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2006年 05月 31日

IN/VOL/VEあるいはVOLへの招待

本日、「[本]のメルマガ」臨時増刊号:IN/VOL/VEあるいはVOLへの招待――思想誌VOL創刊記念特集号を配信しました。ご覧いただけたら幸いです。酒井隆史さん(VOL編集委員/大阪府立大学人間社会学部助教授)×前瀬宗祐さん(以文社編集部)の対談、松本潤一郎さん(VOL編集委員/立教大学大学院)のエッセイなどを掲載しています。

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関連イベント情報

◎VOLとはなにか――運動と思想
紀伊國屋書店新宿本店5階主催 月例フェア企画「じんぶんや」第二十二講

以文社より刊行の新しい思想雑誌『VOL』の刊行を記念し、紀伊國屋書店新宿本店5階人文書売場にて、フェアを開催。編集委員9名が推薦する各3冊の関連本を並べる。各書目へのコメントを付したブックリストと、編集委員の平沢剛氏による書き下ろしエッセイを載せた小冊子が店頭にて無料配布される。期間は2006年6月3日(土)から6月30日(金)まで。

◎「脱‐政治化」する現在をめぐって

パネリスト:萱野稔人・渋谷望・平沢剛
萱野稔人(かやの・としひと)1970年生。政治哲学。『国家とはなにか』(以文社)
渋谷望(しぶや・のぞむ)1966年生。社会学。『魂の労働』(青土社)
平沢剛(ひらさわ・ごう)1975年生。映画研究。編著に『アンダーグラウンド・フィルム・アーカイブス』(河出書房新社)

日時:2006年6月4日(日)15:00~17:00(14:30開場)
会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
定員:100名 入場料:¥500(税込) 電話予約の上、当日精算
電話予約&問合せ電話:03-5485-5511

理論と実践を横断する思想誌『VOL』の創刊を記念し、編集委員の三人によるトークを開催。マスメディアはおろか、社会空間あるいは大学の言説の場においても「脱‐政治化」と呼びうるような動きが日々進行する現在、そこでは一体何が行われようとしているのか。政治とはなにか、そして国家、社会、芸術とはなにかをラディカルに問い直す。

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6月1日追加情報

◎VOLフェア

ジュンク堂書店京都BAL店5Fレジ前話題書コーナーにて、関連書40点規模のブックフェアが6月上旬から一ヶ月間開催されます。弊社(月曜社)のアガンベンやヴィルノの本も並びます。
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by urag | 2006-05-31 20:25 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 30日

フーリエ『愛の新世界』が作品社より7月刊行予定

一年前にフーリエの『愛の新世界』の抄訳書誌情報について書きました。今日はついに全訳のご紹介ができます。作品社より7月下旬刊行予定。訳者はビーチャーの『シャルル・フーリエ伝――幻視者とその世界』(作品社)の翻訳を手がけられた、福島知己さんです。

以下に、版元による近刊告知をご紹介します。すでに受注が開始されていますので、部数指定をご希望の書店様は作品社さんに申し込んでください。電話03-3262-9753、ファクスは03-3262-9757です。

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幻の奇書、ついにその全貌が明らかに!

愛の新世界
シャルル・フーリエ著 福島知己(1971-)訳
作品社 06年7月下旬刊行予定 本体予価7800円 A5判上製720頁 ISBN4-86182-089-8

1808年、大著『四運動の理論』(巌谷國士さんによる日本語訳が上下巻で現代思潮新社より刊行されています)において、尖鋭なユートピア的世界の構想を世に問うたシャルル・フーリエ。その思想に共感した人々による〈フーリエ主義〉運動は、十九世紀のヨーロッパ社会において大きな影響を与えた。

本書『愛の新世界』は、そのユートピア的思想をさらに推し進めていき、性の快楽、食の快楽に至る、全面的な自由を求める壮大な構想の下、フーリエが晩年まで書き続けたものである。しかし、そのあまりに尖鋭的な内容のため、弟子たちによって危険視され、長い間封印されていた。

封印が解かれたのは、フーリエの死後の百数十年後の二十世紀半ばであり、この再発見により、従来のフーリエ評価が大転換を遂げたという画期的な書である。

本書は、フーリエの直筆原稿をもとに起された最も信頼のおけるドゥブー版を元に、草稿ノートのマイクロフィルムも参照しながら、新たに校訂を加えたもので、日本においてこの幻の書の全貌が、いま初めて明らかになる。

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フーリエは間接的に「歴史」の欲望を言い表したのであり、その点で、彼は同時に歴史家でありかつ近代人なのだ。すなわち、欲望の歴史家である。(ロラン・バルト)

性にしろ味覚にしろ、快楽は必要性の充足であることをやめ、欲望がわれわれにわれわれの存在を開示すると同時に、べつの存在となるために彼方へ行くようわれわれを誘う経験へと変化する。想像力と知識、すなわちフーリエがいう美徳と叡智。(オクタビオ・パス)

やっといまになってフーリエが読まれるようになるといえる。つまりかつて当惑した信奉者たちがしたように幻想的でスキャンダラスな部分とまじめな部分とを選り分けようとするのではなく、幻視的な部分もほかと同様意味があると考え、よりまじめな部分も幻視的な精神の跡が残っているものとして、両者ともがスキャンダラスなものと考えるようになったいまになって。(イタロ・カルヴィーノ)
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by urag | 2006-05-30 22:07 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 29日

書店員ナイトin東京の第2弾は7月3日(月)

書店員ナイトin東京の第2回目が、前回と同じ麹町のA/Zブックカフェにて、06年7月3日(月)19:00~23:00(ラストオーダー22:30)で開催されることが決定したようです。会費は1500円(ドリンク別、1ドリンク500円)。私も万障繰り合わせて必ず行きます。皆さんとお目にかかることを楽しみにしています。
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by urag | 2006-05-29 02:50 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 28日

今週の注目新刊(第52回:06年5月28日)

中世の言語と読者――ラテン語から民衆語へ
エーリヒ・アウエルバッハ(1892-1957)著 小竹澄栄(1947-)訳
八坂書房 06年5月刊 ¥5,040 A5判400頁 ISBN:4896948726
■版元紹介文より:教養ある読者・聴衆の不在という特異な文化状況のなか、中世のラテン語はどのような変貌を遂げ、最終的にいかにして克服されたか?――不朽の名著『ミメーシス』の補遺との位置づけのもと、渡米後に満を持して筆を起こし、近代語成立前夜までのドラマを鮮やかに描き切った渾身の論集、待望の邦訳。
●久々の訳書です。主著『ミメーシス』(全2巻、ちくま学芸文庫)のほかに、処女作『世俗詩人ダンテ』(みすず書房、1993年)が小竹さん訳で、また、論文集『世界文学の文献学』(みすず書房、1998年)が高木昌史・岡部仁・松田治の三氏の共訳で刊行されています。
●いずれも著者の博識についていくのがしんどい本ですが、読まずにやりすごすことのできない現代の古典。アウエルバッハの本をきちんと揃えておいている本屋さんは本物です。文芸書の海外文学棚や批評評論棚にあるのはありうべきことだとして、人文書の哲学思想棚の批評・記号学棚の周辺にまで置いてあったら更に素晴らしい。

カール・シュミットの挑戦
シャンタル・ムフ編 古賀敬太+佐野誠編訳
風行社 06年5月刊 ¥4,410 A5判300頁 ISBN:493866285X
●99年にVersoから刊行されたThe Challenge of Carl Schmittの翻訳のようです。だとすれば編者ムフの"Carl Schmitt and the Paradox of Liberal Democracy"や、ジジェクの"Carl Schmitt in the Age of Post-Politics"、ポール・ハーストの"Carl Schmitt's Decisionism"などの論文が読めるはずです。その他の寄稿者は研究者レベルでないと知らない名前かもしれませんが、充実した論文集であることは確かです。

哲学者は何を考えているのか
ジュリアン・バジーニ+ジェレミー・スタンルーム編 松本俊吉(1963-)訳
春秋社 06年5月刊 ¥3,360 46判424頁 ISBN:4393323084
■帯文より:科学者・神学者も含め、現代を代表する哲学思想家22人にインタビュー。彼らが著作に書けない赤裸々な本音も引きだしつつ、科学の成果がもたらす新たな倫理的課題や、政治・社会との関わりによって多様化する〈知〉の情況と哲学の意味を明らかにする。
●丹治信春(1949-)監修による新シリーズ「現代哲学への招待」の第一弾です。アラン・ソーカル、リチャード・ドーキンス、ヘレナ・クローニン、ピーター・シンガー、サイモン・ブラックバーン、レイ・モンク、マイケル・ダメット、ヒラリー・パトナム、ジョン・サール等々が登場するようです。

捏造された聖書
バート・D・アーマン著 松田和也訳
柏書房 06年5月刊 ¥2,310 A5判294頁 ISBN:4760129421
■帯文より:『ダ・ヴィンチ・コード』が語らなかったキリスト教の聖典をめぐる新事実。
■版元紹介文より:聖書は、その最初期から、多くの人によって書き写されてきた。そこではたんなる誤写のみならず「捏造」すら行われてきたという。聖書の「原典」とはいかなるものなのか。誤謬と捏造に満ちた聖書の謎を巡るノンフィクション!
●原題は"Misquoting Jesus:The Story Behind Who Changed the Bible and Why"です。著者はノースキャロライナ大学宗教学部長。『ダ・ヴィンチ・コード』の直接的な関連書ではありませんが、『ユダの福音書を追え』などと一緒に本棚の周辺に置いておくと面白い
のではないかと思います。
●柏書房の既刊では、『レンヌ=ル=シャトーの謎――イエスの血脈と聖杯伝説』がふたたび売れているようです。本書の著者3名の内、マイケル・ベイジェントとリチャード・リーはダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』を本書からの「盗作である」と主張して裁判を起していました(いわゆる「ダ・ヴィンチ・コード裁判」)が、先月無罪判決が出ています。ブラウンは『ダ・ヴィンチ・レガシー』(集英社文庫)の小説家ルイス・パーデューからも盗作疑惑で訴えられていましたが、これまた無罪。

デモステネス弁論集 1
デモステネス著 加来彰俊+北嶋美雪+杉山晃太郎+田中美知太郎+北野雅弘訳
京都大学学術出版会 06年5月刊 ¥5,250 46判667+24頁 ISBN:4876981639
●全7巻で、これまでに3巻と4巻が刊行されています。現在刊行中の「西洋古典叢書」第III期では、あと第2巻が出る予定。

エリコ
島田雅彦文・絵
インデックス・コミュニケーションズ 06年5月刊 ¥1,260 B6判71頁 ISBN:4757303831
■版元紹介文より:でおじいさんと一緒に暮らしていた少女が、密林を抜け草原と砂漠を経て、海を越え、都市に向かい、廃虚に至る壮大な旅の記録。
●「サンサンス絵本シリーズ」の第一弾として『私を忘れないで』(藤原智美=文/森祐子=絵)とともに発売。島田さんの絵はなかなか味わいがあっていい感じです。担当編集者氏によれば、「今あらためて問われる「家と家族」について、作家、詩人、アーティストなどのクリエーターが語る、ビジュアルブック・シリーズ」だそうです。
●もう何年も続いている「絵本」ブームですが、大人から子供まで幅広い読者を対象とするこのジャンルは、編集者ならば一度はチャレンジしてみたい分野。もはや絵本は児童書に収まりきらない広がりがあると思います。コミックも絵本もどんどん人文書棚に入ってきて欲しいというのが私の希望です。
●同書のサイン会が丸善丸の内本店2階で6月13日(火)19:00から予定されています。参加方法:は、同店にて対象書籍を購入した方、先着100名様に整理券を配布とのこと。問い合わせ先は丸善丸の内本店、電話は代表で03-5288-8881です。

共感覚――もっとも奇妙な知覚世界
ジョン・ハリソン著 松尾香弥子訳
新曜社 06年5月刊 ¥3,675 46判348頁 ISBN:4788509989
■帯文より:音を聞くと色が見える……、味に形がある……。一つの刺激から複数の感覚が生じる「共感覚」。この希有で奇妙な心の現象への心理学の探求からわかってきた、脳と心のしくみ。

わたしって共依存?
河野貴代美(1939-)著
NHK出版(日本放送出版協会) 06年5月刊 ¥1,365 46判228頁 ISBN:4140811145
■版元紹介文より:人に頼り頼られるってすばらしい! 彼氏、女友達、母親……誰かから離れられない自分を「他人への依存症?」と不安に感じるアナタに、それは心の病ではなく、心地よい関係を保つための試行錯誤だとアドバイスする。映画や小説の共依存関係を見ながら、「関わり恐怖」を解きほぐし、人と関係をもつ勇気と心地よさを力強く後押ししてくれる1冊。
●共依存co-dependencyについて語られるとき、たとえば書名には、「他人やモノで自分を満たそうとする人たち 」「自己喪失の病」 「いつも他人に振りまわされる人たち」「愛情という名の支配」「愛情の病理」 といった表現が使われていて、大勢の現代人がつい思い当たって不安になってしまうところですが、本書はポジティヴな側面を強調してくれているようで、やっと落ち着いて自分を見直せる本が出たといったところでしょうか。関連書の中で一番売れていく気がします。著者は、お茶の水女子大学開発途上国女子教育センター客員教授で、日本フェミニストカウンセリング学会代表理事。
●なお、共依存を扱っている本でもっとも英語圏で読まれている本の一冊であるメロディ・ビーティの『共依存症』(講談社)は現在品切。文庫化すればいいのに。
●ちなみに私個人の関心は、共依存と、哲学で言うところの「共実存」(ナンシーなど)の議論をどうリンクできるかといったところ。そんな本を月曜社で企画してみたいものです。しかし書き手がまだ見つかりません。

隠喩としての病い エイズとその隠喩
スーザン・ソンタグ(1933-2004)著 富山太佳夫(1947-)訳
みすず書房 06年5月刊 ¥3,675 46判312頁 ISBN:4622072246
●新装版です。

グラウンド・ゼロと現代建築
飯島洋一著
青土社 06年5月刊 ¥2,520 46判280頁 ISBN:4791762711
■版元紹介文より:ツインタワー崩壊の思想的意味とは。衝撃的WTC崩壊から生じた無残な跡地グラウンド・ゼロが、同時代に向けて発信し続けるメッセージとは何か。ビル消滅を見たいと願った人びとの心情とは。9・11の勃発を、アメリカ文明に内在する病理として鋭敏に予見した存在とその根拠とは。大胆で重層的視座から浮き彫りにされる、事件の数奇な宿命と必然。現代の深層意識を探る画期的考察。

スパイ事典
リチャード・プラット著 川成洋訳
あすなろ書房 06年5月刊 ¥2,100 A4変型判64頁 ISBN:4751523279
■版元紹介文より:盗聴、盗撮から暗号の解読、秘密兵器まで、知られざるスパイの実像に迫るビジュアルブック。秘密の道具キット/二重スパイ/暗号/ほか。
● 「知」のビジュアル百科シリーズの一冊。読者対象が小学校高学年~中学生となっていますが、もちろん大人でも楽しめます。こういうのが学校の図書館にあったら嬉しいですよね。

ガリレオの迷宮――自然は数学の言語で書かれているか?
高橋憲一(1946-)著
共立出版 06年5月刊 ¥9,450 A5判560頁 ISBN:4320005694
■版元紹介文より:ガリレオ手稿72(『ガリレオ全集』に未収録の写本を含む)を、まったく新たな視点から徹底的に分析し、ガリレオの運動論形成過程について通説を覆す新説を提出。今日、「数理物理学」において自明視されている自然観や科学方法論がガリレオにおいてはじめて立ち現れてくる場面を詳しく分析した。「自然は数学の言語で書かれている」とのガリレオの名言の背後には「数学」と「自然学」の二つの学問を統合するという理念上の困難が隠れている。その困難を克服する歩みは、迷宮での彷徨になぞらえられる。
●ガリレオ手稿の本格的解読。手稿の写真もあり。 まえがきやあとがきがPDFで公開されています。

プラハ日記――アウシュヴィッツに消えたペトル少年の記録
ハヴァ・プレスブルゲル著 平野清美+林幸子訳
平凡社 06年5月刊 ¥1,680 46判268頁 ISBN:4582832806
■版元紹介文より:級友や親類が次々とナチスに連行される中、恐怖に怯え不条理に怒りながらも、常に自由と人間らしい楽しみを求め、最後まで冷静な眼差しで社会を批評し続けた14歳の少年による歴史の証言。

日本占法大全書
佐々木宏幹+藤井正雄+山折哲雄+頼富本宏監修
四季社 06年5月刊 ¥8,400 A5判726頁 ISBN:4884053362
●手相・人相・家相・姓名判断・気学・易・十二支占い・四柱推命・おみくじ・占い暦などについて、「実用的かつ宗教学・社会学的に」解説してあるそうです。
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by urag | 2006-05-28 23:36 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 27日

『現代思想』06年6月号「特集=アガンベン――剥き出しの生」

a0018105_19121842.jpg『現代思想』二〇〇六年六月号(特集=アガンベン――剥き出しの生)
青土社、ISBN:4-7917-1150-5、税込1,300円、店頭発売5月27日

【閾】
口中の闇あるいは罪と恥辱について……辺見庸

【討議】
言語と時の〈閾〉……上村忠男+田崎英明
残りのもの/主権と生政治/〈閾〉からの思考/メシアニズム/インファンス/到来する共同体

【対話】
生、作者なき芸術作品――アガンベンとの対話……G・アガンベン+U・ラウルフ(長原豊=訳)

【テクスト】
思考の終わり……G・アガンベン(高桑和巳=訳)
もの自体……G・アガンベン(高桑和巳=訳)◆弊社近刊『思考の潜勢力』収録
記憶の及ばない像……G・アガンベン(高桑和巳=訳)◆同『思考の潜勢力』収録
装置とは何か?……G・アガンベン(高桑和巳=訳)★未発表論文

【剥き出しの生】
法/権利の救出――ベンヤミン再読……市野川容孝
《裸の》生――イチジクの葉の下はアダマの塵……柿本昭人

【例外状態】
隠し彫りの刺青――「瑕疵」の存在論のためのレジュメ……長原豊
歴史の終焉と政治の変容――冷戦下のカール・シュミット・サークルにおける世界内戦論……大竹弘二

【残りの時】
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの時間……高桑和巳
マイナーと福音――〈階級〉を構成する〈委員会〉の思考……松本潤一郎

【潜勢力】
死と身振り……鴻英良
遊隙の思考――アガンベンにおける無為と共同……多賀健太郎
無能ノート――アガンベン、荒木飛呂彦、セン……杉田俊介

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なお、大竹さんが言及してくださっている、アガンベン『アウシュヴィッツの残りのもの』をめぐるアレクサンダー・ガルシア・デュットマンによるエッセイ2本(「月曜社通信」収録)は弊社ウェブサイトでお読みいただけます。

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5月29日追記:紀伊國屋書店新宿本店5F人文書の哲学思想書売場で、アガンベン訳書全点平積みフェアが展開されています。現在品切の『スタンツェ』(ありな書房)も入荷予定があるかもしれないとのこと。版元の情報によれば、『スタンツェ』は本年中に重版ないし新装版が刊行される予定だそうです。

書店様へ:アガンベン本を積極展開されている書店様の宣伝を当ブログでさせていただいております。どうぞ情報をお寄せください。
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by urag | 2006-05-27 19:16 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(1)
2006年 05月 26日

「読者の視点に立って」?

新文化」のニュースフラッシュによれば、本日開催された第18回通常総会で、日書連の丸岡会長が次のように言明したといいます。

「読者の視点に立って、1.書店マージンの拡大、2.支払いサイトの延長、3.返品未入帳の改善、4.委託・返品期限の延長等で、物流面の改善を図り、組合書店の経営基盤の整備に全力を尽くす」。

これは、書店と取次との間の取引条件の改善が、書店経営を好転させ、ひいては読者の利益にも通じていく、という主張のように見えます。「読者の視点に立って」という言葉のニュアンスを詳しく聞いてみたいところです。

上記の4つのポイントは、取次を介して版元側が協力しなければ実現は難しいと思います。ところが、版元は版元で(主に小零細出版社ですが)取次に取引条件を改善して欲しいと思っています。

書店マージンを拡大するためには、どうしたらいいのでしょうか。取次に頼らず版元と直取引をすれば解決するでしょうか。あるいは取次への版元の卸正味をいっそう下げて、版元への入金をいっそう遅らせたり一部保留して、あれやこれやの手数料や協力費を更に増やして版元に請求し、返品はすべてフリー入帖を基本にして、委託期限を延長し、注文をすべて延勘か長期にすれば、物流および金融が改善するのでしょうか。

丸岡会長の発言はどこに向けられたものなのでしょうか。取次および大手版元にでしょうか。少なくとも弊社のような零細出版社にとっては、上記の改善策がもし版元への一律負担に転化されるとしたら、悲鳴をあげるどころの騒ぎでは済みそうにありません。

大書店と小書店との間の条件格差や、大版元と小版元との間の条件格差は、こうした改善策の中ではいったいいつ解消される見通しなのでしょうか。書店や版元における正社員とアルバイトの条件格差はどうなるのでしょう。そして、こうした議論の中のそもそもいったいどこに「読者」を位置づけようというのでしょうか。どうもよくわかりません。総会ではきっと、もっとディテールのある話だったのでしょう(?)、たぶん。
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by urag | 2006-05-26 22:43 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 25日

地方への大型出店競争はいつ終焉し、町の小書店はいつ復活するのか

本日配信の「[本]のメルマガ」250号のトピックス記事に「地方への大型出店競争はいつ終焉し、町の小書店はいつ復活するのか」と題した短文を寄せました。以下に転載します。

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ターミナル駅周辺には続々と大型書店が出店する一方で、「町の小さな本屋さん」が続々と閉店し続け、書店密度の地域格差がますます広がりつつある昨今。チェーン店の大型出店はそろそろ打ち止めではと業界内では囁かれつつも、今なお競争は止まない。

ジュンク堂書店は盛岡(岩手)市街に今秋オープンする「MOSS」ビル(旧ダイエー盛岡店)に2フロア730坪で出店。老舗のさわや書店や東山堂の牙城に殴り込みをかける。紀伊國屋書店は前橋(群馬県)市街に来春完成するショッピングモール「けやき前橋ウォーク」内に、ワンフロア1000坪で出店。前橋は老舗の煥乎堂をはじめ、戸田書店前橋本店や文真堂書店ブックマンズアカデミー前橋店などの大型店があり、オーバーストア気味。

大型チェーンの「進出&撤退」が繰り返される書店業界だが、地元客本位とはとうてい言えない。こうした傾向は収益本位の出版社が新刊を大量に刊行し続けていることと無縁ではないだろう。アルメディアの調査によれば、日本の書店数は現在17,582店。そのほとんどが「町の小さな本屋さん」だ。取次大手が小規模書店支援プロジェクトに乗り出しつつある現在、「町の小さな本屋さん」の活性化と個性を望む地元客は少なくないだろう。

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念のため補足しておきますと、私は「町の本屋は死んでいる」と決め付けたいのではありません。小書店でも魅力的なお店は実際にあります。私が言いたいのは、書店の未来は大型出店競争にあるのではなく、町の本屋さんの活性化と個性化にあるのではないかということです。

大型出店は確かにニュースになりますが、町の小さな本屋さんの閉店廃業はニュースにはなりません。そうやって業界的にも流通的にも社会的にも等閑視されてきた小書店の活性化にこそ、書店の未来が垣間見えるのではないかと思えるのです。「復活」というのは小書店が注目されるようになる未来の、その象徴的表現のつもりです。

小書店の活性化とは何か。一概には言えませんが、私は個性化――売り手の主張が見える本屋さんになること――が鍵になるのではないかと一消費者の立場から望んでいます。むろん、個性化というのは言うほど簡単なことではありませんし、取次や版元がそれを許さない部分もあるでしょう。

私が述べているのは理想的で理念的なことかもしれません。しかし理想や理念がまったく「非現実的なもの」だとは思わない。現実の名の元に私たち業界人は往々にして歪んだ後退戦を自ら選んできたのではないでしょうか。

理想を思い描くこと、そのイマジネーションの力でもって私は出版界の片隅に生きて(かろうじて生かされて)きました。理想がすべてだとは言いません。しかし理想を目指すことなくして面白い仕事ができるとは思えない。現実を知っているプロと理想を語る素人、その両極に片足ずつを置いて、はざまで泣いたり笑ったりしながら、私はこれからも本を作り、売っていきたいと考えています。
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by urag | 2006-05-25 21:34 | 雑談 | Trackback | Comments(3)
2006年 05月 24日

森山大道サイン付『NOVEMBRE』明日夕方から販売開始

現在絶版となっている森山大道×滝沢直己のフォトボックス『NOVEMBRE』のデッドストック品に、森山大道のサインをつけて、月曜社公式ウェブサイトにて限定25部を明日夕方6:00から販売いたします。代金(税込定価6930円+送料)のお支払いおよび発送方法は、ヤマト運輸の代引のみの扱いです。代引手数料は弊社が負担します。どうぞよろしくお願いします。
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by urag | 2006-05-24 21:19 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 23日

月曜社創業満5周年、ブログ開設満2周年記念特別企画

弊社は創業から5年半を経過しようとしています。また、当ブログは今月、開設以来3年目に突入しました。この佳節に際して、読者の皆様の日頃のご愛顧にお答えできるような何かしらの特別企画を立てようということに社内で決定しました。第一弾は森山大道さんに関する企画になります。

現在は絶版のフォトボックス『NOVEMBRE』の森山大道サイン本を近く部数限定でネット販売いたします。詳細は近日中に当ブログや公式ウェブサイトで発表させていただきます。

第2弾、第3弾企画も準備中です。順次開催予定です。
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by urag | 2006-05-23 20:57 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2006年 05月 22日

大竹伸朗『権三郎月夜』取次搬入予定日

大竹伸朗小説集『権三郎月夜』の取次搬入日は、流通上の理由により、25日の予定が3営業日ほど遅れておりまして、今月30日ないし31日になります。店頭に並び始めるのは、6月1日以降となります。お待たせすることになり、すみません。

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5月23日追記

例外的に以下の書店様では月内から販売開始となります。

渋谷区 ナディッフ本店 電話03-3403-8814
※25日以降の発売です。大竹さんの「全景」展を予定している東京都現代美術館の1階にある売店MOT THE SHOPをはじめ、ナディッフの系列店でも順次店頭発売開始となります。

大阪西区 カロ・ブックショップ&カフェ 電話06-6447-4777
※25日ないし26日から発売開始です。

以上です。
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by urag | 2006-05-22 22:00 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)