『21世紀の歴史』で世界を震撼させた「知の怪物」アタリと、現代ヨーロッパを代表する知性が喝破し尽くす革命的ダイアローグ/モノローグ23篇。

目次:
序文 現実に意味を与える〔ステファニー・ボンヴィシニ、ジャック・アタリ〕
第I部 世界
 1章 民主主義〔クリストフ・アギトン×マルセル・ゴーシェ〕
  民主主義の未来〔ジャック・アタリ〕
 2章 国際安全保障の問題点〔マルク・ペラン・ド・ブリシャンボー〕
  来るべき世界民主主義〔ジャック・アタリ〕
 3章 暴力のない世界は考えられるか〔マックス・ガロ×ルネ・ジラール〕
  暴力の将来〔ジャック・アタリ〕
 4章 中東の平和は世界平和につながるか〔ブトロス・ブトロス=ガリ×ジャック・アタリ〕
  中東の未来〔ジャック・アタリ〕
 5章 エイズ──求められる国際的連帯〔ミシェル・バルザック〕
  伝染病、貧困、ノマデイズム〔ジャック・アタリ〕
 6章 気候をめぐる諸問題〔ナタリー・コシュスコ=モリゼ×セドリック・デュ・モンソー〕
  気候の将来〔ジャック・アタリ〕
第II部 経済と政治
 7章 政治家の役割〔ミシェル・ロカール〕
  政治の未来〔ジャック・アタリ〕
 8章 金(マネー) 〔ジャン=クロード・トリシェ×グザヴィエ・エマニュエリ〕
  金〔ジャック・アタリ〕
 9章 保険の未来〔ドニ・ケスレール×ジャック・アタリ〕
10章 法の未来〔ジャン=ミシェル・ダロワ〕
  法の未来〔ジャック・アタリ〕
第III部 科学とテクノロジー
11章 科学の将来をめぐる断想〔クロード・アレーグル〕
  教育の未来〔ジャック・アタリ〕
12章 生命の未来〔ダニエル・コーエン〕
  健康の未来〔ジャック・アタリ〕
13章 科学──変わりつつある人格の概念〔アンリ・アトラン〕
  人間の生殖の未来〔ジャック・アタリ〕
第IV部 文化
14章 フランスの才能は果たして衰退しているのか?〔エリック・ルセルフ×エリック・オルセナ〕
  フランスの将来〔ジャック・アタリ〕
15章 変化する音楽界〔ドミニク・メイエール×パトリク・ゼルニク〕
  音楽の将来〔ジャック・アタリ〕
16章 文学および演劇、芸術それとも娯楽?〔クロード・デュラン×ダニエル・メズギッシュ〕
  書籍、興行および娯楽の未来〔ジャック・アタリ〕
17章 現代社会における無償(フリー)の新たな位置づけ〔ロラン・カストロ×ベルナール・ミエ〕
  無料性の将来〔ジャック・アタリ〕
第V部 社会
18章 女性の地位は世界中で低下しているのか?〔シモーヌ・ヴェイユ〕
  二一世紀は女性の世紀か?〔ジャック・アタリ〕
19章 宗教は我々の行く末を規定するか?〔マレク・シェベル〕
  レゴ宗教〔ジャック・アタリ〕
20章 激動する家族と恋愛関係〔フィリップ・ソレルス×クリストフ・ジラール〕
  愛の将来〔ジャック・アタリ〕
21章 労働──新たな慣行、それとも新たな不安定さ?〔ヴァンサン・シャンパン×ジャン=フィリップ・クルトワ〕
  労働の未来〔ジャック・アタリ〕
22章 麻薬──気晴らしの極端なかたち?〔ウィリアム・ローウェンスティン〕
  薬物の未来〔ジャック・アタリ〕
23章 時間〔ジャック・アタリ〕
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by urag | 2011-01-08 23:52 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)