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2008年 05月 30日

6月24日発売予定新刊『洲之内徹文学集成』

◎08年6月24日取次搬入予定

洲之内徹文学集成 [全小説+文芸評論+単行本未収録エッセイ]
A5判(タテ210ミリ×ヨコ188ミリ)、上製カバー装736頁、税込定価7,560円(本体価格7,200円)、初版800部、ISBN:978-4-901477-41-3

内容:美術エッセイ「気まぐれ美術館」シリーズで知られる著者の、文学との格闘の軌跡! 独自の倫理と美意識で自らの戦中戦後を描いた私小説家・洲之内徹のすべて。マルクス主義・転向・戦争・文学・女……。

著者:洲之内徹(すのうち・とおる 1913−1987):愛媛県松山市生まれ。1930年、東京美術学校(現東京藝術大学)建築科在学中、マルクス主義に共感し左翼運動に参加する。大学3年時に特高に検挙され美術学校を退学。郷里で活動を続けるが、20歳の秋に再検挙にあい、獄中生活を送る。釈放後、転向仲間と同人誌『記録』を発刊、精力的に文芸評論を発表した。1938年、北支方面軍宣撫班要員として中国に渡り、特務機関を経て、共産軍の情報収集の仕事に携わった。1946年、33歳で帰国してから50代半ばまでの約20年間、小説を執筆。最初の小説「鳶」が第一回横光利一賞候補となり、その後「棗の木の下」「砂」「終りの夏」で三度芥川賞候補となるが、いずれも落選。1960年より、田村泰次郎の現代画廊を引き継ぎ画廊主となる。1974年から死の直前まで「芸術新潮」に「気まぐれ美術館」を連載、小林秀雄、青山二郎に絶賛された。
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by urag | 2008-05-30 00:27 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 29日

西山雄二講演「条件なき大学」@京都大学文学部

◎京都大学文学部新入生歓迎講演「条件なき大学」

日時:08年6月4日(水)18:30開場 19:00開始
講演者:西山雄二(東京大学)
場所:京都大学文学部新館第1講義室
主催:京都大学文学部学友会常任委員
※入場無料、事前予約不要。新入生・京都大学学生の方でなくとも参加できます。

***

先日5月22日に、早稲田大学生協ブックセンターで開催されたトークイベント「大学の夜【第五夜】条件なき大学」(岡山茂・早大教授、藤本一勇・早大教授、西山雄二・UTCP)の、西山さんご自身によるレポートが、「UTCPブログ」に掲載されています。ご高覧いただけたら幸いです。

また、同ブログには、5月14日に行われた西山雄二さんの講演《「1968年代」の残光――〈68年5月〉の歴史化と抵抗》 についての、藤田尚志さんによるレポートが掲載されています。あわせてご覧いただけると幸いです。

***

さらに以下のようなシンポジウムが開催され、西山さんが登壇される予定です。

◎日本ヘーゲル学会主催シンポジウム「ヘーゲルとフランス現代思想

日時:08年6月14日(土)13時~16時
場所:東京大学(本郷)法文2号館3階 1番大教室

提題者
今野雅方 「コジェーヴのヘーゲル論」
鵜飼哲(一橋大学) 「デリダにおけるヘーゲル」
西山雄二(東京大学) 「最近のフランスのヘーゲル論」

コメンテーター:熊野純彦(東京大学)、高田純(札幌大学)
司会:山口誠一(法政大学)
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by urag | 2008-05-29 23:50 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 26日

近刊チェック《知の近未来》:08年5月25日

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■「近刊チェック《知の近未来》」/ 五月
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前回はいきなり、トーハン系ウェブサイト「e-hon」を、日販系と誤記してしまい、我ながらこの間違いの心理を考えざるをえなかった。「e-hon」をこれまで私もさんざん、トーハン帳合の書店の店舗情報を確認するために利用してきたのに、なぜ今回は日販系と勘違いしてしまったのか。思い当たる節があるので、正直に告白したい。

創業10年周年以下の専門書系出版社はだいたい似た状況下にあるはずだが、日販とトーハンとのあいだにはこんにち売上格差がある。新参出版社にとって、大型書店は日販帳合である比率が高い。古参の版元は多少なりとも旧来のバランスが保たれているのだけれども、ダブル帳合の大型書店のメイン帳合が日販である場合が新参版元の場合は多いのだ。私の勤める会社では、月次売上も新刊受注も日販がトーハンの二倍から三倍になる。これは圧倒的な差であり、ここ五年はさらにトーハンの売上を大阪屋が上回る月がしばしば出てきている。

大阪屋が専門書販売に強いジュンク堂や阪急ブックファースト、青山BCなどの重要チェーンのメイン帳合であるせいもあるけれど、端的に言って、トーハンで専門書を売っていくのは昨今ますますしんどい。そのしんどさが私の先の勘違いの心理として根強くあることは否めない。まさかこの取次最大手が零細出版社の売上において三番手になるとは。毎月私は密かに悩んでいる。

さてしかし、この話題は重要だとは言え、本題とは関係ない。折に触れて再説することもあるだろうけれど、今はここまでに留めよう。

先月の記事で、新創刊の思想誌である「思想地図」や「ロスジェネ」について触れたが、配信直後に晋遊舎から創刊された「m9(エムキュー)」には目を瞠った。「時代を読み解く新世代「ライトオピニオン」誌」と銘打たれた同誌の創刊号の内容は以下のリンク先で確認できる。

http://www.shinyusha.co.jp/~top/02mook/m9.htm

率直に言えば晋遊舎は『嫌韓流』のイメージが強くて好きになれなかったが、なるほど世論や論壇の変化を見て、敏感に対応しているように見えて、目を惹く。右だの左だのの分別がいよいよ判然としなくなって、右を叩くにも左を叩くにもある意味で現実味のないシンボリックな記号群やレッテルを取り交わすだけの状況において「売れる雑誌」を作るには、ただただその都度の世間の「風」を読むしかない。また、それ以外にコンテンツの鮮度を保つすべもないだろう。踊らせているのか、踊らされているのか、ではない。たとえどちらなのかよく分からなくてもとりあえず自分は踊る、というのがある意味正解なのかもしれない。

このほか、新創刊の文芸誌である、ヴィレッジブックスの「モンキービジネス」や、リトル・モアの「真夜中」、そして第十次「早稲田文学」などの試みを横目で見ていると、楽しそうな反面、継続はたいへんなんだろうな、と思わなくもない。余計なお世話だが。単行本近刊に話を移そう。

来月の新刊では以下のものが目に付いた。

6月
06日 田上太秀+石井修道編著『禅の思想辞典』東京書籍 12,600円
06日 S・J・グールド『人間の測りまちがい』上下巻 河出文庫 各1,575円 
10日 藤井旭『全天星座早見』誠文堂新光社 1,680円
10日 『ちくま日本文学018 澁澤龍彦』ちくま文庫 924円
10日 J-L・ナンシー『神的な様々の場』ちくま学芸文庫 1,365円
10日 ジェフ・コリンズ『デリダ』ちくま学芸文庫 1,155円
10日 松浦寿輝『増補 折口信夫論』ちくま学芸文庫 1,155 円
10日 マルセル・モース『贈与論〔新装版〕』勁草書房 3,990円
11日 下川耿史編『性風俗史年表1868-1989 明治編』河出書房新社 4,725円
17日 ポール・ヴァレリー『エウパリノス』岩波文庫 630円
17日 上田閑照『哲学コレクション(5)道程』岩波現代文庫 1,260円
17日 大崎満『ボルネオ 燃える大地から水の森へ』岩波書店 2,415円
23日 青木正博『鉱物図鑑』誠文堂新光社 3,675円
25日 関根清三『旧約聖書と哲学』岩波書店 2,730円
25日 アンケ・ベルナウ『処女の文化史』新潮選書 1,470円
26日 ニコラス・チータム『宇宙から見た地球』河出書房新社 3,990円

一番の驚きは有地享訳のモース『贈与論』の復刊。同論考は弘文堂から刊行されている『社会学と人類学』全二巻の第一巻に収録されているが、ちまたの研究書の参考文献には勁草書房版がしばしば挙がることが多く、古書店では非常見つけにくい本だった。なお、『贈与論』は廣瀬浩司氏による新訳が書肆心水より刊行予定である。

勁草書房は『贈与論』の新装復刊に先立って、「書物復権」でミッチェル『イコノロジー』、ベルティング『美術史の終焉?』、オークショット『政治における合理主義』なども復刊する。基本的文献の復刊はどんなときも喜ばしいものだ。オークショットは特に、昨年刊行された新刊を除いて既刊書が軒並み品切だったので、なおさら嬉しい。

『デリダ』の著書ジェフ・コリンズは『ハイデガーとナチス』(岩波書店)や『FOR BEGINNERS 87 ハイデガー』(現代書館)などの既訳書がある。今回のデリダ入門は「フォー・ビギナーズ・シリーズ」の未訳本のようだ。

ヴァレリーの『エウパリノス』には、表題作の対話篇のほか、舞踊論「魂と舞踏」や、最晩年の「樹についての対話」を収録。

このほか、発売日を確認しきれなかった6月の注目新刊には以下のものがある。

ジル・ドゥルーズ『シネマ(1)運動イメージ』法政大学出版局 3,990円
岡田温司『イタリア現代思想への招待』講談社選書メチエ 1,575円
岡田温司『フロイトのイタリア』平凡社 3,150円
テツオ・ナジタ『Doing思想史』みすず書房 3,360円
パトリック・ギアリ『ネイションという神話』白水社 3,990円
ポール・クルーグマン『格差はつくられた』早川書房 1,995円
ポール・コリアー『最低辺の10億人』日経BP出版センター 2,310円
F・ジェロームほか『アインシュタインとロブソン』法政大学出版局 3,675円
C・ヴィルマン『クローズアップ 虫の肖像 世界昆虫大図鑑』東洋書林 8,400円

ドゥルーズ『シネマ』がこれで全訳。さらに言えば、本訳書をもってドゥルーズの著書で刊行されたものはすべて翻訳されたことになる。まさに記念すべき日となろう。

岡田温司氏の『イタリア現代思想への招待』は、「ラチオ」誌に連載されていたもの。「ラチオ」は06月に第五号が刊行される。大特集は「中国問題」。そのほか「贈与論」「私とは何か」といった特集も組まれるようだ。

テツオ・ナジタ『Doing思想史』は04年に立教大学で行われた全四回の集中講義を中心に、近年の講義・講演をセレクトしたもの。

クルーグマンの近刊の副題は「保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略」というもの。今月徳間書店より発売されたスティグリッツの『世界を不幸にするアメリカの戦争経済――イラク戦費3兆ドルの衝撃』とともに、アメリカを代表する二人の経済学者が自国をどう見ているかが分かるだろう。

続いて7月の近刊から。

7月
04日 奥平卓+大村益男『[中国の思想] 老子・列子』徳間文庫 1,000円
04日 井野朋也『新宿駅最期の小さなお店ベルク』ブルースインターアクションズ 1,680円

さらに発売日未詳だが、7月近刊には以下のもののある。

井村君江『妖精学大全』東京書籍 8,190円
高橋和夫訳編『スウェーデンボルグの世界』PHP研究所 1,470円
ドゥルシラ・コーネル『“理想”を擁護する』作品社 2,730円
秋山伸『極私的デザイン物産展』ピエ・ブックス 3,360円

なんといっても斯界の碩学による『妖精学大全』が待ち遠しい。世界初の事典だそうだ。グスタフ・デイヴィッドスンの『天使辞典』(創元社)と並ぶ古典となるだろう。

このほか、まもなく発売となる書目を列記する。

井上雄彦+伊藤比呂美『漫画がはじまる』スイッチ・パブリッシング 1,470円
巖谷國士編『旅の仲間 澁澤龍彦・堀内誠一往復書簡』晶文社 4,725円
ヴェラ・ギッシング『キンダートランスポートの少女』未來社 2,625円
J・C・シュミット『中世人類学試論(仮)』刀水書房 7,350円
大矢タカヤスほか『地図から消えた国、アカディの記憶』書肆心水 3,150円
D・R・ヘッドリク『情報時代の到来』法政大学出版局 4,095円
岡本健一『蓬萊山と扶桑樹 日本文化の古層の探求』思文閣出版 5,775円
上杉聡『天皇制と部落差別 権力と穢れ』解放出版社 2,100円
孫歌『歴史の交差点に立って(仮)』日本経済評論社 2,100円
鵜飼哲『主権のかなたで』岩波書店 3,570円
ジャック・デリダ『ならず者たち』みすず書房 4,200円
フランスATTAC『徹底批判 G8サミット』作品社 1,680円
大川周明『特許植民会社制度研究』書肆心水 5,775円
大薗友和『世界「文化戦争」大図鑑』小学館 1,575円
佐藤信太郎写真『非常階段東京』青幻舎 3,360円

ギッシングの書名にあるキンダートランスポートというのは、版元の説明によれば、「ナチスの苛酷な迫害にさらされたユダヤ人の子どもたちを疎開させるための輸送救援活動」のこと。それによってチェコからイギリスに渡った少女ヴェラの半生を綴った自伝。

シュミットの本は副題が「「理性と革命の時代」における知識のテクノロジー」となっている。版元の紹介によれば、18・19世紀の欧米における情報システムの発展を、地図、辞書、植物命名法、統計・グラフ、電信等の具体的な史実に即して論じた」ものだそうだ。

孫歌(1955-)氏の近刊は、『アジアを語ることのジレンマ――知の共同空間を求めて』(岩波書店、2002年)、『竹内好という問い』(岩波書店、2005年)に続く単独著第三弾。最新論文集である。

佐藤信太郎(1969-)氏の写真は、ビルの非常階段から東京の夜景を撮影した作品集。恐ろしく美しくて魅惑的だ。どうやら私にとって大学の後輩にあたるようだが、えこひいきではない。芝浦のフォト・ギャラリー・インターナショナルで6月6日まで写真展が開かれている。

第一回目の宣言に反して、今回からは実は注目新刊の情報も少し載せたかったのだけれど、これ以上記事を長くするのは今回はこの辺でやめておこう。


◎五月(ごがつ):某出版社取締役。近刊情報をご提供は ggt0711【アットマーク】gmail.com までお願いします。
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by urag | 2008-05-26 01:20 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 16日

「することができない」のではなく、「しないことができる」のだ

エンリーケ・ビラ=マタス『バートルビーと仲間たち』(木村榮一訳、新潮社、08年02月)を取り上げた、『朝日新聞』08年04月27日付けの、翻訳家・鴻巣友季子さんによる書評「書けなくなった作家の饒舌な物語」の影響があるのか、弊社より刊行しているアガンベン『バートルビー 附:メルヴィル「バートルビー」』がよく売れています。

鴻巣さんの書評にはこうありました。「メキシコの作家ルルフォはかの『ペドロ・パラモ』の執筆時を振り返り、まるで誰かの「口述」を書きとる感じだったと言い残し、その後ぱたりと書かなくなった。この代書人タイプの「患者」は、文学史的にも重要な位置にある。「作者=筆生」という考え方は、古代ローマにはすでに見られ、それはさらに、アリストテレスが「まっ新(さら)な書板」に準(なぞら)えた「思考」の概念へと遡(さかのぼ)る。この書板は未(いま)だ起きぬあらゆる可能性を含んだものであり、「何かができる」ことより、「しないこともできる」潜勢力に強調をおく。存在と無の間。肯定でも否定でもないもの。何か頼まれるたびに、I will not(したくない、しない)ではなく、I would prefer not to(しない方がいい)と拒み続けたバートルビーは、まさにそうした宙づりに耐え、あらゆる可能性の「全的回復者」となる、と指摘したのは、哲学者のアガンベンだった」と。

今月刊行された河出文庫の新刊、スラヴォイ・ジジェク『ロベスピエール/毛沢東――革命とテロル』には「バートルビー」という章があって、その末尾にはこう書かれています。

「彼の[メルヴィルの小説『バートルビー』の主人公であるバートルビーの決まり文句の]「……しない方を選ぶ」は字義通りに受け取られねばならない。それは「……しない方が好き」と言っているのであって、「そうすることを好まない(あるいは気にしない)」とは言ってい《ない》。このメルヴィルによってわれわれは、否定的判断と無限的判断とのカント的区分に連れ戻される。〈主人〉の命令に背くバートルビーは賓辞を否定するのではなく、むしろ賓辞ではないことを肯定するのである。彼が言っていることは、《それを行うことを欲しない》ではなく、《それを行わないことを好む(欲する)》なのである。またこの拒絶の仕方こそ、否定することに寄生する「抵抗」や「異議申し立て」の政治から、覇権(ヘゲモニー)をめぐる場所(陣地)取り《と》その否定の外にある新たな空間の可能性を開く政治への移行のあり方を示しているのである。これが、その純粋なあり方を採った減法、あらゆる質的差異を純粋に形式的な微少の差異へ還元する振る舞いと言うものである」(229頁)。

つまり「××になりたくない」という単純な否定形ではなく、「××にならないことが《できる》」という肯定形。もうひとつの世界やもうひとつの自分の実現可能性を肯定することであり、それがいわばオルタナティヴを生むポテンシャル=潜勢力であるわけです。アガンベンの言う「あらゆる可能性の全的回復」、ジジェクの解説する「否定の外にある新たな空間の可能性を開く政治への移行のあり方」、それは端的に言って「革命的契機」であることでしょう。

a0018105_19392758.jpgロベスピエール/毛沢東――革命とテロル
スラヴォイ・ジジェク:著 長原豊+松本潤一郎:訳
河出文庫 08年5月 1,260円 328頁 ISBN978-4-309-46304-9
■カバー裏紹介文:革命にとって「恐怖」とは何か。〈文化大革命〉の驚くべき帰結とは……悪名高きロベスピエールと毛沢東をあえて復活させ「革命的政治」を再審しながら、最も危険な思想家が〈現在〉に介入する。あらゆる言説を批判しつつ、政治/思想を反転させるジジェクのエッセンス。独自の編集による文庫版オリジナル。
■目次:
I 毛沢東――無秩序のマルクス主義的君主
II バディウ――世界の論理
III ロベスピエール――恐怖〔テロル〕という「神的暴力」
幕間1――〈たら……れば〉歴史論の反転
IV バートルビー
 1 グローバル金融の竹篦〔しっぺい〕返し――《スター・ウォーズ》IIIの陥穽
 2 ……しないことが好き――バートルビーの政治
幕間2――退廃と偽善
 1 《24》
 2 偽善への訴答――二つの死
V 非常事態

訳者あとがき(長原豊)

***
[08年5月19日追記]
「バートルビー」関連でぜひともつけ加えねばならない情報があります。ヴィレッジブックスから先頃創刊された、柴田元幸さん責任編集による文芸誌「モンキービジネス」第一号に、メルヴィルの小説「バートルビー」の柴田さんによる新訳が掲載されています。150-203頁の「書写人バートルビー――ウォール街の物語」がそれです。今後、古典的作品の新訳が連載されるそうです(柴田さんは「COYOTE」誌でも、「柴田元幸翻訳叢書[EXPLORING OLD LITERARY FOREST]」という連載を今月から開始されましたよね)。とても楽しみです。また、第一号にはカフカの傑作短編「流刑地にて」が西岡兄妹さんによる作画で漫画化されています。元になっているのは、池内紀さんの翻訳です。面白い試みだと思います。第二号は7月20日発売予定だそうです。

旧聞に属しますが、今年二月に刊行されたポプラ社創業60周年特別企画の世界文学アンソロジー『諸国物語』にも、「バートルビー」が収録されています。こちらは杉浦銀策さんによる翻訳です。これはもともと、国書刊行会から83年に「ゴシック叢書」の一冊として出版された、杉浦さん訳のメルヴィル中短篇集『乙女たちの地獄』全二巻の、第一巻に収録されたものが初出だったろうと思います。
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by urag | 2008-05-16 19:40 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(4)
2008年 05月 15日

デレク・ジャーマン『ヴィトゲンシュタイン』(1993年作品、75分)

デレク・ジャーマン(1942-1944)監督の、93年の映画作品『ヴィトゲンシュタイン』がYahoo動画で08年8月31日まで無料で見れますが、アップリンクさんから94年3月に刊行された『WITTGENSTEIN - Directed by Derek Jarman』(ISBN4-900728-02-0)が手元にあるともっと楽しめると思います。この本の冒頭には、浅田彰さんのエッセイ「Queer Philosophy」と、永井均さんの人物解説「ヴィトゲンシュタインについて」が収録されています。さらに、コリン・マッケイブによる序文と、テリー・イーグルトンによるスクリプト、デレク・ジャーマンのエッセイ「これはルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの映画ではない」も。贅沢な本です。お奨めします。

デレク・ジャーマンのエッセイから。

映画の哲学。プランを持たないこと。それなら一緒に働くスタッフたちにあとを任せることができる。
ノーと言わなければならないときは、やさしく言うのだ。そうすれば、イエスと言ったのだとみんなは思ってくれる。
映画がバラバラになったら、自分の間違いを拾い集めて、教訓とするのだ。
カオスの理論。混乱に陥ってはならない。
だれが映画にかまうものか。私はかまったことなどない。ルードヴィヒが哲学について感じたと同じことを、私は映画に感じている。もっと差し迫った事柄がほかにあるのだ。
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by urag | 2008-05-15 23:51 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 08日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

これから開店する本屋さんで、弊社の本を扱ってくださる予定のお店を順次ご紹介しております。お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。

08年6月10日(火)
戸田書店山梨中央店:300坪
山梨県中央市下河東成島77-1
戸田書店グループの57店舗目の新規店です。JR身延線「常永」駅より一キロ圏内に建設中のイオン系ショッピングモール「ロックタウン山梨中央」の中に独立型テナントとして出店。山梨圏内最大級の郊外店になるとのこと。同モール内にはヤマダ電機やユニクロが出店するようです。
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by urag | 2008-05-08 18:07 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2008年 05月 04日

本日開催:「緊急論争!アントニオ・ネグリは来なかった」@阿佐ヶ谷ロフトA

◎Loft A Presents 「緊急論争!アントニオ・ネグリは来なかった」

2008年3月末に来日し、2週間の滞在中に大学などで、グローバル化時代の労働問題などをテーマに講演する予定で、あれだけ話題になったのに結局来日しなかったイタリアの哲学者アントニオ・ネグリ。講演の舞台となった東大、東京芸大などでは「ネグリは日本政府の入国拒否によって来日を阻止された、自由の侵害だ」と批判の声があがっている。ネグリをめぐっての論争が続いてますが、そもそも私たちは何故ネグリを見たかったのか!?話を聴いてみたかったのか!?様々な関係者を集めてのガチンコトークです。

【出演】
上岡誠二(芸術活動家)
平井玄(文化活動家、東京藝術大学非常勤講師)
毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)
武盾一郎(246表現者会議)
鵜飼哲(一橋大学教授)
スガ秀実(文芸評論家)
花咲政之輔(太陽肛門スパパーン)
矢部史郎(思想誌『VOL』編集委員)
他、出版、報道関係者多数出演予定!!

【あくまで交通整理の為の司会】
奥野テツオ(阿佐ヶ谷ロフトA)

日時:08年5月4日OPEN18:00 / START19:00
場所:阿佐ヶ谷Loft A JR中央線阿佐谷駅南口パールセンター街徒歩2分
電話:03-5929-3445
料金:前売、当日ともに¥1,000(飲食代別)
※申し訳ありません、当日は雑誌イベント(仮)とありましたが、雑誌 → 出版社との協力イベントに変更になりました。料金もお安くなっておりますので、ご容赦くださいませ。当日は大変混み合うことが予測されますので、チケットの購入をお勧めします。前売チケットは28日から限定80枚で店頭販売、電話予約も受け付けます。
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by urag | 2008-05-04 14:19 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)