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2005年 12月 29日

「舞台芸術09」(特集=記録主義)の書影を公開

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2006年1月下旬発売予定の、『舞台芸術09』(特集=記録主義)の書影を公開いたします。カバーに使用されている写真は、タデウシュ・カントール演出の『死の教室』(1975年)の一幕です。
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by urag | 2005-12-29 21:03 | 舞台芸術 | Trackback | Comments(0)
2005年 12月 28日

月曜社2006年1月の新刊のご案内

月曜社ではこのたび、大野伸彦、瀬戸正人、中居裕恭、水谷幹治、森山大道の5人の写真家によって運営されている新宿のフォト・ギャラリー「PLACE M (プレイス・エム)」の発行する下記の写真集2点を発売することになりました。

店頭販売用委託出荷分受注締め切りは、1月10日(火)18:00までです。以降のご発注や客注は注文扱い(返条付出荷も可能)になります。お申し込みは、電話/FAXかEメールでお願いします。

◎2006年1月17日取次搬入予定の新刊

瀬戸正人写真集『picnic (ピクニック)』

発行:PLACE M/発売:月曜社
A4変型判/上製/110頁/作品点数:58点
ブックデザイン:鈴木一誌+塩田浩章
ISBN4-901477-21-8 C0072
税込定価:4,830円(本体価格:4,600円)

代々木公園に憩う恋人たち。淡々とした写真群。その撮影は1995年夏から始まった――。
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☆荒木経惟推薦――「写真って恋愛なんだよね。演技と演出の真実、これはかなり写真だよな。」

☆瀬戸正人(せと・まさと)について――1953年、タイ国ウドーンタニ市生まれ。写真家。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業後、深瀬昌久氏アシスタントを経て、1981年、フリーランスの写真家として独立。1987年、山内道雄氏と東京都新宿区四谷4丁目にギャラリー〈PLACE M〉を開設。国内外で個展、グループ展多数。
http://www.setos.jp/

写真集:
『《バンコク、ハノイ》 1982―1987』(IPC、1989年刊)1990年、日本写真協会新人賞
『部屋 Living Room, Tokyo』(新潮社、1996年刊)1996年、第21回木村伊兵衛賞
『Silent Mode』(Mole、1996年刊)1996年、第21回木村伊兵衛賞

その他の著作:
『トオイと正人』(朝日新聞社、1998年刊)1999年、新潮学芸賞
『アジア家族物語』(『トオイと正人』文庫版改題、角川書店、2002年刊)

* * *

菱田雄介写真集『ある日、』

発行:PLACE M/発売:月曜社
B5変型判/上製/126頁/作品点数:77点
ブックデザイン:鈴木一誌+塩田浩章
翻訳協力:Dave Spector
ISBN4-901477-22-6 C0072
税込定価:3,360円(本体価格:3,200円)

巡ることに意味があったのだ。ニューヨーク、アフガニスタン、イラクへの「21世紀の巡礼」。一人の写真家の「歴史に立ち会いたい」という欲望の結晶。
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☆森山大道推薦――「写真はつねに今日をしか写さない。世界を駆けめぐる一人の青年写真家の予兆に満ちた視線が、ぬきさしならない現場の今日を、しなやかに狙撃する。」

☆Dave Spector推薦――「One Photo. One Day At A Time. A Photographer's Journey...」

☆菱田雄介/PO-U (ひしだ・ゆうすけ:ポーユー)について――1972年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部を卒業後、民放テレビ局へ。主に情報系番組を担当しながら、世界各地の紛争地帯、辺境地帯を旅し、撮影し、発表する。
http://www.po-u.com/

* * *

☆PLACE M(プレイス・エム)について――フォトギャラリー〈PLACE M〉は、大野伸彦、瀬戸正人、中居裕恭、水谷幹治、森山大道の5人の写真家によって運営されている写真の実験の場です。ギャラリーでのレンタル/企画展示のほか、写真について考え、作品を作りあげていくためのワークショップ「夜の写真学校」、実践的な暗室ワークショップ、暗室レンタル等の活動を通じて、常時、広く一般に開放されています。また、併設の写真関連書専門書店「蒼穹舎」と連動し、写真についての総合的な場として機能しています。
http://www.placem.com/

160-0022東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3f 電話/ファクス:03-3358-3974

※ 東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅下車。2番出口(大木戸門側出口)から地上に出て、新宿通りの交差点を渡って四谷方向(交差点を渡って左方向)へ直進、2つ目の角(オカノヤとアコムレンタルの間の道)を右折し、最初のT字路の右手にあるタイル装のビル(1階は不動産会社)の3階。駅より徒歩3分。

ギャラリー:13:00―19:00/年中無休(年末年始を除く)
暗室レンタル:24時間/年中無休(但し要予約)
ワークショップ「夜の写真学校」:19:00―21:00/毎週土曜日(臨時休講の場合あり)

* * *

以上です。(H)
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by urag | 2005-12-28 12:06 | PLACE M | Trackback(1) | Comments(2)
2005年 12月 27日

増補改訂版『絵画の準備を!』が朝日出版社より

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絵画の準備を!
松浦寿夫(1954-)+岡崎乾二郎(1955-)=著
朝日出版社 05年12月 本体価格2800円 A5判431+21頁 ISBN4-255-00353-X

■浅田彰氏絶賛!「この本を読まずしていまの作品を制作し鑑賞することができると思う者は、よほどの天才でなければサルである」。いとうせいこう氏激賞!「このテキスト群はまるで百科全書のように一生涯参照可能だ」。島田雅彦氏賛嘆!「両氏は芸術の歴史に深く思いを馳せながら、最初の原則に立ち戻るために言葉の限りを尽くしている」。

■目次:
1 純粋視覚の不可能性 (1994年12月6日 山の上ホテル)
2 代行性の零度 (1995年2月21日 山の上ホテル)
3 無関係性 (1995年8月22日 岡崎乾二郎仕事場)
4 「国民絵画」としての日本画 (『武蔵野美術』No.99 1996年1月発行より再録)
5 平面性の謎 (1999年7月26日 備前珈琲店)
6 誰がセザンヌを必要としているか(I) (2000年7月21日 東京ウィメンズプラザ)
7 誰がセザンヌを必要としているか(II) (2000年7月28日 東京ウィメンズプラザ)
8 モダニズムの歴史という語義矛盾 (2001年2月9日 東京ウィメンズプラザ)
9 メディウムと抵抗 (2004年3月15日 四谷アート・ステュディウム)
旧版のあとがき
増補改訂版のあとがき
文献リスト
図版出典
人名索引
事項索引

※6~8はセゾンアートプログラム・クリティカル・ワークショップでの対談。

●2002年に「セゾンアートプログラム・ジャーナル別冊」として刊行された旧版を改訂し、新規対談を第九章「メディウムと抵抗」として増補。事項および人名索引、文献リストを新設。新規脚注五百項超、掲載図版三百点超。

●写真右がセゾンアートプログラム発行の初版本です。この本はISBNがついていないいわゆる非流通本でした。いくつかの大書店などで販売されていましたから幸運にも入手している人もいたことでしょうけれど、好評につき完売。しばらく絶版だったところを、今回、朝日出版社さんで増補改訂版が刊行されました。対談本であることもあり、とにかく情報量が多いです。美術史および美術批評を学ばれる学生の皆さんにとっては必読書ではないでしょうか。

●初版にはなかった脚注や索引、文献リストなどが加えられ、編集サイドの丁寧なつくりこみ具合を感じられる本です。カバーデザインは初版も今回の新しい版も岡崎乾二郎さんによるもので、新しい版ではいっそう洗練されています。

●来月末、以下の通りに出版記念イベントが行われます。

◎刊行記念イベント(定員100名)
日時:2006年1月28日(土)15:00~18:00
会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
入場料:税込1000円、電話予約(03-5485-5511)の上、当日精算。

以上です。(H)
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by urag | 2005-12-27 23:45 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2005年 12月 26日

「散歩の達人」1月号の特集は「本屋さんを遊ぶ!」

a0018105_20534619.jpg「散歩の達人」1月号の特集は、「本屋さんを遊ぶ!」です。東京の大書店だけでなく、首都圏の個性派小書店や古書店、オンライン書店などを数多く比較紹介。話題の有隣堂ヨドバシAKIBA店やブックオフの内側を覗いたり、はたまた万引問題の記事や、キヨスク/CVSにおける雑誌と本の販売を分析する記事、本屋大賞の裏話や古本屋企業入門などもあって、とにかく盛りだくさん。散歩者インタビューは本屋が大好きだと常々仰っている角田光代さん。第二特集は新宿の「新参ゴールデン街案内」です。今号は「買い」、だと思います。
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by urag | 2005-12-26 20:55 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2005年 12月 25日

2005年を振り返りつつ、下半期のベスト新刊10点を挙げる(上)

「[本]のメルマガ」12月25日付235号に寄稿したエッセイを転載します。
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■「ユートピアの探求」/五月
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【2005年を振り返りつつ、下半期のベスト新刊10点を挙げる(上)】

2005年は暗かった。身近なところで起こりうる事故や災害が黒雲のように、着実に日本社会を覆い始めた気がする。

いつ大地震などの自然災害に襲われるかわからないし、凶悪犯罪や詐欺や汚職はそこここで当たり前のように起きている。日本経済はお世辞にも好調とは言えず(私は株式市場の活況で現状を判断する気にはなれない)、政界だけでなく各種業界も再編の真っ只中で、いつ自分の仕事の足元が掬われてもおかしくない。

個人レベルの問題では、自己責任の名の元に国民の生活は様々な危険や恐怖に曝されるばかりだし、国家レベルの問題では、近隣諸国とりわけ中国や韓国、北朝鮮に対する日本の政治的関係は悪化する一方だ。要するに内向きにも外向きにもどうにも居心地が悪いことが増えてきている。小さく譬えるならば、家庭状況が滅茶苦茶で、ご近所との関係も憂鬱なことが多いといったような具合だ。

そもそも自分の仕事は何なのだろうと考える。書籍の出版。文化的社会貢献? 国民への娯楽の提供? 知的好奇心を向上させ、脳みそを世界へ「開かれた」状態にするためのヒントをもたらそうとすること。開かれた状態を目指しつつも、「閉じた」状態へ強烈に引っ張ろうとする何か暗いものの引力がじわじわと地表に広がっていくような感覚が、私を時として囚えている。

私には、出版業界に新しく入ったり、入ろうとしている何人かの知人がいるが、彼らを前にして私はこの暗い時代に彼らがいったい何をしようとして出版業にたずさわることになったのか、不思議に思うことがある。彼らの志望動機を詳しく聞きたいというのではない。ただ、彼らに何かしらの「希望」があるのなら、それを聞いてみたい。

希望を棄ててはいけない。絶望は底なし沼のように人生を蝕むから。暗い時代においては希望の内的質が問われる。その質を問い直すための作業として、私は因果なことに出版業を選んでしまった。出版業の本質は文化戦争を暴き、それに対抗することにある。しかしこの戦争は目には見えない。

それは驚くべき血みどろの闘争で、いやおうなくこの現実社会で日々繰り広げられ、誰もが巻き込まれているのだけれど、あたかもそんな残酷などないように「見える」。誰もが自分の意志で生きているように見えるけれど、この戦争の犠牲者として、日々生殺しにされつつあることに「気づかない」。それは私たちを飼いならし、より大きなものに奉仕させようとする。

「より大きなものたち」は私たちの血を吸って生き延びるけれど、その異常な成長ぶりはこの地球をいよいよ窒息させてしまいそうだ。これはひとつの寓話的破滅である。破滅は多様であり、互いに連鎖する。これら多様な物語をそれぞれ明るみに出し、手術するようにして連鎖を食い止める必要がある。希望を語る時、私たちは破滅を背負わなければならない。

今年刊行された新刊の中で、そうした多様な物語のうちでもっとも大きな部類に入るひとつを暴いて見せた本が、リンダ・マクウェイグの『ピーク・オイル――石油争乱と21世紀経済の行方』(作品社)ではなかったかと思う。

ピーク・オイル――石油争乱と21世紀経済の行方
リンダ・マクウェイグ著、益岡賢訳
作品社、05年9月刊、本体2400円、46判上製386頁、ISBN4-86182-050-2

ピーク・オイルというのは石油産出量のピークを迎える事態を指す。専門家によればそれは2005年で、つまり来年からは徐々に石油資源の調達をめぐって、人類が様々な争いに陥るだろうことを示唆している。心底ぞっとする話のオンパレードで、アメリカがイラク戦争をなぜ起したのかが「見えて」しまう本でもある。石油資源の利権を狙っただけではなく、中東に重要な軍事拠点を構えるために戦争が行われたのだとしたら。

翻って、国内に目を転じた時、ブッシュと「仲良し」な小泉政権への不満にくすぶる人々の輪に、次の一書が投げ込まれたのは印象的な出来事だったかもしれない。

ミッキーマウスのプロレタリア宣言
平井玄(1952-)著
太田出版、05年11月、本体1200円、46判180頁、ISBN4-87233-993-2

「日本階級社会には、支配する人間と、忠実な犬と、路上を徘徊するネズミとがいる」と本書は教える。巷では三浦展氏の『下流社会――新たな階層集団の出現』(光文社新書、05年9月)が話題だったけれど、平井氏のまなざしはもともと「下流」を見据えている。「下流」かどうかを気にするよりも、「より大きなものたち」にどう抵抗するのかが問題なのだ。書店店頭では『下流社会』の隣には、必ず本書を陳列してほしいものだ。しかもそれらはビジネス書売場の自己啓発書コーナーのど真ん中に置かれるべきである。

次に、「ネズミ」同士がどう連帯していけるのかが問われなければならないが、その際にはネグリ+ハートの『マルチチュード――〈帝国〉時代の戦争と民主主義』が、探究の手がかりを与えてくれるだろう。

マルチチュード――〈帝国〉時代の戦争と民主主義 (上・下)
アントニオ・ネグリ(1933-)+マイケル・ハート(1960-)著、幾島幸子訳、水嶋一憲+市田良彦監修
NHK出版、05年10月、本体各1,260円、B6判・上335頁・下309頁、ISBN上4-14-091041-0 下4-14-091042-9

「より大きなものたち」を延命させるこんにちの「グローバル権力」に抵抗しゆく人々の、連帯可能性としてのマルチチュード。本書の第一章は次の言葉から始まっている、「世界はふたたび戦争状態にある」。先述した「文化戦争」の日常は、本書が明るみに出す当のものでもあるだろう。

ところで、本誌の読者ならご存知だろうが、私の勤務する出版社では昨年に、ネグリの歳若い友人であるパオロ・ヴィルノの『マルチチュードの文法――現代的な生活形式を分析するために』(月曜社、04年1月)を刊行した。本書はネグリ+ハートの『〈帝国〉――グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』(以文社、03年1月)やその続編である上記の『マルチチュード』、またネグリ自身による『〈帝国〉をめぐる五つの講義』(青土社、04年7月)と並んで、紛れもない重要書なのだが、大書店以外ではお目にかからない本なのが申し訳ないところだ。

なお、ネグリ+ハートの議論をより的確に理解するために、以下の二冊を推奨しておきたい。

非対称化する世界――『〈帝国〉』の射程
西谷修+酒井直樹+遠藤乾+市田良彦+酒井隆史+宇野邦一+尾崎一郎+トニ
・ネグリ+マイケル・ハート著
以文社 05年03月 本体価格2,400円 46判256頁 ISBN4-7531-0239-4

新世界秩序批判――帝国とマルチチュードをめぐる対話
トマス・アトゥツェルト+ヨスト・ミュラー編 島村賢一訳
以文社 05年10月 本体2200円 46判200頁 ISBN4-7531-0244-0

とにかく、「これであなたもお金持ち」式な本や、「世界のトップ経営者に学べ」式な本が無駄に大量に置かれてある売場のど真ん中には上記三点(『ピーク・オイル』『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』『マルチチュード』のような、パンチの効いたキツい本を一緒に置いたほうがいい。でなければ一部の店頭はいずれ、詐欺すれすれのうまい儲け話やバブル再来と見まごう夢物語を売るばかりの「たまり場」となり果て、現代人の歪んだ欲望の似姿にますます近づくだけだろう。と、あえて挑発(誰を?)しておこう。

次回の本稿では、今回掲げたような「現代」を撃つ書物とは別種の、歴史の堆積層に分け入る重要書を紹介しようと思う。

◎五月(ごがつ):本誌25日号編集同人。http://urag.exblog.jp
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by urag | 2005-12-25 23:31 | 本のコンシェルジュ | Trackback(3) | Comments(0)
2005年 12月 23日

うずまき

a0018105_13235757.jpgexblogで新規に作成されたスキン、「ナチュラルパターン」のレッドを利用しはじめました。これをプレビューしたときに真っ先に思い浮かんだのは、伊藤潤二さんの『うずまき』(小学館)でした。渦巻き模様というのはどこか眩暈を惹き起こすような作用がありますね。そこに着目し、渦巻き模様のさまざまなパターンを物語の中にふんだんに取り込んだ伊藤さんのイマジネーションというのはすごいなと思います。ちなみに私の書斎ではこの『うずまき』はモルフォロジー棚にあります。モルフォロジー棚は音楽思想や天使論の書棚と隣接しています。(H)
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by urag | 2005-12-23 13:25 | 雑談 | Trackback | Comments(2)
2005年 12月 22日

平野啓一郎責任編集のムック「PUBLIC SPACE」

a0018105_18162518.jpg芥川賞作家の平野啓一郎さんによる責任編集のムック『PUBLIC SPACE―都市のささやき』がエクスナレッジから刊行されました。本体2,400円、ISBN4-7678-0431-0です。エクスナレッジムック「HOME」特別編集No.6、だそうです。

参加者は、青山真治、MVRDV、アラン・コルバン、中沢新一、マーティン・パー、山口昌男、四方田犬彦、森川嘉一郎、西垣通、岡崎乾二郎、港千尋、伊藤俊治など豪華。責任編集者の平野さんも自ら書き、対談し、縦横に活躍されています。ちなみに平野さんは昨年一年間はパリに住んでおられたそうです。

弊社から『アーバン・トライバル・スタディーズ――パーティ、クラブ文化の社会学』を刊行させていただいている上野俊哉さんも「「野外的公共圏」は可能か?――ウッドストックからレイヴ・パーティまで」と題した一文を寄稿されています。

数々のエッセイや対談だけでなく、本書に収録されている多数の写真はいずれも印象的で、見ていて飽きません。ぜひお手にとってみてください。エクスナレッジさんは建築書系の版元さんですから、このムックはたいてい理系の書棚に並べられるのでしょうけれど、人文社会書のカルチュラル・スタディーズの棚に置いても十分売れると思います。(H)
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by urag | 2005-12-22 18:17 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2005年 12月 21日

T・リアリー『死をデザインする』がアップリンクより発売

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私の書斎の「アメリカ棚」の一隅を占めるティモシー・リアリー(Timothy Francis Leary, 1920-1996)の数冊の本たちの傍らに新しく今月加わることになったのが、この『死をデザインする』です。

死をデザインする
ティモシー・リアリー著 栩木玲子(とちぎ・れいこ)訳
アップリンク=発行 河出書房新社=発売 05年12月 本体2286円 B6変形判函入413頁 ISBN4-309-90659-1

■函に印刷されたキャッチコピーより:誰にでもやってくる終幕を迎えるにあたり、計画を立て、遊び心を忘れず、細かく配慮し、しかもエレガントに準備するために。

■目次より:
ティモシー・リアリーによる序文
R・U・シリアスによる序文
第一部 生きること
 1 生の意味って何?
 2 サイバー航行――現代の錬金術
 3 言語
 4 ドラッグ
 5 心理学
 6 突然変異
第二部 死ぬこと
 7 死ぬんだって? じゃあパーティを開こう
 8 道中のための最後のタブー
 9 死に近づくことをデザインする
10 死は究極のトリップだ
第三部 デザインされた死
11 進化メニューから代替テクニックを選ぶ
12 オプションとしての人体冷凍術
13 ナノテクノロジー
14 二一世紀――サイボーグ化とポスト生物学的死のための選択肢
15 ティモシー・リアリーの最終脱出
補遺 友人たちの記憶によるティモシー・リアリーの死のパフォーマンス
訳者あとがき

■原書:"Design for Dying" by Timothy Leary with R. U. Sirius, 1997, Harper Collins.

透明の函に真っ白なペーパーバックという洒落た造本です。デザインされたのは、桐林周布さん(AMANE DESIGN)。アップリンクさんの本はいつも造本が素晴らしく、もちろんコンテンツも個性的で、所有する喜びを毎回感じます。

リアリーの相変わらず「自由」な発言の数々は本書に目を通していただくこととして、巻末の「補遺」に収められたリアリーの38人の友人たちがリアリーから何を「レッスン」として学び、何を「いちばんの思い出」にしているのか、それぞれの興味深いエピソードの中から、最後に掲げられたとても印象的なお話をご紹介します。

「ティムとの大切な思いではそれこそ数え切れないが、今のところほんとうにいちばんの思い出はティムからもらったeメールだろう。それは彼が亡くなって一ヶ月後に届いたものだ。「ロバート、調子はどうだい。あちら側から挨拶をしようと思ってね。…ここは思ってたのとはちょっと違うよ。悪くはないけど混んでるな。…みんな元気で。愛をこめて、ティモシー。」 リアリー博士のあまたある冗談の中で、これは私にとっては最も忘れがたいものだ。」(ロバート・アントン・ウィルソン)

じわっと来るものがありませんか。リアリーって素敵だなあ。死後に友人にEメールを届けるサービスをやっている会社があったと思いますが、私もこういう冗談なら真似してみたいです。

ちなみに本書の下に映っているのは、以下の三冊です。

『神経政治学――人類変異の社会生物学』山形浩生訳、1989年5月、トレヴィル
『フラッシュバックス――ティモシー・リアリー自伝 ある時代の個人史および文化史』山形浩生ほか訳、1995年2月、トレヴィル
『大気圏外進化論』菅靖彦訳、1995年10月、リブロポート

どの本もデザイン、コンテンツともに最高です。私はどれも同時代的に購読してきましたが、現在は絶版なのが残念です。歳をとって得した気分になるのは、若い人と比べて蔵書の厚みが必然的に違ってくるところでしょうか。

古書店で見かけたらぜひ買ってください。このほかに、リアリーが『バルド・ソドル』を朗読している音楽CDなども持っていますが、聞きとおすには正直退屈な代物で(あくまでも私個人の感想)、そこらへんにうっちゃってます。(H) 
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by urag | 2005-12-21 23:00 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2005年 12月 19日

09号「記録主義」の刊行は1月下旬発売に

三たび刊行遅延のお詫びです。「舞台芸術」09号(特集「記録主義」)は来年1月下旬の発売予定となりました(20日以降の店頭発売開始予定)。先月、「最終的に12月中旬」と申し上げましたが、発行元(京都造形芸術大学舞台芸術研究センター)の都合により、遅れることになりました。まことに申し訳ありません。

目次と書誌データを以下に掲げます。

舞台芸術09 Performing Arts
特集 記録主義 Documentarism
  
責任編集=太田省吾・鴻英良
発行=京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
発売=月曜社
本体2000円 A5判並製308頁 ISBN4-901477-59-5

グローバリズム下、舞台とドキュメンタリーの新しい関係が、いま、始まる

いま舞台芸術ではフィクションが機能しなくなっている。それはグローバリズムと無縁ではない。世界各地で社会構造が変化し、ひずみが生じて来ており、そのひずみといかに向き合うことができるのか、それが現在、舞台芸術の最大のテーマとなっている。しかし、ここでは舞台が従来得意として来た、社会的な出来事を劇的に再構成する方法はもはや通用しない。わたしたちはいま、劇的に現実の諸問題を解決してしまう舞台でなく、わたしたちを現実の諸問題へとさしむけるインデックスとなる舞台を必要としているのである。いまそのもっとも極端な形態として、虐殺を生き延びた者たちを舞台に召還し、証言を行わせるドキュメンタリーの表現形態でグローバリズムに拮抗しようとするアーティストたちの戦略がある。かれらの戦略にいかなる可能性があるのか? 本号では、グローバリズム下における、<ドキュメント=記録>を媒介とした舞台芸術の想像力を問う。

目次

舞台の記録――どのようなものとして考えるか 太田省吾………001
イリヤ・カバコフの鞄 鴻英良………005

◎特集=記録主義◎

ローリー・アンダーソン インタヴュー 聞き手=鴻英良
記録と自由………022

自伝とドキュメンタリー――自己【ルビ=セルフ】と社会正義 キャロル・マーチン 訳=内野儀………044

異化する〈事実〉――ドイツ・ドキュメンタリー演劇について 高橋順一………054


共同討議のための基調報告
〈ドキュメンタリー〉が切り開く〈舞台〉 森山直人………066

共同討議
事実とは何か――ドキュメンタリズムの〈関係〉と〈構造〉をめぐって
佐藤真/港千尋/川村毅/鴻英良/八角聡仁/森山直人………076

抵抗の美学のために――証言オペラ『ルワンダ94』の構造と成立過程 フィリップ・イヴェルネル 訳=熊谷謙介………108

ドキュ・パフォーマンスの理論と実践 オン・ケンセン 訳=山田晋平………122

武井昭夫 インタヴュー
記録のアクチュアリティを求めて 聞き手=森山直人………135

あの時、そしてあの時の記録 ローリー・アンダーソン 訳=都甲幸治………159

記録と記憶――機械的複製技術と舞台芸術 渡邊守章………162

舞踊=眼――インタラクティヴ・ダンス・パフォーマンス『Turned』 クリスティアン・ツィーグラー 訳=萩原健………172


◎時評◎
「不可能性の時代」の演劇(二)――〈Jという場所〉と近代芸術という制度について 内野儀………180
「子供の国のダンス」便り――オトナは「運動」がキライ!? 桜井圭介………195
新演出歌舞伎、というもの――『NINAGAWA 十二夜』の場合 小林昌廣………207
裏ベケットのさしせまり――ベケット東京サミットから 岡村民夫………214


◎連載◎
やさしい現代演劇 9 川村毅………222
ブレヒトと方法 6 フレドリック・ジェイムソン 訳=大橋洋一・河野真太郎………229

◎戯曲◎
聞こえる、あなた?――fuga #3
太田省吾………250

***

以上です。
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by urag | 2005-12-19 17:00 | 舞台芸術 | Trackback | Comments(0)
2005年 12月 18日

今週の注目新刊(第33回:05年12月18日)

今週の注目書は、ナカニシヤ出版より発売された、奥田敏広(1956-)さんの『トーマス・マンとクラウス・マン――《倒錯》の文学とナチズム』です。一次資料からマン親子の著書が時代とどう切り結んできたかを読み解くもののようです。奥田さんは京都大学大学院人間・環境学研究科助教授で、専攻は近代ドイツ文学です。読み応えのある研究書だろうと思います。版元のウェブサイトで、「まえがき」の抜粋を立ち読みできます。

トーマス・マンとクラウス・マン――《倒錯》の文学とナチズム
奥田敏広(1956-)著
ナカニシヤ出版 06年1月刊 本体2,800円 A5判314頁 ISBN4-88848-989-0
■帯文より:ナショナリズムと同性愛エロスの共犯関係。創作メモをはじめとする最新の一次資料を渉猟し、マン父子の作品を精緻に解読、時代の狂気と交錯する作家の欲望をえぐり出す。

唐草抄――装飾文様生命誌
伊藤俊治著
牛若丸=発行 星雲社=発売 05年12月 税込2,940円 ISBN4-434-07164-5
●モルフォロジー好みの読者にとっては嬉しい一冊。また牛若丸さんが美しい本を作ってくださいました。同時期にMPCより出版された『図案の原典 花と植物編』(グレアム・レスリー・マッカラム著、税込2,940円)もチェックしておきたいところ。

いっぽうで、やはりさいきん出版された『ヴォイニッチ写本の謎』(G・ケネディ+R・チャーチル著、青土社、税込2,940円)をひもとけば、草木のような不思議な読解不能の記号がいったいどうやって「人間の心のうち」から生まれたのか、 興味深いエピソードを覗くことができます。

自然にある形態を図像化したものと、人間の想像力が生んだものとのあいだには、かたちの上でどこが似通っていて、どこが違うのか。好奇心が沸いてくる領域です。

ポスト構造主義
大城信哉著 小野功生監修
ナツメ社 06年1月 税込1,470円 46判222頁 ISBN4-8163-4044-0
■帯文より:あなたの生きる「いま・ここ」にある思想がわかる。
■目次より:頁見開きサンプル
1.ポスト構造主義とは?
2.現代思想としての条件
3.構造主義の衝撃
4.構造主義の彼方へ
5.ポスト構造主義の思想(1)
6.ポスト構造主義の思想(2)
7.ポスト構造主義の多様性
8.男性と女性:フェミニズム
9.西洋近代と国家
10.ポスト構造主義批判
11.日本のポスト構造主義

●「絵と文章でわかりやすい!」が謳い文句の「図解雑学」シリーズの一冊。帯文は「いま・ここ」の思想と書いていますが、本音を言えばなぜ今頃「ポスト構造主義」なのかがよくわかりません。しかし、遅れてきた入門書だからこそ書けること、回顧・展望できることがあるはず。サンプルページを見ると、ネグリの『帝国』が論じられています。

現代思想系の気になる新刊ではこのほかに、『記号学を超えて』(ナイオール・ルーシー著、法政大学出版局、税込3,465円)、『ロラン・バルト著作集(5)批評をめぐる試み』(みすず書房、税込5,775円)、『マルクスパリ手稿 経済学・哲学・社会主義』(カール・マルクス著、山中隆次訳、 御茶の水書房、税込2,940円)などがありました。

また、今週は講談社の「現代思想の冒険者たち」シリーズから三冊が新装再販。川本隆史『ロールズ』、 篠原資明『ドゥルーズ』、飯田隆『ウィトゲンシュタイン』。税込各1,575円。

「要チェックな再販」のつながりでいえば、『絵画の準備を!』(松浦寿夫+岡崎乾二郎著、朝日出版社、税込2,940円)と、サイモン・マースデン写真集『幽霊城』(平石律子訳、エディシオン・トレヴィル、税込3,990円)は旧版を持っている読者も中味や造本を確認しておきたいところ。

建築と破壊――思想としての現代
飯島洋一(1959-)著
青土社 06年1月刊 税込2,940円 46判467頁 ISBN4-7917-6247-9
■帯文より:人びとはツインタワーの消滅を見たいと密かに願っていた。ロシア革命に端を発し、テロル・粛清・暗殺など、20世紀の黙示録的大事件に脈々と通底する感情が、新世紀劈頭の9・11に収斂した――。自意識の分裂と言う強迫観念に囚われたドストエフスキーからA・ウォーホル、D・アーバスらの果敢な営為に、空虚で寄る辺ないわれらの時代の気分を抉る、大胆で意欲的な文化批判。

●『現代思想』連載に加筆修正を加えたものだそうです。『現代建築・アウシュヴィッツ以後』『現代建築・テロ以前/以後』(いずれも青土社)と併せ、必読書かと思います。

このほかに目に留まった建築関連書には、『リノベーションの現場』(五十嵐太郎編、彰国社、税込2,730円)がありました。個人的にリノベーションが好きだからですが、古い建造物を甦らせることは社会的にもっともっと評価されてもいいことなのになあと思います。 どうも世間やお役所はそう思っていないらしい。

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上記以外で気になった新刊には、『ジャイナ教』(渡辺研二著、論創社、税込3,990円)、『脳・身体性・ロボット』(土井利忠編、シュプリンガー・フェアラーク東京、税込4,200円)などがありました。特に前者は読まねばと思っています。(H)
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by urag | 2005-12-18 10:22 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)