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2005年 01月 31日

難読でしょうか

電話注文の際、『アウシュヴィッツの残りのもの』がよく『アウシュヴィッツの残りもの』と題名を微妙に間違われてしまう、ということを以前お話しましたが、さいきんでは、『燈火節』を「とうかせつ」ではなく「とうかぶし」とお読みになる書店員さん、取次さんがままいらっしゃいます。

何の迷いもなく「とうかぶしを1冊」ときっぱり言う方もあれば、自信なさげに「とうか・・・・・ぶし」と間があく方もいらっしゃいます。世の中にはこうした読みにくいタイトルや著者名というのはしばしばあるものだと思います。

私が以前とある出版社に勤めていた際に、『ニュークリティシズムと脱構築』というタイトルの本があって、それの注文を、某大型書店の有名な仕入担当者の方からいただいたことがありました。

ヴェテランの担当者氏は疲れていたのでしょうか、あるいはその日はたまたま版元との会合でランチビールを呑んだりしていたのでしょうか、電話口の滑舌がどうも最初からあやしいなと思っていたら、「注文ですが、にゅーくりちずんとだこち」と一気に来ました。

不謹慎にも噴出しそうになり、必死にこらえて注文を承り、事なきを得ました。しばらくは社内で、その本を「だこち」と呼んでウケまくっていたことは、懐かしい思い出です。

そういう自分はどうなのか。よく電話口で滑舌悪く、かんでます。人のことなど言えたものではありません。(H)
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by urag | 2005-01-31 22:55 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 29日

3月刊『地図』販売店情報

3月刊行予定の川田喜久治写真集『地図』を販売してくださる書店様(ただいま募集中)に、、名古屋市中村区のヴィレッジヴァンガードビックカメラ店さん、大阪市西区のカロ・ブックショップ&カフェさんに続き、福岡市中央区天神の丸善福岡ビル店さんが、名乗りを上げてくださいました。

募集を謳っているのはこのブログにおいてのみです。こんなローカルなウェブログにたどり着かれただけでも驚きですのに、その上にお申し出をいただけるなんてびっくりです。『White Casket』や『Novembre』の販売実績店さんであるという以上に、九州全域でいちばん小社の刊行物を積極的にご発注いただいていると思います。

小部数生産で高額本のため、委託配本は取次さんは引き受けてくださらないと思われます。取次経由では注文扱いのみとなります。返品条件等については営業部までお気軽にご相談ください。
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by urag | 2005-01-29 19:28 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 28日

ガタリ『「アンチ・オイディプス」草稿』が出ましたね

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パリの出版社リーニュ・エ・マニフェストから、今月、フェリックス・ガタリの『「アンチ・オイディプス」草稿』が刊行されました。510頁の大冊。定価は30ユーロ。アマゾンアラパージュフナックなどのオンライン書店で買えますが、そのうち国内のフランス図書さんなどの店頭で現物を見れるようになるのではないでしょうか。

かつて、ドゥルーズとガタリは『千のプラトー』の序章である「リゾーム」の冒頭でこのように述べていました。

われわれは『アンチ・オイディプス』を二人で書いた。二人それぞれが数人であったから、それだけでもう多数になっていたわけだ。そこでいちばん手近なものからいちばん遠くにあるものまで、なんでも手あたりしだいに利用した。見分けがつかなくなるように巧みな擬名をばらまいた。なぜ自分たちの名前をそのままにしておいたのか? 習慣から、ただもう習慣からだ。今度はわれわれ二人の見分けがつかなくなるように。われわれ自身ではなく、われわれを行動させ感じさせ、あるいは思考させているものを、知覚できなくするために。それにみんなと同じようにお喋りし、太陽が昇る、などと言うことは楽しいからだ、みんながそんなのは話の糸口にすぎないと承知しているときに。人がもはや私と言わない地点に到達するのではなく、私と言うか言わないかがもはやまったく重要でないような地点に到達することだ。われわれはもはやわれわれ自身ではない。それぞれが自分なりの同士と知り合うことになる。われわれは援助され、吸いこまれ、多数化されたのである。

※強調の太文字は引用者による。

このように、彼らはどのセンテンスがドゥルーズもしくはガタリに帰属するか、という文献学的な関心を一顧だにしなかったわけですが、今回刊行されたこの『草稿』で、ガタリがドゥルーズに書き送っていた覚書やメモが公開され、読者は『アンチ・オイディプス』の舞台裏を垣間見ることができるようになるわけです。その意味で非常に貴重な本だと言えるでしょう。

なお、この本は『アンチ・オイディプス』の直接的な草稿だけでなく、その周辺の草稿も多数収録しているので、ガタリ自身の著書とドゥルーズとの共著の間の連環がよりいっそう有機的に見えてくるのではないでしょうか。

草稿群を整理し、序文を書いたのはステファヌ・ナドー。ガタリの遺稿管理を行っているのは、かのIMECです。アルチュセール文庫もこのIMECにありますよね。ロラン・バルト、バンヴェニスト、ヴァール、マルセル・モース、セリーヌなどの文書群も管理しています。

時間があったら、参考のために目次画像をアップしようと思います。
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by urag | 2005-01-28 21:21 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 27日

おお! セブンアンドワイでランキング4位!

今週あたりで主要店の店頭に出回ったことと思われる、小社最新刊のエルンスト・ユンガー著『追悼の政治』ですが、オンライン書店セブンアンドワイの「歴史、心理、教育」分野で、売上ランキング4位を取ったことに気づきました。びっくりですし、うれしいです。

この『追悼の政治』ですが、さらに光栄なことに、八雲出さんと吉田浩さんのブログでも早速取り上げていただいています。本当にありがとうございます。ちなみにお二人は『心脳問題』(朝日出版社)の著者でいらっしゃいます。皆さんもう読まれましたよね! とても啓発的な本です。
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by urag | 2005-01-27 22:21 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(2)
2005年 01月 26日

3月新刊:上野俊哉『アーバン・トライバル・スタディーズ』書影公開

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小社より刊行される上野俊哉さんの近刊書の書影を公開し、書誌情報を更新いたします。書影はほぼこの線で決まりです。

変更があったのは次の事項です。

書名:『アーバン・トライブ・スタディーズ』→『アーバン・トライバル・スタディーズ』
発売日:2月上旬予定→3月1日予定
頁数:304頁予定→296頁
本体価格:予価2800円→2500円

これらを踏まえて再度書誌情報を公開すると、以下の通りです。

発売日:2004年3月1日取次搬入予定
書名:アーバン・トライバル・スタディーズ
副題:パーティ、クラブ文化の社会学
著者:上野俊哉
判型:A5判並製カバー装296頁
本体価格:2500円
ISBN:4-901477-15-3

内容:ストリートからの日常生活批判! マクルーハン以降の現代のトライブ(部族)の概念、アドルノ+ホルクハイマーの大衆文化論、ドゥルーズ&ガタリ、エスノグラフィの方法などを批判的に検討し、19世紀から1960年代のサイケデリックの系譜と向き合いつつ、パーティやクラブという若者文化・対抗文化の現実を「生きながら」記述。サブカルチャー当事者の視点で、国家や階級、民族に帰属しない共同性の可能性を探る。日本の文化研究を牽引してきた著者が、現状の研究への懐疑から、新たな方法論をもって挑んだ野心作。「〈超越した理論の言葉〉と〈現場の感覚〉を自らが絶えず高速で往復できるような身ぶりだけが、文化研究をそれがそう呼ばれなくなる地点にまでもっていくだろう」。

目次:序文■第一章:アーバン・トライブとは何か?/グローバリゼーションとトライバリゼーションの往還の地平■第二章:トランスクリティックとしての民族誌/今日のシャーマニズム/トランスクリティックとエスノグラフィ■第三章:ディオニュソス・グラフティ/ディオニュソス・グラフィティ/逃走と飛び地■第四章:学び逸れる野郎ども/リズム・ダンス・ミメーシス■第五章:一時的自律接触領域/ニューエイジ・トラヴェラー/トライバル・ウォリアーズ、あるいは「新しい野蛮人」?/接触領域(コンタクト・ゾーン)としてのパーティ■あとがき

著者略歴:上野俊哉(うえの・としや)1962年生れ。和光大学教授。著書に『カルチュラル・スタディーズ入門』『実践ルチュラル・スタディーズ』(ともに毛利嘉孝との共著、ちくま親書)、『ディアスポラの思考』(筑摩書房)、『紅のメタルスーツ』(紀伊國屋書店)など。
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by urag | 2005-01-26 15:15 | 近刊情報 | Trackback(1) | Comments(2)
2005年 01月 24日

間違いありません、本日より東京も花粉シーズンです

目や耳の奥ががかゆい、と思っていたら、ついに今朝から鼻づまりが始まりました。間違いありません、今日から東京での花粉飛散が本格化したのだと思います。花粉症は正直、アタマがぼーっとしてくるのが困りますよね。嗚呼。(H)
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by urag | 2005-01-24 10:31 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 23日

花粉症早くも

目が何だかいつもよりかゆいな、と数日思っていたのですが、つまりこれは花粉症のシーズン到来なのかとハタと気がつきました。今年はひどいとニュースなどで喧伝されていますが、早くも1月からくるなんて、本当にひどいかもしれません。ユウウツです。(H)
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by urag | 2005-01-23 10:55 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 22日

「地図」サイン本

3月20日発売予定の川田喜久治写真集『地図』は、ごく限られた冊数ですが、サイン本を販売する予定です。PGI月曜社ウェブサイト直販で扱うことになっています。詳細情報の公開はまだ先になりますが、準備出来次第、このブログでも告知いたします。
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by urag | 2005-01-22 00:11 | 近刊情報 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 21日

「燈火節」、局地的に売れてます

1月20日に配信された、e-mail版の「三月書房販売速報(仮題)」078号のトップ記事を、小社の『燈火節』が飾りました。感激です。三月書房さんと知り合ってから、はや十数年。このような栄誉に与ることができるとは思いもしませんでした。

その筋では有名なミニメディアなので、業界人の方はご存知かと思いますが、「販売速報」のトップに取り上げられるというのは、めったに経験できないことです。ちなみに、この「販売速報」、出版業界向けにつくられていますが、一般読者でも購読申し込みが可能です。個性派書店のディープな裏話や鋭い業界論が読めて、面白いですよ。

以下、トップ記事の引用です。

[#01] 最近売れてるような気がする本(順不同)

◆「燈火節(とうかせつ)」片山廣子/松村みね子 月曜社
前号で1冊注文のところ11冊も入荷したので、送料無料セールを実施中とお知らせしましたが、現在9冊と予想以上の売り上げです。お買いあげは店頭と通販のご常連がほとんどでしたから、送料無料の効果がどの程度あったかは疑問ですが、間違って大量に入荷したという話題がなければこのメルマガのネタにはならなかったわけですし、HPでも地味な扱いにしかできなかったでしょうから、強引にプッシュした効果はあったようです。それに、1冊売るたびに補充していたのでは、まだ3冊位しか売れていなかったでしょうから、たいへんにけっこうなまちがいでした。問題はこういう強引なセールが他の本でも可能かどうかということですが、本の内容はもちろんとして、Amazonや地べたの大型店の販売状況など、いろいろの条件が合致した本でないと、こううまくはいかないでしょう。なお、5月に続刊が出る予定で、こちらにも予約がぼちぼちと入りつつあります。

(以上引用終わり)

この記事が配信された日の夕方、さらに1冊売れて累計で10冊売れたとのご連絡が入り、追加注文をいただきました。うれしさ2倍です。たった10冊と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本の性格や値段、そして三月書房さんの売場面積(10坪)を考えると、すごいことなのです。それに都心の大型量販店だって、10冊はそうそう売れません。

それにしても、1冊の予約指定が11冊入荷になったというのは、小社にとって初体験です。取次さんが仕入調整において「減数」の判断を下すことはあるとしても、入力ミスで大幅増というのは、その商品の取次さんにおける仕入総冊数の適正な分配にも当然響くことなので、その他の書店さんに影響がなかったかどうか、すこし心配です。

ところで『燈火節』はつい先日、神保町の東京堂書店さんでも「けっこう売れてるね」とお褒めの言葉を頂戴しました。しっかりした目利きのバイヤー(仕入)の方がいらっしゃるお店には、良いお客様がかならずいらっしゃいます。こういうお店で売れると喜びもひとしおです。

さて、その東京堂書店さんですが、小社最新刊の『追悼の政治』をいち早く店頭で扱っていただいています。月曜社の本は平均で言うと、どこよりも東京堂書店さんに並ぶのが早いです。こっそり付け加えますと、小社が著者サイン本を用意した場合、東京堂書店さんに卸すことが多いです。東京堂書店さんにはサイン本コーナーがあるのです。通の方ならご存知ですよね。
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by urag | 2005-01-21 23:51 | 文芸書既刊 | Trackback | Comments(0)
2005年 01月 20日

ポール・ド・マン『美学イデオロギー』が平凡社さんから刊行

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クリックすると大きな画像をご覧になれます。

ポール・ド・マンの『美学イデオロギー』が平凡社さんよりついに刊行されました。訳者の上野成利さんが「あとがき」でお書きになっていますが、この本は当初、太田出版の「批評空間叢書」の一冊で刊行されるはずのものだったそうです。ところが、季刊誌「批評空間」は、株式会社批評空間の発足のもとで、太田出版から離れ、第III期が創刊されます。

「おそらく編集者の内藤裕治さんがきわめて多忙な環境に置かれるようになったからだろう、(……)本書の出版計画も何となく宙に浮いたような状態がしばらく続くようになった。」(「訳者あとがき」391ページ)

第III期においては、内藤さんや浅田彰さんに私たち月曜社は何かとお世話になりました。いつの日だったか、水道橋の事務所にお邪魔して、内藤さんに『美学イデオロギー』の刊行について伺ってみたことがあります。「うん、早く出したいんだよね」と仰っていた内藤さんは、編集業務だけでなく、営業販売についてもさまざまに心を砕かれ、全体的な観点から会社を円滑に運営するための激務のさなかにおられました。単行本はまず柄谷行人さんの『トランスクリティーク』の刊行から始める心算でいらしたように記憶しています。

内藤さんには自らに課していた「やるべきこと」がたくさんあり、常に前進しようとするお姿から私はたくさんの力をもらった気がします。2002年5月19日、内藤さんは38歳でお亡くなりになります。この日付が忘れがたいのは、内藤さんと「小出版社どうしの共闘」を話し合った思い出が甦るからですし、私自身の誕生日だからでもあります。

『美学イデオロギー』の刊行がどうなるのかを気にしている編集者は私が知る限り複数いましたが、訳者の上野さんの旧知の編集者である松井純さんが引き取られました。人文書をよく読んでおられる読者の方なら、松井さんの名前は人文書院や平凡社の書籍で目にしたことがあるのではないかと思います。私から見た松井さんはヴァイタリティあふれる編集者で、いつもいい刺激をいただいています。

本を読んでいて、ある特定の編集者の名前をよく目にするようになることがあると思います。その編集者がほかにどういう本を出しているのかが気になり、手がけている本は必ず読みたくなる、ということもあるでしょう。出版社で編集をやりたいと心底希望されている方は、自分が好きになった編集者にファンレターを出してみてはいかがでしょう。出版社への就職は狭き門ですから、心構えを聞いてみるのもいい経験になるかもしれません。(H)
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by urag | 2005-01-20 00:03 | 雑談 | Trackback(1) | Comments(0)