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2008年 11月 30日

注目新刊:08年11月29日発売分

◎08年11月29日発売分より ※オンライン書店bk1の登録日を基準にしています。

窓を開けなくなった日本人――住まい方の変化六〇年
渡辺光雄(1942-):著
農山漁村文化協会 本体2,667円 B5変型判168頁 978-4-540-05003-9
■版元紹介文より:縁側や通り土間がなくなり夕涼みをしなくなった日本人。些細な日常生活の起居動作から、モノに振り回される戦後日本のライフスタイルへの反省と「手足を動かす生活」を取り戻す家・住まい方を提案。
★農文協さんの本は、エコブーム以前からエコを志向してきた著者たちの本でいっぱいです。私はたとえばこうした新刊と、ハイデガーの新刊『ハイデッガーの建築論』を並べ、さらに登山家・服部文祥さんの新刊『サバイバル!』やロンボルグ『五〇〇億ドルでできること』、松本哉『貧乏人大反乱』を併売しているような売場を想像します。そこには、ヴァンダナ・シヴァやナオミ・クラインの既刊があり、ワートの『温暖化の“発見”とは何か』や、リンギスの『何も共有していない者たちの共同体』があり、精進料理本と道元の『典座教訓』、貝原益軒の『養生訓』のような古典も置く一方で、毛利嘉孝さんの『はじめてのDIY 何でもお金で買えると思うなよ!』や、野口晴哉『風邪の効用』や、アルセーニエフ『デルス・ウザラ』、カルロス・カスタネダとかも置いてある。雑誌の『風の旅人』や『COYOTE』なども置いてあるといいですね。私のイメージするエコ棚の、ほんの一端ではありますが。

失われた場を探して――ロストジェネレーションの社会学
メアリー・C・ブリントン:著 池村千秋:訳
NTT出版 本体1,900円 四六判250頁 978-4-7571-4206-0
■版元紹介文より:本書は、ハーヴァード大学の社会学者が、独自の聞き取り調査と緻密なデータ分析に基づき、ロストジェネレーション(現在の20代後半~30代前半)を生み出した原因を1990年代の経済・社会の状況にさかのぼって読み解く画期的な書。たんなる現状分析に終わるのではなく、日米の働き方の比較を通してその解決の道筋が示され、若者、先生、企業関係者への暖かなエールで結ばれている点が読みどころ。

フェノロサ夫人の日本日記――世界一周・京都へのハネムーン、一八九六年
フェノロサ夫人(1865-1954):著 村形明子:編訳
ミネルヴァ書房 本体5,000円 A5判284頁 978-4-623-05241-7
■版元紹介文より:明治29年、フェノロサ夫妻は、日本を目指してハネムーン世界一周を敢行。京都には約三カ月滞在し、次々と古社寺を訪れ、多くの人々と交流を持った。古都の自然と風物にふれ、旧跡に親しんだ様子、そして近代都市のたたずまいを楽しむ二人のまなざしを、メアリー夫人の日記はいきいきと伝える。フェノロサ没後百年記念出版。
★アーネスト・フェノロサの妻、メアリー・フェノロサの日記です。本書はシリーズ「人と文化の探究」の第四弾。第三弾のアラン・コルナイユ『幕末のフランス外交官――初代駐日公使ベルクール』も今月刊行されています。

文語訳 ツァラトゥストラかく語りき
ニイチェ:著 生田長江(1882-1936):訳
書肆心水 本体5,200円 A5判480頁 978-4-902854-52-7
■版元紹介文より:日本初のニーチェ全集を個人完訳で果たした生田長江。ニーチェ諸著作のうち『ツァラトゥストラ』だけは文語調の訳文が相応しいという、生田長江あえての選択。
★カバーは先日同書肆から刊行されたブランショ『アミナダブ』と同じ市松模様で、美しいです。帯には「好事家に捧ぐ希書」とあります。「日本評論社版全集の『ツァラトゥストラ』生田訳最終版を底本として、新漢字・新仮名遣い表記にあらためたもの」とのことです。35年に刊行された『ニイチェ全集』第七巻のことかと思います。サイズが大きい頃の新潮文庫の一冊『ツァラトゥストラ』としても、1937年に刊行されたことがあります。

心理学者、心理学を語る――時代を築いた13人の偉才との対話
デイヴィッド・コーエン:著 子安増生:監訳 三宅真季子:訳
新曜社 本体4,800円 四六判512頁 978-4-7885-1137-8
■版元紹介文より:その研究成果が心理学を超えてひろく一般の人びとの考え方にまで影響を及ぼした、ノーベル賞受賞者を含む著名な心理学者13人に、ジャーナリストで映画監督でもあるコーエンがインタビューして、彼らの生の声を引き出した記録。
★登場するのは以下の13名。サンドラ・ベム、ノーム・チョムスキー、アントニオ・ダマシオ、ハンス・アイゼンク、ジョン・フレイヴル、ヴィクトール・フランクル、ダニエル・カーネマン、R・D・レイン、ハーバート・サイモン、バラス・スキナー、デボラ・タネン、ニコ・ティンバーゲン、フィリップ・ジンバルド。
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by urag | 2008-11-30 00:34 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 29日

注目新刊:08年11月27日/28日発売分より

◎08年11月27日発売分

鳥の仏教
中沢新一訳著
新潮社 本体1,400円 四六判127頁 978-4-10-365902-0
■版元紹介文より:「苦しみから私たちを解き放つ、正しい方法を教えてください」、鸚鵡は問いかける。カッコウに姿を変えた観音菩薩は答える、最も重要なブッダの知恵を。やがて森に集まった鶴、セキレイ、ライチョウ、鳩、フクロウ、様々な鳥たちが真の幸福へ続く言葉を歌い出す。チベットの仏典を訳し、仏教の核心にある教えを優しく伝える、貴重な一冊。

◎08年11月28日発売分

アップルを創った怪物――もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝
スティーブ・ウォズニアック(1950-):著 井口耕二:訳
ダイヤモンド社 本体2,000円 46判456頁 978-4-478-00479-1
■版元紹介文より:スティー・ジョブズとともにアップルを創業した著者。そのプログラマーとしての才能はジョブズも崇拝する一方、経営者となることにまったく興味をしめさない生粋のエンジニア。名誉も地位もお金も求めず、人を喜ばせることしか考えていない規格外の男が、いまはじめて創業の秘話を語る。

江戸時代語辞典
潁原退蔵:著 尾形仂:編
角川学芸出版 本体22,000円
発売 : 角川グループパブリッシング
サイズ : 27cm / 1343p
ISBN : 978-4-04-621962-6
■版元紹介文より:完成まで七十余年、幻の辞典ついに刊行。江戸時代のあらゆる時期、あらゆる分野にまたがる語彙二万一千、用例四万二千を収録。多数の固有名詞、諺、慣用句、成句などを含み、総合的な江戸時代表現集成としても成立。語彙の選定については、既存の辞典によることなく、潁原博士独自の視点を反映。総数約五千におよぶ充実の出典一覧を掲載。膨大な用例から生きた江戸時代語を感じ取ることができ、“読む辞典”としても活用可能。

宿曜二十八宿秘密奥儀伝
岡崎儀八郎:著
慧文社 本体7,000円 A5判187頁 978-4-86330-013-2
■版元紹介文より:古代インドに起こり、中国道教の影響を経て、弘法大師空海によって日本に伝来した東洋占星術「宿曜」。高い的中率のゆえに古来より秘伝とされてきたその理論および具体的占法を詳細に講述。平安朝から南北朝、戦国を経て現代に至るまで根強い人気を持つ宿曜占星術の全般を記した本格的理法書!
★「易、四柱推命、気学、奇門遁甲、風水等、あらゆる東洋推命学を網羅する一大叢書」と謳われたシリーズ「東洋易学・運命学大系」の第3巻。松成堂より1910年に刊行されたものの改訂版と聞きます。シリーズ既刊は、第1巻『易の処世哲学』(遠藤隆吉著)、第2巻『梅花秘伝 易占的中秘法』(富本温著)。以後の続刊予定は、第4巻『厄年の話』(石橋臥波著、08年12月末刊行予定)、第5巻『分かりやすい四柱推命』(松原宏整著)、第6巻『天源十二宮講義』(竹内師水著)。
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by urag | 2008-11-29 00:24 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 27日

注目新刊:08年11月25日/26日発売分

◎08年11月25日発売分

文字の美・文字の力
杉浦康平:編
誠文堂新光社 本体2,800円 A5変型判192頁 978-4-416-60853-1
■版元紹介文より:アジアの漢字文化圏の生活や伝統図像に息づく、人々の祈りが込められたさまざま文字のかたちを、杉浦康平が豊富なヴィジュアルとともに読み解きます。

◎08年11月26日発売分

グローバル・シティ――ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む
サスキア・サッセン:著 伊豫谷登士翁:監訳 大井由紀+高橋華生子:訳
筑摩書房 本体5,500円 A5判512頁 978-4-480-86718-6
■版元紹介文より:支配・権力の源泉は今、国民国家から巨大都市へ。資本と労働力はここに集積し、格差拡大は加速する!そのダイナミズムを解くグローバリゼーション研究の必読書。
★サスキア・サッセン(Saskia Sassen:1949- コロンビア大学社会学部教授)既刊訳書
92年01月『労働と資本の国際移動――世界都市と移民労働者』森田桐郎ほか訳、岩波書店
99年05月『グローバリゼーションの時代――国家主権のゆくえ』伊豫谷登士翁訳、平凡社
04年12月『グローバル空間の政治経済学――都市・移民・情報化』田淵太一+尹春志+原田太津男訳、岩波書店

未来の宗教――空と光明
ドン・キューピット:著 藤田一照:訳
春秋社 本体2,800円 四六判251頁 978-4-393-32321-2
★ドン・キューピット(Don Cupitt:1934- ケンブリッジ大学エマニュエル校終身フェロー)既刊訳書
00年02月『最後の哲学』山口菜生子訳、青土社

Ex-formation 植物
原研哉(1958-)+武蔵野美術大学原研哉ゼミ:著
平凡社 本体1,500円 四六変型判176頁 978-4-582-62045-0
■版元紹介文より:私たちが真に感じ、考えるために、いかに「世界」と「情報」をEx-formation=未知化していけばよいのか? 「植物」をテーマに原研哉とゼミ生たちが取り組んだ、知的好奇心溢れる探求の記録。

悼詞
鶴見俊輔:著
編集グループSURE 本体3,300円 四六判並製416頁
■版元紹介文より:逝く人、125人の知人・友人たちに贈った、半世紀にわたる全追悼文集。
★基本的に版元直販ですが、bk1でも扱いがあります。この本については読売新聞や朝日新聞で事前記事が出ていたせいか、いち早く購入している図書館もあるようで、その図書館では早速「貸出中」になっていました。
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by urag | 2008-11-27 03:45 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 25日

近刊チェック《知の近未来》:08年11月25日

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■「近刊チェック《知の近未来》」/ 五月
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忘年会のお誘いをいただくようになる今日この頃、一日、一月、一年の過ぎ去る驚異的な速さに愕然とする。一川誠『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書、08年9月)や、竹内薫『一年は、なぜ年々速くなるのか』(青春新書INTELLIGENCE、08年11月) といった新刊が立て続けに出たことを思い出す。検索エンジンでは上記のような疑問が数多くヒットする。とするとこれらの新書も疑問の数の多さに比例して売れたのだろうか。

この年末、もっとも気になること。鳥インフルエンザ、大地震。どちらも怖い。さらには金融不安の影響が出版業界に及びつつあるようだ、という恐怖。いかん、不安感に包囲されているのか?

来月刊行される新刊で注目しているのは以下の通り。

08年12月
02日『現代アートの現場から』高階秀爾 講談社 1,995円
03日『ランボーとアフリカの8枚の写真』鈴村和成 河出書房新社 2,625円
04日『クルーグマンの視座』ポール・クルーグマン ダイヤモンド社 1,680円
05日『現代世界で起こったこと:ノーム・チョムスキーとの対話1989-1999』日経BP出版センター 3,570円
08日『夢の動物園:旭山動物園の明日』坂東元 角川書店 1,470円
08日『都市のドラマトゥルギー:東京・盛り場の社会史』吉見俊哉 河出文庫 1,260円
08日『花のノートルダム』ジュネ/鈴木創士訳 河出文庫 1,260円
10日『霊符全書』大宮司朗 学習研究社 2,415円
10日『ルバイヤット』ジャスティン・マッカーシー英訳/片野文吉訳 ちくま学芸文庫 1,050円
10日『熱学思想の史的展開(1)熱とエントロピー』山本義隆 ちくま学芸文庫Math&Science 1,470円
10日『共産党宣言・共産主義の諸原理』マルクス+エンゲルス/水田洋訳 講談社学術文庫 1,008円
12日『私はガス室の「特殊任務」をしていた:知られざるアウシュヴィッツの悪夢』シュロモ・ヴェネツィア 河出書房新社 2,520円
15日『破綻するアメリカ:壊れゆく世界』ノーム・チョムスキー 集英社 3,045円
16日『老子』蜂屋邦夫訳注 岩波文庫 945円
16日『怒りについて 他二篇』セネカ/兼利琢也訳 岩波文庫 903円
16日『広告の誕生:近代メディア文化の歴史社会学』北田暁大 岩波現代文庫 1,050円
16日『デジタル・ナルシス:情報科学パイオニアたちの欲望』西垣通 岩波現代文庫 1,050円
17日『パーソナリティ・ホイール:あなたの中の複数の「わたし」を発見する』リタ・カーター ランダムハウス講談社 1,890円
17日『チャーリーの100問100答』鈴木謙介 ランダムハウス講談社 1,365円
18日『絶頂美術館』西岡文彦 マガジンハウス 1,680円
19日『自爆する若者たち:人口学が警告する驚愕の未来』グナル・ハインゾーン 新潮選書 1,470円
22日『社会法則/モナド論と社会学』ガブリエル・タルド 河出書房新社 4,410円
24日『インドの時代:豊かさと苦悩の幕開け』中島岳志 新潮文庫 460円
25日『新版 禅とは何か』鈴木大拙 角川ソフィア文庫 740円

文庫新刊では、ジュネ、老子、セネカが新訳。岩波書店に言いたいが旧訳を品切絶版にするのは止めてほしい。新訳が常に絶対に素晴らしいかといえば、それは疑問である。読者に選択の余地を残すべきで、旧訳は旧訳のまま出し続けて欲しい。文庫ではないが、みすず書房がフランクルの『夜と霧』を、新旧ともに販売し続けていることはいまなお特筆に値するだろう。大拙の新版は、宗教学者の末木文美士による解説が加わるもの。

単行本ではチョムスキーの新刊が2点。注目は河出書房新社の3点。タルドの新訳本は同社では『模倣の法則』に続く第2弾。あとの2点は同社ウェブサイトでのそれぞれの紹介文を引用しよう。鈴村和成のランボー論は、「1883年、アフリカ・エチオピアのハラル。“詩を放棄した詩人”ランボーは、高価な写真機をヨーロッパから取り寄せ、わずか8枚の写真を残しただけでカメラを捨てる。ここから発する数々の謎を追跡して詩人の本質に迫る渾身の力作」。

ギリシャ生まれのイタリア系ユダヤ人で、絶滅収容所のサバイバーであるシュロモ・ヴェネツィア(1923-)の本は「ナチスのユダヤ人大量虐殺で最も有名なアウシュヴィッツ収容所で、殺された同胞たちを「ガス室」から搬出し焼却棟で遺体を焼く仕事を強制された特殊任務部隊があった。ユダヤ人生存者がその惨劇を問答形式で克明に語る衝撃の書」。

発売日未確認だが、12月の新刊予定には以下の書目もある。

08年12月
『困難な自由 増補版・定本全訳』レヴィナス 法政大学出版局 4,935円
『アメリカの省察:トクヴィル・ウェーバー・アドルノ』クラウス・オッフェ 法政大学出版局 2,100円
『アーレントとティリッヒ』クリストファーセン+シュルゼ 法政大学出版局 2,310円
『チャリティとイギリス近代』金澤周作 京都大学学術出版会 5,040円
『プラトン哲学入門』アルビノスほか 京都大学学術出版会 3,255円
『死にいたる病/現代の批判』キルケゴール 白水Uブックス 1,365円
『フェティシズム』ポール=ロラン・アスン 文庫クセジュ 1,103円
『思想としての翻訳:ゲーテからベンヤミン、ブロッホまで』三ッ木道夫編訳 白水社 3,570円
『カプリ島:地中海観光の文化史』河村英和 白水社 2,940円
『サミュエル・ベケット証言録』ノウルソン編著 白水社 6,300円
『クレーの日記 新版』W・ケルステン編 みすず書房 8,925円
『メルヘン・透視・錬金術:アンティエ・グメルスの旅』巖谷國士著/アンティエ・グメルス絵 レス・アレス・デラ・テッラ 2,625円
『西洋製本図鑑』ジュゼップ・カンブラス 雄松堂出版 6,930円
『カナリアが沈黙するまえに:斎藤貴男書評選集2004-2008』同時代社 1,890円
『バブルの物語:人々はなぜ〈熱狂〉を繰り返すのか 新版』ジョン・ガルブレイス ダイヤモンド社 1,575円
『イスラエル全史(上下)』マーティン・ギルバート 朝日新聞出版 3,675円
『砂糖のイスラーム生活史』佐藤次高 岩波書店 3,360円
『子どものための文化史』ベンヤミン 平凡社ライブラリー 1,785円
『マヤ文明の興亡』エリック+トンプソン 新評論 4,725円
『日本中世史事典』阿部猛ほか編 朝倉書店 26,250円
『中国古代の鉄器研究』白雲翔 同成社 13,650円
『古代日本海の漁撈民』内田律雄 同成社 5,040円
『近世の死と政治文化:鳴物停止と穢』中川学 吉川弘文館 10,500円
『災害と江戸時代』江戸遺跡研究会編 吉川弘文館 5,880円
『明治期怪異妖怪記事資料集成』湯本豪一編 国書刊行会 47,250円
『戦後日本スタディーズ(3)80・90年代』北田暁大ほか 紀伊國屋書店 2,520円

レヴィナスの『困難な自由』については拙ブログで何度か言及しているので、そちらをご覧いただけると嬉しい。『プラトン哲学入門』は「西洋古典叢書」シリーズ第四期からの一冊。収録されているのは、アルビノス『プラトン対話篇入門』、アルキノオス『プラトン哲学講義』、アプレイウス『プラトンとその学説』、ディオゲネス・ラエルティオス『プラトン伝』、オリュンピオドロス『プラトン伝』、著者不明『プラトン哲学序説』の6本。

三ッ木道夫編訳『思想としての翻訳』は、翻訳論史上の古典的文献(全10人15本)を収録する。明細は以下の通り。

1.ヨーハン・ヴォルフガング・ゲーテ
 翻訳者ヴィーラント
 翻訳さまざま
2.フリードリヒ・シュライアーマハー
 翻訳のさまざまな方法について
3.ヴィルヘルム・フォン・フンボルト
 『アガメムノーン』翻訳への序論
4.ウルリヒ・フォン・ヴィラモーヴィッツ=メーレンドルフ
 翻訳とは何か
5.ルートヴィヒ・フルダ
 翻訳者の技芸
6.ノルベルト・フォン・ヘリングラート
 ヘルダーリンの翻訳原理
 ヘルダーリンの訳業
7.ルドルフ・パンヴィッツ
 『ヨーロッパ文化の危機』補説
8.カール・ヴォルフスケール
 翻訳することの意味と位置
 文学的相続財を更新する
9.ヴァルター・ベンヤミン
 書簡
 翻訳者の課題
 翻訳 賛否両論
10.ヘルマン・ブロッホ
 翻訳の哲学と技術に関する若干のコメント

『メルヘン・透視・錬金術』は発売元の河出書房新社によれば、A3判60頁の大型本で、内容は「ドイツに生まれ、日本のアトリエで創作にいそしむ画家の人生をメルヘンに喩え、作品のヒルデガルト・フォン・ビンゲンの幻視との類似を指摘する。巌谷國士が案内するアンティエ・グメルス(1962-)の不思議な作品世界」。

発行元のレス・アレス・デラ・テッラ(Les ales de la terra)は初見だが、05年に現代企画室から刊行された限定本『夜曲』(瀧口修造:詩、アンティエ・グメルス:版画)や、グメルスの90年代以後最新作まで紹介したブックレット「存在しえないへりを超えて:アンティエ・グメルスの旅」(大倉宏:文)を企画していたりするので、いかにもグメルス氏との関係が深そうだが、一方で伝説のアーティスト/パフォーマー「ダダカン」の個展「鬼放展:ダダカン2008 糸井貫二・人と作品』(銀座:ギャラリー・アーチストスペース、東高円寺:ギャラリーPara GLOBE)も企画しているのが面白い。

『明治期怪異妖怪記事資料集成』は版元紹介文によれば「明治時代45年間に発行された中央紙、地方紙、海外邦字紙のほぼすべてを渉猟、約4500件の怪異・妖怪事件の記事を抽出し、影印を掲載」した、A4変型1100頁の大冊。影印というのは写真複製版のこと。怪異妖怪資料収集の第一人者による成果であり、大いに興味をそそるが、45,000円+税では手も足も出せない。

紀伊國屋書店の注目の新シリーズ「戦後日本スタディーズ」は、版元の宣伝によれば「「戦後」を問い直すための見取り図を提示するとともに、これまでこぼれ落ちてきた論点をアクチャルな問題として拾い上げ、戦後を、特に社会運動に力点をおいて総括しようとする野心的な試みである」とのこと。

3巻までが予告されており、まずは80年代と90年代を扱う第3巻が来月刊行。続いて第2巻「60・70年代」が来年2月、最後に第1巻「40・50年代」が来年4月の刊行予定だ。

各巻の目次を転記しておくと、

第3巻「80・90年代」
論考
「ポスト冷戦と9・11のあいだ」 山下範久
「ネオリベラルな受動的革命の始動」 土佐弘之
「階層化社会の『私たち』」 佐藤俊樹
「『冷戦構造』と『五五年体制』崩壊後の日本社会」 小森陽一
「グローバル化する人権」 玄武岩
「『新しい戦争』と日本」 佐々木寛
「オウム事件と90年代」 遠藤知巳
「フェミニズムが獲得したもの/しそこなったもの」 斎藤美奈子
「グローバル化とパブリック・スペース」 五十嵐泰正
「ピースボートの25年」 櫛渕万里
「『おたく』という文化圏の成立」 森川嘉一郎
「ポストバブル文化論」 原宏之
インタビュー
 辻井喬「爛熟消費社会とセゾン文化」
 三浦雅士「現代思想の時代」
ガイドマップ80・90年代
 北田暁大×小森陽一×成田龍一
年表(図版付) 道場親信

第2巻「60・70年代」
論考
「日本にとっての『文革』体験」 福岡愛子
「反復帰反国家論の回帰」 新城郁夫
「五五年体制」 杉田敦
「地域闘争:三里塚・水俣」 道場親信
「60年安保闘争とは何だったのか」 松井隆志
「連赤のトラウマが残したもの」 北田暁大
「高度成長期と生活革命」 上野千鶴子
「『唐十郎』という視点から見る戦後日本演劇」 室井尚
「コミューンはどこへ行った?」 今防人
「少年マンガなのだ」 瓜生吉則
インタビュー
 田中美津(聞き手:北島みのり)
 吉川勇一(聞き手:小熊英二)
ガイドマップ60・70年代
 上野千鶴子×小森陽一×成田龍一
年表(図版付) 道場親信

第1巻「40・50年代」
論考
「二つの『生き残ること』」 丸川哲史
「帝国・復興・沖縄」 屋嘉比収
「アメリカ・占領・ホームドラマ」 吉見俊哉
「憲法・GHQ・教育基本法」 小森陽一
「サンフランシスコ講和条約と東アジア」 内海愛子
「抑圧された東京大空襲の記憶」 早乙女勝元
「挫折した日本革命」 岩崎稔
「朝鮮戦争・女性・平和運動」 藤目ゆき
「<復員兵>と<未亡人>のいる風景」 加納実紀代
「『平凡』とその時代」 成田龍一
「サークル詩・記録・アヴァンギャルド」 鳥羽耕史
インタビュー
 井上ひさし/金石範/無着成恭
ガイドマップ40・50年代
 岩崎稔×小森陽一×成田龍一
年表(図版付) 道場親信

以上である。実に楽しみなシリーズだと思う。

最後に11月下旬に発売が予告されていたが、まだ刊行が確認できていない、ドン・キューピット『未来の宗教:空と光明』(藤田一照 訳、春秋社、2,940円)に言及しておきたい。イギリス・ケンブリッジ大学のラディカルな宗教哲学者キューピット(1934-)の訳書は『最後の哲学』(山口菜生子訳、青土社、00年)に続く待望の第二弾。もう少し注目されてもいい哲学者ではある。公式ウェブサイトは、http://www.doncupitt.com/ だ。


◎五月(ごがつ):某出版社取締役。ブログ→ http://urag.exblog.jp
近刊情報のご提供は ggt0711【アットマーク】gmail.com までお願いします。
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by urag | 2008-11-25 14:18 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 22日

注目新刊:08年11月22日発売分より

◎08年11月22日発売分より ※オンライン書店bk1の登録日を基準にしています。

ハイデッガーの建築論――建てる・住まう・考える
マルティン・ハイデッガー:著 中村貴志:訳・編
中央公論美術出版 本体4,300円 B6判313頁 978-4-8055-0579-3
■版元紹介文より:20世紀を代表する哲学者、ハイデッガーによる広く名の知られた人間の根源的あり方を建築する行為と同一視した哲学者の存在論的建築論を、詳細な註と解説を附して刊行する。
★同版元では8月にハイデガーの「詩人のように人間は住まう」のほか、オルテガ、ペゲラー、アドルノの建築論を一冊にまとめたアンソロジー『哲学者の語る建築』(伊藤哲夫+水田一征編訳)を刊行したばかりです。今回の新刊では、ハイデガーの名講演「建てる・住まう・考える」の翻訳と、訳者の中村さんによる論考「建築論の対話」が収録されています。「原文と仏訳、英訳を精緻に分析」したとのことです。

糸と痕跡
カルロ・ギンズブルグ(1939-):著 上村忠男:訳
みすず書房 本体3,500円  46判272頁 978-4-622-07436-6
★歴史記述における虚構と真実を巡る論考6編を収録。

メモリアグラフィカ no.4 1978 新宿ゲイ/新宿二丁目+歌舞伎町
中居裕恭:写真
グラフィカ編集室 本体1,800円 B5変型判並製本文4色80頁 978-4-903141-07-7
■版元紹介文より:「お客は銀行員と不動産屋ばかりでネ。ボトルが入っていても、ボトル、ボトルって万札ばんばん入ってきたワヨ。みんな使っちゃったけどネ。」30年前、毎日がお祭りのようだった新宿二丁目、ゲイたちの晴れ姿。
★本年9月に『メモリアグラフィカ no.3 1978 庄内平野/山形県東田川郡余目、米作りの町』(丹野清志:写真)とともに発売。「メモリアグラフィカ」シリーズはこれまで、no.1 『1963 炭鉱住宅/常磐炭田小野田炭礦』(丹野清志)、no.2『2007 北海道夕張市/史、街、風景』(伊藤愼一)、no.5『1983 直方・北九州/アワダチソウと煙突のある街』(尾仲浩二)、no.6『1980 六本木ソウル・エンバシー/港区六本木黒人ディスコ界隈』(藤田進)が先月までに刊行済み。中でも、昨年末刊行されたno.2の夕張は、寂れた町の様子が生々しいです。

JAPAN UNDERGROUND 4
内山英明(1948-):著
アスペクト 本体6,000円 B4変型判141頁 978-4-7572-1600-6
★「III」で完結が謳われていましたが、ついに第四弾が出ました。地下世界の魅力はまだ尽きません。

伝説の編集者・巖浩を訪ねて――「日本読書新聞」と「伝統と現代」
井出彰(1943-):著
社会評論社 本体1,800円 四六判224頁 978-4-7845-1469-4
■版元紹介文より:『吉本・谷川新聞』などと戯称されつつ、安保闘争後の思想状況を切り開いた『日本読書新聞』。低迷する80年代に思想の孤塁をまもった『伝統と現代』。この両者を主宰した巖浩は前者の読者をうならせた名コラム『有題無題』の筆者でありながら、青臭い観念が大嫌いな柔道とりでもあった。思想とは生きるスタイルのことだと信じ、出版界から離脱して労務者暮らしまで経験した老辣無双のリベルタンの軌跡がいま明かされる。
★著者の井出彰さんは、早稲田大学卒業後、「日本読書新聞」編集長、三交社取締役を経て、88年から「図書新聞」代表をつとめられ、小説や随筆などの著書もあります。
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by urag | 2008-11-22 23:40 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 22日

ブックフェア「人文書のススメ」@リブロ池袋本店人文書売場

先週(08年11月12日)よりブックフェア「人文書のススメ――出版社営業・著者が薦める人文書、はじめの1冊」がリブロ池袋本店人文書売場で開催されています。弊社を含む30社以上の版元と著者が協力し、自社・自著でおすすめの一冊と、「座右の書」一冊をそれぞれコメント付きで販売しています。コメント集は印刷され、無料配布されています。写真手前の平台と、その奥の白布がかかっている台で、フェアが展開されています。

a0018105_15153335.jpg◎ブックフェア「人文書のススメ――出版社営業・著者が薦める人文書、はじめの1冊」

会期:08年12月15日まで
会場:リブロ池袋本店3F人文書売場下りエスカレーター前

営業マンないし編集者が参加した版元は、以文社、NTT出版、太田出版、大月書店、柏書房、金子書房、かもがわ出版、求龍堂、慶應義塾大学出版会、勁草書房、月曜社、佼成出版、合同出版、高文研、金剛出版、至文堂、春秋社、晶文社、人文書院、新曜社、星和書店、創元社、大法輪閣、筑摩書房、東京大学出版会、同成社、トランスビュー、ナカニシヤ出版、日本評論社、藤原書店、平凡社、法蔵館、ミシマ社、みすず書房、未來社、有志舎、吉川弘文館。

著者で参加されているのは、橋本努さん、鈴木謙介さん、宇野常寛さん、荻上チキさん、濱野智史さん。リブロ池袋本店からは、人文書担当の若菜さん、菊田さん、池内さんがそれぞれオススメ本を2点ずつ挙げられています。皆様のお越しをお待ちしております。
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by urag | 2008-11-22 15:04 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 21日

注目新刊:08年11月21日発売分

◎08年11月21日発売分より ※bk1での登録日を基準にしています。

サンパウロへのサウダージ
クロード・レヴィ=ストロース(1908-)+今福龍太(1955-):著 今福龍太:訳
みすず書房 本体4,000円 A5変型判216頁 978-4-622-07351-2
■版元紹介文より:1935年、27歳のC・レヴィ=ストロースは新設のサンパウロ大学に招かれて、ブラジルの地に降り立った。レヴィ=ストロースのブラジルでの軌跡は、当時急速に勃興していた都市サンパウロと、消滅の危機に瀕する奥地の先住民社会とのあいだを往復するものだった。この往還の日々、彼はライカを手にサンパウロの街区を遊歩し、都市の日常をスナップ写真に収めた。新興の熱気に溢れていたはずの都市は、どこか寂しげな気配を纏っている。それらの映像が写真集『サンパウロへのサウダージ』としてブラジルで刊行されたのは1996年。撮影からじつに半世紀以上の時を経ていた。2000年、ひとりの人類学者がサンパウロに降り立ち、レヴィ=ストロースの足跡を辿りはじめた。『サンパウロへのサウダージ』に導かれ、今福龍太はカメラを手に時の微細な痕跡に眼を凝らした。街路から立ち現れたのは、喪失と憧憬の感情「サウダージ」だった。このサウダージの感触を手がかりに、今福はレヴィ=ストロースの写真の謎へと分け入っていく。写真を媒介に時の地峡をわたり、人間の悲嘆と輝きとを幾重にも露光する、ふたりの人類学者の深い共鳴の書物。

神話論理(4-1)裸の人 1
クロード・レヴィ=ストロース:著 吉田禎吾+木村秀雄+中島ひかる+廣瀬浩司+瀧浪幸次郎:訳
みすず書房 本体8,000円 A5判448頁 978-4-622-08154-8
■版元紹介文より:南アメリカのボロロ族「鳥の巣あさり」に発した『神話論理』の探求は、前の巻で北半球へ地理的範囲を拡大し、同時に「周波数変調(FM)から振幅変調(AM)に」(『食卓作法の起源』序、10ページ)と著者自身が喩える一時的な方法上の修正が施された。この巻では北アメリカの、しかしふたたび明確に限定された地域に舞台を定め、解像度の高い定常的な走査方法へと戻る。北西海岸に近い地域に、ボロロの基準神話M1とそっくりな「鳥の巣あさり」が発見される。これまで分析してきた厖大な神話群はすべて、自然から文化への移行という大テーマをめぐっての変奏曲であった。天上世界と地上世界の交感の決定的断絶を代償に獲られたその移行、そして、人類のただひとつの神話へ。すでに『生のものと火にかけたもの』『蜜から灰へ』『食卓作法の起源』の各巻タイトルに示されてきた自然から文化への歩みは、『裸の人』で出発点に回帰する。「裸のもの」(le nu)は、文化との関係でいえば、自然に対する「生のもの」(le cru)と同等なのだから。本来数巻分にあたる内容を凝縮したといわれ、もっとも難解として知られる『神話論理』最終巻の第一分冊。

精神分析とスピリチュアリティ
ネヴィル・シミントン:著 成田善弘:監訳 北村婦美+北村隆人:訳
創元社 本体3,800円 A5判264頁 978-4-422-11412-5
■版元紹介文より:伝統的宗教は、もはや人間の生き方に今日的意義を持っていない。一方精神分析は、日常の情緒的な活動に精通はしていても、人生の目的や意味について、宗教のような明確な答えを持たない。著者は「精神分析は成熟した自然宗教である」という独自の視点を示しながら、人生を不自由にしている原因である「ナルシシズム」を変容させることこそが、この互いに異なる二つの領域の共通した究極的目的であると説く。哲学と神学を修め、精神分析家でもある著者にしか書けない一書であろう。

心霊的自己防衛〔新装版〕
ダイアン・フォーチュン:著 大島有子:訳
国書刊行会 本体3,200円 A5判248頁 978-4-336-05090-8
■版元紹介文より:テレパシー、催眠術、暗示、黒魔術、護符、人工的精霊――サイキック攻撃からの防衛法を説く、実践的手引きの書。A・クロウリーと双璧を成す女性オカルティスト、D・フォーチュンが、心理学的見地から心霊的攻撃への防御法を詳述する。待望の復刊!

コペルニクス――地球を動かし天空の美しい秩序へ
オーウェン・ギンガリッチ(1930-)+ジェームズ・マクラクラン:著 林大:訳
大月書店 本体2,000円 46判192頁 978-4-272-44051-1
■版元紹介文より:「このうえなく美しい殿堂」――「太陽系」の概念の誕生
ルネサンスの中心から遠いポーランドの片隅でカトリック教会役員として忙しい毎日をおくるかたわら、わずかな余暇の時間を天文学の研究に費やし、完成した自らの本を死の床で目にする。「すべての中心に太陽がある」――地球を太陽を巡る惑星にし、1500年にわたって西洋人の思考を支配してきた世界観をひっくりかえしたコペルニクスのギンガリッチ(早川書房『誰も読まなかったコペルニクス』著者)による評伝。
★ギンガリッチは上記書目を含む大月書店のシリーズ「オックスフォード科学の肖像」シリーズの編集代表もつとめています。既訳書は『誰も読まなかったコペルニクス――科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険』(柴田裕之訳、早川書房、05年)。マクラクランの著書は上記シリーズで『ガリレオ・ガリレイ――宗教と科学のはざまで』(野本陽代訳、07年)が刊行されています。

分ける・詰め込む・塗り分ける――読んで身につく数学的思考法
イアン・スチュアート(1945-):著 伊藤文英:訳
早川書房 本体2,000円 46判330頁 978-4-15-208980-9
■版元紹介文より:できるだけ多い数の缶詰を詰め込む方法を考えたり、月と地球にまたがる帝国の版図を塗り分けたり……数学の難題の解説を追っていくだけで、超絶の思考法に脳が自然に馴染んでいく数学エッセイ。
★数学家スチュアートの著書は先月(08年10月)も新刊『もっとも美しい対称性』(水谷淳訳、日経BP社)が出たばかり。

著作権法入門 2008
文化庁:編著
著作権情報センター 本体2,381円 A5判367頁 978-4-88526-061-2
■版元紹介文より:著作権法の体系にそって、著作権制度の概要を平易な文章で解説。初めて著作権を学ぼうとする方々を対象に、著作権制度の仕組みの概説とともに、最新の著作権法と主要な関係法令を収録。著作権制度の全体像を簡単に理解できる内容となっており、研修会や講義用のテキストとして最適。
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by urag | 2008-11-21 22:57 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 21日

注目新刊:08年11月20日発売分

◎08年11月20日発売分より

フェティシュ諸神の崇拝
シャルル・ド・ブロス(1709-1777):著 杉本隆司:訳
法政大学出版局 本体2,600円 46判216頁 978-4-588-00889-4
■版元紹介文より:アフリカやアメリカ大陸には蛇や石ころを崇める原初的信仰があり、著者はそれをフェティシズムと名付けて、偶像崇拝よりもさらにさかのぼる宗教の起源と考えた。18世紀としては最新の比較宗教学を用いた彼の学説は当時の論壇にほぼ黙殺されるが、19世紀のオーギュスト・コントら進歩思想に大きな影響を与えた。巻末に詳細な訳者あとがきと解題を所収。

中国の性愛術
土屋英明(1935-):著
新潮選書 本体1,100円 四六判変型220頁 978-4-10-603624-8
■版元紹介文より:万物は「気」から成り、それが形を変えて天と地の間を循環している。そして男女の交わりも「天地陰陽交合」の営みに他ならない。度重なる戦禍や焚書禁書を免れた貴重な房中養生術の書をひもとき、基本的な体位・三十種、健康維持のための性交法など具体的な事例を挙げながら、古代中国人の秘められた性愛哲学を明らかにする。
★著者による房中術関連書には、『道教の房中術――古代中国人の性愛秘法』(文春新書、03年)などがあります。

夢と精神病
アンリ・エー(1900-1977):著 糸田川久美:訳
みすず書房 本体3,800円 四六判216頁 978-4-622-07424-3
■版元紹介文:器質力動論とも呼ばれるエー独自の精神医学観において思想的中核をなすのが『精神医学研究』(全3巻)であり、本書はこの大著に含まれる「夢」についての論考を訳出したものである。「ひとは、その実存の過半を睡眠の夢と覚醒の夢想のなかで過ごしている。この事実を精神医学総論と無関係なものとしてすませることはできない」(本文より)。

細菌と人類――終わりなき攻防の歴史
ウィリー・ハンセン+ジャン・フレネ:著 渡辺格:訳
中公文庫 本体857円 文庫判 296p 978-4-12-205074-7
■版元紹介文より:古代人の鋭い洞察から、細菌兵器の問題まで、〈見えない敵〉との闘いに身を投じた学者たちのエピソードとともに、発見と偏見の連綿たる歴史を克明にたどる。

東京「夜」散歩――奇所、名所、懐所の「暗闇伝説」
中野純(1961-):著
講談社 本体1,400円 四六判198頁 978-4-06-215032-3
■版元紹介文より:「闇からの凝視、それは本当の世界と向き合うための数少ない方法の1つだ。本書は未知の東京と出会うためのコンパスである。」――写真家冒険家・石川直樹。
★著者による類書には、『闇を歩く』(知恵の森文庫、06年;アスペクト、01年)、『夜旅』(中里和人写真、河出書房新社、05年)などがあります。
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by urag | 2008-11-21 21:51 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 21日

「週刊読書人」08年11月28日号に『自分自身を説明すること』の書評

本日発売の「週刊読書人」11月28日号4面に、弊社より刊行しているジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』の書評が掲載されました。評者は、桜美林大学専任講師の冠木敦子さんです。

「ジェンダーの理論家として知られるバトラーが、倫理に向かった書である」。「自己の外部、他者からの問いかけに対し自分自身を説明する場面から道徳あるいは倫理を考えながら、そのあり方をニーチェ的な「疚しい良心」とは別のところに求める本書の途行きは確かに魅力的であり、また倫理的関係と社会的関係、規範性の領域、権力の問題構成など、異なる領域の関係性についても大いに考えさせられるものとなっている」。

以上のように評してくださいました。冠木さん、ありがとうございました。
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by urag | 2008-11-21 15:27 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)
2008年 11月 21日

今福龍太講演会「ブラジル・アートの遊戯人(ホモ・ルーデンス)たち」

来週発売の弊社新刊、『ブラジルのホモ・ルーデンス――サッカー批評原論』の著者である、文化人類学者の今福龍太さんが、明日講演を行います。この講演は、現在開催中の展覧会「ネオ・トロピカリア――ブラジルの想像力」にともなうMOT美術館講座の一環として行われます。会場では、上記新刊も一般発売に先駆けて販売されますので、どうぞご利用下さい。

◎今福龍太「ブラジル・アートの遊戯人(ホモ・ルーデンス)たち」

日時:08年11月22日(土)15:00-16:30
会場:東京都現代美術館地下2階講堂(東京都江東区三好4-1-1)
電話:03-5245-4111
料金:無料
定員:200名・当日先着順
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by urag | 2008-11-21 14:52 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)