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2013年 07月 16日

本日より開催:ブックフェア「初期近代精神史研究」@紀伊國屋書店新宿本店

初期近代精神史研究フェア

場所:紀伊國屋書店新宿本店3F哲学フェア台
会期:2013年7月16日~9月中旬(予定)
お問合せ:紀伊國屋書店新宿本店3F TEL:03-3354-5703(3F直通)

内容:2013年7月、キルヒャーの『普遍音樂』(工作舎)と、ヒロ・ヒライさんが監修されるbibliotheca hermetica叢書の『天才カルダーノの肖像』(勁草書房)が相次いで出版されます。これらの出版を記念し、新宿本店では、「初期近代精神史研究」と題したフェアを開催いたします。本フェアではヒロ・ヒライさんの選書(フェアタイトルのリンク先をご参照ください)を中心に、関連書籍を集めております。各出版社、品薄の在庫銘柄もございますので、この機会にぜひご覧ください!

※『普遍音樂』は発売済です。また、『天才カルダーノの肖像』は7月下旬発売予定です。ご注文・ご予約を承ることができますので、お気軽にお問い合わせください。

ヒロ・ヒライさんコメント:各方面から大きな注目を集めているルネサンス・初期近代の精神史研究。それは、歴史学者の時間にたいする感性と哲学者のテクストのなかに入りこむ浸透力で、思想・文学・芸術作品の背景にある〈知のコスモス〉を描き出す壮大な試み。天才カルダーノや放浪の医師パラケルスス、最後の万能人キルヒャーといった、あらゆる領域で優れた業績を残した人物やその知的世界を読み解くのは、分野横断的な精神史の独壇場です!

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以下はフェアご担当のOさんからいただいたフェア台の写真です。
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by urag | 2013-07-16 20:18 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 07月 09日

竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』刊行記念トーク&ライヴ

◎竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』刊行記念トーク&ライヴ

今週発売の竹田賢一待望の初評論集『地表に蠢く音楽ども』の刊行記念トーク&ライヴが、8月4日(日)13時から(開場12:30)、渋谷のLast Waltz by shiosaiにて開催されます。出演は、竹田賢一、平井玄、中原昌也、チヨズ、の各氏。全席自由で、料金はご予約/当日とも¥2,000(税込み ドリンク別)です。詳細はこちらをご覧ください。

なお『地表に蠢く音楽ども』はアマゾン・ジャパンでは「一時的に在庫切れ」ですが、hontoでは7月9日現在、24時間以内に発送可能となっています。hontoでは同書は現在「音楽読みもの」ランキングで第1位です。

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◎合田正人+江川隆男トークセッション@東京堂

合田正人『幸福の文法』、江川隆男『超人の倫理』(ともに河出書房新社)の発売を記念して、7月27日(土)15時から17時まで(開場14時半)、東京堂書店神保町店6F東京堂ホールにて、お二人によるトークセッション「「幸福の文法」と「超人の倫理」」が行われます。参加費は800円、要予約、ドリンク付です。詳細はこちらをご覧ください。

なお弊社では江川隆男さんの長篇解題「出来事と自然哲学――非歴史性のストア主義について」を付した訳書、エミール・ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』が好評発売中です。同書を収めたシリーズ「古典転生」では今後、カヴァイエスの訳書を始め、ヤスパース論、シラー論などを刊行していく予定です。


◎リピット×鵜飼対談抄録記事

「週刊読書人」2013年7月5日号の7面に、「鵜飼哲・リピット水田堯対談(紀伊國屋書店新宿本店)――『原子の光(影の光学)』刊行を機に」が掲載されました。これは去る6月7日に紀伊國屋書店新宿本店にて行われたトークイベント、リピット水田堯×鵜飼哲対談「Uncovered:AtomicLight」の抄録記事になります。記事構成は「映画・X線・精神分析――1895年に生まれた三つのもの」「没-視覚性と不可視性――「見えないものが見える」とは」「身体と光へのこだわり――谷崎潤一郎『陰翳礼讃』について」「アーカイブのあり方――「終わらざる従軍慰安婦問題」にもかかわる」となっています。好評発売中のリピット水田堯『原子の光(影の光学)』と併せてお読みいただけると幸いです。


◎井上一紀さんによる廣瀬純『絶望論』書評

「文藝」2013年秋季号のBOOK REVIEW欄(362頁)に、廣瀬純『絶望論――革命的になることについて』の書評が掲載されました。評者はスピノザ研究をおやりになっている井上一紀さんです。「本書は、〔・・・〕凡庸な希望に否を言い、反対に絶望を子そ肯定する。〔・・・〕本書を貫いているジル・ドゥルーズの哲学は徹頭徹尾実践哲学として描き出され、著作ごとに異なる思考のシステムを構成しているようにさえ見える彼の哲学に、潜勢的なものの作出という実践哲学の線が途切れることなく引かれる。この線はそのまま、本書と類書を画する線であるだろう」。
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by urag | 2013-07-09 17:24 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 19日

リピット水田堯講演会:"Medium Disaster 311"

Akira Mizuta Lippit "Medium Disaster 311"

Date:2013年6月26日(水) 17:00-19:00
Place:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム2

Akira Mizuta Lippit (Professor of Cinematic Arts, Comparative Literature, and East Asian Languages and Cultures, Southern California University)

"Medium Disaster 311"

The 2011 Japanese earthquake, tsunami, and subsequent low-grade nuclear crisis have come to be known collectively as “311,” marking the date of that three-part disaster on March 11, 2011, while echoing the appellation for the 2001 terrorist attacks in the United States or “911.” Why invoke the events of September 11, 2011 here? Why situate this event 311 in relation to that other event 911? The nature of these two events differs in numerous ways, not least of which involves the status of nature itself. In the case of “311,” an earthquake triggered a tsunami, which in turn unleashed a force already at the threshold between nature and technology, nuclear radiation, a phenomenon at once natural and unnatural. A sequence of natural disasters led to a technological crisis, perhaps the exemplary technological crisis, and the threat of total annihilation. But 311 is also the echo of another event, another threat of annihilation, the atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki in 1945, and marks the return of radiation to Japan more than 65 years after the end of World War II. Between 1945 and 911, 311 recalls the specters of a crisis in representation, a middle space or medium convergence of history, disaster, and the forces of representation. This paper seeks to understand the multiple media at work in 311 and to expose the pressures it places on the media that seek to name and render 311 visible. It asks whether the contemporary Japanese cinema anticipates the disaster to come, a medium disaster embedded in the traces of Japan’s recent past, the very disaster of the medium as such.

What 311 makes evident is the shadow optic of 1945, a trans-historical light that anticipates the return of catastrophic light, of the radiation that never left: it was always there, a low disaster that a nticipates the medium disaster to come. Japan’s superficial cinema, the cinema of surfaces, prepares ad nauseum for the return of disaster, for the return of a disaster that never fully disappeared. A spectral disaster, already at work throughout the medium, there, everywhere already.

Moderator: Yasunari Takada (UTCP)
使用言語:英語|入場無料|事前登録不要

主催:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部付属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) 上廣共生哲学寄付研究部門
共催:総合文化研究科・表象文化論コース
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by urag | 2013-06-19 09:44 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 17日

トークイベント:リピット水田堯×宮崎裕助×三浦哲哉@京都メディアショップ

◎リピット水田堯『原子の光(影の光学)』刊行記念トーク

日時:2013年6月28日(金)19:00-20:30(30分前より開場)
場所:MEDIASHOP(京都市中京区大黒町44 VOXビル1F) TEL: 075-255-0783
入場料:500円

出演:リピット水田堯(南カリフォルニア大学)、宮﨑裕助(新潟大学)、三浦哲哉(青山学院大学)
司会:門林岳史(関西大学、本書共訳者)

1895年──映画・精神分析・X線とともに現れた新たな書き込み(inscription)とアーカイヴの体制。1945年──原子爆発の破滅的な光とともに全面化した新たな視覚性の様態。視覚文化論と現代思想を横断し、没視覚性(avisuality)、外記(exscription)、形而上学的表面といった概念を駆使しながら、「耳なし芳一」、「バベルの図書館」(ボルヘス)、『アーカイヴの病』(デリダ)、「モーセと一神教」(フロイト)、『陰翳礼讃』(谷崎潤一郎)、「透明人間」映画、『幻の光』(是枝裕和)などを縦横に論じるリピット水田堯の著作『原子の光(影の光学)』(門林岳史、明知隼二訳、月曜社、2013)をめぐって、著者本人に加え、宮﨑裕助(現代思想)、三浦哲哉(映画批評)のお二人を迎えて議論します。

出演者略歴
リピット水田堯:南カリフォルニア大学教授、城西国際大学客員教授。専門は映画、比較文学、日本文化。著書に『原子の光(影の光学)』のほか、Electric Animal: Toward a Rhetoric of Wild Animal (2000)、Ex-cinema: From a Theory of Experimental Film and Video (2012)。

宮﨑裕助:新潟大学准教授。専門は哲学。著書に『判断と崇高──カント美学のポリティクス』(知泉書館、2009)、共訳書にジャック・デリダ『有限責任会社』(法政大学出版局、2002)、ポール・ド・マン『盲目と洞察──現代批評の修辞学における試論』(月曜社、2012)。

三浦哲哉:青山学院大学准教授、映画上映プロジェクト「Image.Fukushima」実行委員会会長。専門は映画。著書に『サスペンス映画史』(みすず書房、2012)、訳書に『ジム・ジャームッシュ・インタヴューズ』(東邦出版、2006)。

門林岳史:関西大学准教授。専門はメディア論、表象文化論。著書に『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?──感性論的メディア論』(NTT出版、2009)。

お申し込み・問い合わせ:mediashop(あっとまーく)media-shop.co.jp
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by urag | 2013-06-17 11:43 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 07日

本日19時より:リピット水田堯×鵜飼哲対談「Uncovered: Atomic Light」 @紀伊國屋書店新宿本店8F

『原子の光(影の光学)』刊行記念トークイベント、本日開催です。都下の書店さんで行うイベントはこの一回のみ! 入場無料です。皆様のお越しをお待ちしております。

リピット水田堯×鵜飼哲対談「Uncovered: Atomic Light」

日時:2013年6月7日(金)19:00~20:30(開場18:30)
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8Fイベントスペース
定員:50名(要予約:電話03-3354-5703および3階カウンターにて)
料金:無料

リピット水田堯『原子の光(影の光学)』(月曜社、2013年6月)刊行記念トークイベント。かつてジャック・デリダのもとで哲学を学んだ二人が、リピットの主著である『原子の光(影の光学)』について縦横に語り合う。リピット水田堯は1964年生。現在、南カリフォルニア大学教授、城西国際大学客員教授。専門は映画論、比較文学、日本文化研究。『原子の光(影の光学)』が初めての訳書となる。鵜飼哲は1955年生。一橋大学教授。専門は仏文学・思想研究。近年の主著に『主権のかなたで』(岩波書店、2008年)などがある。

『原子の光(影の光学)』は、幻、X線、原爆、透明人間などをめぐり、映画作品や文学、哲学における「没視覚的なもの」を考察する、画期的な映像文化論です。月曜社より2013年6月4日発売。原書はAtomic Light(Shadow Optics), University of Minnesota Press, 2005です。

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以下の映像は、カリフォルニア大学バークレー校のCJS(日本研究センター)の50周年記念イベント「ハイブリッド・ジャパン」の一環として2009年1月23日(金)に開催されたシンポジウム「Pacific War Revisited: Scholar's View of "Letters from Iwo Jima"」の様子です。クリント・イーストウッドの映画「硫黄島からの手紙」(2006年)をめぐって、歴史家のタカシ・フジタニさん、キャロル・グラックさん、そしてアキラ・ミズタ・リピット(リピット水田堯)さんが発表と討議を行っています。リピットさんの発表「The History of the Representation of Japan in Hollywood Films」は、57:30あたりから始まります。


こちらのシンポでは英語で発表されていますが、今日のトークセッションは日本語で行われます。
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by urag | 2013-06-07 12:08 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 05日

6月15日トークセッション「情動と暴力、そして文化」@芸大千住キャンパス

トークセッション「情動と暴力、そして文化」

日時:2013年6月15日(土)19:00-20:30
場所:東京芸術大学千住キャンパス第1講義室(足立区千住1-25-1) 地図 
報告者:水嶋一憲(大阪産業大学教授)、毛利嘉孝(東京芸術大学准教授)
応答者:伊藤 守(早稲田大学教授)、清水知子(筑波大学専任講師)

お問い合わせ:東京芸術大学毛利嘉孝研究室mouri(a)ms.geidai.ac.jp 
((a)を@に変えて送信下さい)

趣旨:今年五月に伊藤守『情動の権力――メディアと共振する身体』(せりか書房)、清水知子『文化と暴力――揺曵するユニオンジャック』(月曜社)とメディア研究、文化研究にとって新しい地平を切り開く二冊の本が出版されました。『情動の権力』は、メディア研究に「アフェクティヴ・ターン(情動的転回)」とでも呼ぶべき新しい視座を導入しようという意欲的な試みであり、一方『文化と暴力』はサッチャリズムと文化との関係を今日的視点からあらためて問い直すというタイムリーな著作です。

それぞれ異なったテーマを扱いながらも、2010年代のメディアや文化を取り巻く状況を理解する上で共通するさまざまなフレームワークを提供しているという点で、この二冊は併せて読まれるべき書物でしょう。本企画では、二人の著者をお招きし、その新著を読み解きながら、「情動」や「暴力」、「文化」をめぐる現在を議論したいと思います。
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by urag | 2013-06-05 22:48 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 06月 03日

本日取次搬入:リピット水田堯『原子の光(影の光学)』

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本日取次搬入の弊社新刊のご案内です。書店さんの店頭には明日より順次並び始める予定です。著者のリピット水田堯(Akira Mizuta Lippit: 1964-)さんは映画論、映像文化論、比較文学研究、日本文化論などのジャンルにおいて海外で活躍されている研究者です。現在、南カリフォルニア大学教授(映画技術研究科学科長)、城西国際大学メディア学部客員教授、学校法人城西大学「日本/アジア映像研究センター」所長でいらっしゃいます。御母様は高名な女性学研究者、水田宗子さんで、さいきん思潮社さんから詩集『アムステルダムの結婚式』を、そして平凡社さんから評論『大庭みな子 記憶の文学』を上梓されています。御祖父様は、城西大学の創立者で通産大臣や大蔵大臣を歴任された政治家の水田三喜男さんです。堯さんご本人の思想的系譜としては、ジャック・デリダの弟子筋にあたります。

◆『原子の光(影の光学)』概要

※今回の新刊が著者にとって初めての訳書になります。
※著者は現在来日中で、6月いっぱい日本に滞在します。

書店発売予定日:6月4日(6月3日取次搬入済)
ジャンル:人文[現代思想/批評]、芸術[映像文化論/映画批評]

書名:原子の光(影の光学)
副題:なし
シリーズ名:芸術論叢書
配本:第二回配本

著者:リピット水田堯
訳者:門林岳史+明知隼二
発行:月曜社
装幀:宇平剛史
奥付:2013年5月
本体:3,400円
版型:B6変型判(タテ190mm×ヨコ115mm×ツカ24mm)並製392頁
ISBN:978-4-86503-002-0

内容:幻、X線、原爆、透明人間――映画作品や文学、そして哲学における「没視覚的なもの」を考察する、画期的な映像文化論。20世紀の放射性の光において見られうると同時に見られえないものの物質性についての地図を作成し、秘められた影のアーカイヴをめぐる思弁的読解と、内面性の視覚的構造の分析を提示する意欲作。【芸術論叢書、待望の第二弾】

原書:Atomic Light (Shadow Optics), University of Minnesota Press, 2005.

本書で言及される主な人物や作品:谷崎潤一郎『陰翳礼讃』、H・G・ウェルズ『透明人間』、R・エリスン『見えない人間』、リュミエール兄弟『工場の出口』、A・レネ『ヒロシマ・モナムール』、R・コーマン『X線の目を持つ男』、小林正樹『怪談』、勅使河原宏『砂の女』、黒沢清『CURE』、是枝裕和『幻の光』、デリダ『アーカイヴの病』、ドゥルーズ『意味の論理学』、フロイト『モーセと一神教』、メルロ=ポンティ『眼と精神』

目次:
日本語版への序文
謝辞
参考図版(日本映画)
0 諸々の宇宙
1 影のアーカイヴ(秘密の光) 
2 没視覚性の諸様態――精神分析・X線・映画
3 映画の表面デザイン
4 原子的痕跡
5 外記〔エクススクリプション〕/反書記〔アンチグラフィ〕
6 幻の治療〔キュア〕――不明瞭と空虚 
訳者あとがき
索引(人物/作品)

著者略歴:リピット水田堯(Akira Mizuta Lippit)1964年生まれ。南カリフォルニア大学教授、城西国際大学メディア学部客員教授。専門は映画、比較文学、日本文化。著書に『電気的動物――野生のレトリックへ』(2000年、未訳)、『原子の光(影の光学)』(2005年;本書)、『エクス-シネマ――実験的な映画とヴィデオの理論から』(2012年、未訳)がある。

訳者略歴:門林岳史(かどばやし・たけし)1974年生まれ。関西大学文学部映像文化専修准教授。著書に『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?――感性論的メディア論』(NTT出版、2009年)がある。

訳者略歴:明知隼二(あけち・じゅんじ)1981年生まれ。中国新聞社勤務。

◆芸術論叢書

◎既刊(第一回配本):
アンフォルム――無形なものの事典 
イヴ=アラン・ボワ+ロザリンド・E・クラウス=著 加治屋健司+近藤學+高桑和巳=訳
月曜社 2011年1月刊【現在2刷】 本体3,200円 46判変形(133mm×190mm)並製328頁 ISBN978-4-901477-78-9

◎続刊(第三回配本予定):ジャン=リュック・ナンシー『ミューズたち』

◆刊行記念トークイベント

リピット水田堯×鵜飼哲対談「Uncovered: Atomic Light」

日時:2013年6月7日(金)19:00~20:30
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8Fイベントスペース
定員:50名(要予約:電話03-3354-5703および3階カウンターにて)
料金:無料

内容:リピット水田堯『原子の光(影の光学)』(月曜社、2013年6月)刊行記念トークイベント。かつてジャック・デリダのもとで哲学を学んだ二人が、リピットの主著である『原子の光(影の光学)』について縦横に語り合う。リピット水田堯は1964年生。現在、南カリフォルニア大学教授、城西国際大学客員教授。専門は映画論、比較文学、日本文化研究。『原子の光(影の光学)』が初めての訳書となる。鵜飼哲は1955年生。一橋大学教授。専門は仏文学・思想研究。近年の主著に『主権のかなたで』(岩波書店、2008年)などがある。

院生ワークショップ+講演会「原子の光と映画の誕生」

日時:2013年6月15日(土) Part I 13:00〜16:00 Part II 16:00~18:00
場所:一橋大学東キャンパス国際研究館4階 大教室(地図38番の建物)
※ワークショップ、講演会ともに入場無料、事前登録不要

*13:00~16:00 大学院生ワークショップ

片岡佑介 「黒澤明『生きものの記録』における〈核〉への恐怖を蔽うものについて」
佐喜真彩 「清田政信における流民の声の現れ――情動、動物的なものをめぐって」
田尻歩 「メディウム的探究とアーカイヴ―震災以前と以後の畠山直哉の写真」
コメンテーター:リピット水田堯(南カリフォルニア大学教授)
司会:井上間従文(言語社会研究科准教授)
発表者紹介:中井亜佐子(言語社会研究科教授)

*16:00~18:00 講演「原子の光と映画の誕生」

映画の誕生の年とされる1895 年は「X」線発見の年でもある。この偶然性によって放射能が映す身体と映画の奇妙なvisualityが結びつけられた。生命の中心と彼方が同時に現れる。リピット水田堯の講演は最近刊行された『原子の光(影の光学)』(月曜社2013年)にそって映画に映る不可視なvisuality、“avisuality”を取り上げる。

講師:リピット水田堯
講師紹介:鵜飼哲(言語社会研究科教授)

オープンリサーチプログラム・レクチャー「猫と犬のように──映画とカタストロフ」

日時:2013年6月21日(金)18:00–19:30
場所:京都府京都文化博物館 別館ホール (京都市中京区三条高倉)
入場料:無料(申込不要)
講師:リピット水田堯

内容:映画はどのように歴史を描くか。表現を避ける歴史をどのように映像として掴むか。現実と表現は猫と犬のように混ぜてはいけないものではないのか。3本の映画において、三つのカタストロフ——アメリカの南北戦争、ナチズムの誕生、そして広島市への原子爆弾投下——が描かれる。『国民の創生』(1915)、『意志の勝利』(1935)、『ヒロシマ・モナムール』(1959)の重要な場面で猫が映る。この動物は歴史的表現とカタストロフの関係を表す一種のメタファーかも知れない。しかしなぜ猫なのか? この講演は映画、カタストロフと猫の関係を考える。【文・リピット水田堯】

オープンリサーチプログラムとは:アーティスティックディレクターとキュレトリアルチームが、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015に向けて行う調査研究のプロセスを広く一般に公開し共有するためのプログラムです。

◆日本語で読めるリピット水田堯(アキラ・ミズタ・リピット)さんの論文など

◎論文

1)「長崎を写す――ファクトからアーティファクトへ」(25-29頁)、『Nagasaki Journey: The Photographs of Yosuke Yamahata August 10, 1945〔長崎ジャーニィー:山端庸介写真集〕』所収、Pomegranate、1995年5月、ISBN0-87654-360-3

2)「赤/白(黒)/青のTV――メディアにおける人種とジェンダーの撹乱」(369-384頁)三宅川泰子[訳]、『アメリカ研究とジェンダー』所収、渡辺和子[編]、世界思想社、1997年8月、ISBN4-7907-0660-5

3)「Violenceから「Biolence」へ――暴力、メディア、ヴィム・ヴェンダース:ヴィム・ヴェンダース《エンド・オブ・バイオレンス》」(90-91頁)、『InterCommunication No.25:テレプレゼンス――時間と空間を超えるテクノロジー』所収、NTT出版、1998年5月、ISSN09183841

4)「世界の中で――日本映画という外部」(40-49頁)篠儀直子[訳]、『インターコミュニケーション No.42:グローバリゼーションとメディア・カルチャー』所収、NTT出版、2002年10月、ISSN09183841

5)「外密性――クロノグラィーとハイパーリアリズム映画」(137-160頁)篠木涼+北野圭介[訳]、『ecce(エチェ) 映像と批評〈1〉特集:映像とアヴァンギャルディズム』所収、岩本憲児+北野圭介+リピット水田堯[編集]、森話社、2009年7月、ISBN978-4-916087-97-3

6)「映画の三次元――複製、ミメーシス、消滅」(151-169頁)松谷容作[訳] 、『ecce(エチェ) 映像と批評〈2〉特集:目と映像』岩本憲児+北野圭介+リピット水田堯[編集]、森話社、2010年3月、ISBN978-4-86405-008-1

7)「Therefore、デリダを視た動物」(36-52頁)大崎晴美[訳]、『JunCture(ジャンクチャー) 超域的日本文化研究〈02〉特集:情動/主体/文化』所収、名古屋大学日本近現代文化研究センター[編]、笠間書院、2011年2月、ISBN978-4-305-00292-1

8)「スペクトラル・ライフ――幽霊的生についての考察」(79-98頁)大橋完太郎[訳]、『思想 2011年4月号 no.1044:来るべき映画的思考のために』所収、岩波書店、2011年4月、ISSN0386-2755

9)「メランコリック・エコー――イ・ブルの体内化(インコーポレーションズ)」(89-94, 95-100頁)畠山宗明[訳]、『イ・ブル――私からあなたへ、私たちだけに』所収、森美術館[編]、平凡社、2012年2月、ISBN978-4-582-20667-8

10)「イメージナショナリズム――翻訳におけるイマジナリーな言語」(57-89頁)松谷容作[訳] 、『ecce(エチェ) 映像と批評〈3〉映像と言語の世界』岩本憲児+北野圭介+リピット水田堯[編集]、森話社、2012年5月、ISBN978-4-86405-035-7

◎インタヴュー、共同討議、座談会

1)インタヴュー「その眼が赤を射止めるとき――トリン・T・ミンハに聞く(1)」(130-137頁)とちぎあきら訳、『InterCommunication No.28:We are the ROBOTS』所収、NTT出版、1999年5月、ISSN09183841

2)インタヴュー「その眼が赤を射止めるとき――トリン・T・ミンハに聞く(2)」(146-153頁)とちぎあきら訳、『InterCommunication No.29:ダンスフロンティア――身体のテクノロジー』所収、NTT出版、1999年5月、ISSN09183841

3)共同討議「閉塞する人文科学を超えて――いま、芸術を問う」(34-68頁)岡崎乾二郎+中沢新一+リピット水田堯+ファブリアーノ・ファッブリ、田中純[司会]、『表象〈01〉特集:人文知の現在と未来――越境するヒューマニティーズ』所収、表象文化論学会[発行]、月曜社[発売]、2007年4月、ISBN978-4-901477-61-1

4)共同討議「ポストヒューマニズムの余白に――リダンダンシー、ハビトゥス、偶発性」(53-79頁)北野圭介+坂元伝+佐藤良明+リピット水田堯+山内志朗、『表象〈02〉特集:ポストヒューマン』所収、表象文化論学会[発行]、月曜社[発売]、2008年4月、ISBN978-4-901477-62-8

5) 共同討議「膨張する映像、その可能性」(7-42頁)井土紀州+七里圭+岩本憲児+北野圭介+リピット水田堯、『ecce(エチェ) 映像と批評〈1〉特集:映像とアヴァンギャルディズム』所収、岩本憲児+北野圭介+リピット水田堯[編集]、森話社、2009年7月、ISBN978-4-916087-97-3

6)座談会「映画をめぐる新しい思考のために」(6-38頁)宇野邦一×リピット水田堯×北野圭介、『思想 2011年4月号 no.1044:来るべき映画的思考のために』所収、岩波書店)、2011年4月、ISSN0386-2755

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◆『原子の光(影の光学)』の造本について
今回の造本においては「藍色」をメインに使っています。白いのは本文用紙とカバーのみ。カバーは暗い図版が引き立つように白い紙を選んでいます。図版はブラックと青白い銀で刷っています。第2章原注36で言及されている放射能の口、カメラ・デンタータです。表紙、見返し、中扉等にはそれぞれ銘柄の異なる藍色の紙を使っています。表紙にはレインボーの箔を施しました。一冊ずつ微妙にレインボーの模様が異なってくるのがこの箔の面白いところです。本文ですが、少し青みがかった白い紙に藍色のインクで刷りました。日本映画のスチルやキャプチャは巻頭にまとめ、モノクロのものはリッチブラック、カラーは4色で刷っております。今回の装幀は新進気鋭のデザイナー宇平剛史さんのお力をお借りしました。なお、過剰包装にならないよう、オビは付しておりません。

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by urag | 2013-06-03 14:27 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 27日

明日開催:ヤン・ミェズコウスキー講演「近代戦争の五つのテーゼ」

弊社出版物の著者、訳者の皆様の最近のご活躍をご紹介いたします。

★宮﨑裕助さん(共訳書:ポール・ド・マン『盲目と洞察』)
ヴェルナー・ハーマッハーさん(弊社刊『他自律』)の弟子筋で、デリダ論やド・マン論をお書きになられているヤン・ミェズコウスキー教授の来日講演で、司会とコメンテーターをおつとめになります。開催はいよいよ明日です。

◎ヤン・ミェズコウスキー(リード大学教授)講演「近代戦争の五つのテーゼ

日時:2013年5月28日(火)17:00-19:00
場所:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム3
講演者:Prof. Jan Mieszkowski (Professor of German & Humanities, Reed College)
演題:"Five Theses on Modern War" (based on his book Watching War, Stanford University Press, 2012)
司会・コメンテーター:宮﨑裕助(新潟大学)
コメンテーター:星野太(UTCP)
主催:東京大学大学院総合文化研究科付属「共生のための国際哲学研究センター(UTCP)」上廣共生哲学寄付研究部門
使用言語:英語
※入場無料、事前登録不要

要旨:In this lecture, Prof. Mieszkowski will ask what it means to be a spectator to war today, in an era when the boundaries between witnessing and perpetrating violence have become profoundly blurred. Showing that the battlefield was a virtual phenomenon long before the invention of photography, film, or the Internet, He will propose that the unique character of modern conflicts has been a product of imaginary as much as material forces. He will also argue that spectacles of war have tended to disappoint their audiences as much as shock them, in part because there is little agreement about what we can hope to learn by viewing battles.

★近藤和敬さん(著書:『構造と生成I カヴァイエス研究』)
★江川隆男さん(訳書:エミール・ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』
『現代思想』2013年6月号(特集=フェリックス・ガタリ)において、杉村昌昭さんと村澤真保呂とともに近藤和敬さんが討議「ガタリ化する世界――いくつもの逃走線を繋いで」(32-51頁)に参加されています。もう一つの討議「分裂分析的哲学――ガタリは何を解放したか」(86-105頁)は江川隆男さんと千葉雅也さんによるものです。

同誌初となるこのガタリ単独特集号では、ガタリの没後に発見され、「リベラシオン」紙2009年7月24日付に掲載された「エコロジーの倫理的争点」(村澤真保呂訳、30-31頁)のほか、ガタリとの共著『光速と禅炎――agencement '85』(週刊本35、朝日出版社、1985年5月)がある世界的ダンサーの田中泯(1945-)さんへのインタヴュー「時代と添い寝しないカラダ」(106-112頁)や、マウリツィオ・「ラッツァラートさんの「現在の「経済危機」とは何か――フェリックス・ガタリの「主観性の生産」という概念から考える」(杉村昌昭訳、65-73頁)や、村澤真保呂さんとステファン・ナドーさんの共著「生き方=倫理としてのエコゾフィー」(142-149頁)など、多彩なテクストが収録されています。目次詳細は特集名のリンク先をご覧ください。『現代思想』次号(2013年7月号)の特集は「ネグリ+ハート」で、ネグリ+ハート+デヴィッド・ハーヴェイによる「コモンウェルスをめぐる対話」などが掲載予定だそうです。

また現在、ジュンク堂書店難波店の福島聡店長による名物コーナー「店長本気の一押し!」では「生きることは、問い続けること」と題して、近藤和敬さんの『数学的経験の哲学――エピステモロジーの冒険』(青土社、2013年3月)をめぐるミニフェアが今月21日(火)から始まっています。リンク先で福島さんによる書評を読むことができます。

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さて、弊社社員二名の「出身版元」である作品社の現編集長でいらっしゃる内田眞人さんは、ネグリやハーヴェイなどの訳書やも手掛けておられる編集者さんですが、ランズマン『ショアー』や一連の『~の文化史』など、硬軟幅広い視野をお持ちであることは皆さん御承知の通りです。そんな内田さんが来月中旬にジュンク堂書店池袋本店で行われる以下のユニークな出演されますので、ご紹介します。

◎トークイベント「編集というお仕事――本はこうして生まれるのだ

日時:2013年06月13日(木)19:30 ~
場所:ジュンク堂書店 池袋本店 4F喫茶コーナー
出演:内田眞人(作品社)+関戸詳子(勁草書房)+濱崎誉史朗(社会評論社)
料金:1000円(ワンドリング付)、会場にて精算
定員:40名、お電話又はご来店にてお申し込み先着順
申込:池袋本店1Fサービスカウンター(電話:03-5956-6111)
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111)

内容:日本出版者協議会(出版協/旧・流対協)がお送りする「編集者が語るいトークイベント」。「あの話題の書籍はどうやって生まれたのか!?」 いつも本を読んでいても、その本がどうやって作られたのかは意外と知られていないもの。同じ編集者同士でも、人がどうやって本をつくっているかは未知の世界。10人の編集者がいれば、10通りの本づくりがあるといっても過言ではない。そう、「本づくりに定石はない!」のです。今回のトークイベントでは、3人の編集者のそれぞれの本づくりを大公開。涙あり笑いありの編集秘話を、包み隠さずお話します!
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by urag | 2013-05-27 12:27 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 24日

トークイベント:リピット水田堯×鵜飼哲対談「Uncovered: Atomic Light」

◎リピット水田堯×鵜飼哲対談「Uncovered: Atomic Light

日時:2013年6月7日(金)19:00~20:30
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8Fイベントスペース
定員:50名(要予約:電話03-3354-5703および3階カウンターにて)
料金:無料

内容:リピット水田堯『原子の光(影の光学)』(月曜社、2013年6月)刊行記念トークイベント。かつてジャック・デリダのもとで哲学を学んだ二人が、リピットの主著である『原子の光(影の光学)』について縦横に語り合う。リピット水田堯は1964年生。現在、南カリフォルニア大学教授、城西国際大学客員教授。専門は映画論、比較文学、日本文化研究。『原子の光(影の光学)』が初めての訳書となる。鵜飼哲は1955年生。一橋大学教授。専門は仏文学・思想研究。近年の主著に『主権のかなたで』(岩波書店、2008年)などがある。

『原子の光(影の光学)』について:幻、X線、原爆、透明人間――映画作品や文学、そして哲学における「没視覚的なもの」を考察する、画期的な映像文化論。20世紀の放射性の光において見られうると同時に見られえないものの物質性についての地図を作成し、秘められた影のアーカイヴをめぐる思弁的読解と、内面性の視覚的構造の分析を提示する意欲作。月曜社より2013年6月4日発売。原書はAtomic Light (Shadow Optics), University of Minnesota Press, 2005である。
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by urag | 2013-05-24 10:56 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2013年 05月 23日

今月末まで:二宮隆洋さん追悼フェア@ジュンク堂京都店

「京都新聞」5月10日夕刊の「灯」欄に内田孝さんの署名で掲載された「ある編集者の死」で、二宮隆洋さん追悼フェア@ジュンク堂書店京都店が取り上げられました。「70年代後半から30年余りに刊行された重厚なハードカバーの数々が、書店の入り口で存在感を示す。〔・・・〕売行きは好調だという。通常はあまりない哲学書の発注に驚き、フェア会場を見学に訪れた出版社もあったとか。〔・・・〕かつて京都書院や丸善、駸々堂が個性を競い合った京都。おそらくは数々の書店が育てた異能の編集者の種が、次世代に引き継がれ再び芽を出すかもしれない」。

二宮さん追悼フェアはいよいよ今月いっぱい、5月31日(金)まで。税込6,000円以上をお買い上げのお客様に差し上げているノヴェルティのカラー冊子「親密なる秘義」は残りわずかとのことですので、どうぞお早めに。遠方のお客様も、税込6,000円以上のお買い上げで、本と一緒に冊子を着払い代金引き換えで宅配することができる(送料サービス、代引手数料300円)とのことで、すでに利用されているお客様もいらっしゃるようです。

◎二宮隆洋さん追悼フェア――彼の手掛けた本と蔵書たち

会期:2013年4月9日~5月31日
会場:ジュンク堂書店京都店 1F入口左手フェアコーナー

※カラー冊子「親密なる秘義」は税込6,000円以上お買い上げの方に差し上げます。備え付けの配布券をレジまでお持ち下さい。無くなり次第終了とさせていただきます。

内容:去年2012年4月15日に、享年60歳でお亡くなりになったフリー編集者二宮隆洋さんの追悼フェアです。二宮さんがこれまでに手掛けられた書籍(で現在まだ在庫があるもの)や、ご本人の蔵書にあった本などを集めて展開しています。二宮さんは平凡社で『西洋思想大事典』(叢書「ヒストリー・オヴ・アイデアズ」)や、「エラノス叢書」、「ヴァールブルク・コレクション」、『中世思想原典集成』などを手掛けた編集者であり、人文書業界で知らぬ者はいません。近年では中央公論新社の『哲学の歴史』の編集にも協力されました。最近、慶應義塾大学出版会より発売されたエヴァンズ『バロックの帝国』も、二宮さんの置き土産の一つで、今後も版元各社から「二宮本」が当分の間刊行され続けることでしょう。カラー冊子を作成された、二宮さんのご友人で編集者・詩人の中村鐡太郎さんから続刊予定の一端を伺ったことがありますが、ゾクゾクするようなラインナップでした。

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余談ですが、私が今まで関わったことのある「編集者追悼フェア」は二つありました。ひとつは、哲学書房の社主である中野幹隆(1943‐2007)さんの追悼フェア(「中野幹隆という未来――編集者が拓いた時代の切鋒」@ジュンク堂書店新宿店、池袋本店、京都BAL店、2007年)。もうひとつは今回の二宮隆洋(1951‐2012)さんの追悼フェア(「親密なる秘義――編集者二宮隆洋の仕事 1977-2012」@ブックファースト青葉台店、2012年;「二宮隆洋さん追悼フェア――彼の手掛けた本と蔵書たち」@ジュンク堂書店京都店、2013年)です。

中野さんと二宮さんは私がもっとも尊敬し、目標としている編集者です。その中野さんと二宮さんにも、尊敬する編集者はいらっしゃいました。かつて中野さんご本人から伺った時、中野さんは村上一郎(1920‐1975)さんのお名前を挙げられました。村上さんは周知の通り評論家であり作家でいらっしゃいましたが、「日本評論」誌や個人誌「無名鬼」の編集を手掛けられたほか、吉本隆明さんや谷川雁さんと雑誌「試行」の同人を10号までおつとめになりました。評論家としての代表作に『日本のロゴス』(南北社、1963年)、『北一輝論』(三一書房、1970年)などがあり、国文社から『村上一郎著作集』(全12巻、1977-1982年)が刊行されています。三島由紀夫さんが自害された5年後に自宅で自刃されました。

一方、二宮さんが目指しておられたのは、平凡社の先輩編集者でもある林達夫(1896‐1984)さんでした。より正確に言うと、林達夫さんが構想された「精神史」が扱う領域の未訳書をすべて出版するというのが、二宮さんの平凡社入社当時の目標だったと聞きます。これは先輩編集者で現在は東アジア出版人会議理事でいらっしゃる龍澤武(1946‐)さんが二宮さんの「偲ぶ会」で明かしておられたエピソードです。林達夫さんは『世界大百科事典』の編集責任者でいらっしゃいました。『哲学事典』にも執筆と編集に携わっておられます。その該博な知識と秀でた語学力で、学者をも凌ぐ知的活動を貫かれた方です。著書は『林達夫著作集』(全6巻、平凡社、1971-1972年;別巻「書簡集」1987年)や、『林達夫セレクション』 (全3巻、平凡社ライブラリー、2000年)などにまとめられています。

こうした偉大な先達の事績を思う時、あとを走る自分自身の小ささにあらためてただただ唖然とします。
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by urag | 2013-05-23 18:34 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)