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2017年 06月 04日

注目新刊:『メルロ=ポンティ哲学者事典』第二巻、ほか

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メルロ=ポンティ哲学者事典 第二巻 大いなる合理主義・主観性の発見』モーリス・メルロ=ポンティ編著、加賀野井秀一/伊藤泰雄/本郷均/加國尚志監訳、白水社、2017年5月、本体5,400円、A5判上製382頁、ISBN978-4-560-09312-2
タラウマラ』アントナン・アルトー著、宇野邦一訳、河出文庫、2017年6月、本体800円、文庫判224頁、ISBN978-4-309-46445-9

★『メルロ=ポンティ哲学者事典 第二巻 大いなる合理主義・主観性の発見』は、第2回配本。目次は以下の通り。スラッシュで区切ってある一群は書き手のイニシャルが付された小項目です。

Ⅳ 大いなる合理主義(モーリス・メルロ=ポンティ)
大いなる合理主義(17世紀):ガリレイ/ベーコン/ホッブズ/デカルト
ベーコン(アンドレ・ラランド)
ホッブズ(レイモン・ポラン)
デカルト(フェルディナン・アルキエ)
ガッサンディ/メルセンヌ/ラ・フォルジュ/コルドモワ/ユエ/クラウベルク/ゲーリンクス/アルノー/レジス/
スピノザ(ロラン・カイヨワ)
スピノザ/ラミ/ブーランヴィリエ/ドルトゥス・ド・メラン/マルブランシュ/ベルナール・ラミ/フェデ/アンドレ
マルブランシュ(フェルディナン・アルキエ)
ライプニッツ(イヴォン・ベラヴァル)
ライプニッツ/ヴォルフ
ロック(レイモン・ポラン)
ディグビー/ジョン・スミス/カドワース/モア/ロック/ロシュ/ニュートン/クラーク/コリンズ/ベール/フォントネル
18世紀の合理主義(ジャン・スタロバンスキー)
モンテスキュー/ヴォーヴナルグ/ヴォルテール/ディドロ/ダランベール/ラ・メトリ/エルヴェシウス/ドルバック/ビュフォン/ボスコヴィチ/ケネー
コンディヤックと観念学:コンディヤック/ハートリー/ボネ/カバニス/デステュット・ド・トラシ
Ⅴ 主観性の発見(モーリス・メルロ=ポンティ)
16世紀:ラブレー/タロン/モンテーニュ
モンテーニュ(ジャン・スタロバンスキー)
パスカル(ジョルジュ・ギュスドルフ)
17世紀:デカルト/パスカル
18世紀:シャフツベリ/マンデヴィル/ビュフィエ/コリアー/バークリー
バークリー(T・E・ジェソップ)
ハチソン/ユベール/ヒューム
ヒューム(ギルバート・ライル)
ヘルムステルホイス/アダム・スミス/リード/サン=マルタン
コンディヤック(ジョルジュ・ル・ロワ)
ルソー(ピエール・ビルジュラン)
カント(ジュール・ヴュイユマン)
カント/レッシング/ヘルダー/ヤコービ/マイモン
フィヒテ(ジュール・ヴュイユマン)
19世紀:フィヒテ/ゲーテ/シラー/フリース/ヘルバルト/ショーペンハウアー/ブーストレム/スチュワート/ブラウン/ハミルトン/ミル/ニューマン
メーヌ・ド・ビラン(ジョルジュ・ル・ロワ)
ビシャ/メーヌ・ド・ビラン/ラロミギエール/ロワイエ=コラール/アンペール/ジュフロワ/クザン/ボルダス=ドゥムラン/マレ/グラトリー/ヴァシュロ/シモン/ジャネ/テーヌ/ルキエ/ロスミーニ=セルバーティ/ジョベルティ/マッツィーニ/キルケゴール
キルケゴール(ジョルジュ・ギュスドルフ)
エマーソン/アミエル/スクレタン/マッハ/アヴェナリウス
19世紀の終わりと批判主義の復活:ルヌヴィエ/カントーニ/コーエン/ナトルプ/ヴィンデルバント/リッケルト/フォルケルト/バウフ/リーベルト/ヘフディング/ラシュリエ/ラニョー/ブロシャール/アムラン/セアイユ/フイエ/デュナン/パロディ
索引

★第3回配本は7月27日発売予定、第1巻『東洋と哲学・哲学の創始者たち・キリスト教と哲学』とのことです。

★アルトー『タラウマラ』は6月6日発売。河出文庫のアルトー作品は『神の裁きと訣別するため』(宇野邦一/鈴木創士訳、2006年7月、品切)、『ヘリオガバルス――あるいは戴冠せるアナーキスト』(鈴木創士訳、2016年8月)に続いて3点目になります。奥付前の特記によれば「本書は『アルトー後期集成I』(河出書房新社、2007年)所収の『タラウマラ』を改訂の上、文庫化したもの」と。訳者による「解説」の末尾にはより詳しくこう説明されています。「この訳書は、『アルトー後期集成I』の中のタラウマラ関連の文章に、未訳の書簡三通を付け加えたものである。収録にあたって訳文を再検討し、できるだけ誤りをただすようにした」。この書簡三通というのは「タラウマラ族に関する手紙」において追加されたもので「ポケット版(Idées / Folio essais)には、ポーラン宛の三つの書簡(1937年5~6月)が増補されているので、本書にはそれも訳出した」と記されています。

★ご参考までに本書の目次を以下に列記します。

タラウマラ族におけるペヨトルの儀式
タラウマラの国への旅について
 記号の山
 ペヨトルのダンス
 アンリ・パリゾーへの手紙
トゥトゥグリ
『エル・ナシオナル』に掲載されたタラウマラ族に関する三つのテクスト
 東方の三博士の国
 自然はみずからの円環において……
 ある原理-種族
 アトランティス王たちの儀式
『ヴヮラ』掲載されたテクスト
 失われた人々の種族
『タラウマラの国への旅』の補遺
 付録
ペヨトルに関する一注釈
タラウマラ族に関する手紙
訳注
解説

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★このほか、最近では以下の新刊との出会いがありました。

西洋美術の歴史(8)20世紀 越境する現代美術』井口壽乃/田中正之/村上博哉著、中央公論新社、2017年5月、本体3,800円、B6判上製600頁、ISBN978-4-12-403598-8
異貌の同時代――人類・学・の外へ』渡辺公三・石田智恵・冨田敬大編、以文社、2017年5月、本体4,600円、A5判上製650頁、ISBN978-4-7531-0340-9
クリストファー・ノーランの嘘――思想で読む映画論』トッド・マガウアン著、井原慶一郎訳、フィルムアート社、2017年5月、本体3,200円、四六判上製520頁、ISBN978-4-8459-1622-1
ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』ルスタム・カーツ著、梅村博昭訳、共和国、2017年6月、本体2,600円、菊変型判並製280頁、ISBN978-4-907986-41-4
夜明けの約束』ロマン・ガリ著、岩津航訳、共和国、2017年6月、本体2,600円、菊変型判並製336頁、ISBN978-4-907986-40-7

★『西洋美術の歴史(8)20世紀 越境する現代美術』は同シリーズ全8巻の最終回配本。20世紀を扱う最終巻の構成は、序章「20世紀西洋美術史を語るために」、第1章「抽象芸術の成立と展開」、第2章「イメージと物」、第3章「第二次世界大戦後の抽象芸術」、第4章「現代生活と美術」、第5章「身体表象と20世紀美術」、第6章「美術と政治」、第7章「美術とさまざまなメディア」、となっています。なおシリーズ完結を記念して今月、よみうりカルチャー大手町にて、同シリーズの執筆者4氏による連続講演会「『西洋美術の歴史』完結記念講座」全4回が開催されるそうです。詳細はリンク先をご覧ください。

★『異貌の同時代』は文化人類学者・渡部公三さんの退官予定を見据えて企画された論文集ですが、いわゆる「退官記念論文集」然としたものではなく、「関係者の論文を寄せ集めただけの「記念」論文集にはしたくないという思い」から編まれた意欲的な論文集で、ポール・デュムシェル(第9章「知覚、感覚、感情、アフォーダンス」近藤宏訳)、マルセル・エナフ(第18章「他者とともに生きる――レヴィ=ストロースあるいは他者性と互酬性」渡辺公三訳)、そして最近水声社から初訳書『流感世界』が出たばかりのフレデリック・ケック(第19章「クロード・レヴィ=ストロースの陰画的エコロジー」泉克典訳)といった翻訳も収録されています。

★マガウアン『クリストファー・ノーランの嘘』の原書は『The Fictional Christopher Nolan』(University of Texas Press, 2012)。帯文によれば「『フォロウィング』から『インターステラー』まで、作品内で巧みに仕組まれた観客を欺く構造を、ヘーゲル哲学やラカンは精神分析で徹底的に読み解く」というもの。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。著者のマガウアン(Todd McGowan, 1967-)はバーモント大学准教授。ご専門は映画研究と文化理論で、ジジェクに近い立場の研究者かとお見受けしました。本書が初めての訳書で、未訳ですがデイヴィッド・リンチ論なども上梓されています。本書は本格的なノーラン研究本としても本邦初だそうです。巻末には中路武士さんによる詳細なノーラン作品解題が併載されています。

★カーツ『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』と、ガリ『夜明けの約束』は共和国さんの新シリーズ「世界浪漫派」の二冊同時初回配本です。巻頭にはフリードリッヒ・シュレーゲルの言葉「小説〔ロマン〕とは、ロマン的な書物のことである」が掲げられています。前者の原書は2013年刊の改訂第4版。凡例によれば「ファンタスチカ」とは現代ロシアにおいて、SFおよび幻想文学全般を指す言葉だそうです。目次詳細は書名のリンク先をご覧ください。カバーには「鎌とハンマー」の抜き型加工が施されていますが、これはロシア革命100周年記念で、初版のみの仕様とのこと。帯文にある「ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィッチ』は月面開発の物語」という文言に吃驚しましたが(詳細は162頁以降)、読者諸姉兄に一言だけ申し上げておくと、この本を楽しむためには絶対に訳者解説から読んではダメですし、訳者解説を読まずに終えるのも(たぶん)危ういです。

★後者『夜明けの約束』の原著は1960年刊。帯文に曰く「史上唯一、ゴンクール賞を2度受賞した作家で外交官、女優ジーン・セバーグの伴侶にして、拳銃自殺を遂げたロマン・ガリ。その代表作であり、戦後フランスを象徴する自伝小説の白眉、ついに刊行」と。2度の受賞作というのは、『自由の大地』(原著1956年刊;日本語訳上下巻、ロオマン・ギャリィ著、岡田真吉/澁澤龍彦訳、人文書院、1959年;『世界動物文学全集』第9巻所収、講談社、1979年;『澁澤龍彦翻訳全集』第4巻所収、河出書房新社、1997年)と、『これからの一生』(エミール・アジャール名義、原著1975年;日本語訳、荒木亨訳、早川書房、1977年)のこと。なお、同作品はエリック・バルビエ監督によって映画化されるそうで、年末(2017年12月)にフランスで上映決定なのだそうです。

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by urag | 2017-06-04 16:47 | Trackback | Comments(0)
2017年 05月 17日

重版出来:『表象11:ポスト精神分析的主体の表象』2刷

表象11:ポスト精神分析的主体の表象』の重版(2刷)が本日5月17日、できあがりました。補充予約を入れていただいた書店様のご発注分は明日より順次取次搬入となります。

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by urag | 2017-05-17 21:41 | Trackback | Comments(0)
2017年 04月 10日

重版2刷出来:森山大道『通過者の視線』

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森山大道さんの写真論、エッセイ、対話をまとめた『通過者の視線』(2014年刊)の2刷が4月7日にできあがりました。今週末には同じく森山さんの写真集『Osaka』(2016年9月刊)の2刷もできあがる予定です。初版本は書店さんの店頭でほどなく消えていくと思われますので、ご購入ご希望のお客様はお早目にお探しいただけると幸いです。オンライン書店hontoの商品個別頁での丸善やジュンク堂の店頭在庫情報などが有益かと想像します。

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by urag | 2017-04-10 09:37 | Trackback | Comments(0)
2017年 01月 27日

佐野方美写真展「SLASH」

佐野方美写真展「SLASH」

期日:2017年1月27日(金) ~ 2月5日(日)12:00~19:00 会期中無休
料金:入場無料
場所:AL(アル;東京都渋谷区恵比寿南3-7-17;電話03-5722-9799;代官山駅から徒歩5分;JR恵比寿駅から徒歩8分)

内容:佐野方美(さの・まさみ)の撮り下ろし写真集第一作『SLASH』 (スラッシュ) が月曜社より発売されることを記念して、同タイトルの写真展を開催いたします。写真集176点の中から50点程をセレクトし、デジタルプリントにて展示。作品の販売に加え、G.V.G.V.FLATと河村康輔氏との三者コラボレーションにより実現したTシャツを販売しています。

※同時開催として、2017年1月26日(木)~2月5日(日)に、NADiff Window Gallery(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 1F)にてコラージュ作品展示しております。
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by urag | 2017-01-27 14:00 | Trackback | Comments(0)
2016年 10月 21日

ぴろぴとさん新作映像「ぼくのうち」

敬愛する映像作家のぴろぴとさんによる新作「ぼくのうち(My house walk-through)」が今週公開開始となっています。繰り返しのようで少しずつ変化が現れる進み方というのは、ぴろぴとさんを一躍有名にした「username:666」(2008年)をはじめ、「Another YouTube」(2010年)や「pokopokoshopping」(2014年)などで表現されてきた〈出口のない悪夢への滑落〉と近いもので、ぴろぴとさんに特徴的な作風。過去の映像作品の数々から推測して、今回もロケや造形の手間がかなりかかっているのではと想像しますが、どの部分がCGでどの部分が実写なのか、素人目には判然としません。ヒントとなる素材写真やロケ作業報告(作業開始は5月! 8月の暑い最中に連日12時間に及ぶもの! 蚊取り線香の煙で濛々!)はぴろぴとさんのツイッターで投稿されています。「これはホラービデオではありません」という注記が秀逸。世界各国の視聴者の中にはホラーゲーム「P.T. (Silent Hills: Playable Teaser)」や「サイレン」シリーズ(付け加えるなら「零」シリーズもでしょうか)を思い起こした方もいるようですが、あの閉鎖的な異次元空間に魅入られていた方はきっとこの「ぼくのうち」にその卓抜な発展型や瞠目すべき変奏を見るのではないかと思います。これはぜひ、いま流行のプレイステーションVRなどで再現されてほしい世界です。来月11月には本作に関連する動画を公開されるそうで、メイキングだとしたら非常に興味深いものになると思います。楽しみです。


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by urag | 2016-10-21 14:28 | Trackback | Comments(0)
2016年 09月 08日

live cameras in tokyo


tokyo tower, minato (if you can't watch it, go to tokyo tower live camera)


shibuya pedestrian scramble


shibuya


shibuya


odaiba (if you can't watch it, go to fnn)


kabukicho, shinjuku (if you can't watch it, go to TOCACOCAN)


futakotamagawa, setagaya (if you can't watch it, go to iTSCOM STUDIO & HALL live camera)


machida

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by urag | 2016-09-08 00:40 | Trackback | Comments(0)
2015年 12月 28日

備忘録(15)

◆2015年12月28日13時現在。

太洋社の年末年始業務について。

2015年12月28日(月)午前11:30まで【仕入窓口業務最終日】
2015年12月29日(火)平常営業【仕入窓口業務なし】
2015年12月30日(水)~2016年1月4日(月)【社休日】
2016年01月05日(火)平常営業【仕入窓口業務なし】
2016年01月06日(水)平常営業【仕入窓口業務開始日】

以上。
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by urag | 2015-12-28 13:41 | Trackback | Comments(0)
2015年 11月 12日

集英社文庫ヘリテージシリーズ・ポケットマスターピース創刊

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★竹峰義和さん(共訳:シュティーグラー『写真の映像』)
集英社文庫ヘリテージシリーズの新しい「シリーズ内シリーズ」として先月末に創刊された「ポケットマスターピース」の第1回配本として、第1巻「カフカ」(多和田葉子編)と、第2巻「ゲーテ」(大宮勘一郎編)が同時発売になりました。竹峰さんは「カフカ」の巻で、「流刑地にて」「雑種」「こま」の新訳を担当されています。「カフカ」の巻に収録されているテクストはネット書店「honto」さんの商品個別頁で確認することができます(ただし収録順序がバラバラ)。「変身(かわりみ)」多和田葉子訳、「火夫」「訴訟」いずれも川島隆訳、といった代表作のほか、カフカの本職である労災保険局で作成した公文書や、婚約者などと交わした書簡も収めているのが面白いです。「ポケットマスターピース」は全13巻で、このあとバルザック、トルストイ、ディケンズ、マーク・トウェイン、フローベール、スティーブンソン、ポー、ドストエフスキー、ルイス・キャロル、ブロンテ姉妹、セルバンテスという風に2016年10月まで毎月1冊ずつ刊行されていくようです。


★水野浩二さん(訳書:ヴァール『具体的なものへ』)
澤田直さんとの共訳書『主体性とは何か?』が白水社さんより先月末に発売となりました。この本はサルトルが1961年12月12日にローマのグラムシ研究所で行なった講演「マルクス主義と主体性」および12日~14日に行われたイタリア知識人との討論(マリオ・アリカータ、ビアンキ・バンディネッリ、ガルヴァノ・デラ・ヴォルペ、レナート・グットゥーゾ、チェーザレ・ルポリーニ、グィド・ピオヴェーネ、ロンバルド・ラーディチェ、ジュゼッペ・セメラーリ、フランチェスコ・ヴァレンティーニ)の記録を中心に、編者のミシェル・カイルとラウル・キルヒハイマーによるまえがき「意識と主体性」と、フレドリック・ジェイムソンによるあとがき「サルトルの現代性」が収められています。原書は、Qu'est-ce que la subjectivité ? (Les Prairies ordinaires, 2013)です。

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先月(2015年10月25日)行われたamu Kyoto主催の連続イベント「京都に出版社をつくる(には)」の第1回目(ホホホ座・山下賢二さん+松本伸哉さん/月曜社小林浩)のイベントレポートが公開開始となりました。楽しかったひと時の記憶が蘇る心地がします。
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by urag | 2015-11-12 17:12 | Trackback | Comments(0)
2015年 02月 25日

新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん

2015年3月20日(金)開店予定
ブックスモア大館店:書籍雑誌594坪、文具100坪
秋田県大館市清水5-1-17
大阪屋帳合。弊社へのご発注はここ半年の新刊を中心に芸術書少々。奥羽本線「大館駅」より自転車で約5分(徒歩だと約20分)の郊外店です。取次からの出品依頼書や書店の挨拶状では住所が「清水5-17-1」と記載されているのですが、出品依頼書の地図と照合し、さらに、実在する番地の中から推察すれば、「清水5-1-17」の間違いかと思われます。

ブックスモアの経営主体である秋田トヨタ自動車さんの会長と、フランチャイザーのジュンク堂書店さんの社長の連名での挨拶状によれば、「業務提携先であるジュンク堂書店の全面協力を得て〔・・・〕什器レイアウト・選書・ジャンル構成・棚詰・研修に至るまでジュンク堂書店がこれまで培ってきた経験を踏まえ、さらに進化した「立地に相応しい洗練された店」を目指す」とのことです。

500坪超の書店さんですが、弊社商品はほとんど食い込めていません。書籍雑誌の部門構成比では美術芸術3%、人文教育3%、文芸3%で、メインはコミック19%、文庫13%、趣味実用13%、雑誌11%、学参8%(辞書や語学を足すと10%)、児童書8%ということで、弊社以外の専門書版元にとっても厳しい状況かもしれません。ロングセラーではなく、直近の話題書から選書されていることを見ても、ジュンク堂さんの最近の新店舗は「脱専門書」の傾向を強めているような印象があります(あくまでも印象です)。専門書版元にとっては「頼みの綱はジュンク堂」であるだけに、この傾向が強まれば、専門書の販売はいっそうネット書店に依存せざるをえなくなると思います。ロングテールを維持できるリアル書店が少ないのは事実です(書店だけに責任があるのではなく、出版社も取次も関わりあることです)。小部数専門出版の未来が「脱リアル書店」へと傾くのかどうかはいずれ鮮明になってくると思われます。


2015年4月10日(金)開店予定
ジュンク堂書店大泉学園店:255坪
東京都練馬区東大泉1-600 Grand Emio 3F
大阪屋帳合。弊社へのご発注は、上記FC店とほぼ同じ傾向で、ここ一年の新刊が中心の芸術書、人文書、文芸書をそれぞれ数点ずつです。長らく再開発され続けてきた西武池袋線「大泉学園駅」の周辺ですが、Grand Emio(グラン・エミオ)というのは西武鉄道株式会社と株式会社西武プロパティーズの連名による昨年12月24日付のプレスリリースによれば、施設の概要は以下の通りです。

「大泉学園駅北口地区市街地再開発組合が開発を進めている「リズモ大泉学園」の低層部分に新商業施設「Grand Emio(グランエミオ)大泉学園」を2015年4月にオープンいたします。今後、西武鉄道沿線の高いマーケットポテンシャルを有する駅における、より幅広い業種を集積する商業施設については「Grand Emio(グランエミオ)」として展開することで、地域の賑わいを創出するとともに、駅ナカ商業施設「Emio(エミオ)」とともに沿線の商業施設の認知度およびイメージを高め、沿線価値の向上を目指してまいります。〔・・・〕「グランエミオ大泉学園」は、大泉学園駅北口改札からペデストリアンデッキで直結し、地下1階から3階の4フロアで構成されています。「食」×「集い」×「文化」をテーマに、地下1階にはスーパーマーケット、1階にはカフェや生花、ペデストリアンデッキと接続する2階にはベーカリーやファッション、服飾・生活雑貨、3階にはレストランのほか大型書店や音楽教室など、バラエティ豊かな28店舗を導入します」。

現在、大泉学園駅周辺にはトーハン帳合の「くまざわ書店大泉学園店」があり、いまはなき駅前の英林堂(2013年8月閉店)や、2010年2月に閉店したNOS VOS by PARCO内にあったリブロを思い出すにつけ、あけすけに言えば書店さんが増えても苦戦するだけのような気がしないでもないです。とはいえ、弊社本を扱って下さる書店さんが、知り合いが多い地域にできるというのは嬉しいことです。私だったら、地元にもしジュンク堂ができるとなれば嬉しくてたまらないです。願わくば「新刊を店頭で見たよ」という声を掛けてもらえるようになるといいなと妄想しています。


2015年4月10日(金)開店予定
BOWLららぽーと富士見店:126坪(うち書籍35坪、ほか雑貨CDなど)
埼玉県富士見市山室1-1313 ららぽーと富士見 1F
大阪屋帳合。弊社へのご発注は人文書、芸術書、文芸書など棚用と平積用あわせて十数点。上記のブックスモアやジュンク堂より俄然多い点数坪数から考えて、この採用率の高さはただただありがたいの一言です。選書は大阪屋の子会社「リーディングスタイル」のKさんですが、書店の経営自体は、紙の大手専門商社である日本紙パルプ商事株式会社が昨秋、複合書店経営事業への参入のために設立された新会社「リーディングポートJP」が行います。Kさんが移籍されたというよりは、「リーディングポートJP」さんが経営する複合書店さんの選書や商品調達を「リーディングスタイル」さんが手伝っているということなのかなと想像しています。

「マルノウチリーディングスタイル」「ソリッドアンドリキッド」「niko and...」「スタンダードブックストア茶屋町」など、セレクトショップ(書籍雑誌+文具雑貨)+カフェのコンパクトな複合型書店での選書を続々と手掛けてきた「リーディングスタイル」さんの活躍の場はますます広がりつつあるようです。「BOWL」の概要については、日本紙パルプ商事株式会社の昨年12月3日付のプレスリリースにこうあります。

「「BOWL」は、同一テーマの本と雑貨を同じ棚に陳列したり、購入前の本をカフェスペースで軽食と共に試読いただくなど、既存の書店のスタイルにとらわれない取り組みで、訪れた方が本をじっくり選べる新しい形態の書店です。また、カフェスペースにつきましては、サイン会、トークショウ等のイベント会場としての貸し出しも予定しております」。

プレスリリースに記載されている「BOWL」のロゴ画像には「READING STYLE PROJECT FUJIMI」という文字が見えます。ちなみに「新文化」2014年9月4日付のニュースフラッシュによれば、「紙の商社が書店経営に参入するのは初めて」とのことでした。また、ららぽーと富士見の概要は、三井不動産の昨年12月3日付のプレスリリースによれば、以下の通りです。

「三井不動産株式会社は、2015年4月10日(金)に埼玉県富士見市の中心地に、敷地面積約152,000m2と東武東上線エリア最大級となるリージョナル型ショッピングセンター「三井ショッピングパーク ららぽーと富士見」を開業いたします。〔・・・〕来春開業する「ららぽーと富士見」は、満足度の高いワンストップショッピングを実現する293店舗の出店に加え、建物や敷地の中に留まらない、より地域と一体化した『ららぽーと』となります。さらに、当施設はエンターテインメント機能の充実や、コト消費とショッピングを融合させた「体感型店舗」を誘致するなど、今後の『ららぽーと』の目指す姿である、“人が集まる”から“人が交流する”新しい『ららぽーと』へと進化し、多様化するニーズや新たなライフスタイルに幅広く応えていきます。「ららぽーと富士見」コンセプト――当施設の周辺は住宅地化が進みつつも、緑豊かな自然も広がる、人々のさまざまな生活の営みが交差する場所です。そこで当施設は、「人・モノ・文化が交差する新拠点~CROSS PARK~」をコンセプトに、従来の“人が集まる”から、空間、コミュニティ、体験、ショッピングを通して“人が交流する”新たな『ららぽーと』を目指します」。

「コト消費とショッピングを融合させた「体感型店舗」を誘致」という点をもう少し詳しく見てみると、「Shopping is Entertainment」を実現する体感型店舗として数え挙げられているのは、家電店のノジマ、ペットショップのペットプラス、スポーツ用品店のスーパースポーツゼビオです。BOWLは、ベイクルーズ社による“ファッション×カフェ”「j.s. pancake café」とともに、「カフェスペースを充実させて、お一人でも居心地の良い空間を提供します」と紹介されています。

ららぽーと富士見の最寄駅は東武東上線の「鶴瀬駅」ですが、基本的に徒歩圏ではなく(歩くと30分以上かかります)、バスや車での利用がメインになります。県道334号を挟んで向かい側にあります。この立地が集客にどう影響するのか、オープンが楽しみです。


2015年4月16日(木)開店予定
紀伊國屋書店アミュプラザおおいた店:446坪(売場412坪、事務所32坪)
大分県大分市要町1-14 アミュプラザおおいた 4F
トーハン帳合。弊社へのご発注は直近の新刊1点。追加発注を期待したいです。紀伊國屋書店の専務さんのお名前がある挨拶状によれば、同店は「大分市に2店舗目となる新規店舗はJR大分駅の商業施設「アミュプラザおおいた」内への出店となります。現在大分は、100年に一度の規模で大分駅周辺の再開発を進めており、一昨年には市の複合文化交流施設であるホルトホールを駅南口にオープンし、また本年4月24日には駅の北側徒歩15分の場所に大分県立美術館をオープン予定です。そしてJR大分シティにより現在大分駅が回想され、ホテル、温浴施設、商業施設が一体となった新たな駅空間として4月16日に全面開業いたします。〔・・・〕今回の商品選定にあたりましては、〔・・・〕トーハン様による市場調査をもとに、弊社チェーンの鹿児島店のデータを活用し、売れ行き良好、かつ地元のニーズに応えられる商品を厳選いたしました」とのことです。
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by urag | 2015-02-25 17:38 | Trackback | Comments(0)
2014年 12月 07日

注目新刊と既刊:ホッブズ『リヴァイアサン』光文社古典新訳文庫、ほか

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◎古典の新訳が続々と――空海、アリストテレス、ホッブズ、フーコー

弁顕密二教論』空海著、加藤精一訳、角川ソフィア文庫、2014年11月、ISBN978-4-04-407273-2
アリストテレス全集(2)分析論前書/分析論後書』岩波書店、2014年11月、ISBN978-4-00-092772-7
リヴァイアサン(1)』ホッブズ著、角田安正訳、光文社古典新訳文庫、2014年12月、ISBN978-4-334-75302-3
言説の領界』ミシェル・フーコー著、慎改康之訳、河出文庫、2014年12月、ISBN978-4-309-46404-6

『弁顕密二教論』は発売済。ソフィア文庫「ビギナーズ 日本の思想」シリーズでの加藤精一さんによる空海の現代語訳は、『三教指帰』(加藤純隆共訳、2007年9月)、『秘蔵宝鑰』(加藤純隆共訳、2010年4月)、『般若心経秘鍵』(2011年5月)、『即身成仏義/声字実相義/吽字義』(2013年7月)に続き本書が4冊目。同文庫から入門書『空海入門』(2012年4月)も上梓されています。空海が唐への留学から帰国したのが30代前半。密教の教えを顕教と比較して解説した本書を執筆したのは帰国後ほどなくではないかと推測されています。加藤さんは「空海の真言教理の基礎」と訳者あとがきで評価されておられます。

『アリストテレス全集(2)分析論前書/分析論後書』は発売済。第7回配本。西洋史における初めての論理学書として名高い『分析論前書』(今井知正・河合淳訳)と『分析論後書』(高橋久一郎訳)を収録。巻末には「推論表」あり。旧全集では『分析論前書』は井上忠訳、『分析論後書』は加藤信朗訳で、山本光雄訳『カテゴリー論』『命題論』とともに第1巻(1971年)に併録されていました。今回の新訳に付属する「月報7」では、八木沢敬「アリストテレスとM」、野本和幸「アリストテレス遠望・近景」を掲載。次回配本は今月(2014年12月)18日、第19巻『アテナイ人の国制/著作断片集(1)』です。

『リヴァイアサン(1)』は発売済。全2巻予定。第1巻では第1部「人間について」全16章を収録。言うまでもなくホッブズの主著であり、「万人の万人に対する闘い」という人間のありようを鋭く抉った名言で知られています。同書の既訳には、水田洋訳岩波文庫全4巻(全4部全訳)や、永井道雄・上田邦義訳中公クラシックス版全2巻(第1部と第2部の全訳、第3部と第4部のみ抄訳)などが現在でも入手可能ですが、元を辿ると前者は1940年代末、後者は70年代初頭が最初の出版で、殊に水田訳は幾度となく改訳されて90年代に現行版へ至っている労作です。今回の新訳は、全2巻であることと、第1巻の訳者あとがきの末尾に「できるだけ早く第二部をお届けするべく」とあるので、あるいは第3部と第4部は解説もしくは要約のみになるのかもしれません。訳者あとがきには翻訳のご苦労が率直に綴られていて、新訳への興味は尽きません。

ホッブズについては周知の通り今月は岩波文庫から『ビヒモス』(山田園子訳)がまもなく出ます。同じく今月発売と予告されていた京都大学学術出版会の「近代社会思想コレクション」の『物体論』(本田裕志訳)は最新情報によれば、来年度以降(つまり来春)の発売に延期になったようです。

『言説の領界』は発売済。1970年12月2日のコレージュ・ド・フランス開講講義である「L'ordre du discours」の42年ぶりの新訳と謳われています。これは中村雄二郎さんによる既訳『言語表現の秩序』(河出書房新社、1972年初版;改訂版1981年;新装版1995年)の初版から数えた数字ですが、改訂版から数え直しても33年ぶりです。既訳はさほど入手が難しい本ではありませんが、新装版についてはさほど廉価にはなりにくいようです。1984年のフーコーの死に至るまでのコレージュ・ド・フランス講義は筑摩書房より現在刊行中の『ミシェル・フーコー講義集成』全13巻に明らかですけれども、開講記念講義の日本語訳は本書に依るしかありません。この講義(正確に言えば講義原稿)を読む人は誰しも、フーコーの前任者にして恩師である哲学史家ジャン・イポリット(Jean Hyppolite, 1907-1968)への讃辞に紋切型の挨拶以上の重みを感じるに違いありません。最上段写真に見る通り、イポリットの単著(小冊子を除く)は死後刊行の2分冊の論文集を除いてすべて邦訳されています(論文集も論文単位では邦訳があるものもあります)。先達のご尽力に深く感謝したいです。


◎レオ・シュピッツァーの単著本邦初訳

言語学と文学史――文体論事始』レオ・シュピッツァー著、塩田勉訳、国際文献印刷社、2012年7月、ISBN978-4-902590-22-7

山本貴光さんの新著『文体の科学』(新潮社、2014年11月)にその存在を教えられ、早速購入しました。シュピッツァーの単独著書の本邦初訳がまさか2年も前に刊行されていたとは。まったく日本の出版界が作りだす森は深く、侮りがたいです。同書は特記されていませんが、Linguistics and Literary History (Princeton University Press, 1948)の訳書です。目次内容は書名のリンク先をご覧ください。訳者あとがきによれば、本書は40数年前に原子朗さんから依頼されたものだそうです。おそらく当時原さんは早稲田大学出版部にお勤めだったことと思われます。塩田先生は早稲田大学で教鞭を執られている間に約半分までお訳しになり、退官後に完成されたとのことで、長い道のりと御苦労があったことと拝察します。

国際文献印刷社(現:国際文献社)さんの本は、同社のウェブサイトから代引きで購入することができるほか、アマゾン内の同社ショップ「学術書籍netショップ」より買うことができます。書店であまり見かけないのは直販を主体とされているからのようで、取次は鍬谷書店扱いと聞いています。売り切る自信のある書店さんはぜひ挑戦されてみて下さい。『言語学と文学史』はかのアウエルバッハが書評を書いています。アウエルバッハやクルツィウスの本が店頭で回転しているお店ならば、シュピッツァーも絶対に(あえて強めに言います)売れるはずです。

塩田先生は、日本でのシュピッツァー(Leo Spitzer, 1887-1960)の認知度の低い理由をいくつかあとがきで指摘されていますが、その一端は彼の守備範囲の広さと多言語使用にあると書かれています。シュピッツァーの全貌を視野に収めるのは容易ではないことは確かです。私自身の貧しい体験談で恐縮ですが、文体論とは異なる特異な分野において彼の業績に気づいた時、ここにもすでにシュピッツァーがいたと心底感動したものでした。今なおその感動は薄れていません。『言語学と文学史』をきっかけに読者が増え、シュピッツァーの冒険が続々と見直されていくようになることを一出版人として待望せずにはいられません。
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by urag | 2014-12-07 22:31 | Trackback | Comments(0)