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2015年 07月 24日

7月新刊:シュスラー『ヤスパース入門』

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弊社7月新刊、ヴェルナー・シュスラー『ヤスパース入門』(岡田聡訳、本体3,200円、A5判上製232頁、ISBN978-4-86503-027-3)が、今週より書店店頭にて順次発売開始となっています。シリーズ「古典転生」第12回配本(本巻11)です。著者のシュスラー(Werner Schüßler, 1955-)はドイツの哲学者であり、神学者。ティリッヒやヤスパースの研究者として知られています。ヤスパース(Karl Jaspers, 1883-1969.ヤスペルスと表記されていた時代もありました)というと、サルトルやマルセル、ハイデガーらと並ぶ「実存」思想の系譜に数え上げられる哲学者ですが、構造主義やポスト構造主義と同様に、実存主義もまた一枚岩のものとして語りうる思潮ではありません。サルトルともハイデガーとも異なるヤスパースの思想は精神医学を出発点としており、実存開明、世界定位、限界状況、主観-客観-分裂、責め、信号・暗号、超越者、基軸時代など、独特な術語で人間存在に迫る哲学を展開しました。ちなみにアーレントはヤスパースの弟子に当たります。

「人間であることは人間となることだ」とは主著のひとつ『哲学入門』(新潮文庫)にある有名な言葉です。「私たちの本質は途上にあることである」ともヤスパースは述べています。人間の生は常に可能性(=実存)の側面を持っており、ヤスパースにとって哲学とは人間であることへ呼び覚ましにほかならない、とシュスラーは説明しています(81頁参照)。『ヤスパース入門』は一章ごとが短いので、多忙な読者にとっても読み進めやすい本となっています。現在入手可能な他の入門書新刊はほとんどない情況で、著作の邦訳も限られています。古くは1930年代から邦訳があり、1950年から1999年にかけては理想社版『ヤスパース選集』(既刊37巻)が刊行されました。今秋からドイツでは新しいヤスパース全集の刊行が開始されるとのことで、ヤスパース再評価への道が世界的に開かれていくものと思われます。

写真にあるPOPは某書店さんが作成してくださったものです。数ある新刊の中、この一冊にも熱心に向き合っていただき、深く御礼申し上げます。
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by urag | 2015-07-24 09:47 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2013年 03月 11日

一年前の月曜社とシリーズ刊行予定

一年前の月曜社の「直近三カ月」の出版物は以下の通りでした。

◎12年2月17日発売:上村忠男編訳『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』本体3,800円、シリーズ「古典転生」第6回配本(本巻6)。

◎12年1月24日発売:ロドルフ・ガシェ『いまだない世界を求めて』本体3,000円、叢書「エクリチュールの冒険」第2回配本。
紹介記事1⇒ナガタ氏記名記事「芸術作品の根源とは何なのか」(「本が好き!BOOKニュース」2012年2月16日付)

◎11年12月15日発売:近藤和敬『構造と生成 I カヴァイエス研究』本体3,600円、シリーズ「古典転生」第5回配本(本巻4)。
短評1⇒金森修氏選評(「みすず」2012年1-2月合併号「読書アンケート」)
短評2⇒十川幸司氏選評(「みすず」2012年1-2月合併号「読書アンケート」)
書評1⇒福島聡氏書評(「書標」2012年2月号)
書評2⇒森元斎氏書評「哲学のお化け図鑑に名前が載る日」(「図書新聞」2012年3月3日号)
書評3⇒原田雅樹氏書評「日本初の研究書――「概念の哲学」を導入した思想家」(「週刊読書人」2012年4月13日号)

シリーズ「古典転生」の次回配本は、ジャン・カヴァイエス『論理学と学知の理論』近藤和敬訳、の予定です。同書は『構造と生成』の第II巻になります。叢書「エクリチュールの冒険」の次回配本は、エルンスト・ユンガー『労働者』川合全弘訳、の予定です。「芸術論叢書」の次回配本は、リピット水田堯『原子の光(影の光学)』の予定です。詳細が決まり次第、当ブログにてお知らせいたします。
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by urag | 2013-03-11 17:01 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2012年 08月 21日

本日より順次店頭販売開始:アガンベン『到来する共同体』

昨日8月20日取次搬入済、本日21日以降、書店店頭での販売が順次開始となる弊社新刊、ジョルジョ・アガンベン『到来する共同体』をご紹介します。hontoでは今日現在「24時間」以内の発送、amazonにも在庫があります。

到来する共同体
ジョルジョ・アガンベン著 上村忠男訳
月曜社 2012年8月 本体1,800円 B6変型判上製160頁 ISBN978-4-901477-97-0

内容:バタイユ、ブランショ、ナンシーが投げかけた共同体の(不)可能性への問いを、アガンベンは再定礎する。古代から現代まで、哲学から文学までを縦走横断し、存在と倫理、単独者と救済などの諸関門を経巡って、問いは深められていく。アガンベンの政治哲学の鍵となる代表作、ついに翻訳なる。来たるべき民主主義のために街路へ出て、戦車と対峙しようとするすべての人々のもとへ。「叢書・エクリチュールの冒険」第3回配本。

推薦のことば:
イタリア現代思想の旗手ジョルジョ・アガンベンは私が近年出会ったなかでもっとも繊細で資料調査の行き届いた書き手の一人だ。ヴァルター・ベンヤミンを連想させるその著作はエレガントで快活であり――いささか使い古された言いかたではあるが――まったく革命的だ。―アヴィタル・ロネル

アガンベンのテクストは、同一性と普遍性の両方を超えて作動する一種の言語的属性としての共同体をめぐる貴重な哲学的省察である。博識で議論は広大な範囲に及びながらも警句的な軽やかさを具えた彼の著作は、タルムードやプラトン、スピノザ、ハイデガー、ニーチェ、ウィトゲンシュタインらの思想のうちに見てとることのできるもっとも将来性豊かな多義性を前面に押し出して、人間とは取り返しのつかなさを身上とする歴史の内部にあっての偶発的で共同的な「存在」であることを公言する。このたえず移動と分裂を重ねていく仕事は、存在論的思想におけるもっともダイナミックなものをして、思考することのもっともむずかしいものに影響が及ぶよう導いていく。現代における社会性の諸形態がそれである。―ジュディス・バトラー

『到来する共同体』が試みているのは、共同体の名のもとで使用可能ないかなる概念をも超えた共同体を示そうとすることである。それは本質の共同体、もろもろの現実存在の集合体ではない。つまりそれはまさしく、政治的同一性によっても宗教的同一性によってももはやつかみ取ることのできないものなのだ。それ以下の何ものでもないのである。―ジャン=リュック・ナンシー

原書: La comunità che viene, Bollati Boringhieri, 2001.

目次:
1 なんであれかまわないもの
2 リンボから
3 見本
4 生起
5 個体化の原理
6 くつろぎ
7 マネリエス
8 悪魔的なもの
9 バートルビー
10 取り返しがつかないもの
11 倫理
12 ディム・ストッキング
13 光背
14 偽名
15 階級のない社会
16 外
17 同名異義語
18 シェキナー
19 天安門
取り返しがつかないもの
 I
 II
 III
二〇〇一年の傍注――夜のティックーン
訳者あとがき

著者:ジョルジョ・アガンベン(Giorgio AGAMBEN)
1942年ローマ生まれ。イタリアの哲学者。著書に、1970年『中味のない人間』(岡田温司・岡部宗吉・多賀健太郎訳、人文書院、2002年)、1977年『スタンツェ』(岡田温司訳、ありな書房、1998年;ちくま学芸文庫、2008年)、1978年/2001年『幼児期と歴史』(上村忠男訳、岩波書店、2007年)、1982年/1989年『言葉と死』(上村忠男訳、筑摩書房、2009年)、1990年/2001年『到来する共同体』(上村忠男訳、月曜社、2012年、本書)、1993年『バートルビー』(高桑和巳訳、月曜社、2005年)、1995年『ホモ・サケル』(高桑和巳訳、以文社、2003年)、1996年/2010年『イタリア的カテゴリー』(岡田温司監訳、みすず書房、2010年)、1996年『人権の彼方に』(高桑和巳訳、以文社、2000年)、1998年『アウシュヴィッツの残りのもの』(上村忠男・廣石正和訳、月曜社、2001年)、2000年『残りの時』(上村忠男訳、岩波書店、2005年)、2002年『開かれ』(岡田温司・多賀健太郎訳、人文書院、2004年;平凡社ライブラリー、2011年)、2003年『例外状態』(上村忠男・中村勝己訳、未來社、2007年)、2005年『涜神』(上村忠男・堤康徳訳、月曜社、2005年)、2005年『思考の潜勢力』(高桑和巳訳、月曜社、2009年)、2007年『王国と栄光』(高桑和巳訳、青土社、2010年)、2008年『事物のしるし』(岡田温司・岡本源太訳、筑摩書房、2011年)、2009年『裸性』(岡田温司・栗原俊英訳、平凡社、2012年)などがある。

訳者:上村忠男(うえむら・ただお)
1941年兵庫県生まれ。思想史家。著書に、『ヴィーコの懐疑』(みすず書房、1988年)、『歴史家と母たち』(未來社、1994年)、『ヘテロトピアの思考』(未來社、1996年)、『バロック人ヴィーコ』(みすず書房、1998年)、『歴史的理性の批判のために』(岩波書店、2002年)、『超越と横断』(未來社、2002年)、『グラムシ 獄舎の思想』(青土社、2005年)、『韓国の若い友への手紙』(岩波書店、2006年)、『無調のアンサンブル』(未來社、2007年)、『現代イタリアの思想をよむ』(平凡社ライブラリー、2009年)、『ヴィーコ』(中公新書、2009年)、『知の棘』(岩波書店、2010年)、『カルロ・レーヴィ『キリストはエボリで止まってしまった』を読む』(平凡社、2010年)、『ヘテロトピア通信』(みすず書房、2012年)などがある。訳書に、G・C・スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』(共訳、月曜社、2003年)、エンツォ・パーチ『関係主義的現象学への道』(編訳、月曜社、2011年)、スパヴェンタ/クローチェ/ジェンティーレ『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』(編訳、月曜社、2012年)のほか、ヴィーコ、クローチェ、グラムシ、プラーツ、エーコ、ネグリ、ヴァッティモ、ギンズブルグ、アガンベンなど多数。

★同書は1990年にエイウディ社から初版が出ていますが、今回弊社で翻訳したのは、2001年に数頁の「傍注」を追加してボラーティ・ボーリンギエリ社から刊行された新版です。本書の造本について一言ご説明しますと、ひまわり色の本文紙に墨のインクで刷っています。見た目のシンプルさを重視したいため、帯は付しません。ひまわり色と墨色のみでまとめたかったので、カバーの裏地(というかもともとの紙の色)もひまわり色で、花切もスピンは黒、表紙も黒です。ただし表紙に載っている書名や著者名、社名は銀色。
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★これまでに各社より刊行されている現代思想系の共同体論を以下にご紹介します。
ジャン=リュック・ナンシー『無為の共同体――哲学を問い直す分有の思考』西谷修・安原伸一朗訳、以文社、2001年6月
モーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』西谷修訳、ちくま学芸文庫、1997年6月a0018105_17505682.jpg

上記の元版と親本が以下になります。
ナンシー『無為の共同体――バタイユの恍惚から』西谷修訳、朝日出版社、ポストモダン叢書第一期第七巻、1985年5月
ブランショ『明しえぬ共同体』西谷修訳、朝日出版社、ポストモダン叢書第一期第三巻、1984年10月
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アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』野谷啓二訳、洛北出版、2006年2月
田崎英明『無能な者たちの共同体』未來社、2007年12月
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さらに、2001年版の「傍注」で触れられている思想集団「ティックーン(ティクーンとも)」については、以下の書籍をご参照ください。
不可視委員会『来たるべき蜂起』(『来たるべき蜂起』翻訳委員会訳)、彩流社、2010年5月
『来たるべき蜂起』翻訳委員会+ティクーン『反-装置論――新しいラッダイト的直観の到来』以文社、2012年7月
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なお、思想集団「ティックーン」や上記2書については、『到来する共同体』の訳者である上村忠男さんが月刊「みすず」で連載中の「ヘテロトピア通信」において、10月号、11月号と連続して言及される予定です。また、上村さんは今月、ヴィーコ『自伝』(平凡社ライブラリー)、ヴァッティモ+ロヴァッティ編著『弱い思考』(共訳、法政大学出版局)なども上梓されていますが、こちらは近日、別途ご紹介する予定です。
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by urag | 2012-08-21 17:54 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2012年 02月 16日

本日取次搬入:上村忠男編訳『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』

シリーズ「古典転生」第6回配本、上村忠男編訳『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学――スパヴェンタ、クローチェ、ジェンティーレ』が、本日16日取次搬入です。明日より順次、書店店頭での発売開始となります。お近くの地域のどの本屋さんに置いてあるかについてはお気軽に弊社までお尋ねください。このブログエントリーのコメント欄でもお問い合わせを承ります。

◎シリーズ「古典転生」既刊書
2006年6月【第1回配本・本巻1】
初期ストア哲学における非物体的なものの理論
エミール・ブレイエ著、江川隆男訳、本体3,400円、ISBN:4-901477-25-0
近代以降の唯物論とは異なるストア哲学の生物学的唯物論が提示する、存在と出来事を包括する自然哲学を考察した古典的名著(1908年)。訳者長篇解題「出来事と自然哲学――非歴史性のストア主義について」。
丹生谷貴志氏評「これは私たち全て、「人間」だけではなくて、文字通り全ての存在者のために表明された、そのための激怒と歓喜へと差し出された、稀に見る書物なのだ」。
鈴木創士氏評「これほど風変わりで生き生きとして並外れた哲学理論に出会えることはめったにない」。

2010年2月【第2回配本・別巻1】
ミクロコスモス――初期近代精神史研究 第1集
平井浩=編、本体3,000円(品切重版準備中)、ISBN978-4-901477-72-7
初期近代(15-18世紀)の多様な豊かさと深さを解明する、分野横断的な精神史研究誌の誕生。第1集では、8本の多彩な論考や3本の動向紹介のほか、ゴルトアマーやフィチーノの翻訳を収める。
中山元氏評「近代初期のさまざまな思想的な思想についての研究を集めて一冊にした、最近には珍しい作りの本」。
松山壽一氏評「意欲的で先駆的で多面的な取り組み。次集以降の更なる試みが世に登場することを鶴首している」。

2010年3月【第3回配本・本巻2】
具体的なものへ――二十世紀哲学史試論
ジャン・ヴァール著、水野浩二訳、本体3,800円、ISBN978-4-901477-73-4
ジェイムズ、ホワイトヘッド、マルセル――20世紀前半の哲学史に大きな足跡を刻んだ三者を論じ、現代思想が〈具体的なものへ〉向かう思考の運動として始まったことを明らかにする。同時代に大きな影響を与えた先見の書(1932年)。
合田正人氏評「何と鮮烈な、瑞々しい、色褪せることのない言葉たちがここに脈打っていることか。ウィリアム・ジェイムズ、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド、ガブリエル・マルセルという組み合わせも、それぞれの分析も決して古びてはいない。特に、意図的に書簡を対象として選んだジェイムズ論は圧巻である」。
加國尚志氏評「本書は「直接的な所与」の具体的経験に哲学の出発点を求めることが20世紀前半の哲学潮流であることを宣言し、独特の直接的経験論への思想的転回を準備した。サルトルやメルロ=ポンティらに大きな影響を与え、ジェイムズやホワイトヘッドを紹介してその後のフランス哲学の道を切り開いた歴史的名著」。

2011年9月【第4回配本・本巻3】
関係主義的現象学への道
エンツォ・パーチ著、上村忠男編訳、本体3,200円、ISBN978-4-901477-87-1
現象学、マルクス主義、実存哲学――これらはパーチにおいて関係主義という展望のもとに合流する。20 世紀イタリア思想における、時間・歴史・実存・労働をめぐる哲学の水脈を明らかにする一書。
山田忠彰氏評「パーチに独自なのは、世界・社会の関係性への徹底した目配りと、晩年のフッサール現象学を援用しつつも、それをさらに進めた、歴史的レーベンスヴェルト(生活世界)の構造把握である。歴史に絶対性も完結性も拒否し、開かれてある態度としての関係を注視するこの哲学は、現今のヴァッティモらの「弱い思考」の先取りの面をもつともいえよう」。
谷徹氏評「パーチは「実存するとは消費すること」だと言う――この「実存」は「生存」にも近い。エネルギーの消費は「欲求・必要」(とその満足のための「選択」)を生じさせ、それが未来の志向を作動させる(あるいは動機づける)。負が正を、消極的なものが積極的なものをはじめて可能にする。こうしたいわば逆転する動的関係が彼の哲学の軸にある。ここから、マルクスに関わる「労働」も未来志向の媒介として捉えられる。それが変革につながる」。

2011年12月【第5回配本・本巻4】
構造と生成 I――カヴァイエス研究
近藤和敬著、本体3,600円、ISBN978-4-901477-89-5
数理哲学者としてフランス・エピステモロジーの礎を築き、ナチス占領期にレジスタンスの闘士として銃殺されたジャン・カヴァイエス(1903-1944)。彼の先駆的業績をその〈概念の哲学〉のうちに見出し、現代的再評価への扉を開く、俊英による渾身の力作。本邦初の本格的モノグラフ。
金森修氏評「数学的認識を一種独自な〈経験〉として捉え、その経験相のありようについて、緻密な腑分けを試みる野心作だ。普通のメタ数学的、数学基礎論的問題構制とは質的に異なる新たな視点が輪郭づけられている。それにしても、これからが楽しみな若手の登場だ」。
十川幸司氏評「反時代的にも見えるが、きわめて重要で、今日的な仕事」。

2012年2月【第6回配本・本巻6】
ヘーゲル弁証法とイタリア哲学――スパヴェンタ、クローチェ、ジェンティーレ
上村忠男編訳、本体3,800円、ISBN978-4-901477-91-8
19世紀におけるナポリ・ヘーゲル派の異才スパヴェンタ(1817-1883)による弁証法を〈改革〉する試みと、それに対する20世紀のクローチェ、ジェンティーレの応答を収める。イタリアでのヘーゲル受容の百年における重要な一幕を再現するアンソロジー。

近刊2012年3月【第7回配本・本巻7】
ジョルダーノ・ブルーノの哲学――生の多様性へ
岡本源太著、本体3,800円、ISBN978-4-901477-92-5
「世界の広がりと深みを放浪し、ありとあらゆる王国を探求せよ」。その先鋭的な宇宙観のゆえに異端宣告を受け、改悛を拒絶して生きながらにして火刑に処された16世紀イタリアの哲学者ジョルダーノ・ブルーノ(1548-1600)。トマス・アクィナスの厳密さとルネ・デカルトの明晰さのはざまに生まれ落ちた彼は、はたして近代科学の先駆か、それとも古代呪術の末裔か。ブルーノが開いた〈近代〉を生の多様性の発見として再評価し、たえず変化し続ける動的関係に充ち満ちた〈無限宇宙〉の哲学を読み解く。ジェイムズ・ジョイスの2篇のエッセイ「ブルーノ哲学」「ルネサンスの世界文学的影響」の新訳を附す。

続刊【本巻5】
構造と生成 II――論理学と学知の理論について
ジャン・カヴァイエス著、近藤和敬訳
フランス現代思想の方法論的基盤として、同時代だけでなく次世代にも大きな影響を及ぼした代表作(1947年)、待望の完訳。訳者長篇解説「カヴァイエスの生涯と思想」。

シリーズ連動企画
化学教程
ジャン= ジャック・ルソー著、淵田仁・飯田賢穂訳
幻の書『化学教程』(1747年)の現代語訳を月曜社ウェブサイトにて無料公開。読みやすい訳文と丁寧な解説で好評連載中。
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by urag | 2012-02-16 15:40 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 23日

本日取次搬入:ガシェ『いまだない世界を求めて』

叢書「エクリチュールの冒険」第二回配本、ロドルフ・ガシェ『いまだない世界を求めて』、本日23日取次搬入です。明日より順次、書店店頭での発売開始となります。近刊予告の際に書きましたが、本書はあさぎ色(水色と緑色の中間色)の本文紙に濃緑のインクで刷りました。カバーの書名は銀箔。見た目のシンプルさを重視したいため、帯は付しません。写真を撮ってみましたが、ちょっと分かりにくいですかね。

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◎叢書「エクリチュールの冒険」既刊書
2007年09月【第一回配本】『書物の不在 初版』モーリス・ブランショ著、中山元訳、絶版
2009年02月『書物の不在 第二版』モーリス・ブランショ著、中山元訳、本体2,500円、ISBN:978-4-901477-44-4
2012年01月【第二回配本】『いまだない世界を求めて』ロドルフ・ガシェ著、吉国浩哉訳、本体3,000円、ISBN:978-4-901477-90-1
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by urag | 2012-01-23 14:22 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(2)
2011年 12月 14日

明日より店頭発売開始:近藤和敬『構造と生成I』

◎書店様へ

近藤和敬『構造と生成 I カヴァイエス研究』ISBN978-4-901477-89-5の新刊配本は最終的に以下の通りとなりましたので、書店様にお知らせいたします。

12月14日(水)取次新刊口搬入:大阪屋、栗田出版販売、太洋社。
12月15日(木)取次注文口搬入:日販、トーハン。

大阪屋、栗田出版販売、太洋社は通常の新刊配本です。日販とトーハンは事前受注が期限内に新刊配本ラインを組む冊数に至らなかったため、注文口へ「返品条件付出荷」となりました。

◎読者の皆様へ

近藤和敬『構造と生成 I カヴァイエス研究』(シリーズ・古典転生、第5回配本・本巻4)は、明日から一部大型書店で店頭発売開始となりますが、店舗によっては着店が来週以降になる場合がございます。配本店につきましては、弊社営業部までお尋ねください。当エントリーのコメント欄からもお尋ねいただけます。オンライン書店ではbk1、アマゾン、セブンネットショッピングなど、順次取り扱い開始となります。
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by urag | 2011-12-14 16:55 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2010年 04月 21日

平井浩さんが「図書新聞」に寄稿されました

a0018105_1733552.jpg『ミクロコスモス』の編者・平井浩さんが、書評紙「図書新聞」2010年4月24日号に「インテレクチュアル・ヒストリーがいどむ近代像への新たな挑戦」と題したエッセイを寄稿されました。『ミクロコスモス第1集』を書店でどうしても入手できない、というお客様は、弊社営業部までご一報ください。タイミングによっては在庫が残っている場合があります。また、重版の日にちが決定しましたら、こちらのブログでお知らせします。
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by urag | 2010-04-21 17:33 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 26日

『ミクロコスモス 第1集』@紀伊國屋書店新宿本店

現在「版元品切/返品待ち/重版検討中」の『ミクロコスモス 第1集』ですが、紀伊國屋書店新宿本店5F人文書売場の哲学書売場では平積みされています。ご担当のYさんから売場の写真を頂戴しました。中世哲学のミニフェア(3月24日~4月中旬)のそばで展開されています。
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by urag | 2010-03-26 12:09 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)
2010年 03月 17日

『ミクロコスモス』創刊イベント動画

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さる3月13日(土)に紀伊國屋書店新宿本店9Fで行われた、『ミクロコスモス』創刊イベントは満席御礼にて好評のうちに終了しました。Y係長を始め、紀伊國屋書店新宿本店の皆様にはたいへんお世話になりました。まことにありがとうございました。編者の平井浩さんが運営されている「『ミクロコスモス』ブログ」に紹介されている通り、同イベントの動画が公開開始になりました。以下は第一回「ミクロコスモス」大賞の授与風景の動画です。



続いて列記するのは、平井浩さんと、作品社の新刊『フランシス・イェイツとヘルメス的伝統』の共訳者であり、平凡社の『中世思想原典集成』や『ヴァールブルク・コレクション』を手掛けた編集者でもある二宮隆洋さんのお二人にピックアップしていただいた、『ミクロコスモス』および『フランシス・イェイツとヘルメス的伝統』の関連書60点です。

『ミクロコスモス 第1集』 (月曜社、2010年、3000円)
ジョーンズ 『フランシス・イェイツとヘルメス的伝統』(作品社、2010年、3600円)
『哲学の歴史(4)ルネサンス』(中央公論新社、2007年、3200円)
グラフトン『カルダーノのコスモス:ルネサンスの占星術師』(勁草書房、2007年、4000円)
エヴァンス『魔術の帝国(上下)』(ちくま学芸文庫、2006年、各1400円:品切)

根占献一『フィレンツェ共和国のヒューマニスト:イタリア・ルネサンス研究』(創文社、2005年、6500円)
根占献一『共和国のプラトン的世界:イタリア・ルネサンス研究 続』(創文社、2005年、5300円)
ウォーカー『ルネサンスの魔術思想』(ちくま学芸文庫、2004年、1400円:品切)
パラケルスス『奇蹟の医の糧』(工作舎、2004年、3800円)
パラケルスス『奇蹟の医書』(工作舎、新装版2004年、3800円)

池上俊一編訳『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(名古屋大学出版会、2009年、15000円)
パノフスキー『イデア』(平凡社ライブラリー、2004年、1500円)
シュミットほか『ルネサンス哲学』(平凡社、2003年、7000円)
シャステル『ルネサンス精神の深層』(ちくま学芸文庫、2002年、1500円:品切)
ホームヤード『錬金術の歴史』(朝倉書店、1996年、5500円)

コイレ 『パラケルススとその周辺』(水声社、1987年、3000円)
ドッブズ『錬金術師ニュートン:ヤヌス的天才の肖像』(みすず書房、2000年、7500円)
イエイツ『薔薇十字の覚醒』(工作舎、1986年、3800円)
イエイツ『記憶術』(水声社、1993年、6000円)
イエイツ『世界劇場』(晶文社、1978年、3200円)

エイトン『ライプニッツの普遍計画』(工作舎、1990年、5340円)
ショーレム『ユダヤ神秘主義』(法政大学出版、1985年、7300円)
ショーレム『カバラとその象徴的表現』(法政大学出版、1985年、3800円)
ショーレム『サバタイ・ツヴィ伝』 (法政大学出版局、2009年、15000円)
ショーレム『錬金術とカバラ』(作品社、2001年、2800円)

ロッシ『魔術から科学へ』(みすず書房、1999年、3000円)
ブルーノ『カンデライオ』(東信堂、2003年、3200円)
ブルーノ『原因・原理・一者について』(東信堂、1998年、3200円)
ブルーノ『英雄的狂気』 (東信堂、2006年、3600円)
オルディネ『ロバのカバラ』 (東信堂、2002年、3600円)

ゴドウィン『キルヒャーの世界図鑑』(工作舎、1986年、2900円)
カウフマン『綺想の帝国』(工作舎、1995年、3800円)
クリステラー『イタリア・ルネサンスの哲学者』 (みすず書房、新装版2006年、3200円)
伊藤博明ほか『イタリア・ルネサンスの霊魂論』 (三元社、1995年、2913円)
伊東俊太郎『十二世紀ルネサンス』(講談社学術文庫、2006年、1000円)

カンパネッラ『ガリレオの弁明』(工作舎、1991年、2800円)
ケプラー『宇宙の調和』(工作舎、2009年、10000円)
ケプラー『宇宙の神秘』(工作舎、新装版2009年、4800円)
カッシーラー『個と宇宙:ルネサンス精神史』 (名古屋大学出版会、1991年、3800円)
ヴィント『シンボルの修辞学』 (晶文社、2007年、4800円)

ザクスル『イメージの歴史』 (ブリュッケ、2009年、4600円)
ザクスル/ウィトカウアー『英国美術と地中海世界』 (勉誠出版、2005年、15000円)
パノフスキー『イコノロジー研究(上下)』 (ちくま学芸文庫、2002年、1300円/1400円)
パノフスキー『象徴形式としての遠近法』 (ちくま学芸文庫、2009年、1000円)
パノフスキー『ルネサンスの春』 (新思索社、新装版2006年、3500円)

ディディ=ユベルマン『残存するイメージ』 (人文書院、2005年、9800円)
田中純『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』 (青土社、2001年、3600円)
ステノ『プロドロムス』 (東海大学出版会、2004年、4500円)
アルベルトゥス・マグヌス『鉱物論』 (朝倉書店、2004年、3600円)
ラヴジョイ『観念の歴史』 (名古屋大学出版会、2003年、4800円)

リーヴズ『中世の預言とその影響』 (八坂書房、2006年、9800円)
ボッシー『ジョルダーノ・ブルーノと大使館のミステリー』 (影書房、2003年、9500円)
スクリーチ『ラブレー』 (白水社、2009年、20000円)
スクリーチ『モンテーニュとメランコリー』 (みすず書房、1996年、4300円)
ストヤノフ『ヨーロッパ異端の源流』 (平凡社、2001年、4200円)

森正樹『ジョン・ディーの「金星の小冊子」』 (リーベル出版、2004年、18,900円)
グタス『ギリシア思想とアラビア文化』 (勁草書房、2002年、3800円)
フィチーノ『「ピレボス」注解』(国文社、1995年、4500円)
ピコ・デッラ・ミランドラ『人間の尊厳について』(国文社、1985年、4500円:品切)
クザーヌス『神学綱要』(国文社、2002年、3500円)

紀伊國屋書店新宿本店5F人文書売場では、まもなく、西欧思想における中世と初期近代をテーマにしたブックフェアが開始される予定です。また、工作舎さんではフランセス・イエイツの代表作『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』(前野佳彦訳)が来月(2010年4月)以降に刊行予定と聞いています。楽しみですね!

最後に、大事なことをひとつお伝えしなければなりません。『ミクロコスモス 第1集』は現在「版元在庫僅少」で、早ければ月内に、一時的な「版元品切」状態になる可能性が高いです。しかし「市場在庫」(書店店頭に置いてある状態のこと)はまだあちこちにありますので、見つけていただけると幸いです。どこの本屋さんに置いてある可能性が高いかは、地域を特定してお問い合わせいただければお答えできます。コメント欄からのご質問でもOKです。
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by urag | 2010-03-17 09:05 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(2)
2009年 12月 20日

09年12月21日発売:ジョルジョ・アガンベン『思考の潜勢力――論文と講演』

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書名:思考の潜勢力
副題:論文と講演
著者:ジョルジョ・アガンベン
訳者:高桑和巳
版型:A5判上製520頁
本体:5,200円
ISBN978-4-901477-71-0

2009年12月刊行
ジャンル:人文・哲学

内容紹介:イタリア現代思想の旗手アガンベンによる、比類なき思考の全幅を収めた初の論文・講演集。未踏の知へと向かう大いなる一歩が開示される。全21篇、全篇単行本未収録。著者最大の書、待望の初訳。





目次
◆第一部:言語活動
もの自体
言語活動のイデア
言語と歴史――ベンヤミンの思考における言語的カテゴリーと歴史的カテゴリー
哲学と言語学――ジャン-クロード・ミルネール『言語学入門』
気分と声
自我、目、声
「私」と言うことの不可能性について――フリオ・イェージにおける認識論的パラダイムと詩的パラダイム
◆第二部:歴史
アビ・ヴァールブルクと名のない学
記憶の及ばないものの伝承
*se 絶対者と生起
起源と忘却――ヴィクトール・セガレンについて
ヴァルター・ベンヤミンと魔的なもの――ベンヤミンの思考における幸福と歴史的救済
コメレル 身振りについて
メシアと主権者――ベンヤミンにおける法の問題
◆第三部:潜勢力
思考の潜勢力
現事実性の情念――ハイデガーと愛
ハイデガーとナチズム
記憶の及ばない像
パルデス――潜勢力のエクリチュール
人間の働き
絶対的内在

ジョルジョ・アガンベン(Giorgio AGAMBEN):1942年ローマ生まれ。ヴェネツィア建築大学(IUAV)美学教授。著書に、1970年『中味のない人間』(岡田温司・岡部宗吉・多賀健太郎訳、人文書院、2002年)、1977年『スタンツェ』(岡田温司訳、ありな書房、1998年/ちくま学芸文庫、2008年)、1982年『言葉と死』(上村忠男訳、筑摩書房、2009年)、1993年『バートルビー』(高桑和巳訳、月曜社、2005年)、1995年『ホモ・サケル』(高桑和巳訳、以文社、2003年)、1996年『人権の彼方に』(高桑和巳訳、以文社、2000年)、1998年『アウシュヴィッツの残りのもの』(上村忠男・廣石正和訳、月曜社、2001年)、2000年『残りの時』(上村忠男訳、岩波書店、2005年)、2002年『開かれ』(岡田温司・多賀健太郎訳、人文書院、2004年)、2003年『例外状態』(上村忠男・中村勝己訳、未來社、2007年)、2005年『瀆神』(上村忠男・堤康徳訳、月曜社、2005年)、2005年『思考の潜勢力』(本書)などがある。

高桑和巳(たかくわ・かずみ):1972年生まれ。現在、慶應義塾大学理工学部准教授。共編著書に『フーコーの後で』(慶應義塾大学出版会、2007年)、訳書にミシェル・フーコー『安全・領土・人口』(筑摩書房、2007年)ほか。

***

ここしばらくアガンベン関連書が続きます。先月(09年11月)、筑摩書房さんから80年代の代表作『言語と死――否定性の場所にかんするゼミナール』が刊行され、今月は弊社から『思考の潜勢力』が、そして来月26日には岩波書店さんから『アガンベン入門』が出て、再来月にはみすず書房さんから96年の詩学研究『イタリア的カテゴリー』が刊行されます。

アガンベン入門
エファ・ゴイレン:著 岩崎稔+大澤俊朗:訳
岩波書店 2010年1月26日発売予定
四六判判上製カバー装272頁 ISBN978-4-00-022057-6 本体3,400円
新刊案内より:「排除を通じた包摂」によって人間の生を統治する主権権力のありようを暴き出したアガンベン。その政治哲学は、強烈なアクチュアリティをもってわれわれに迫ってくる。いまもっとも注目される思想家の初期から現在にいたる知的営為の全貌を解説。

イタリア的カテゴリー
ジョルジョ・アガンベン:著 岡田温司:訳
みすず書房 2010年2月23日発行予定
四六判360頁 ISBN978-4-622-07510-3 本体3,800円

これ以後にも、「ホモ・サケル」シリーズ第二部第二分冊の『王国と栄光──経済および統治の系譜学に向けて』が某社から刊行予定と聞いています。なお同シリーズは昨年に第二部第三分冊『言語の秘蹟――宣誓の考古学』の原書がラテルツァから刊行されています。

◎アガンベン「ホモ・サケル」シリーズ

第一部:1995年『ホモ・サケル――主権権力と剥き出しの生』(高桑和巳訳、以文社、2003年)
第二部第一分冊:2003年『例外状態』(上村忠男・中村勝己訳、未來社、2007年)
第二部第二分冊:2007年『王国と栄光──経済および統治の系譜学に向けて』
第二部第三分冊:2008年『言語の秘蹟――宣誓の考古学』
第三部:1998年『アウシュヴィッツの残りのもの』(上村忠男・廣石正和訳、月曜社、2001年)
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by urag | 2009-12-20 21:36 | 人文書既刊 | Trackback | Comments(0)