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2010年 07月 25日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

9月下旬予定
ACADEMIAくまざわ書店橋本店:図書514坪
神奈川県相模原市緑区大山長1-22 アリオ橋本 1F
JR横浜線/京王相模原線の橋本駅南口より徒歩5分の立地で9月中旬オープン予定のイトーヨーカドー系ショッピングモール「アリオ橋本」の1Fに入店。アリオ橋本は東京ドーム2.7倍の広さの複合モールで、巨大駐車場を備えています。隣接する高層マンション「ミッドオアシスタワーズ」(705戸)も建設中。一昨年までは北口でイトーヨーカドー橋本店が35年ものあいだ営業していましたが、駅にいっそう近い場所にマイカル系のビブレが2000年に開店し、さらに2年後にはサティへ業態転換したため、競合に打ち勝つべく今回のような巨大モール化を目指したものと思われます。

現在、北口の橋本サティの5Fでは福家書店橋本店が営業しています。かつてサティがビブレ橋本だった時代に青山ブックセンター橋本店が入っていましたが振るいませんでした。今回南口アリオに出店するACADEMIAは、くまざわ書店チェーンの中でも専門書の品揃えに力を入れている店舗で、既存店にはイーアスつくば店(茨城県つくば市)、菖蒲店(埼玉県久喜市)、ちはら台店(千葉県市原市)、港北店(神奈川県横浜市都筑区)、桜ケ丘店(東京都多摩市)、大垣店(岐阜県大垣市)、けいはんな店(京都府相楽郡精華町)、サンリブ小倉店(福岡県北九州市小倉南区)があります。帳合はT
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by urag | 2010-07-25 14:12 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 23日

大竹昭子連載「森山大道のOn the Road」第十六回公開

大竹昭子さんのウェブ連載「森山大道のOn the Road」の第十六回を公開開始いたしました。
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by urag | 2010-07-23 13:01 | ウェブ限定コンテンツ | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 17日

レリスの奇書『幻のアフリカ』が改訳決定版で平凡社ライブラリーから再刊

幻のアフリカ
ミシェル・レリス(Michel Leiris, 1901-1990):著 岡谷公二+田中淳一+高橋達明:訳
平凡社ライブラリー 2010年7月 本体2,800円 HL判1,068頁 ISBN978-4-582-76705-6

◆帯文より:奇跡の民族誌/告白文学。「僕は《女ザール》の詳細を科学的に知るよりは、《女ザール》を身体で知りたいのだ……」。改訳決定版! 解説=真島一郎「秘密という幻、女という幻」

◆カバー裏紹介文より:ダカール=ジプチ、アフリカ横断調査団(1931-33年)――フランスに「職業的で専門化した民族学」が生まれた画期。本書は書記兼文書係としてレリスが綴ったその公的記録である。だが、客観的な日誌であるはずの内容には、省察(植民地主義への呪詛)、夢の断片や赤裸な告白(しばしば性的な)、創作案、等々が挿入され、科学的・学術的な民族誌への読者の期待はあっさり裏切られる。刊行当初は発禁の憂き目にあったのも当然であるが、この無垢で誠実なレリスの裏切りのなかにこそ、大戦間期のアフリカが立ち現われる逆説、奇跡の民族誌。

◆原書:L'Afrique fantôme, Gallimard, 1934.

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★分冊せずによくぞ全一巻で出してくださいました。結果的には平凡社ライブラリー史上初めてではないかと思われる千頁越えで、束は5センチ近くあります。既視感があるなと思ったら、この厚さはほぼ、弊社の森山大道『新宿+』とほぼ同じ。普通に考えれば「二分冊にすれば?」という社内の声が上がったことでしょうが、分冊って私の場合、ちょっと興が覚めるのですね。特に原書では全一巻で購入できるものが訳書では分冊になると。そんなわけで『幻のアフリカ』全一巻万歳!という気持ちです。おかげで値段は2800円というこのサイズの本では見たことのない価格になっていますが、やむをえません。

★写真をご覧になっていただくと分かると思うのですが、歴代の版の中でももっとも分厚い本になっています。

幻のアフリカ(1)
ミシェル・レリス:著 岡谷公二+高橋達明+田中淳一:訳
イザラ書房 1971年11月 定価1,900円 A5判並製函入574頁 ISBNなし

★イザラ書房版の時点では、発禁となった原書34年版が見つからないため、序文(訳書では「序」)と註を付して51年に刊行された決定版が底本となっています。ちなみに34年版は昨今の古書市場では4万円から6万円くらいで購入可能です。イザラ版についてですが、「あとがき」には「上巻」や「下巻」といった言葉が出てくるので、おそらく上下二巻本で刊行する予定だったのでしょう。しかしそれは果たされませんでした。それにしてもこの時代のイザラ書房は人文書版元として非常にとんがった出版活動をしていましたね。

★訳者名の順番について。平凡社版を基準にすると、イザラ版では、田中さんと高橋さんが上記の通り逆です。河出版ではカバーが平凡社現行版と同様ですが、奥付はイザラ版と同じ。

幻のアフリカ
ミシェル・レリス:著 岡谷公二+高橋達明+田中淳一:訳
河出書房新社 1995年4月 本体7,573円 A5判上製カバー装572頁 ISBN4-309-24158-1

◆帯文より:《聖なるもの》の探究者レリスの名著、待望の完訳!! 詩人にして民族学者、バタイユの盟友レリスの未知なるアフリカへの旅。夢の断片、仮面の祭祀、供犠、異邦の女…。民族誌であり、詩であり、告白である空前絶後の書物!!

★河出版では「序」は「はじめに」と題名が変わっています。巻末には「あとがき」ではなく「『幻のアフリカ』について」と題された岡谷さんの文章が載っていますが、完訳に至る艱難な道のりについては、同じく岡谷さんが書かれた巻頭の「解題」に詳しいです。原稿が訳者の手元に戻ってこなかったため河出版では新たに訳し直したそうで、ご苦労が偲ばれます。河出版の担当編集者は安島真一さん。

★写真では河出版のカバーは真っ黒く見えるかもしれませんが、実際にはじつに味わい深い褐色の模様がついていてとても素敵です。装丁は鈴木成一さんによるもの。

★河出版も底本は51年版。その後入手された34年版と比べて本文の異同がなかったためだそうです。81年に新たな「まえがき」を添えた版が出ているとのことですが、やはり本文には誤植訂正以上のものはなかったようです。34年版には51年版と内容がほぼ同じの序文が載っていますが、短いヴァージョンとのこと。ちなみに平凡社版でも81年の「まえがき」は残念ながら訳出されませんでした。版権の都合だろうと思います。

★平凡社版を担当されたのは松井純さん。岡谷さんがお訳しになったレーモン・ルーセルの『アフリカの印象』(白水社、1980年)が平凡社ライブラリーで再刊された際に担当されたのも、松井さんです。松井さんはかつてレリスとジャクリーヌ・ドランジュとの共著『黒人アフリカの芸術』(岡谷公二訳、新潮社〈人類の美術〉、1968年、絶版)の素晴らしさについてエッセイを書かれたことがあります。

★レリスが参加した調査団の団長をつとめたのはマルセル・グリオール(Marcel Griaule, 1898-1956)でした。彼のアフリカ研究で邦訳されているのは、『水の神』(坂井信三+竹沢尚一郎:訳、せりか書房、1981年/97年新装版)と『青い狐』(ジェルメーヌ・ディテルラン:共著、坂井信三訳、せりか書房、1986年、品切)があります。どちらもドゴン族の神話世界を研究したものです。このほかにも『世界の探検家』(「グリヨール」表記、大塚幸男訳、文庫クセジュ、1953年)という翻訳があり、レリスと対照的なグリオールの生真面目さは「むすび」の最後の3段落によくあらわれています。
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by urag | 2010-07-17 20:29 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)
2010年 07月 13日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2010年9月13日(月)
コーチャンフォー旭川店:図書900坪
北海道旭川市宮前通西4155
北彩都あさひかわ地区に開店する郊外型書店。コーチャンフォー(株式会社リラィアブル)としては、札幌美しが丘店、釧路店、札幌ミュンヘン大橋店、札幌新川通り店に続く5店目。取次はN。書籍および雑誌の売場面積が900坪で、併設されるのが文具510坪、音楽セル250坪、カフェ70坪。駐車場610台で、店舗面積を含む総敷地面積は4771坪。全国最大の複合店になるようです。
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by urag | 2010-07-13 22:49 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 12日

「図書新聞」にヴァール『具体的なものへ』の書評が掲載

書評週刊紙「図書新聞」10年7月10日号に、弊社刊ジャン・ヴァール『具体的なものへ』の書評が掲載されました。書評してくださったのは明治大学教授の合田正人先生です。

「ノスタルジーゆえにではまったくなく感得したのだが、何と鮮烈な、瑞々しい、色褪せることのない言葉たちがここに脈打っていることか。ウィリアム・ジェイムズ、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド、ガブリエル・マルセルという組み合わせも、それぞれの分析も決して古びてはいない。特に、意図的に書簡を対象として選んだジェイムズ論は圧巻である。〔中略〕本書の邦訳を敢行したことについて、評者は訳者に感謝したい」

と評していただきました。合田先生、まことにありがとうございました。
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by urag | 2010-07-12 21:35 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 12日

2010年上半期人文系古典翻訳書ベスト5

今年2010年上半期に出版された、人文系古典の翻訳書でベスト5を勝手に選んでみました。

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ケインズ全集(8)確率論
佐藤隆三訳
東洋経済新報社 2010年6月 本体12,000円 A5判上製函入548頁 ISBN978-4-492-81148-1

◆帯文より:待望の日本語版。G・E・ムーアやB・ラッセルの影響のもとに、若きケインズが書いた哲学の書。「確率の論理説」の立場から、確率概念の定義とその形式的体系化を試み、それを応用した帰納的推論の分析を行う。

★1921年に初版が公刊され、のちの1973年に著作集第8巻に収められた"A Treatise on Probability"の全訳。前回配本から7年半を経て、ようやく全30巻のうち、第16回配本となりました。ケインズの確率論は哲学的著作として高名ですが翻訳がなく、このままずっと出ないのではと思っていた読者もいることでしょう。最新配本は今月(2010年7月)、第15巻「インドとケンブリッジ:1906~14年の諸活動」です。

★本書周辺の上半期の収穫には以下があります。「確率論」は哲学書なのですが、ケインズの他の新刊との関連で主に政経書を列記してあります。

山岡洋一訳『ケインズ説得論集』日本経済新聞出版社 2010年4月 本体1,900円 四六判上製カバー装265頁 ISBN978-4-532-35411-4
マルクス『経済学・哲学草稿』長谷川宏訳 光文社古典新訳文庫 2010年6月 本体648円 296頁 ISBN978-4-334-75206-4
カール・マルクス『新訳 共産党宣言 初版ブルクハルト版(1848年)』的場昭弘訳 作品社 2010年7月 本体2,800円 四六判上製カバー装476頁 ISBN978-4-86182-291-9
ヴェルナー・ゾンバルト『戦争と資本主義』金森誠也訳 講談社学術文庫 2010年6月 本体1,050円 330頁 ISBN978-4-06-291997-5
マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』中山元訳 日経BPクラシックス 10年01月刊 本体2,400円 四六変型判上製フランス装531頁 ISBN978-4-8222-4791-1
デイヴィッド・ヒューム『政治論集』田中秀夫訳 京都大学学術出版会 2010年6月 本体3,700円 四六判上製カバー装412頁 ISBN978-4-87698-962-1
マッツィーニ『人間の義務について』斎藤ゆかり訳 岩波文庫 2010年6月 本体660円 242頁 ISBN978-4-00-340271-9

※ケインズ『説得論集』は1910年代から30年代にかけて書かれた経済時評をまとめたもの。
※長谷川訳『経哲草稿』はたいへん読みやすく親しみやすい訳文で、今後も長谷川訳マルクスが刊行されていくことが期待されるのは間違いないでしょう。
※『超訳 資本論』三部作を終えた的場さんの『共産党宣言』の新訳は、近年の新訳や旧訳の再刊書に比べて高価ですが、中身を見れば納得です。宣言を詳細に読み解いた解説編や、関連するテクスト(デザミ、カベー、ブラン、トリスタン、コンシデラン、エンゲルス、イェートレック、テデスコなど)を翻訳した資料編、さらに宣言の歴史的背景を解説する研究編と、実直な研究者・的場さんならではのボリューム満点の出来上がりです。これから宣言を読む人も、今まで何度も読んだ人も、手にとってみることをお薦めしたいです。
※ゾンバルトの親本は論創社、96年刊。学術文庫ではすでに『恋愛と贅沢と資本主義』が2000年にやはり論創社からスイッチされています。このほか、学術文庫が他社本から今年編入したものの中にはデュルケム『道徳教育論』(5月)やマリノフスキ『西太平洋の遠洋航海者』(3月)、ダーウィン『ビーグル号世界周航記』(2月)などがあります。
※ウェーバー『プロ倫』の訳者・中山さんは同時期に光文社古典新訳文庫で刊行開始されたカントの新訳『純粋理性批判』(全7巻)を手がけてもおられますが、未完のため、ベストからあえて除外しました。
※ヒューム『政治論集』は"Political discourses"(1752年)の完訳。既訳書には、古くは土居言太郎訳『政治哲学論集』(日本出版、1885年)があり、戦後では小松茂夫訳『市民の国について』(上下巻、岩波文庫、1952年/1982年)や、田中敏弘訳『ヒューム政治経済論集』(御茶の水書房、1983年)があります。なおヒュームの主著『人性論』の抄訳が今月、中公クラシックスで『世界の名著』より再刊されています。
※ジュゼッペ・マッツィーニは19世紀におけるイタリア統一運動で活躍した重要人物。岩波文庫でははるか半世紀以上前の1952年に、大類伸訳『人間義務論 他二篇』として、「「青年イタリア」加盟者への一般教程」と「一七八九年フランス革命の考察」の二篇とともに翻訳されています。


マラルメ全集(I)詩・イジチュール
松室三郎ほか編集
筑摩書房 2010年5月 本体19,000円 A5判上製函入2分冊1072頁(「詩・イジチュール」本編と別冊「解題・註解」)ISBN:978-4-480-79001-9

◆帯文より:文学の極北に煌く〈詩〉の星座。究極の言葉が、いま読み解かれる。存在の極限に紡がれた〈詩〉、哲学的小話「イジチュール」、深い謎につつまれた「賽の一振り」、さらに「エロディアード」「半獣神の午後」「アナトールの墓」など、マラルメの最重要著作を画期的な翻訳・註解によって読み解く待望の書物。

◆全5巻ついに完結です。こちらもケインズ同様に「ひょっとして未完のままになるのでは」という危惧がないわけではなかったので、驚嘆すべきことです。1989年に第II巻「ディヴァガシオン 他」が刊行されてから30年、前回の配本は2001年の第V巻「書簡2」でした。一巻ごとたいへん高価ではありますが、労力を考えればやむをえません。「賽の一振り」は清水徹さんの訳になるもので、柏倉訳『賽の一振りは断じて偶然を廃することはないだろう』(行路社、2009年)や秋山澄夫訳『骰子一擲』(思潮社、1984年/1991年)などと比べて読んでみると非常に興味深いです。

★本書周辺の上半期の収穫には以下があります。

ヴァレリー『コロナ/コロニラ』松田浩則・中井久夫訳 みすず書房 2010年6月 本体3,800円 A5判上製カバー装194頁 ISBN978-4-622-07545-5
鈴木創士訳『ランボー全詩集』河出文庫 2010年2月 本体1,100円 544頁 ISBN978-4-309-46326-1
高安国世訳『リルケ詩集』岩波文庫 2010年2月 本体780円 318頁 ISBN978-4-00-324322-0

※ヴァレリーの本は詩集。エッセイの新訳では岩波文庫の『精神の危機 他十五篇』(恒川邦夫訳、5月)がありました。
※ランボーの新訳という壮挙を成し遂げた鈴木さんは河出文庫ではジュネの『花のノートルダム』の新訳なども手掛けておられます。
※リルケ詩集は、高安訳の二つの詩集から取捨選択して1冊にしたもの。岩波文庫は手塚富雄訳『ドゥイノの悲歌』の新組改版を1月に刊行し、茅野蕭々訳『リルケ詩抄』を二年前に刊行しています。リルケが好きなんですね。読者としては嬉しいですけど。他社本からスイッチされた今年の岩波文庫では、ル・クレジオの『物質的恍惚』(豊崎光一訳、5月)と『悪魔祓い』(高山鉄男訳、6月)が続いたのが印象的でした。


倫理学原理 付録:内在的価値の概念/自由意志
G・E・ムア(1873-1958)著 泉谷周三郎・寺中平治・星野勉訳
三和書籍 2010年3月 本体6,000円 A5判上製カバー装430頁 ISBN978-4-86251-076-1

◆カバー紹介文より:リットン・ストレイチーはこの本の出版をもって、「理性の時代のはじまり」にすると宣言した。メイナード・ケインズは、これは「プラトンよりすぐれている」と書いた。

★1903年に刊行された"Principia Ethica"に「第二版序文」(未公刊)と二つの論文「内在的価値の概念」「自由意志」、そして編者のT・ボールドウィンの「序文」を添えた改訂版(2000年)の全訳。巻末にはムアの1898年の講義『倫理学の基礎原理』とその改訂版である本書『倫理学原理』の内容の対応関係図があります。『倫理学原理』は初版と論文「内在的価値の概念」が1977年に深谷昭三訳で同じ版元から出版されており、82年に新版が出たあとは長らく絶版で、古書市場でもっとも入手しにくい哲学書となっていました。

★本書周辺の上半期の収穫には以下があります。

ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン『原因と結果:哲学』羽地亮訳 晃洋書房 2010年4月 本体1,600円 四六判上製カバー装150頁 ISBN978-4-7710-2158-7
マックス・ホルクハイマー『理論哲学と実践哲学の結合子としてのカント『判断力批判』』服部健二・青柳雅文訳 こぶし書房 2010年5月 本体2,200円 四六判上製カバー装170頁 ISBN978-4-87599-249-5
シモーヌ・ヴェイユ『根をもつこと(上)』冨原眞弓訳 岩波文庫 2010年2月 本体780円 322頁 ISBN978-4-00-336902-9
虫明茂+池田喬+ゲオルク・シュテンガー訳『ハイデッガー全集(58)現象学の根本問題』創文社 2010年1月 本体5,000円 A5判上製カバー装286頁 ISBN978-4-423-19648-9

※ウィトゲンシュタインの本は、「原因と結果――直感的把握」Ursache und Wirkung: Intuitives Erfassenと、「哲学」Philosophieの、二つの遺稿の翻訳。前者はウィトゲンシュタイン後期の『哲学探究』に先行する研究であり、後者は中期の『哲学的文法』の改訂される前の原稿の一部。
※ホルクハイマーの本は、彼の教授資格論文を訳したもの。学位論文「目的論的判断力のアンチノミーのために」の要約も併録。訳者は2006年に同書肆から刊行されたアドルノの学位論文『フッサール現象学における物的ノエマ的なものの超越』の訳も手掛けています。
※『根をもつこと』の既訳には春秋社よりたびたび再刊されている山崎庸一郎訳があります。冨原さんの岩波文庫でのヴェイユは2005年の『自由と社会的抑圧』に続く第2弾。なお今年の上半期に刊行された岩波文庫の新訳ものには、オットー『聖なるもの』(久松英二訳、2月)、セネカ『生の短さについて 他二篇』(大西英文訳、3月、ただしこれは『セネカ哲学全集(1)』からのスイッチ)などがあります。
※創文社版『ハイデッガー全集』で2010年度の刊行が予定されているのは、28巻:ドイツ観念論と現代の哲学的問題状況、47巻:「認識としての権力への意志」についてのニーチェの教説、49巻:ドイツ観念論の形而上学(シェリング)、69巻:真有の歴史、とのことです。


ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統
フランセス・イエイツ著 前野佳彦訳
工作舎 2010年5月 本体10,000円 A5判上製カバー装878頁 ISBN978-4-87502-429-3

◆帯文より:〈ヘルメス文書〉に始まり、ブルーノが導く、魔術的世界観の隠された系譜。ルネサンスにおけるヘルメス教の復興と終焉。
★1964年に英米加で同時出版されたイエイツ(1899-1981)の主著"Giordano Bruno and the Hermetic Tradition"の待望の日本語訳。なおブルーノについては東信堂から著作集が刊行中です。

★本書周辺の上半期の収穫には以下があります。

パラケルスス『医師の迷宮』澤元亙訳 ホメオパシー出版 2010年5月 本体3,800円 A5判上製函入223頁 ISBN978-4-86347-035-4
ペトラルカ『無知について』近藤恒一訳 岩波文庫 2010年3月 本体660円 254頁 ISBN978-4-00-327124-7
ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝1』秦剛平訳、京都大学学術出版会 2010年6月 本体3,700円 四六変上製カバー装250頁 ISBN978-4-87698-185-4
マルティン・ルター『心からわき出た美しい言葉』金子晴勇訳 教文館 2010年5月 本体2,500円 四六判上製カバー装233頁 ISBN978-4-7642-6684-1
長窪専三訳『ミシュナIV別巻 アヴォート』教文館 2010年5月 本体2,500円 A5判上製カバー装142頁 ISBN978-4-7642-1929-8
ドゥオダ『母が子に与うる遺訓の書』岩村清太訳 知泉書館 2010年2月 本体3,200円 四六判上製カバー装267頁 ISBN978-4-86285-077-5

※パラケルススの訳者の澤元さんは、工作舎から2004年に刊行された同著者の『奇跡の医の糧』の共訳者でもあります。
※ペトラルカの訳者の近藤さんは、岩波書店から刊行された同著者の『ペトラルカ=ボッカチョ往復書簡』(2006年)、『わが秘密』(1996年)、『ルネサンス書簡集』(1989年)も手掛けておられるほか、カンパネッラ『太陽の都』(1992年)も上梓されています。
※アポロニオスは西暦1世紀のピュタゴラス主義者。全二巻。
※ルターの本は旧約「詩編」講義。
※『アヴォート』はユダヤ教の『ミシュナ』の要約である格言集。
※ドゥオダはカロリング期の貴族の女性。息子に与えた人生訓=「手引書」。

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ゲーテ地質学論集鉱物篇気象篇
木村直司編訳
ちくま学芸文庫 2010年6月/7月 本体各1,500円 502頁/413頁 ISBN978-4-480-09293-9/978-4-480-09298-4

◆帯文〔鉱物篇〕より:書斎を飛び出すゲーテ! 岩山をよじ登り、洞窟の奥へもぐり込む、ここに地球科学者ゲーテがいる。
◆帯文〔気象篇〕より:雲の形態を解釈するゲーテ。透徹した知性が、紀行文に詩に照り映える。

★木村直司編訳「ゲーテ自然科学論集」シリーズ完結篇。2001年3月『色彩論』、2009年3月/4月『ゲーテ形態学論集〔植物篇/動物篇〕』と併せ、全5巻の偉業です。

★筑摩書房では創業70周年を記念して、9月15日まで文庫復刊リクエストをウェブ上で受け付けています。ガンガン復刊していただきたいものです。

***

★このほか、創元社から刊行されたユング『赤の書』は奥付に従い7月の新刊とみなして、上半期ベストから除外しました。下半期のベストに入ることは間違いないと思います。

★今月(7月)の刊行物を見ると、すでにサアディー『果樹園〔ブースターン〕』(黒瀬恒男訳、東洋文庫〔平凡社〕)、ヘルダーリン『ヒューペリオン』(青木誠也訳、ちくま文庫)、アルベルティ『家族論』(池上俊一・徳橋曜訳、講談社)などの注目新刊が出ていますし、現代寄りですが、サルトル『嘔吐 新訳』(鈴木道彦訳、人文書院)やジュネ『シャティーラの四時間』(鵜飼哲・梅木達郎訳、インスクリプト)も出ました。今年はジュネの生誕百年で、弊社でも年内に『公然たる敵』を刊行する予定です。

★8月以降では、デカルト『方法序説』(山田弘明訳、ちくま学芸文庫、8月)ですとか、終了したばかりの東京国際ブックフェアで発表されたロールズ『正義論〔改訂版〕』(川本隆史・福間聡・神島裕子訳、紀伊國屋書店、11月中旬予定)やら、ベッカーリア『犯罪と刑罰〔決定版〕』(小谷眞男訳、東京大学出版会、12月以降予定)などがありますから、下半期もますます期待できそうです。
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by urag | 2010-07-12 04:15 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 09日

東大出版会フェア(在庫僅少本あり)@紀伊國屋書店新宿本店

東京大学出版会×在庫僅少本フェア(「今こそ!人文書宣言」第13弾)

場所:紀伊國屋書店新宿本店5階 人文書売場A階段横壁棚
会期:2010年7月3日(土)~8月3日(火)
お問合せ:紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-0131

内容:明年、創業60周年を迎える東京大学出版会さんの在庫僅少本を多数お蔵だしいただきました。あわせて売上良好書を展開、合計約900点という大規模フェアとなります。この機会、是非お見逃しなく!!

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同時に以下のブックフェアが開催されています。

演劇への道、演劇からの道--鈴木忠志「演劇書」50選と人文学の地平(「今こそ!人文書宣言」第13弾)

場所:紀伊國屋書店新宿本店5階人文書売場A階前フェア台
会期:2010年6月26日(土)~7月26日(月)
お問合せ:紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-0131

内容:第17回BeSeTo演劇祭を記念し、演出家の鈴木忠志さんより「演劇書」を多数ご推薦頂きました。いわく「鈴木忠志という演劇精神の若い頃の構成台本」というべき本たち。「人文書宣言」独自で選書した関連の「人文書」との絶妙なハーモニーを是非お楽しみ下さいませ。

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【書店員の皆様へ】

当ブログでは、弊社の出版物を活用してくださっているブックフェアの積極的な告知を心がけております。未紹介のフェアはまだまだたくさんあると思います。よろしければフェアの開催情報をEメール(アドレスは弊社ウェブサイトに明記してあります)でお知らせ下さい。フェア名、実施期間、売場名、フェアの趣旨説明などは必ず書き添えてください。売場の写真を添えていただけるとフェアの様子が分かってたいへん嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

また、ブックフェアでなくても、売場自体を宣伝したい、開店したので宣伝したい、という場合の告知でも構いません。条件は「弊社の本を扱っていること」ですが、弊社の本が置いていない場合でも、当方が「これは面白い」と判断したお店の紹介はできます。新刊書店だけではなく、古書店さんや図書館さんでも紹介します。

個人の方からの「こんな面白いフェアがありますよ」という投稿も歓迎しますが、店内を撮影する場合は、撮影とウェブ公開の了解をお店からきちんと得てくださいね。よろしくお願いします。
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by urag | 2010-07-09 16:50 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 09日

大竹昭子連載「森山大道のOn the Road」第十五回公開

大竹昭子さんのウェブ連載「森山大道のOn the Road」の第十五回を公開開始いたしました。
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by urag | 2010-07-09 15:57 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2010年 07月 07日

外大講義「出版社のつくりかた――月曜社の10年」

ご依頼により本日お話させていただきます。頂戴したお題は「出版社のつくりかた――月曜社の10年」(東京外国語大学H22年/2010年度前期総合科目「日本の出版文化」リレー講義第11回)、2010年7月7日(水)3時限90分13:10-14:40、東京外国語大学府中キャンパス・研究講義棟226教室。教室は生徒さんでほぼ満席とのことですので、参観ご希望の学外の方はこっそりと後ろの方で立ち見していただくほかはなさそうです。すみません。

追記:今日はご清聴ありがとうございました。受講生の皆さんのレスポンスシートはすべて拝読しました。様々な感想を寄せていただきとてもうれしかったです。またどこかでお目にかかれますように。
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by urag | 2010-07-07 01:09 | 雑談 | Trackback | Comments(1)
2010年 07月 05日

産経新聞に尾崎大輔写真集『ポートレート』書評

「産経新聞」2010年7月3日付「産経書房」欄に、弊社の先月の新刊、尾崎大輔写真集『ポートレート』の書評が掲載されました。「存」さんの記名記事で「薄っぺらな幻想を突き崩」す作品集、と評していただきました。ありがとうございました。

このほか、ウェブ上では以下のようなご紹介をいただいています。「みなさん、本当にいい顔をしているなあ、と思います。尾崎さんとモデルになっている方とのあたたかい対話や信頼関係を感じます」(尾崎さんと交流のあったものづくりの工房メープルかれんさんのブログ、7月2日付エントリー)。「新進気鋭の写真家によるメッセージ性のある写真集です。〔・・・〕じっと観ていると様々な感情が呼び起こされます」(Honya Club「まなざしの先にあるもの」)。

この写真集を置いている本屋さんは、たとえばジュンク堂書店チェーンではこちらになります。
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by urag | 2010-07-05 14:53 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)