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2010年 10月 31日

サンデル新刊および近刊予定、さらにロールズ『正義論』新訳

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★サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』(早川書房)はついに発行部数が60万部を突破したそうです。近年の哲学書としてはモンスター級の売行きです。そしていよいよ今月(2010年10月)、NHK「白熱教室」の翻訳台本が書籍化されました。テレビを見た方にも見ていない方にもぜったいお薦め。学生とのやり取りを含めた会話調の講義録ですから、『これからの』よりもさらに読みやすいです。

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(
マイケル・サンデル(1953-)著 NHK「ハーバード白熱教室」制作チーム+小林正弥+杉田晶子訳
早川書房 2010年10月 本体各1,400円 ISBN978-4-15-209168-0/ISBN:978-4-15-209169-7

◆版元紹介文より
殺人に正義はあるか? 命に値段はつけられるか? 空前の「正義の哲学」ブームを呼んだサンデル教授の対話型人気講義。NHKで放送された全24コマのスクリプトに加え、安田講堂での講義も収録。

◆カバーソデ紹介文より
【上巻】私たちの暮らしにひそむ哲学の根源的なテーマを鮮やかに取り出し、古今の哲学者の思想を織り交ぜながら、刺激に満ちた議論が繰り広げられる。ハーバード大学史上屈指の人気を誇る名講義の書籍化。上巻は、NHK教育テレビで放送された「ハーバード白熱教室」の第1回~6回まで、および2010年8月に行なわれた東京大学特別授業の前篇「イチローの年俸は高すぎる?」を収録。
【下巻】現代社会のアクチュアルな問いに切りこむ斬新な哲学対話が、世界の見方を大きく変える。知的興奮に満ちた議論は、感動のフィナーレへ。下巻は、NHK教育テレビで放送された「ハーバード白熱教室」の第7回~12回まで、および2010年8月に行なわれた東京大学特別授業の後篇「戦争責任を議論する」を収録。

◆目次
【上巻】
本書を読むにあたって
第1回 殺人に正義はあるか
 レクチャー1 犠牲になる命を選べるか
 レクチャー2 サバイバルのための「殺人」
第2回 命に値段をつけられるのか
 レクチャー1 ある企業のあやまち
 レクチャー2 高級な「喜び」 低級な「喜び」
第3回 「富」は誰のもの?
 レクチャー1 「課税」に正義はあるか
 レクチャー2 「私」を所有しているのは誰?
第4回 この土地は誰のもの?
 レクチャー1 土地略奪に正義はあるか
 レクチャー2 社会に入る「同意」
第5回 お金で買えるもの 買えないもの
 レクチャー1 兵士はお金で雇えるか
 レクチャー2 母性 売り出し中
第6回 なぜ人を使ってはならないのか
 レクチャー1 自分の動機に注意
 レクチャー2 道徳性の最高原理
東京大学特別授業[前篇]――イチローの年棒は高すぎる?

【下巻】
本書を読むにあたって
第7回 嘘をつかない教訓
 レクチャー1 「嘘」と言い逃れ
 レクチャー2 契約は契約か?
第8回 能力主義に正義はない?
 レクチャー1 勝者に課せられるもの
 レクチャー2 私の報酬を決めるのは……
第9回 入学資格を議論する
 レクチャー1 私がなぜ不合格?
 レクチャー2 最高のフルートは誰の手に
第10回 アリストテレスは死んでいない
 レクチャー1 ゴルフの目的は歩くこと?
 レクチャー2 奴隷制に正義あり?
第11回 愛国心と正義 どちらが大切?
 レクチャー1 善と全が衝突する時
 レクチャー2 愛国心のジレンマ
第12回 善き生を追求する
 レクチャー1 同性結婚を議論する
 レクチャー2 正義へのアプローチ
東京大学特別授業[後篇]――戦争責任を議論する

★「白熱教室」は近くDVD全6巻も発売されます。NHK教育テレビの全12回の放送を2回ずつ収録しているとのことです。

『NHKDVD ハーバード白熱教室』12月8日発売
発行:NHKエンタープライズ 販売元:ポリドール映像販売会社
字幕:1=日本語、2=英語(講義部分のみ)
音声:1=日本語&英語、2=英語(講義部分のみ)
仕様:片面2層、16:9LB、ステレオ、ドルビーデジタル

DVDBOX(全6巻+ボーナスディスク)税込17,640円、品番POBD-25901・・・本編696分。全講義解説ブックレット付(千葉大学教授・小林正哉氏)。ボーナスディスク――内容〈1〉「ハーバード白熱教室@東京大学」(2010年10月3日・10日にNHK教育テレビにて放送)。内容〈2〉サンデル教授スペシャルインタビュー(未放送映像含)。
DVD単巻(1~6巻)税込各2,940円、品番POBD-25008~25013・・・本編各118分。収録講義解説リーフレット付。

★さらに早川書房では、8月27日に六本木で行われた来日講義「第15回ハヤカワ国際フォーラム with アカデミーヒルズ――マイケル・サンデル教授特別講義・日本版」(「ニコニコ生放送」でも中継)を、DVDブックとして12月末に発売するとのことです。本は日英対訳、DVDは音声2カ国語と聞いています。

日本で「正義」の話をしよう――サンデル教授の特別授業 DVDブック(仮題)
小林正弥監修・解説 鬼澤忍訳
早川書房 2010年12月 定価未定 46版上製

★これらに続いて、勁草書房では『民主政の不満――公共哲学を求めるアメリカ』下巻が来春刊行予定。『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』やNHKDVDの解説を担当されている小林正弥さんがサンデルの主要著書5点を平明に紹介した『サンデル教授の政治哲学』(平凡社新書)もまもなく発売される予定で、bk1では現在予約受付中です。

★DVD、DVDブック、そして新刊と、サンデル・ブームは留まるところを知りません。業界の早耳によれば、サンデルの既刊原書の日本語訳版権はすべて売れてしまっているそうですから、まだまだ本が出続けることでしょう。ロールズ『正義論〔改訂版〕』もまもなく発売されますし(後述)、日本の研究者による正義論もすでに出始めています(仲正昌樹『ポストモダンの正義論――「右翼/左翼」の衰退とこれから』双書Zero:筑摩書房)から、本屋さんの人文書売場では「正義論」棚が生成されていくことになるのではないでしょうか。

★なお、『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上・下)』に先立ち、京都の人文系版元・ナカニシヤ出版からは以下の新刊が発売済みです。こちらは生命倫理学をテーマにした一冊。ブームに先んじて翻訳作業が始まっていたもので、サンデル需要が急激に高まっている現今のタイミングで出版されたことは読者にとって幸運でした。

完全な人間を目指さなくてもよい理由――遺伝子操作とエンハンスメントの倫理
マイケル・J・サンデル著 林芳紀(1974-)+伊吹友秀(1981-)訳
ナカニシヤ出版 2010年10月 本体1,800円 四六判上製194頁 ISBN978-4-7795-0476-1

◆版元紹介文より
いま話題の政治哲学者が、遺伝子操作やドーピングなど医学的手段による能力向上がはらむ倫理的問題について「贈られものとしての生」という洞察から熱く真摯に語った、人間とテクノロジーについて考える上で必読の一冊。

◆原書
The Case against Perfection: Ethics in the Age of Genetic Engineering, Belknap Press, 2007.

◆目次
序言
第一章 エンハンスメントの倫理
 不安の明確化
 遺伝子操作
  筋肉
  記憶
  身長
  性選択
第二章 サイボーグ選手
 スポーツの理想――努力 対 天賦の才
 パフォーマンスの向上――ハイテクとローテク
 ゲームの本質
第三章 設計される子ども、設計する親
 形取りと見守り
 子どものパフォーマンスへの圧力
第四章 新旧の優生学
 旧来の優生学
 自由市場優生学
 リベラル優生学
第五章 支配と贈与
 謙虚、責任、連帯
 反論
 支配のプロジェクト
エピローグ 胚の倫理――幹細胞論争
 幹細胞の諸問題
 クローン胚と予備胚
 胚の道徳的地位
  論証の分析
  含意の追求
  尊重の担保
原注
訳注
訳者解題
訳者あとがき
事項索引
人名索引

★サンデル・ブームに先立ち、人文書業界で長い間再刊が待ち望まれていたもうひとつの正義論があります。その本はサンデルもしばしば参照している名著で、1971年に原著が刊行されて以来、30カ国語以上で翻訳されています。その本はジョン・ロールズの主著『正義論』です。11月18日、ついに紀伊國屋書店より改訂版が発売になります。旧版は、矢島鈞次監訳で1979年に発売され、1994年11月に8刷が出たことまで確認済。その後、講談社の「現代思想の冒険者たち」シリーズ第23巻として、1997年4月に川本隆史『ロールズ――正義の原理』が刊行され、巻末の「主要著作ダイジェスト」において川本先生はこう書かれたのでした。「実はこの本を書きあげたら『正義論』の新訳にとりかかる相談を、出版社と内々に進めている。読みやすい日本語に直して、できるだけ早めに読者に提供したい」(283-284頁)。それが今回実現したことになります。なお、「主要著作ダイジェスト」では、ロールズが1993年に上梓した『政治的リベラリズム』が岩倉正博訳で紀伊國屋書店で準備中、と特記されていましたが、現時点では未刊です。

正義論〔改訂版〕
ジョン・ロールズ(John Rawls:1921-2002)著 川本隆史(1951-)+福間聡(1973-)+神島裕子(1971-)訳
紀伊國屋書店 2010年11月 本体7,500円 A5判上製844頁 ISBN978-4-314-01074-0

◆版元紹介文より
現代リベラリズムの代表的論者が、正義とは何かを徹底的に追求するなかで、社会契約の伝統的理論を一般化し、功利主義に取って代わりうる正義の構想を明らかにする古典的名著。1999年の原著改訂版を新訳。

◆同書刊行予告パンフレットより
正義とはなにか。個人のかけがえのなさと自由が認められること、社会が誰にとっても暮らしやすいものであること。「最大幸福原理」のみを追求する功利主義の克服をめざしたロールズは、社会契約説を現代の視点から再構成した「正義の似原理」を提唱する。第一に、社会生活の基本をなす「自由」を、平等に分配すべきこと(平等な自由の原理)。第二に、地位や所得の不平等は、二つの条件――〈1〉最も不遇な人びとの暮らし向きを最大限改善する、〈2〉機会均等のもと、地位や職務を求めて全員が公正に競いあう――を充たすように、編成されるべきこと(格差〔是正〕原理と公正な機会均等の原理)。「生まれつき恵まれた立場におかれた人びとは誰であれ、運悪く力負けした人びとの状況を改善するという条件に基づいてのみ、自分たちの幸運から利益を得ることが許される」。この画期的な分配原理こそ、〈自由で平等な人びとが友愛の絆で結ばれた社会〉を実現する出発点になるだろう。時代の困難を見据えて、《公正としての正義》の意味を21世紀に問い直す。

◆「訳者あとがき」より
共同性(コミュニティ)という概念を基礎にすれば、信仰と愛を再定位できる。こう見通していた出征前のロールズは、戦争の悲惨さと生存の偶然性を突きつけられるうちに、宗教的な倫理からの離脱を余儀なくされ、神の正義(裁き)ではなく《社会》の正義(まともさ)へと関心を向け変える。その模索のひとつの到達点を『正義論』が示している。ロールズもまた、アウシュヴィッツ(そしてヒロシマ・ナガサキ)以降を生きて考え抜こうとしていた。そのことを忘れずにいよう。

◆「担当編集者コメント」より
本書は、1971年に刊行された『正義論』(旧邦訳は同書のドイツ語訳にあたって作成された修正リストをもとに1979年、紀伊國屋書店から刊行、現在品切中)の改訂版(1999年刊)を新たに訳出したものです。3部9章87節の構成は初版と変わりませんが、初版刊行後ロールズに寄せられた批判、指摘をもとに「自由(の優先権)」「基本財」の説明などに訂正が施されました。改訂版翻訳にあたっては、多くの〔訳注〕をつけ読者の「読みやすさ」を考慮するとともに、原注の引用文献の翻訳版刊行情報を充実させ、また事項索引、人名索引を付し、ロールズ研究の便を図っています。

★本書の刊行を記念し、以下のトークイベントが行われます。

社会と心の《正義》を求めて――『正義論〔改訂版〕』新訳刊行記念セミナー
講師:香山リカ、竹田青嗣、川本隆史
日時:2010年11月22日(月)19:00開演(18:30開場)
会場:紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)

内容:いま注目のキーワード《正義》。しかし、そもそも《正義》とは何かについて、誰も語りつくせてはいない。「個人のかけがえのなさと自由が認められること、社会が誰にとっても暮らしやすいものであること」―― 新訳となったロールズの『正義論』を読み解き、《正義》の原点に迫るトークライブ。ロールズの構想〈公正としての正義〉は私たちの暮らしを変えることができるのか?

料金:1,000円(税込・全席指定)
前売取扱:キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00~18:30)、紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00~18:30)
電話予約・お問合せ:紀伊國屋サザンシアター(TEL 03-5361-3321、10:00~18:30)

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by urag | 2010-10-31 23:57 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 29日

三越前駅出口直結、タロー書房が新装開店

日本橋三越本店の向かいで営業していた「タロー書房」さんが、昨日開業した「COREDO室町」のB1Fに移動してリニューアルオープンされました。「COREDO室町」は東京メトロ銀座線「三越前駅」A6出口直結の複合ビルで、地下1階から4階までが25の個性的なレストランと老舗ショップ、5階と6階は日本橋地区最大級の多目的ホール「日本橋三井ホール」です。「タロー書房」さんは「三越前駅」の改札を出てすぐ目の前にある好立地。店内設計は什器(書棚)も含め、九州新幹線「つばめ」を手掛けられた水戸岡鋭治さんによるもの。水戸岡さんが書店空間のデザインを手がけられるのは今回がはじめてとのことです。「木製の書棚」と「本にやさしいLEDを採用した書架照明が醸し出す、落ち着いた雰囲気」(店舗紹介より)で、大人の雰囲気がただよう、上質かつ洒脱な空間になっています。

都心の一等地で、チェーン店以外の独立系書店が開業するのは昨今では稀なことで、帳合のNにとっては「3~4年ぶり」の出来事だとか。タロー書房さんのリニューアルオープンはとても挑戦的な「事件」だと言えます。「精神の散歩道」を標榜していらっしゃる「タロー書房」さんですが、「タロー」の独特のロゴタイプは、岡本太郎さんによるもの。今回のリニューアルオープンでは、買い物をしたお客様にオリジナルブックカバーを無料配布されていますが、そこでもあの独特の「タロー」のロゴが印刷されています。現在取締役社長をつとめられているのは、元八重洲BC本店店長の宍戸哲郎さん。御縁があって今回私めが、エントランス入ってすぐの催事台で展開中の「哲学の広場」フェアの選書協力をいたしました。メインとなるのは、今年のベストセラーであるサンデル『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房)を中心とした正義論関連書で、そのほかに、「哲学の小部屋」というお題のもとに選書した名著や入門が並びます。ビジネスマンやお買い物のご婦人方の多い立地の書店で、入っていきなりこういう硬い本が並んでいるのは、宍戸さんの優れたご判断とセンスの賜物です。

店内が混んでいたものですから、お客様の顔が見えないように写真を撮るのが難しく、地下鉄出口から見た外観と、入ってすぐのフェア台のみ、大きめの写真を掲載します。ほかの店内写真はプライバシーに配慮するために小さいものだけでご勘弁を。LED照明はとても明るいです。なにより開店したての本屋さんのフレッシュな美しさは一見の価値ありです。ぜひお立ち寄りください。

タロー書房
COREDO室町 地下一階
営業時間……月~金(8:00~21:00)、土・日・祝(10:00~20:00)。
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最後に、「哲学の小部屋」のお題で私が選書した本のリスト(2010年9月30日作成)をご参考までに公開します。フェアではこれらの中から選抜された本が並んでいます。

■新書「名著解説」の部屋(10点)
現代哲学の名著―20世紀の20冊 (中公新書) 熊野純彦編 2009/5
現代政治学の名著 (中公新書) 佐々木毅 1989/4
新・現代歴史学の名著―普遍から多様へ (中公新書) 樺山紘一 2010/3
歴史学の名著30 (ちくま新書) 山内昌之 2007/4
宗教学の名著30 (ちくま新書) 島薗進 2008/9
社会学の名著30 (ちくま新書) 竹内洋 2008/4
経済学の名著30 (ちくま新書) 松原隆一郎 2009/5
政治学の名著30 (ちくま新書) 佐々木毅 2007/4
名著解題 (教職課程新書) 寺崎昌男・増井三夫・古沢常雄編 2009/10
世界がわかる理系の名著 (文春新書) 鎌田浩毅 2009/2

■新書「哲学入門」の部屋(10点)
中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ (ちくまプリマー新書) 竹田青嗣 2009/7
高校生のための哲学入門 (ちくま新書) 長谷川宏 2007/7
哲学入門一歩前―モノからコトヘ (講談社現代新書) 廣松渉 1988/9
哲学入門―生き方の確実な基礎 (中公新書) 中村雄二郎 1967/9
哲学入門 (岩波新書) 三木清 1976/5
哲学マップ (ちくま新書) 貫成人 2004/7
哲学は人生の役に立つのか (PHP新書) 木田元 2008/10
哲学は図でよくわかる 図解でスッキリ超入門 (青春新書INTELLIGENCE) 白取春彦 2008/12
西洋哲学の10冊 (岩波ジュニア新書) 左近司祥子 2009/1
ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書) 岩田靖夫 2003/7

■新書館「ハンドブック・シリーズ」の部屋(10点)
哲学の古典101物語 木田元編 1998/2
哲学者群像101 木田元編 2003/4
哲学キーワード事典 木田元編 2004/10
図説・標準 哲学史 貫成人著 2008/1
現代思想ピープル101 今村仁司編 1999/10
現代思想フォーカス88 木田元編 2000/12
現代批評理論のすべて 大橋洋一編 2006/3
日本思想史ハンドブック 苅部直・片岡龍著 2008/2
社会学の知33 大澤真幸編 2000/3
経済学88物語 根井雅弘編 1997/1

■作品社「知の攻略・思想読本」の部屋(10点)
ポスト〈東アジア〉 孫歌・白永瑞・陳光興編 2006/2
1968 絓〔すが〕秀実編 2005/1
“ポスト”フェミニズム 竹村和子編 2003/7
グローバリゼーション 伊豫谷登士翁編 2002/11
歴史認識論争 高橋哲哉編 2002/10
韓国 川村湊編 2002/5
20世紀日本の思想 成田龍一・吉見俊哉編 2002/2
ポストコロニアリズム 姜尚中編 2001/11
マルクス 今村仁司編 2001/4
ヘーゲル 長谷川宏編 2000/10

■青土社「現代思想」の部屋(10点)
ドラッカー―マネジメントの思想 2010/8
ベーシックインカム―要求者たち 2010/6
教育制度の大転換―現場はどう変わるのか 2010/4
経済学の使用法―キーパーソンは誰か 2009/8
ケインズ―不確実性の経済学 2009/5
ケアの未来―介護・労働・市場 2009/2
裁判員制度―死刑を下すのは誰か 2008/10
吉本隆明―肯定の思想 2008/8臨時増刊
ゲーム理論―非合理な世界の合理性 2008/8
ニューロエシックス―脳改造の新時代 2008/6

■ナツメ社「図解雑学」の部屋(10点)
現代思想 小阪修平 2004/4
哲学 貫成人 2001/7
倫理 鷲田小彌太 2005/2
諸子百家 浅野裕一 2007/5
ディベート 鈴木勉 2006/11
パラドクス 富永裕久 2004/3
環境問題 安井至 2008/7
心と脳の関係 融道男 2005/10
下ヨシ子の死後の世界 下ヨシ子 2008/3
横割り世界史 武光誠編著 2006/4

■徳間書店「現代人の古典」の部屋(10点)
不動智神妙録 沢庵宗彭/池田諭訳 1990/1
往生要集 源信/花山勝友訳 1972/11
五輪書 宮本武蔵/神子侃訳 1963/8
剣禅話 山岡鉄舟/高野澄訳 1971/1
武道秘伝書 吉田豊編 1968/4
武家の家訓 吉田豊編訳 1972/12
留魂録 吉田松陰/古川薫訳 1990/10
諸葛孔明の兵法 諸葛孔明/守屋洋訳 1977/1
貞観政要 呉兢/守屋洋訳 1996/8
呻吟語 呂新吾/守屋洋編訳 1987/1

■小学館「日本の古典をよむ」の部屋(10点)
古事記 山口佳紀ほか校訂・訳 2007/7
日本書紀(上) 小島憲之ほか校訂・訳 2007/9
日本書紀(下)・風土記 小島憲之ほか校訂・訳 2007/9
竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語 片桐洋一ほか校訂・訳 2008/5
大鏡・栄花物語 橘健二ほか校訂・訳 2008/11
今昔物語集 馬淵和夫ほか校訂・訳 2008/8
平家物語  市古貞次校訂・訳 2007/7
方丈記・徒然草・歎異抄 鴨長明・吉田兼好・親鸞 2007/10
宇治拾遺物語・十訓抄 小林保治ほか校訂・訳 2007/12
太平記 長谷川端校訂・訳 2008/3

■明治書院「新書漢文大系」の部屋(10点)
老子 2002/7
論語 2002/7
孫子 2002/7
墨子 2007/5
列子 2004/6
孟子 2002/7
荘子 2002/7
荀子 2004/6
韓非子 2002/7
淮南子 2007/5

■学研「ブックス・エソテリカ」の部屋(10点)
神秘学の本―西欧の闇に息づく隠された知の全系譜 綾部恒雄ほか 1996/11
占星術の本―人間の運命を支配する天界の神秘学 藤巻一保ほか 2003/9
性愛術の本―道教の房中術と秘密のヨーガ 藤巻一保 2006/2
呪術の本―禁断の呪詛法と闇の力の血脈 藤巻一保ほか 2003/1
風水の本―天地を読み解き動かす道教占術の驚異 坂出祥伸ほか 1998/11
古事記の本―高天原の神々と古代天皇家の謎 斎藤英喜ほか 2006/7
古神道の本―甦る太古神と秘教霊学の全貌 武田崇元ほか 1994/7
神仙道の本―秘教玄学と幽冥界への参入 大宮司朗・藤巻一保 2007/3
修験道の本―神と仏が融合する山界曼荼羅 村山修一ほか 1993/11
陰陽道の本―日本史の闇を貫く秘儀・占術の系譜 藤巻一保ほか 1993/4

■西洋古典編「中公クラシックス」の部屋(10点)
エネアデス(抄、全2巻) プロティノス/田中美知太郎ほか訳 2007/11
痴愚神礼讃 エラスムス/渡辺一夫ほか訳 2006/9
エティカ スピノザ/工藤喜作ほか訳 2007/1
モナドロジー・形而上学叙説 ライプニッツ/清水富雄ほか訳 2005/1
哲学書簡・哲学辞典 ヴォルテール/中川信ほか訳 2005/10
エセー(全3巻) モンテーニュ/荒木昭太郎訳 2002-2003
意志と表象としての世界(全3巻) ショーペンハウアー /西尾幹二訳 2004/8-10
イデオロギーとユートピア マンハイム/高橋徹ほか訳 2006/2
ユートピアだより ウィリアム・モリス/五島茂ほか訳 2004/5
論理哲学論 ウィトゲンシュタイン/山元一郎訳 2001/7/10

■東洋古典編「中公クラシックス」の部屋(10点)
法華義疏(抄)・十七条憲法 聖徳太子/瀧藤尊教ほか訳 2007/5
葉隠(全2巻) 奈良本辰也ほか訳 2006/7
養生訓ほか 貝原益軒/松田道雄訳 2005/12
蘭学事始ほか 杉田玄白/芳賀徹ほか訳 2004/7
折りたく柴の記 新井白石/桑原武夫訳 2004/6
文明の生態史観ほか 梅棹忠夫 2002/11
良寛道人遺稿 柳田聖山解説 2002/10
狂雲集 一休宗純/柳田聖山訳 2001/4
伝習録 王陽明/溝口雄三訳 2005/9
臨済録 柳田聖山訳 2004/2

■「角川ソフィア文庫」の部屋(10点)
空海「秘蔵宝鑰」―こころの底を知る手引き 2010/4
空海「三教指帰」 2007/9
日蓮「立正安国論」「開目抄」 2010/4
道元「典座教訓」―禅の食事と心 2009/7
選択本願念仏集―法然の教え 角川ソフィア文庫 2007/5
日本的霊性 完全版 鈴木大拙 2010/3
西郷隆盛「南洲翁遺訓」 2007/4
福沢諭吉「学問のすすめ」 2006/2
風姿花伝・三道〔現代語訳付〕世阿弥 2009/9
新訳 茶の本 岡倉天心 2005/1

■中公文庫「大乗仏典」の部屋(10点)
般若部経典―金剛般若経・善勇猛般若経 長尾雅人ほか訳 2001/7
八千頌般若経(全2巻) 梶山雄一ほか訳 2001/8-9
法華経(全2巻) 松濤誠廉ほか訳 2001-2002
浄土三部経 山口益ほか訳 2002/3
維摩経・首楞厳三昧経 長尾雅人ほか訳 2002/8
十地経 荒牧典俊訳 2003/6
宝積部経典―迦葉品・護国尊者所問経・郁伽長者所問経 長尾雅人ほか訳 2003/9
三昧王経(全2巻) 田村智淳ほか訳 2003-2004
如来蔵系経典 髙崎直道訳 2004/4
ブッダ・チャリタ(仏陀の生涯) 原実訳 2004/8

■中公文庫「名著古典」の部屋(10点)
ユートピア〔改版〕 トマス・モア/澤田昭夫訳 1993/4
パンセ パスカル/前田陽一ほか訳 1973/12
ホモ・ルーデンス ホイジンガ/高橋英夫訳 1973/8
人口論 マルサス/永井義雄訳 1973/9
ツァラトゥストラ ニーチェ/手塚富雄訳 1973/6
ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学 フッサール/細谷恒夫ほか訳 1995/6
ドイツの悲劇 マイネッケ/矢田俊隆訳 1974/11
精神分析学入門 フロイト/懸田克躬訳 1973/11
自殺論 デュルケーム/宮島喬訳 1985/9
死ぬ瞬間―死とその過程について エリザベス・キューブラー・ロス/鈴木晶訳 2001/1

■講談社学術文庫「名著古典」の部屋(10点)
ソクラテス以前の哲学者 廣川洋一 1997/11
ソクラテスの弁明・クリトン プラトン/三嶋輝夫ほか訳 1998/2
マルクス・アウレリウス「自省録」 鈴木照雄訳 2006/2
共産党宣言・共産主義の諸原理 マルクス+エンゲルス/水田洋ほか 2008/12
簡素な生活 シャルル・ヴァグネル/大塚幸男 2001/5
森の生活―ウォールデン ソロー/佐渡谷重信訳 1991/3
スモール・イズ・ビューティフル―人間中心の経済学 シューマッハー/小島慶三ほか訳 1986/4
菜根譚 中村璋八・石川力山 1986/6
中国古典名言事典 諸橋轍次 1979/3
純粋な自然の贈与 中沢新一 2009/11

■岩波書店「名著古典」の部屋(10点)
生の短さについて 他二篇 セネカ/大西英文訳 2010/3
無限、宇宙および諸世界について ブルーノ/清水純一訳 1982/4
カラクテール(全3冊) ラ・ブリュイエール/関根秀雄訳 1952-1953
ホイットマン詩集 草の葉(全3冊) ホイットマン/杉木喬ほか訳 1998年1-3(下巻品切)
日本の弓術 オイゲン・ヘリゲル/柴田治三郎訳 1982/10
倫理学(全4巻) 和辻哲郎 2007/1-4
幸福論 三谷隆正 1992/1
幸福論(全3冊) ヒルティ/草間平作ほか訳 1935-1965
アラン 幸福論 神谷幹夫訳 1998/1
ラッセル幸福論 安藤貞雄訳 1991/3

■光文社古典新訳文庫「名著古典」の部屋(10点)
純粋理性批判(全7巻、既刊3巻) カント/中山元訳 2010/1~
永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 カント/中山元訳 2006/9
人間不平等起源論 ルソー/中山元訳 2008/8
善悪の彼岸 ニーチェ/中山元訳 2009/4
経済学・哲学草稿 マルクス/長谷川宏訳 2010/6
人はなぜ戦争をするのか・エロスとタナトス フロイト/中山元訳 2008/2
幻想の未来/文化への不満 フロイト/中山元訳 2007/9
永続革命論 トロツキー/森田成也訳 2008/4
帝国主義論 レーニン/角田安正訳 2006/10
訴訟 カフカ/丘沢静也訳 2009/10

■ちくま学芸文庫「名著古典」の部屋(10点)
方法序説 ルネ・デカルト/山田弘明訳 2010/8
デカルトの誤り─情動、理性、人間の脳 アントニオ・ダマシオ/田中三彦訳 2010/7
ゲーテ形態学論集(動物篇・植物篇) 木村直司編訳 2009/3-4
創造的進化 アンリ・ベルクソン/合田正人ほか訳 2010/9
大衆の反逆 オルテガ・イ・ガセット/神吉敬三訳 1995/6
贈与論 マルセル・モース/吉田禎吾ほか訳 2009/2
呪われた部分―有用性の限界 ジョルジュ・バタイユ/中山元訳 2003/4
明かしえぬ共同体 モーリス・ブランショ/西谷修訳 1997/6
死を与える ジャック・デリダ/廣瀬浩司ほか訳 2004/12
アントニオ・ネグリ講演集(全2巻) アントニオ・ネグリ/上村忠男ほか訳 2007/8

■河出文庫「名著古典」の部屋(10点)
神曲(全3巻:地獄篇・煉獄編・天国篇) ダンテ/平川祐弘訳 2008-2009
閨房哲学 マルキ・ド・サド/澁澤龍彦訳 1992/4
毛皮を着たヴィーナス ザッヘル・マゾッホ/種村季弘訳 2004/6
眼球譚[初稿] ジョルジュ・バタイユ/生田耕作訳 2003/5
神の裁きと訣別するため アントナン・アルトー/宇野邦一ほか訳 2006/7
かくも不吉な欲望 ピエール・クロソウスキー/大森晋輔ほか訳 2008/11
ピエール・リヴィエール―殺人・狂気・エクリチュール ミシェル・フーコー編著/慎改康之ほか訳 2010/8
千のプラトー(全3巻) ドゥルーズ+ガタリ/宇野邦一ほか訳 2010/9-11
アンチ・オイディプス(全2巻) ドゥルーズ+ガタリ/宇野邦一訳 2006/10
現代文訳 正法眼蔵(全5巻) 道元/石井恭二訳 2004/7-11

■平凡社「平凡社ライブラリー」の部屋(10点)
丸山眞男セレクション 杉田敦編 2010/4
藤田省三セレクション 市村弘正編 2010/5
廣松渉哲学論集 熊野純彦編 2009/9
倫理21 柄谷行人 2003/6
ニーチェ・セレクション 渡邊二郎編 2005/9
プルードン・セレクション 河野健二編 2009/5
フッサール・セレクション 立松弘孝編 2009/1
ヴァレリー・セレクション(上・下) 東宏治・松田浩則編訳 2005/2-4
ウィトゲンシュタイン・セレクション 黒田亘編 2000/2
夢・アフォリズム・詩 カフカ/吉田仙太郎編訳 1996/6

■漫画家の部屋(10点)
貝原益軒の養生訓 貝原益軒/ジョージ秋山訳著 海竜社 2010/2
聖書 (全6巻、幻冬舎文庫) ジョージ秋山 2008-2009
風の谷のナウシカ (全7巻、アニメージュ・コミックス・ワイド版) 宮崎駿 1985-1995
シュナの旅 (アニメージュ文庫) 宮崎駿 1983/6
ナムジ/神武 (全4巻/全4巻、中公文庫) 安彦良和 1997/9-10/1997/11-12
日出処の天子 (全7巻、白泉社文庫) 山岸凉子 1994/3
カムイ外伝(全12巻、小学館文庫) 白土三平 1997-1998
Black Jack (全17巻、秋田文庫) 手塚治虫 1993-2007
汝、神になれ鬼になれ(集英社文庫)諸星大二郎 2004/11
るきさん (ちくま文庫) 高野文子 1996/12
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by urag | 2010-10-29 21:46 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 27日

佐々木中さん選書フェア(『切りとれ、あの祈る手を』刊行記念)

河出書房新社さんの好評新刊『切りとれ、あの祈る手を』(縮めて『切手』と言うそうです)の刊行を記念して、著者の佐々木中さんによる選書フェアが都内各店で始まっています。『切手』は売行良好で論壇内外の評判も良く、来月には重版も出来上がるそうですよ。

◎「佐々木中選書フェア」

場所:ブックファースト渋谷文化村通り店 地下2階 人文書売り場
場所:リブロ池袋店 書籍館1階 人文書売り場(レジ横、柱周り)
期間:2010年11月中旬まで(予定。売行次第で延長もあり)

他書店さんでも随時開催予定と聞いています。上記2店舗の店頭写真を河出書房新社さんからご提供いただきましたので、掲載します。上がブックファースト、下がリブロです。

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フェアで展開中の書目はおよそ40点で、店頭では佐々木さんがそれぞれに付したコメントを読むことができますので、ぜひご来店を。遠くて行けない、という方のために以下に主な書目をご参考までに挙げておきます。

ミシェル・フーコー『知への意志』新潮社
中井久夫『アリアドネからの糸』みすず書房
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン「確実性の問題」(『ウィトゲンシュタイン全集9』所収)大修館書店
ジャック・ラカン『精神分析の四基本概念』岩波書店
『ランボー全詩集』ちくま文庫/河出文庫
マルティン・ハイデガー『存在と時間』(全2巻)ちくま学芸文庫
フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラ』中公文庫
ヘンリー・ミラー『南回帰線』講談社文芸文庫
サミュエル・ベケット『名づけえぬもの』白水社
ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』(全4巻)集英社文庫
ヴァージニア・ウルフ『燈台へ』みすず書房
坂口安吾『堕落論』角川文庫
古井由吉『山躁賦』講談社文芸文庫
バルーフ・デ・スピノザ『エチカ』中公クラシックス
ドゥルーズ=ガタリ『千のプラトー』河出書房新社
モーリス・ブランショ『文学空間』現代思潮新社
ウォルト・ホイットマン『草の葉』(全3巻)岩波文庫
フランツ・カフカ『カフカ短編集』岩波文庫
矢内原伊作『ジャコメッティ』みすず書房
ジェフ・チャン『ヒップホップ・ジェネレーション――「スタイル」で世界を変えた若者たちの物語』リットーミュージック
ピエール・ルジャンドル『ルジャンドルとの対話』みすず書房
『新装版 ヘルダーリン全集』(全4巻)河出書房新社
ベルトルト・ブレヒト『ブレヒトの詩』河出書房新社
マルクス・アウレリウス『自省録』岩波文庫
『ちくま日本文学038 金子光晴』ちくま文庫
『西脇順三郎コレクション』(全2巻)慶應義塾大学出版会
シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ・オハイオ』講談社文芸文庫
大江健三郎『ピンチランナー調書』新潮文庫
磯﨑憲一郎『世紀の発見』河出書房新社
朝吹真理子『流跡』新潮社

なお、佐々木中さんの特設サイトのこのページでは、『切りとれ、あの祈る手を』の書店店頭用POPのデータをダウンロードできます。ページ右下の>>Downloadから。また、11月5日(金)にブックファースト新宿店で行われる予定の佐々木中さんと宇多丸さんのトークイベントや、『真夜中』11号への寄稿については佐々木さんのブログのこちらの記事をご参照ください。トークイベントはすでに定員に達したようです。
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by urag | 2010-10-27 15:09 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 26日

「週刊朝日」「装苑」にドアノー『不完全なレンズで』書評

週刊朝日」2010年11月5日号の「話題の新刊」欄に、弊社刊『不完全なレンズで』(ドアノー著、堀江敏幸訳)の書評が掲載されました。評者は笠間直穂子さんです。「権威を何よりも嫌い、レンズを通して人と土地を愛する写真家の言葉は、彼の作品に漂う親密な空気と響き合う。関連作品の図版や訳註も充実、丁寧なつくりの本だ」と評していただきました。

また、「装苑」2010年12月号の「Good Book」欄にも『不完全なレンズで』の書評が掲載されています。評者は江口宏志さん。「物語とも詩ともつかない不思議な文章〔…〕。堀江敏幸の美しい日本語訳」と評していただきました。

さらに、「信濃毎日新聞」2010年10月3日(日)朝刊13面の「読書」欄で、尾崎大輔写真集『ポートレート』が紹介されました。無記名の記事です。「写った表情からは、彼ら〔被写体〕と真剣に向き合う撮影者の存在も感じ取れる」と評していただきました。
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by urag | 2010-10-26 13:06 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 25日

11月下旬発売予定『マイナー音楽のために――大里俊晴著作集』

2010年11月下旬発売予定*ジャンル:音楽・芸術

マイナー音楽のために――大里俊晴著作集
46判(タテ188ミリ×ヨコ130ミリ)上製528頁 税込定価3,360円(本体価格3,200円) ISBN:978-4-901477-77-2

◆内容
音楽学者/ロック・ミュージシャン、大里俊晴の思考の軌跡を集成。現代の音楽批評のスタートラインと臨界点とを同時に示す、著者最初で最後の評論集!「稀な資質と奇妙な愛情と大胆な発想と単独者の倫理を持った音楽批評家・美学者」(細川周平「解説」より)。

◆おもな目次
プリペアード・アンダーグラウンド あるいはケージはいかにして“地下鉄”に乗ったか、その他
FZ あるいはマイナー音楽について
JZからの/への迂回
オーネット・コールマンは電話[ダイアル]する
グールドよりグルダへ 二人の越境者のためのエスキス
ミュジーク・コンクレートの栄光と悲惨 ピエール・シェフェールを中心に
現代音楽とロックはどのようにしてかかわり合うことができるのか
見え隠れする人間主義への誘惑……
音楽、情報、環境
自動ピアノの狂気 コンロン・ナンカロウのパリ・コンサート
問題は依然として手付かずのまま投げ出されている シュトックハウゼンの音楽の本質について
私は一五分だけフルクサスだったことがある
ロックと非-西欧 不自然な共犯関係を
作詞講座“あなたもゲンスブールになれる”
ジャズ批評の七〇年代 間章と平岡正明を中心に
ほか

◆著者紹介
大里俊晴(おおさと・としはる)
1958年2月5日新潟生まれ。70~80年代には「ガセネタ」「タコ」などのバンドで活動。早稲田大学文学部を卒業後、87~93年、パリ第8大学にてダニエル・シャルルのもとで音楽美学を学ぶ。97年から横浜国立大学にて現代音楽論、マンガ論、映像論などの講義を担当。著書に『ガセネタの荒野』(洋泉社)。音楽批評家・間章に関するドキュメンタリー映画『AA』(監督:青山真治)で全編にわたりインタビュアーを担当。2009年11月17日永眠。享年51歳。
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by urag | 2010-10-25 22:53 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 17日

読書と革命――佐々木中の語り下ろし『切りとれ、あの祈る手を』が熱い

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『夜戦と永遠――フーコー・ラカン・ルジャンドル』(以文社、08年11月)に続く佐々木中さんの単独著第2弾となる語り下ろし作『切りとれ、あの祈る手を――〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』が今週22日に発売開始されます(特設サイトはこちら)。取次搬入日は20日(水)とのことですので、早いお店では21日から店頭に並び始めるかもしれません。本書の聴き手であり、担当編集者のAさんから、「人文書・文学書にかかわるすべての人(著者、読者、出版者、書店など)をはげますような内容」だと伺っていました。私と千葉雅也さんの対談を収録している、現在発売中の『文藝』2010年冬号に、発売前の本書の、朝吹真理子さんによる書評が掲載されています。そこにはこう書かれていました。「この本は、書かれたものではなく語られたものであるのだから、真摯に耳を傾けて、聞くように読んでみる。〔中略〕この本はあらゆる文献へと繋がっていて、「読む」ことはますますやめられなくなる。心が熱くなるこの稀有な本」だと。

さらに本書の帯文には、保坂和志さん、いとうせいこうさん、宇多丸さん(RHYMESTER)らの推薦文が載っています。特に保坂さんは佐々木さんを孤高な語り手として賛嘆しています。ここまで好評を得ている本となるとかえって読むほうは身構えてしまうものですが、まずは全体をぱらぱらと拾い読みしていくのがいいかもしれません。私自身は拾い読みしてみて気になる言葉にいくつか出会ってから、最初に戻って読み始めました。「ただ佐々木中だけが彼ら〔現状追認の罠に陥った最近の批評家〕のはるか上空で語」ると保坂さんが評した佐々木さんの独特な語り口は、前作と同様に好き嫌いが分かれるところかもしれません。しかし朝吹さんの言う通り本書はまず傾聴してみるのが一番だと思います。人によっては耳障りな部分もあるでしょうけれど、そういう部分は保留しつつ読み進めていけば、いずれ著者の議論の核心が見えてきます。

本書の議論の核心は端的に言えば、「本を読み、読みかえ、書き、書きかえる」ことの命がけの徹底が導く革命の力、という主張にあります。それについて佐々木さんは繰り返し執拗に語ります。その革命の力は暴力や武力に還元されないものである、とも佐々木さんは示唆しています。本書を貫く信念と執念、そしてその冷徹な情熱は実に印象的です。いまどきの世間ではこういう人物を「古風」というのかもしれません。しかしそれは悪いことではない。宇多丸さんが「圧倒的正論」と評した意味もよく分かります。「すべてを語ること」に取りつかれた現代風の批評家や専門家への痛烈な批判を伴う佐々木さん自身の学問的スタンスを自己紹介することから本書の語りは出発しており、そうした時流と決別した佐々木さんによる批判は、読者としても実感的に首肯しうるのではないかと思えます。宇多丸さんはある時、佐々木さんに「ハードコアなまま間口を広げることは可能であるし、それなくしてはシーン全体に寄与する行動とは呼べない」と語ったそうです(本書211頁「跋」より)。

そしてなによりAさんがなぜ「人文書・文学書にかかわるすべての人(著者、読者、出版者、書店など)をはげます」と紹介して下さったのか、本書を読んでみて初めて「なるほど」と理解できる気がしました。佐々木さんはこう語ります。「本を読み、本を読み返すだけで、革命は可能だ」(74頁)。「書店や図書館という一見平穏な場が、まさに下手に読めてしまったら発狂してしまうようなものどもがみっしりと詰まった、ほとんど火薬庫か弾薬庫のような恐ろしい場所だと感じるような、そうした感性を鍛えなくてはならない」(30頁)。「本の出版流通にかかわる人々すべてに言いたい。あなたがたは天使的な仕事に従事しているのだ。このことを忘れてはいけません。誇りを失ってはならない」(62頁)。また後段ではこう述べています。「天使とは何か。それは〔……〕「読み得ぬ」ということの距離そのものであり、この無限の距離が解消される「読み得る」ことの、極小のチャンスなのです。邂逅のチャンスであり、遭遇のチャンス〔……〕。読み得ぬはずのものを読むこと、「読む」というチャンスを与えること――これこそが天使的な仕事なのです」(102頁)。

私は昨年夏、とある媒体に「世界を編集する――書棚から文化まで」というエッセイを寄稿し、その直後に、とある若い哲学者の知人に改訂稿(未公開)を渡しました。知人は某学府で出版業界論ゼミを主宰していたのです。知人の役に立ったのかどうかはよく分かりませんけれど、そこで私は汎編集論としての天使論と革命論について言及しました。その後も幾度か改訂を繰り返していますが、そこでの論説は、私が今まで本を作ったり売ったりする現場で得てきた体験、そして個人的に今まで読んできた本や数々の業界人との対話から得たヒントなどを有機的にまとめあげる努力をしたものです。佐々木さんの『切りとれ、あの祈る手を』での天使論・革命論と図らずも交差する点がそこにはあり、私ももっと歩みを進めていいのだな、進めるべきだな、と励まされる思いがしました。

+++

切りとれ、あの祈る手を――〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
佐々木中(ささき・あたる:1973-)著
河出書房新社 2010年10月 本体2,000円 46判上製214頁 ISBN978-4-309-24529-4

◆帯文より:取りて読め。筆を執れ。そして革命は起こった。思想界を震撼させた大著『夜戦と永遠』から二年。閉塞する思想状況の天窓を開け放つ、俊傑・佐々木中が、情報と暴力に溺れる世界を遙か踏破する。白熱の五夜十時間語り下ろし。文学、藝術、革命を貫いて鳴り響く「戦いの轟き」とは何か。「革命の本体、それは文学なのです。暴力など、二次的な派生物に過ぎない」。

◆著者紹介:佐々木中(ささき・あたる)   
1973年生。哲学・現代思想・理論宗教学専攻。東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了。現在、立教大学、東京医科歯科大学教養部非常勤講師。著書に『夜戦と永遠――フーコー・ラカン・ルジャンドル』(以文社、2008年11月)、訳書にピエール・ルジャンドル『ドグマ人類学総説――西洋のドグマ的諸問題』(共訳、平凡社、2003年10月)がある。

◆目次:
第一夜 「文学の勝利」(2010年6月15日)
第二夜 「ルター、文学者ゆえに革命家」(2010年6月28日)
第三夜 「読め、母なる文盲の孤児よ――ムハンマドとハディージャの革命」(2010年7月6日)
第四夜 「われわれには見える――中世解釈者革命を超えて」(2010年7月15日)
第五夜 「そして三八〇万年の永遠」(2010年7月25日)


★書名の「切りとれ、あの祈る手を」は、パウル・ツェランの『光輝強迫』に収められた同名の詩のタイトルから採られています(中村朝子訳『パウル・ツェラン全詩集』第2巻所収、飯吉光夫訳『迫る光』では「祈りの手をたちきれ」)。

★本書の美しい装丁はデザイナーの岡澤理奈さんによるもの。透けて見える帯を取ったカバーのみの書影は特設サイトにあり。岡澤さんはこのサイトのリニューアルのお手伝いもされているそうです。

★本書の第五夜で明かされていることですが、佐々木さんの次回作はドゥルーズ=ガタリ論となるようです。「おそらく私の次の著作はドゥルーズ=ガタリ論になると思う。そこで「文字は機械である」という命題から始めることになるでしょう。そうです。文字こそが人類が発明した驚くべき機械である、夜の機械であり、革命の機械である。この文字には5000年の歴史がある」(191頁)。

★佐々木さんは同じく河出書房新社さんから昨夏(09年7月)に刊行された『村上春樹『1Q84』をどう読むか』に「生への侮蔑、「死の物語」の反復」というテクストを寄せています。
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by urag | 2010-10-17 23:33 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 16日

人文書院の新シリーズ「ブックガイドシリーズ 基本の30冊」

人文書院から、来週発売で新シリーズ「ブックガイドシリーズ 基本の30冊」が刊行開始されます。初回は丸川哲史『東アジア論』、小泉義之『倫理学』、中山康雄『科学哲学』の3点同時発売です。取次搬入が18日(月)とのことですので、都心の大型書店では早ければ19日(火)から店頭発売開始になると思われます。以後、順次刊行(不定期)とのこと。テーマに即した名著30冊を解説する、というシリーズで、著者良し、テーマ良し、内容良しの三拍子そろった素晴らしい企画です。帯文は共通で以下の通り。「ブックガイドシリーズ創刊! “いま”を考えるための新たな知の指針。各分野ごとに重要書30冊をセレクトし、なぜいま重要かをアクチュアルな視点から解説。著者の個性が光る、新しい知のガイド」。

編集担当者Mさんによる、業界向け挨拶文によれば、「各学問分野、ジャンルごとに30冊の基本書・重要書をセレクトし、それぞれを約4000字で解説・紹介するブックガイドのシリーズです。セレクトと執筆は、ベテランから若手まで、それぞれの分野の最前線を走る研究者の先生にお願いしました。ありふれた平凡なセレクトと解説ではなく、なぜいま重要かというアクチュアルな視点を活かした、著者の個性が光る、新しい知のガイドです」とのこと。

人文系のブックガイドというのはいままで青土社『現代思想』臨時増刊号や、新書館の「ハンドブック」シリーズ、また各社の単行本としても様々に刊行されてきましたが、一冊ずつにひとつのテーマで基本書数十点に絞って簡潔に解説することに徹したシリーズというのは、ありそうでなかったものです。テーマごとに書き下ろされた入門解説シリーズ(たとえば岩波書店の「思考のフロンティア」)はありましたが、ブックガイドに徹したものではありません。また、「~の名著**冊」といった体裁の新書がそれなりの数ありますが、シリーズを謳っているわけではありません。

人文書院の「ブックガイドシリーズ 基本の30冊」は、「読んでおきたい名著だけれど、実際はなかなか読む機会がない」本の核心的内容をわずか4000字前後(6頁)でざっくりと把握できるもので、初めて学ぶ学生さんにだけでなく、読書時間に恵まれない社会人にとって短時間で読み切りやすい、非常に便利なシリーズです。30冊すべてに個別に著者の略歴や参考文献が付いているのも親切です。書店員さんにとっては、このシリーズを参考にそれぞれの分野の基本書の棚やフェアを作りたい場合に参考になると思います。長く残っていって欲しいですね。


★「ブックガイドシリーズ 基本の30冊」ラインナップ

東アジア論 丸川哲史(2010年10月刊行)
倫理学 小泉義之(2010年10月刊行)
科学哲学 中山康雄(2010年10月刊行)
グローバル政治理論 土佐弘之編
日本思想史 子安宣邦、宮川康子、田中聡、樋口浩造
マンガ・スタディーズ 吉村和真、ジャクリーヌ・ベルント編
人文地理学 加藤政洋
沖縄論 仲里効、豊見山和美
メディア論 難波功士
政治哲学 伊藤恭彦
文化人類学 松村圭一郎
環境と社会 西城戸誠、舩戸修一編
精神分析学 立木康介
臨床心理学 大山泰宏
経済学 西部忠編
(以下続刊)

+++

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以下に第1回配本の3点の書誌情報と目次を列記しますが、せっかくなので、30冊の版元名も足しておきます。商品個別紹介ページがある場合はリンクを張り、副題があるものには足し、未訳や品切の場合は特記します。……などと勢いづいて書きましたが、予想以上に調査と確認に時間がかかったため、今回は『東アジア論』のみで挫折。


東アジア論
丸川哲史(1963-)著
人文書院 2010年10月 本体1,800円 46判並製220頁 ISBN978-4-409-00101-1

目次:
まえがき
第1部 中国モダニティの問題
 野村浩一『近代中国の政治文化――民権・立憲・皇権』岩波書店、2007年
 汪暉『思想空間としての現代中国』岩波書店、2006年
 木山英雄『周作人「対日協力」の顛末――補注『北京苦住庵記』ならびに後日編』岩波書店、2004年、品切
 孫歌『アジアを語ることのジレンマ――知の共同空間を求めて』岩波書店、2002年、品切
 溥儀『わが半生――「満州国」皇帝の自伝』巻、ちくま文庫、1992年
 毛沢東『毛沢東選集』全5巻、外文出版社(北京)発行、東方出版発売、1968年、品切
 竹内好『魯迅』未来社、1961年講談社文芸文庫、1994年
第2部 東アジアにおける植民地問題
 松永正義『台湾を考えるむずかしさ』研文出版、2008年
 若林正丈『台湾抗日運動史研究 増補版』研文出版、2001年
 杉原達『越境する民――近代大阪の朝鮮人史研究』新幹社、1998年、品切
 駒込武『植民地帝国日本の文化統合』岩波書店、1996年、品切・重版出来2010年11月
 マーク・ピーティー『植民地――帝国50年の光芒』読売新聞社、1996年、品切
 ニム・ウェールズ、キム・サン『アリランの歌――ある朝鮮人革命家の生涯』岩波文庫、1987年
 森崎和江『慶州は母の呼び声――わが原郷』ちくま文庫、1991年、品切
 呉濁流『アジアの孤児』新人物往来社、1973年、品切
第3部 東アジア冷戦/ポスト植民地問題
 藍博洲『幌馬車の歌』草風館、2006年
 黄皙暎『客人〔ソンニム〕』岩波書店、2004年、品切
 韓洪九『韓洪九の韓国現代史(I)韓国とはどういう国か/(II)負の歴史から何を学ぶのか』平凡社、2003年、品切/2005年
 金時鐘『「在日」のはざまで』平凡社ライブラリー、2001年
 黄春明『さよなら・再見』めこん、1979年、品切
 金石範『ことばの呪縛――「在日朝鮮人文学」と日本語』筑摩書房、1972年、品切
 金芝河『長い暗闇の彼方に』中央公論社、1971年、品切
 安部公房『けものたちは故郷をめざす』新潮文庫、1970年、品切
第4部 アジア主義の問題
 尾崎秀実『尾崎秀実時評集――日中戦争期の東アジア』東洋文庫(平凡社)、2004年
 林房雄『大東亜戦争肯定論』夏目書房、2001年、品切
 夢野久作『夢野久作著作集(5)近世快人伝』葦書房、1995年
 山室信一『キメラ――満州国の肖像〔増補版〕』中公新書、2004年
 尾崎秀樹『近代文学の傷痕』同時代ライブラリー(岩波書店)、1991年、品切
 渡辺京二『北一輝』ちくま学芸文庫、2007年
 竹内好編『現代日本思想体系(9)アジア主義』筑摩書房、1963年、品切


倫理学
小泉義之(1954-)著
人文書院 2010年10月 本体1,800円 46判並製200頁 ISBN978-4-409-00102-8

目次:
まえがき
第1部 生と死
 セネカ『倫理書簡集』
 ギュイヨー『義務も制裁もなき道徳』
 デレク・パーフィット『理由と人格』
第2部 徳と力
 キケロー『善と悪の究極について』
 ミシェル・ド・モンテーニュ『随想録(エセー)』
 ジャン=ジャック・ルソー『人間不平等起原論』
 ミシェル・フーコー『思考集成Ⅹ 1984-88 倫理/道徳/啓蒙』
第3部 快楽と欲望
 ジェレミー・ベンサム「自己にそむく違反、男色』
 ジャック・ラカン『精神分析の倫理』
 ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス』
 リュス・イリガライ『ひとつではない女の性』
 ジュディス・バトラー『欲望の主体』
第4部 資本主義の精神、市民の道徳
 カール・マルクス『経済学・哲学草稿』
 ジョン・ラスキン『この最後の者にも』
 ジョン・スチュアート・ミル『功利主義論』
 フリードリッヒ・ニーチェ『道徳の価値』
 マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
 マックス・シェーラー『価値の転倒』
第5部 幸福と福祉
 イマヌエル・カント『実践理性批判』
 ウィリアム・ベヴァリッジ『社会保障および関連サービス(ベヴァリッジ報告)』
 田中美知太郎『善と必然との間に』
第6部 近代倫理の臨界
 和辻哲郎『倫理学』
 坂部恵『仮面の解釈学』
 マイケル・ウォルツァー『正義の領分』
 デイヴィッド・ゴティエ『合意による道徳』
 ウィル・キムリッカ『多文化時代の市民権』
第7部 倫理の超越
 マルティン・ルター『奴隷的意志』
 ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ『弁神論』
 セーレン・キルケゴール『おそれとおののき』
 スラヴォイ・ジジェク『厄介なる主体』


科学哲学
中山康雄(1952-)著
人文書院 2010年10月 本体1,800円 46判並製200頁 ISBN978-4-409-00103-5

目次:
まえがき
第1部 科学哲学前史
 アリストテレス『自然学』
 ガリレイ『天文対話』
 カント『プロレゴメナ』
 マッハ『時間と空間』
第2部 論理実証主義の運動とその限界
 カルナップ『論理的構文論』
 ライヘンバッハ『科学哲学の形成』
 ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
 ゲーデル『不完全性定理』
 ポパー『推測と反駁』
 大森荘蔵『流れとよどみ』
第3部 「新科学哲学」という反乱――パラダイム論の登場
 ハンソン『科学的発見のパターン』
 クーン『科学革命の構造』
 クワイン『論理的観点から』
 村上陽一郎『科学史の逆遠近法』
第4部 パラダイム論以降の科学哲学
 ラカトシュ『方法の擁護』
 ローダン『科学は合理的に進歩する』
 ハッキング『表現と介入』
第5部 科学論への展開
 ブルア『数学の社会学』
 ソーカル、ブリクモン『「知」の欺瞞』
 ラトゥール『科学論の実在』
 フラー『科学が問われている』
第6部 科学哲学基礎論の諸説
 ヘンペル『科学的説明の諸問題』
 フラーセン『科学的世界像』
 パトナム『理性・真理・歴史』
第7部 個別科学の哲学
 アインシュタイン『相対性理論』
 レッドヘッド『不完全性・非局所性・実在主義』
 ソーバー『進化論の射程』
 ゲルマン『クォークとジャガー』
 チャーチランド『心の可塑性と実在論』
 ドゥ・メイ『認知科学とパラダイム論』
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by urag | 2010-10-16 23:40 | 本のコンシェルジュ | Trackback(1) | Comments(0)
2010年 10月 11日

人文系注目新刊3点(2010年10月)

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先月末から今月にかけて発売された新刊3点をご紹介します。松葉祥一さんの『哲学的なものと政治的なもの』は、バリバール、ランシエール、デリダなど数多くのフランス現代思想の翻訳を長年手掛けられてきたキャリアの中で初めての、哲学的著作をまとめた待望の論文集です。哲学と政治をめぐるフランス現代思想の成果のエッセンスがこれでもかというくらいに凝縮された稀有な一冊になっています。なお、松葉さんは『現代思想』2010年10月号の特集「臨床現象学――精神医学・リハビリテーション・看護ケア」において、看護学の研究者・西村ユミさんと対談されています(「看護における「現象学的研究」の模索」)。

友常勉さんの『脱構成的叛乱』はデビュー作となる本居宣長論『始原と反復』に続く第二作で、2001年以降に各種媒体で発表されてきた論文を一冊にまとめたものです。民衆による反制度化の力を示唆する「脱構成的」という術語は、コレクティボ・シトゥアシオネス(『闘争のアサンブレア』月曜社)とデヴィッド・グレーバー(『資本主義後の世界のために』以文社)から採られています。

最後の『ガンディーの経済学』はインド出身の経済学者ダースグプタ(ダスグプタとも)の単独著の翻訳では第4弾になるものです。文字通り、ガンディーの様々な著作から彼の経済思想を再構成したもので、ポスト資本主義への重要な手掛かりとヒントに満ちた良書。本書で紹介される「受託者制度」というのは、経済的富裕者が「受託者」として自らの財産を公的に活用するための規範を示すもので、自らの富のうち合理的に必要な分を残し、あとは社会のために使用することができる、という制度のようです。なるほどね。

哲学的なものと政治的なもの――開かれた現象学のために
松葉祥一(1955-)著 
青土社 2010年9月 本体2,400円 四六判上製332頁 ISBN978-4-7917-6567-6

◆帯文より:個人の自由、他者との共存、新たな共同性は、いかにして可能か。「いま・ここ」 の現象の襞を読み取り、他者への通路を見出す。メルロ=ポンティの哲学的企てをその深部でとらえ、デリダやフーコー、バリバール、ランシエール、ナンシー、ラクー=ラバルトらとともに、「共同性なき共同体」 あるいは 「肉の共同体」 という新たな問いの地平を切り開く哲学思想の新境位。

◆目次:
はじめに――新たな共同性を求めて
 自由主義でも共同体主義でもなく
 哲学的なもの・政治的なもの
 自由と共同存在
 開かれた現象学
 肉の共同体へ
I 政治的なものの現象学――メルロ=ポンティを読む
 1 コミュニオンからコミュニケーションへ
    『知覚の現象学』における「コミュニオンの他者論」
    「メキシコ講演」におけるコミュニケーションの他者論
    コミュニオンからコミュニケーションへ
    結論
 2 自由の両義性
    〈理性的自由〉と二つの〈非決定の自由〉
    両義的自由
    結語
 3 歴史に目的はあるか
    二つの歴史観と第三の態度
    パースペクティヴとしての歴史
    偶然性目的論
 4 普遍性要求と暴力
    一九四〇年代の自由主義批判
    一九五〇年代のマルクス主義批判
    実験的合理性
    ゲシュタルトとしての歴史
    結論
II 哲学的なものと政治的なもの
 5 政治的なもの〔から〕の引退――ナンシー+ラクー=ラバルトと 「政治的なものについての哲学的研究センター」
   1 政治的なもの〔から〕の引退
      哲学的なものの政治的前提
      政治的なものの哲学的前提
      政治的なものと哲学的なものの相互依存
   2 哲学は政治を理解できない
      「経験的なもの」と「根源的なもの」
      普遍主義に対する批判としての相対主義
      相対主義に対する批判
   3 「判断」 の可能性
      判断力とは何か
      結語
 6 〈政治〉 はデモスとともに――ランシエールと 「政治」 の哲学
    政治の起源
    政治とは何か
    アルシ・ポリティーク
    パラ・ポリティークの二つの形式
    メタ・ポリティークと 「政治」 の哲学
    政治とその哲学
III 隷属知の解放のために
 7 沈黙から言表への 「中継器」 として――〈監獄情報グループ〉 とフーコー
    「耐え難いことのアンケート」
    トゥールからナンシーへ
    代理=表象への批判
    隷属知の解放のために
 8 移民・市民権・歓待――サン・パピエの運動とバリバール、デリダ
    サンベルナール教会のサン・パピエとドゥブレ法
    国家横断的市民権
    歓待の法
 9 民主主義でも、民主制でもなく――デモクラシーとランシエール
    自然的秩序に反し、社会秩序を混乱させるデモクラシー
    政治制度でも理念でもないデモクラシー
    実践としてのデモクラシー
 10 モグラの巣穴からヘビのうねりへ――管理社会とドゥルーズ
    限定的統治から無際限の統治へ
    解体される主体
    政治的多元=一元論へ
    抵抗
IV 〈肉の共同体〉 へ
 11 全体主義・ヒューマニズム・共同体――サルトルと 「余計者」 の共同体
    「綜合的精神」としての「全体」主義
    反ヒューマニズムと全体主義批判
    「余計者」 の共同体
    結論
 12 存在論としてのコミュニズム――ナンシーと 「有限なる現前性のコミュニズム」
    主体と共同体
    共現前=出頭としての共同体
    「有限なる現前性のコミュニズム」
 13 「共同性〔コミュノテ〕なき共同体〔コミュノテ〕」は可能か――デリダの共同体への問いかけ
    「自らに触れる、君よ」――『触覚、』
    共同性なき共同体――『友愛のポリティックス』
 14 〈肉の共同体〉の可能性――メルロ=ポンティを再読する
    身体の形をした国家
    「身体としての日本」
    肉の存在論
    肉の共同体
おわりに
 福祉国家と自由主義国家
 統治のテクノロジーとしての「ポリス」
 自由主義における統治術の完成
 統治の論理を越えて
 哲学者たちの戦争
初出一覧

★松葉祥一・著書一覧
『ナースのための実践論文講座』(人文書院、2008年1月)
『哲学的なものと政治的なもの――開かれた現象学のために』(青土社、2010年9月)


脱構成的叛乱――吉本隆明、中上健次、ジャ・ジャンクー
友常勉(1964-)著
以文社 2010年10月 本体3,200円 四六判上製312頁 ISBN978-4-7531-0282-2

◆帯文より:民衆的な想像力による表現(=脱構成的叛乱)を、私たちはいかに感知しうるのか? 吉本の〈表出論〉や中上の〈文学的企て〉、ジャ・ジャンクーの〈映画=政治的実践〉の試行をとおして、その相貌を精緻に追及した、民衆思想/芸術論の新たなる展開! 私たちの時代の〈疲労〉と〈歓喜〉。

◆目次:
序文
 1 山梨県中央市
 2 サンフランシスコ
 3 脱構成的叛乱
 4 叛乱-出来事
 5 〈掙扎〔そうさつ〕〉――自己に対する暴力
I 吉本隆明の表出=抵抗論
 表出と抵抗――吉本隆明〈表出〉論についての省察
  1 表出史の方法
  2 反-望郷論
  3 前-表出的なるもの
  4 おわりにかえて――回帰と超克
 〈意志〉の思考――1978年、ミシェル・フーコーと吉本隆明の対話
  1 はじめに
  2 「意志」と「逆さまの世界」
  3 〈意志〉の実践
  4 異時間heterotopies/異位相heterotopologiesの実践
 『論註と喩』――反転=革命の弁証法
II 中上健次と部落問題
 中上健次と戦後部落問題
  1 中上健次と差異主義的人種主義としての部落差別
  2 中上健次の脱-物語化の戦略
  3 『異属』と民族主義的国民主義のアイデンティティ
  4 部落のアイデンティティと人種的民族性
  5 「オールロマンス事件」と戦後部落問題の言説
 「路地」とポルノグラフティの生理学的政治
III アジアの民衆表象
 アジア全体にあらわれている疲労という感覚――賈樟柯『長江哀歌』の映像言語
  1 『長江哀歌〔エレジー〕』(『三峡好人〔サンシャハオレン〕/スティル・ライフ』
  2 映像言語が生成するということ
  3 「歓喜のあまりに死んでいく」
  4 「アジア全体に現れている疲労の感覚」
  5 おわりに
 震災経験の〈拡張〉に向けて
  1 開発主義のなかの〈生〉
  2 震災のなかで
  3 震災報道という経験
  4 震災経験の拡張にむけて
 街道の悪徒たち――『国道20号線』の空間論と習俗論
IV 農民論
 ある想念の系譜――鹿島開発と柳町光男『さらば愛しき大地』
  1 〈開発〉という主題
  2 『さらば愛しき大地』
  3 開発表象という問題
  4 おわりに――ある論争
 1930年代農村再開とリアリズム論争――久保栄と伊藤貞助の作品を中心に
  1 はじめに
  2 社会主義リアリズム論争における久保栄と伊藤貞助
  3 『火山灰地』と農業問題の構造
  4 伊藤貞助『土』と『耕地』
  5 おわりに――残された課題
初出一覧
あとがき

★友常勉・著書一覧
『始原と反復――本居宣長における言葉という問題』(三元社、2007年7月)
『脱構成的叛乱――吉本隆明、中上健次、ジャ・ジャンクー』(以文社、2010年10月)


ガンディーの経済学――倫理の復権を目指して
アジット・K・ダースグプタ(Ajit Kumar Dasgupta:1928-)著 石井一也監訳
作品社 2010年10月 本体2,600円 四六判上製358頁 ISBN978-4-86182-302-2

◆帯文より:新自由主義でもマルクス主義でもない「第三の経済学」という構想。知られざるガンディーの「経済思想」の全貌を、遺された膨大な手紙や新聞の論説によってはじめて解き明かす。本書では、主に、人々の消費行動、産業化と技術、受託者制度、労使関係、仕事と余暇、および教育といった諸領域におけるガンディーの経済思想を検討する。

◆原書:Gandhi's Economic Thought, Routledge, 1996.

◆目次:
第一章 序論
 ガンディー主義的経済学におけるユートピアと現実
 ガンディーの宗教
 経済学と倫理学
 ガンディーと倫理理論
第二章 選好、効用および福祉
 はじめに
 欲求の制限
 倫理的選好とスワデーシー
 利他主義と慈善
 労働、余暇、パンの労働の教義
第三章 権利
 権利と義務
 特定の諸事例
 権利の決議
 結論 
第四章 産業化、技術および生産規模
 ガンディー対ラーナデー
 産業化反対論
 産業化反対論への諸留保
第五章 不平等
 敬意としての平等
 経済的不平等
 不平等、不可触民制度およびカースト制度
 ジェンダー的不平等
第六章 受託者制度理論
 受託者制度理論の説明
 受託者制度と信託法
 受託者制度と労使関係
 受託者制度と地主制度
 結論
第七章 教育
 はじめに
 教育の目的
 ナイー・タリム(新しい教育)
 なぜ学校は自立するべきなのか
 高等教育
 結論
第八章 特定の論点─―人口政策・ガンディーの先人たち
 人口政策
 ガンディーの先人たち
第九章 ガンディーの遺産
 インドの経済政策に対するガンディーの影響
 倫理学と経済学
 ガンディーと農地開発
 方法論上の諸問題
原注
訳注
監訳者あとがき
地図
索引

★アジット・K・ダースグプタ訳書一覧
『コスト・ベネフィット分析――厚生経済学の理論と実践』(アジト・K・ダスグプタ+D・W・ピアース著、尾上久雄・阪本靖郎訳、中央経済社、1975年/原書Cost-benefit Analysis: Theory and Practice, Macmillan, 1972)
『経済理論の変遷』(A・K・ダスグプタ著、水上健造・長谷川義正訳、文化書房博文社、1992年1月/原書Epochs of Economic Theory, Blackwell, 1985)
『経済成長・発展・厚生――国民生活の水準をめぐって』(A・K・ダスグプタ著、水上健造・長谷川義正訳、文化書房博文社、1995年5月/原書Growth, Development and Welfare: An Essay on Levels of Living, Blackwell, 1988)
『経済理論と発展途上諸国』(アジト・K・ダスグプタ著、長谷川義正訳、学文社、1996年12月/原書Economic Theory and the Developing Countries, Macmillan, 1974)
『ガンディーの経済学――倫理の復権を目指して』(アジット・K・ダースグプタ著、石井一也監訳、作品社、2010年10月/原書Gandhi's Economic Thought, Routledge, 1996)
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by urag | 2010-10-11 23:25 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 10日

デイヴィッド・ライアンの監視社会論、訳書第3弾

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カナダのクイーンズ大学で社会学の教授を勤めているデイヴィッド・ライアン(David Lyon: 1948-)と言えば監視社会の研究で有名で、1994年の『電子的な眼――監視社会の台頭』(未訳)以来、昨年までにその分野で6冊の著書と3冊の編書を上梓しています。昨年刊行された最新作『市民の身元特定――監視としてのIDカード』が以下にご紹介する通り早くも日本語訳され、先月刊行されました。これで6冊のうち3冊が訳されたことになります。未訳書には上記『電子的な眼』のほか、『社会整序としての監視――プライバシー、リスク、デジタル差別』『監視研究概論』があります。ライアンの研究分野はほかにも現代社会論や宗教論があり、現代社会論の2点は『ポストモダニティ』(せりか書房)、『新・情報社会論』(コンピュータ・エージ社)としてすべて日本語訳されています。『ディズニーランドのイエス――ポストモダンにおける宗教』などの宗教論は未訳。

昨年刊行された監視社会論の最新作の翻訳は、先月発売された『膨張する監視社会』(青土社)です。以下に『9・11以後の監視』(明石書店)、『監視社会』(青土社)とともに書肆情報を列記しますが、『9・11以後の監視』の訳者・清水知子さんは弊社のバトラー『自分自身を説明すること』の共訳者で、また『監視社会』の訳者・河村一郎さんは弊社のヴィリリオ『民衆防衛とエコロジー闘争』の共訳者です。『監視社会』はこの分野でのロングセラーで現在4刷です。


膨張する監視社会――個人識別システムの進化とリスク
デイヴィッド・ライアン著 田畑暁生訳 
青土社 2010年9月 本体2,200円 四六判上製258頁 ISBN978-4-7917-6571-3

◆帯文より:個人情報と液状化する監視システム。9・11以降ますます精緻化する監視システムとは? いまや監視社会は電子化・グローバル化による市民識別管理にシフトした。生体認証システムやIDカードシステム整備をめざす政府とその利潤に群がる企業群。セキュリティと自由のバランスをどこに見出すのか? 監視社会論の第一人者が、電子監視社会の進化形を手際よく総覧し、市民識別の視点からあざやかに斬る。

◆原書:Identifying Citizens: ID Cards as Surveillance, Polity, 2009.

◆目次:
序章
 今日の新たなID
 IDカードとは何か?
 アイデンティティと身元特定〔アイデンティフィケーション〕
 複数のアイデンティティ、身元特定、大文字の他者
 市民の身元特定
第1章 書類を要求する
 身元特定と市民の「読まれやすさ」
 身元特定と植民地行政
 身元特定と犯罪管理
 戦争のための身元特定
 大規模身元特定における一貫性と変化
 結論
第2章 整序〔ソート〕システム
 IDカードと記録
 市民権:資格と可読性
 なぜ社会的整序が中心的なのか
 監視的整序の方向性
 整序システムの政治
 結論
第3章 カード・カルテル
 カード・カルテルの理論化
 身元特定手段のコントロール
 政治、調達、プロトコル
 調達、企業、身元特定 
 プロトコル、テクノロジー、身元特定
 カード・カルテル論が言うこと、言わないこと
 結論
第4章 拡大したスクリーン
 液状性と身元特定
 身元特定による統治
 身元特定プロトコル
 九・一一、なりすまし、相互運用性
 相互運用性:その文脈
 相互運用性:事例
 「ユビキタスな監視」へと向かうのか?
 身元特定、仕分け、液状型管理による支配
 結論
第5章 ボディ・バッジ
 バイオメトリクスという解決策
 バイオメトリクスと情報の身体
 バイオメトリクスによる身元特定の文化
 バイオメトリクスを超えて?
 結論
第6章 サイバー市民
 緊張の中の近代市民権
 グローバル化、消費主義、市民権
 市民権、社会的整序、大文字の他者
 IDと市民権の将来
 結論
謝辞
訳者あとがき
参考文献
訳注
原注
索引


9・11以後の監視――〈監視社会〉と〈自由〉
デイヴィッド・ライアン著 清水知子訳 田島泰彦監修
明石書店 2004年9月 本体2,500円 46判上製272頁 ISBN978-4-7503-1979-7

◆帯文より:セキュリティの書くほか、管理統制からの自由か。監視カメラ、ICカード、生態認証、インターネット利用監視――ITを駆使したハイテク市民監視で保障される「安全」「安心」とは何か。

◆原書:Surveillance after September 11, Polity, 2003.

◆目次:
序章
 監視と急激な変化
 本書について
第I章 監視を理解する
 真意の探索
 破壊と露呈
 9・11以前の監視
 監視の眼差しを理論化する
 批判的問い
 プリズム、展望、実践
第II章 監視の強化
 目に見える犠牲者、消え去る自由
 「テロリスト」の捕獲:疑いの文化
 テロリストとは誰か
 萎縮的風潮:秘密主義の文化
 監視に動員される市民
 監視を強化する
第III章 監視の自動化
 監視を売る
 監視技術
 バイオメトリクス
 IDカード
 CCTVと顔認識
 9・11以後の技術監視
 結果と批判
第IV章 監視の統合
 全情報認知(TIA)
 収斂、コード、カテゴリー
 新しい統治
 テロリズムと監視
第V章 監視のグローバル化
 グローバル化、テロリズム、監視
 グローバル化した監視
 旅客機搭乗者データ
 ハイジャックの歴史
 ダンスのような進歩
 グローバルな統合に向けて?
 反監視のグローバル化
 グローバルな監視?
第VI章 監視への抵抗
 糸を寄せ集める
 難題に立ち向かう
 社会的問い
 新しい政治への取り組み
 テクノロジーの市民権
 疑念と秘密を超えて
エピローグ・日本の読者へ 9・11前後の日本の監視
 テロのターゲットとしての東京
 日本の監視を理解する
 日本の監視情勢
 日本における監視への抵抗
 結論
監修者あとがき
訳者あとがき


監視社会
デイヴィッド・ライアン著 河村一郎訳
青土社 2002年11月 本体2,400円 四六判上製310頁 ISBN978-4-7917-6008-4

◆帯文より:電子情報システムと日常生活。安全性・リスク管理・効率性・利便性の名のもとに個人情報を絶えず収集し、人間を分類・選別し統御する現代の情報化社会――、それが監視社会だ。電子情報網による権力編成の本質を鮮やかに描く現代思想・社会理論の最重要書。

◆原書:Surveillance Society: Monitoring Everyday Life, Open University Press, 2001.

◆目次:
序文と謝辞
序章
 監視は二つの顔をもつ
 基軸テーマ
 本書は何を行うか
第I部 監視社会
 第一章 消失する身体
  時間・空間を再編成する
  不明瞭化する公的/私的
  テクノロジーと社会を組み換える
 第二章 不可視のフレームワーク
  共通項と諸変動
  社会に拡散する監視
  社会的オーケストレーション
 第三章 漏れ易い容器
  監視による治安活動
  労働者を監視する
  消費者を把捉する
  規制緩和とリスク
第II部 監視の広がり
 第四章 都市における監視的分類
  都市における社会監視
  シムシティーと都市の現実
  都市の監視
  カメラの監視下にて
  シムシティーと現実世界
 第五章 身体部位と探針
  場としての身体から情報源としての身体へ
  アイデンティティー・身元確認・近代
  身体監視テクノロジー
  様々な部門における身体監視
  移動・行動・リスク
 第六章 グローバルなデータの流れ
  グローバル化と監視
  グローバルな安全保障――コミント
  グローバルな安全保障――国境管理
  監視のワールドワイドウェブ
  グローバル化した監視
第III部 監視のシナリオ
 第七章 理論における新たな方向性
  コンピュータと近代的監視
  スーパーパノプティコンとハイパー監視
  理論から見た新たな監視
  身体を回帰させる
 第八章 監視のポリティクス
  規制型の対応
  動員型の対応
  コンテクストの中の抵抗
  何故、抵抗には限界があるのか
 第九章 監視の未来
  近代/ポストモダンの監視
  新たなアプローチに向けて
  個人を再‐身体化する
原註
参考文献
訳者あとがき


★デイヴィッド・ライアン(David Lyon: 1948-)訳書一覧

『膨張する監視社会――個人識別システムの進化とリスク』(田畑暁生訳、青土社、2010年9月/原書Identifying Citizens: ID Cards as Surveillance, Polity, 2009)
『9・11以後の監視――〈監視社会〉と〈自由〉』(清水知子訳、明石書店、2004年9月/原書Surveillance after September 11, Polity, 2003)
『監視社会』(河村一郎訳、青土社、2002年11月/原書Surveillance Society: Monitoring Everyday Life, Open University Press, 2001)
『ポストモダニティ』(合庭惇訳、せりか書房、1996年12月/原書Postmodernity, Open University Press, 1994)※原書では増補版が1999年に刊行されています。
『新・情報化社会論――いま何が問われているか』(小松崎清介監訳、コンピュータ・エージ社、1990年12月/原書The information society: issues and illusions, Polity, 1988)
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by urag | 2010-10-10 23:56 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2010年 10月 09日

河出ブックス創刊1周年

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河出書房新社の選書シリーズ「河出ブックス」が今月(2010年10月)で創刊1周年だそうです。今月は2点刊行。累計で22点が刊行されたことになります。さいきんテレビへの出演が増えている島田裕巳さんの『教養としての世界宗教事件史』は、一年前の『教養としての日本宗教事件史』の姉妹編。大澤真幸さんの『生きるための自由論』は、マイケル・サンデルの正義論講義に興味を持っている読者には特にオススメです。なお、大澤さんはほぼ同時発売で『量子の社会哲学――革命は過去を救うと猫が言う』という新刊を講談社から刊行されています。相対性理論や量子力学など20世紀の科学の進展と、当時の文学や芸術、人文科学や政治、道徳、宗教との文化的関連を鋭く分析した本です。

教養としての世界宗教事件史
島田裕巳(1953-)著
河出ブックス 2010年10月 本体1,300円 B6判並製232頁 ISBN978-4-309-62421-1

◆カバーソデ紹介文:グローバル化の時代、いまや宗教を無視しては現代世界を語ることができなくなっている。そんななか、いかにして宗教についての教養を深めていけばよいのだろうか。洞窟壁画、ピラミッド建設、仏教の結集、十字軍とジハード、モンゴルの世界進出、宗教改革、聖母マリア出現、文化大革命、イラン革命……24の最重要事件を取り上げながら、人類と宗教のかかわりを今日的な視点からダイナミックに描く、現代人必読の世界宗教入門。

◆目次:
まえがき
1 人類はいったいいつ宗教をもったのか
2 壁画が物語る宗教の発生
3 謎に満ちた巨大ピラミッドの建設
4 ゾロアスター教が校正に多大な影響を与える
5 一神教が誕生し、偶像崇拝が禁止される
6 老子、釈迦になる。
7 結集から、仏教の歩みがはじまる
8 パウロとアウグスティヌスの回心が、キリスト教という宗教を生む
9 三蔵法師、天竺を旅する
10 ムハンマド、メディナに逃れる
11 東西の教会が分裂する
12 十字軍が招集され、「聖戦」をめぐる対立の発端となる
13 モンゴルの世界征服が原理主義を生む
14 インドで仏教が消滅する
15 ルターの異議申し立てが資本主義を生む
16 ヘンリー八世の離婚問題がイギリス国教会を独立させる
17 地動説を主張したガリレオ・ガリレイが異端審問で終身刑を科せられる
18 清教徒、新大陸にエクソダスを果たす
19 聖母マリア、出現
20 神の死を背景に宗教学が誕生する
21 ダライ・ラマ一四世、チベットを脱出しインドに亡命する
22 一〇〇年ぶりに開かれた第二バチカン公会議が修道女を解放する
23 毛沢東語録をふりかざす紅衛兵が孔子を厳しく糾弾する
24 イランのイスラム革命が世界を変える
あとがき
主要引用参考文献

◆姉妹編『教養としての日本宗教事件史』目次:
まえがき
1 新しくやってきた仏教とそれを迎え撃つ神道との対決
2 大仏開眼という国際的イベントと環境破壊
3 命をかけて海を渡ってきた鑑真は本望をとげたのか
4 空海と最澄との戦いはけっきょくどちらが勝利したのか
5 往生への異様な情熱が時代を席捲する
6 日蓮の真の敵は空海だった
7 蓮如がいなかったら親鸞は生き残ったか
8 茶道はドラッグとして輸入された
9 禅寺で中国語が使われていた深いわけ
10 日本を一挙に近代化した織田信長の蛮行
11 キリシタンは日本をキリスト教化する可能性を持っていたのか
12 人を神として祀ることは冒涜ではないのか
13 出開帳という新しいビジネス・モデルの登場
14 宗教バブルとしてのお蔭参り
15 廃仏毀釈に飲み込まれた大寺院
16 宗教的原理主義の先駆けとしての明治政府
17 天理教は天皇制に対抗したのか
18 熱病のように広がった聖霊降臨
19 徹底して弾圧された大本の真の野望は
20 宗教国家としての満洲国と日蓮主義
21 天皇の人間宣言は何を意味したのか
22 踊る宗教と戦う宗教が戦後日本を変える
23 地球温暖化と戦う明治神宮
24 お一人様宗教の時代
あとがき
主要参考文献


生きるための自由論
大澤真幸(1958-)著
河出ブックス 2010年10月 本体1,200円 B6判並製192頁 ISBN978-4-309-62422-8

◆カバーソデ紹介文:冷戦の終結は、「自由な社会」の魅力によって連鎖反応的に引き起こされた。「自由」こそ人類にとって至高の価値であるとされ、一人ひとりが自由な主体であることがわれわれの社会生活の基本的な前提となっているが、しかし、その自由はいったいどこにあるのか? 脳科学の知見も参照しながら、「心脳問題」や自由意志の所在を問い直しつつ、自由という概念そのものの抜本的な刷新を提案。新たな連帯への方向性をも示唆する刺激的な論考。

◆「まえがき」より:本書は、自由と自由主義〔リベラリズム〕について論じた二本の論文を収めている。I は、自由の所在についての〔中略〕問いから始めて、最後には、そこからひとつの政治的な含意を引き出す。II はリベラリズムに関する政治思想的な考察なら、最終的には、自由の概念そのものの抜本的な刷新を提案する。両者は同じ結論へと向かっている。

◆目次:
まえがき
I 〈自由〉の所在
 1 「心-脳」問題と自由意志
   【1】問題
   【2】脅かされる自由意志の地位
 2 心-脳の基本的な関係
   【1】デイヴィッドソンの非法則論的一元論
   【2】心-脳の基本的な関係
   【3】ベンジャミン・リベット批判
 3 〈社会〉としての脳
   【1】脳科学の教訓
   【2】盲視
   【3】幻肢の治療
   【4】カプグラ症候群
   【5】右脳と左脳
   【6】エイリアン・アーム
 4 可能=受動
   【1】潜在能力
   【2】日本語の「(ら)れる」
   【3】可能と受動
 5 快楽と苦痛
   【1】快感原則を越えて
   【2】欲望の原因/対象のギャップ
   【3】自由の社会性
 6 政治思想的含意
   【1】新たなる傷
   【2】エリコに下る道
II 連帯の原理としてのリベラリズム
 1 社会構造の二つの矛盾する目的
 2 リベラル・ナショナリズム/憲法パトリオティズム
   【1】リベラル・ナショナリズム
   【2】憲法パトリオティズム
   【3】ナショナリズムの二つのアスペクト
 3 リベラリズムへの純化
   【1】「真の普遍主義」
   【2】Cogito
   【3】資本主義との連動
 4 新しくて旧い批判
   【1】リベラリズムの三つの論拠への批判
   【2】多文化主義的批判の新しさ/旧さ
   【3】形式の実質的効果
 5 普遍性の発生
   【1】マルクスの疑問
   【2】普遍性の発生
   【3】資本主義の驚異的な適応能力
   【4】不寛容への寛容
 6 規範/反規範
   【1】非公式の(反)規範
   【2】リベラルな革命がありうるとすれば……
 7 自由の根源へ
   【1】「私は私である」
   【2】身体の自己所有
   【3】もうひとつの〈自由〉
   【4】連帯の原理としてのリベラリズム
付 一つの壁から無数の壁へ
あとがき


★河出ブックスは偶数月の隔月刊行で、今後の刊行予定には以下の書名が上がっています。

鳥羽耕史『1950年代――「記録」の時代』
佐藤卓己『青年の主張――教養主義のメディア史』
檜垣立哉『フーコー』
宇野邦一『ドゥルーズ』
五十嵐太郎『戦後日本建築家列伝』
高田里惠子『失われたものを数えて』
美馬達哉『脳のなかの経済――神経経済学入門』
松生恒夫『腸の話』
永江朗『誰がタブーをつくるのか』
陣野俊史『あの作家はなぜ消えたのか』
安藤礼二『大川周明』
前田英樹『内村鑑三』


★いっぽう、東大出版会からは、亜細亜大学教授・奥井智之さんの『社会学』(2004年)の姉妹編『社会学の歴史』が先月刊行されました。奥井さんと上記の大澤真幸さんは同い年の社会学者どうしですね。お二方は東大大学院の同期で、同じ見田宗介先生門下でいらっしゃいます。『社会学の歴史』は、書名こそ硬いイメージがありますが、筆致は肩肘張った感じのない率直な会話のようで、すんなり読み進めることのできる優れた入門書です。

社会学の歴史
奥井智之(1958-)著
東京大学出版会 2010年9月 本体2,000円 四六判並製316頁 ISBN978-4-13-052023-2

◆帯文より:ようこそ、社会学の闘技場〔アリーナ〕へ。社会的な秩序はどうかたちづくられているのか。この問いに答えるべく、切磋琢磨した社会学者たち。かれらはどのような相貌をもって、この闘技場に姿を現したのか。歴史から現在へ、言葉の戦場をめぐるスリリングな社会学戦記。

◆目次:
はじめに
 創造のドラマ
 奇人変人伝
 先人たちの声
1章 アリアドネの糸――前史
 失われた環
 原罪の社会学
 アカデミズム
 社会的動物
 個別性の誕生
 社会契約
2章 創始者の悲哀――コント
 革命勃発
 社会学の存在理由
 市井の哲学者
 学問の終局的方式
 産業主義
 人類教
3章 思想の革命家――マルクスとエンゲルス
 壮大なる失敗
 亡命生活
 マルクス主義の土台
 自己批判の書
 絶え間ない変化
 本源的蓄積
4章 少数者の運命――フロイト
 おしゃべり階級
 心的外傷
 エディプス・コンプレックス
 父親的存在
 集団の心理
 大衆と指導者
5章 繊細な観察者――ジンメル
 「無縁」の空間
 就職問題
 ベルリンっ子
 相互作用
 交換的動物
 橋と扉
6章 社会の伝道師――デュルケーム
 免罪の方法
 アカデミシャン
 デュルケーム学派
 アノミー的分業
 社会的事実
 際限のない欲望
7章 自由の擁護者――ウェーバー
 漱石の病跡
 ナショナリストの相貌
 創造的な局面
 時代の総括者
 予定説
 理論的ユートピア
8章 野外の研究者――シカゴ学派
 新天地
 エスニック・コミュニティ
 植民地的コンプレックス
 モノグラフ
 人間生態学
 シカゴ流
9章 冷徹な分析家――パーソンズ
 アメリカの平和
 ウェーバー体験
 冷戦対立
 ホッブズ問題
 パターン変数
 秩序と進歩
10 オデュッセウスの旅――マートン、シュッツ、ガーフィンケル、ゴッフマン、ベッカー
 文化的左翼
 中範囲の理論
 現象学的社会学
 エスノメソドロジー
 ミクロ社会学
 ラベリング理論
11 シシュポスの石――ハーバーマス、ルーマン、フーコー、ブルデュー、バウマン
 鏡に映った自分
 批判的社会理論
 社会システム理論
 パノプティコン
 ハビトゥス
 リキッド・モダニティ
12 ヤヌスの顔――福沢諭吉、柳田国男、高田保馬、鈴木栄太郎、清水幾太郎
 青年の学問
 理論優位
 生活世界
 理論社会学
 領域社会学
 現代社会学
おわりに
 ドラマトゥルギー
 社会学的闘争
 生きた存在
文献一覧
関連年表
事項索引
人名索引

◆参考:『社会学』主要目次
1章 社会
2章 行為
3章 集団
4章 家族
5章 都市
6章 逸脱
7章 コミュニケーション
8章 社会心理
9章 宗教
10章 ジェンダー
11章 医療と福祉
12章 現代社会
読書案内
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by urag | 2010-10-09 23:54 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)