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2013年 12月 31日
月曜社最新情報まとめ(ブログの最新エントリーは当記事の次からです)
◆公式ウェブサイト・オリジナルコンテンツ
◎11年6月28日~:ルソー「化学教程」翻訳プロジェクト、第1回第2回第3回
◎10年1月23日~9月10日:大竹昭子「森山大道のOn the Road」第1回第19回

◆最新刊と近刊
◎12年6月22日発売予定:ジュディス・バトラー『権力の心的な生――主体化=服従化に関する諸理論』本体2,800円〔暴力論叢書第六回配本〕

◎12年4月24日発売:『表象06:ペルソナの詩学』本体1,800円。

◎12年4月19日発売:森山大道『カラー』本体4,600円。

◎12年4月6日発売:清水アリカ『昆虫の記憶による網膜貯蔵シェルター、及びアンテナ』(遺稿エッセイ集成)本体1,800円。
書評1⇒陣野俊史氏書評「斜めからの視点を粋な言葉で」(「日本経済新聞」2012年4月25日付夕刊)

◎12年3月8日発売:岡本源太『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』本体3,800円、シリーズ「古典転生」第7回配本(本巻7)。

◎12年2月17日発売:上村忠男編訳『ヘーゲル弁証法とイタリア哲学』本体3,800円、シリーズ「古典転生」第6回配本(本巻6)。

◎12年1月24日発売:ロドルフ・ガシェ『いまだない世界を求めて』本体3,000円、叢書「エクリチュールの冒険」第2回配本。
紹介記事1⇒永田希氏記名記事「芸術作品の根源とは何なのか」(「本が好き!BOOKニュース」2012年2月16日付)

◎11年12月15日発売:近藤和敬『構造と生成 I カヴァイエス研究』本体3,600円、シリーズ「古典転生」第5回配本(本巻4)。
短評1⇒金森修氏選評(「みすず」2012年1-2月合併号「読書アンケート」)
短評2⇒十川幸司氏選評(「みすず」2012年1-2月合併号「読書アンケート」)
書評1⇒福島聡氏書評(「書標」2012年2月号)
書評2⇒森元斎氏書評「哲学のお化け図鑑に名前が載る日」(「図書新聞」2012年3月3日号)
書評3⇒原田雅樹氏書評「日本初の研究書――「概念の哲学」を導入した思想家」(「週刊読書人」2012年4月13日号)

◎11年11月2日発売:ブレーズ・サンドラール『パリ南西東北』本体2,600円。
書評1⇒陣野俊史氏書評「郊外像の源流知る手がかりに」(「日本経済新聞」2011年11月30日付夕刊)
書評2⇒大竹昭子氏書評「写真に触発されてパリ郊外を歩いたドキュメント」(「書評空間」2012年2月29日付)
書評3⇒影山裕樹氏書評「あらゆる時代・都市における「郊外」という大テーマ」(「図書新聞」2012年3月31日付)

◎11年9月10日発売:エンツォ・パーチ『関係主義的現象学への道』上村忠男編訳、本体3,200円、シリーズ「古典転生」第4回配本(本巻3)。
書評1⇒山田忠彰氏書評「哲学脳を活性化させる刺激剤――独自の思想的地平を切り拓く」(「週刊読書人」2011年11月11日号)
書評2⇒谷徹氏書評「「実体」の批判と一体的であるパーチの「関係主義」――日本の読者にとって比較的疎遠だったイタリア現代思想に触れるきっかけに」(「図書新聞」2012年2月11日号)

◎11年7月21日発売:大里俊晴『ガセネタの荒野』本体1,400円。
書評1⇒小山守氏書評「即興ハードコア流で綴ったガセネタ伝が19年ぶりに復刊」(「レコード・コレクターズ」2011年9月号書評欄)
書評2⇒鈴木創士氏書評「終わり続けること……:間違って配達された贈り物を自分が受け取ったと公言するための書」(「図書新聞」2011年10月1日号)

◎11年7月6日発売:森山大道『森山大道 オン・ザ・ロード』本体2,800円。

◎11年6月24日発売:エルンスト・ユンガー『パリ日記』本体3,800円。
書評1⇒福田和也氏紹介記事「興味尽きないE・ユンガー『パリ日記』」(「週刊新潮」2011年7月21日号、連載「世間の値打ち」第454回)
書評2⇒鹿島茂氏書評「占領下に交錯する作家の幸福と危惧」(「毎日新聞」2011年7月17日付読書欄)
書評3⇒澤田直氏書評「希代の作家・思想家が戦争という災厄を前にして展開する人間に関する深い洞察」(「図書新聞」2011年9月17日号)
書評4⇒初見基氏書評「占領軍将校としてパリに滞在した日々を描き出す」(「週刊読書人」2011年9月23日号)
書評5⇒長谷川晴生氏書評「占領下都市 知性の目で」(「北海道新聞」2011年10月9日(日)付書評欄)

◎11年4月22日発売:『表象05:ネゴシエーションとしてのアート』本体1,800円。

◆販売情報(重版・品切・サイン本、等々)
◎重版出来:11年1月7日ドアノー『不完全なレンズで』2刷、11年2月4日アガンベン『バートルビー』3刷、11年2月8日バトラー『自分自身を説明すること』3刷、11年5月16日ボワ+クラウス『アンフォルム』2刷。
◎品切重版準備中:『ミクロコスモス第1集』2刷、クリフォード『ルーツ』2刷。
◎在庫僅少:大竹伸朗『ネオンと絵具箱』、ギルロイ『ブラック・アトランティック』。
◎品切重版未定:『表象01』、『表象04』、『表象05』、毛利嘉孝『文化=政治』、上野俊哉『アーバン・トライバル・スタディーズ』、片山廣子『燈火節:随筆小説集成』、ブランショ『書物の不在 初版朱色本』、森山大道『新宿』、森山大道『新宿+』、森山大道『大阪+』、森山大道『NOVEMBRE』、やなぎみわ『WHITE CASKET』、川田喜久治『地図』、熊木裕高『吠えない犬』、瀬戸正人写真集『picnic』、菱田雄介写真集『ある日、』。※書店からの返品で在庫がまれに生じる場合があります。直接、弊社までお電話かメールなどでお尋ね下さい。
◎ウェブ限定直販商品:森山大道サイン入り『ハワイ』、大竹伸朗アートワーク「ハワイ」ポスター2種、やなぎみわサイン入り『WHITE CASKET』ナズラエリ版(海外版)。直販コーナーにて発売中。

◆出版=書店業界情報:リンクまとめ
日々この業界ではたくさんの出来事が起こっていて、それぞれにコメントしたい気もするし、実際言うべきこともままあるのですが、出来事に振り回されるのは嫌だし、こみいった背景をうまく説明できなかったり、しがらみのせいではっきり言えなかったりするのが現実なので、出来事情報は下記のリンクを随時ご参照下さいませ。

◎業界紙系:倒産や出店などの時事情報がやっぱり早い→ 新文化 ニュースフラッシュ / 文化通信 速報版
◎一般紙系:全国紙や地方紙、専門紙誌に掲載されたニュースをまとめてチェック→ booplog 出版ニュースリンク / Yahoo!ニュース「マスコミ、出版」
◎話題系:昨今の様々な注目トピックを整理整頓→ フレッシュアイニュース「出版不況」「電子書籍」「書店経営」 / Yahoo!ニュース「出版不況」「電子書籍」「アマゾン
◎新刊書店系:書店業界のひきこもごもの内情→ 日書連 全国書店新聞
◎古書店系:古本屋さんの奥深い世界を垣間見れます→ 東京古書組合 日本の古本屋メールマガジン
◎リンク集:業界関連サイトの網羅的なリンク集。掲示板は放置気味→ 河出興産 Booknet
◎雑談&裏話:業界の「非常時」には頼りになる一面もあるかも→ 2ちゃんねる 一般書籍

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# by urag | 2013-12-31 23:59 | ご挨拶 | Trackback(1) | Comments(21)
2012年 05月 24日
弊社出版物の著者や関係者の方々の最近の御活躍(イベント編)
★毛利嘉孝さん(著書:『文化=政治』、共訳書:クリフォード『ルーツ』、ギルロイ『ブラック・アトランティック』
6月9日(土)の日中に行われる日本学術会議の公開シンポジウムで発表者の一人として参加されます。毛利さんの発表は「ソーシャル・メディアと公共性・社会運動・多文化主義」と題されています。フライヤーのPDFはこちら。入場無料、予約不要。当日先着順で、定員300名とのことです。

◎3.11福島第一原子力発電所事故をめぐる社会情報環境の検証――テレビ・ジャーナリズム、ソーシャル・メディアの特性と課題

日時:2012年6月9日14時~17時30分
場所:日本学術会議講堂(乃木坂駅下車1分)
料金:入場無料、予約不要(当日先着順、定員300名)

発表:伊藤守、遠藤薫、毛利嘉孝、西田亮介
討論:正村俊之、藤垣裕子、林香里
司会:上野千鶴子


★森山大道さん(写真集:『新宿』『NOVEMBRE』『新宿+』『大阪+』『ハワイ』『にっぽん劇場』『何かへの旅』『カラー』)
東京都写真美術館内でナディッフが運営するカフェ・ビスにて、森山大道『COLOR』刊行記念トーク&サインが開催されます。ゲストに東京都写真美術館の学芸員・笠原美智子氏をお迎えしての対談。入場料500円、定員60名で要事前予約です。予約は cafe_bis@nadiff.com へのメールにて承ります。件名を「森山大道イベント予約」とし、お名前、ご連絡先、ご予約人数をお送り下さい。折り返しカフェ・ビスより確認メールが届きます。定員に達し次第、受付終了します。

森山大道『COLOR』刊行記念トーク&サイン会

出演: 森山大道×笠原美智子(東京都写真美術館・学芸員)
日時:2012年6月7日(木)18:30-20:00 (受付は18:00より)
会場:東京都写真美術館 1F カフェ・ビス
入場料:500円(ドリンク別)、定員60名。
問い合わせ:NADiff x10(バイテン)電話03-3280-3279
主催:ナディッフ/月曜社

さて、皆様御承知の通り、森山さんは今月2日、ニューヨークの国際写真センター(ICP)からインフィニティ・アワードを受賞されました。受賞記念としてICP内のショップで『カラー』のサイン入特装版限定200冊が5月3日に販売され(1冊200ドル)、またたく間に完売。この特装版はICP専用なので、日本国内で販売予定はありません。eBayなどを覗きますと、すでに恐ろしい値段でオークションに掛けられているようです。関連情報を以下にまとめます。

ICP INFINITY AWARDS
Book Signing: Daido Moriyama's COLOR
週刊NY生活ニュース「ICPからアワード森山大道 いやおうなく今が勝負」5月12日付記事
"Daido Moriyama Book Signing" by icp_nyc
"Daido Moriyama at ICP" by David Bivins
"Daido Moriyama Signs COLOR at ICP" by lowerwestside
PHOT(O)LIA "COLOR. DAIDO MORIYAMA"


# by urag | 2012-05-24 20:29 | イベント告知 | Trackback | Comments(0)
2012年 05月 24日
弊社出版物の著者や関係者の方々の最近の御活躍(書籍編)


◆ジョルジョ・アガンベンさん(著書『アウシュヴィッツの残りのもの』『バートルビー』『瀆神』『思考の潜勢力』)
平凡社さんの新シリーズ「イタリア現代思想」の第一回配本として、2009年にローマの版元ノッテテンポから出版されたNuditàの訳書が刊行されます。明日25日取次搬入ですので、早い本屋さんで26日以降から順次店頭に並び始めます。このシリーズでは今夏にペルニオーラ『無機的なもののセックス・アピール』が刊行予定のほか、続刊でヴァッティモ『透明な社会』やカッチャーリ『アドルフ・ロースと彼の天使』などがエントリーしているとのことです。

裸性 〔イタリア現代思想 1〕
ジョルジョ・アガンベン著 岡田温司+栗原俊秀訳
平凡社 2012年5月 本体2,600円 四六判上製224頁 ISBN978-4-582-70342-9

帯文より:「裸である=剥き出し」状態とは何か。ヌディタ、すなわち裸性=剥き出しとは、セクシュアリティに関わるものである以上に、われわれが無防備であること、さらされてあることに関係している。原罪を一種の自己誣告とみる独創的なカフカ論をはじめ、原罪によって開かれた潜勢力としての「認識の可能性」がヌディタの核心にあることを喝破した好著。シリーズ第一弾。

訳者あとがき(209頁)より:『ホモ・サケル』が、主権権力の生政治装置によって必然的に産み落とされていく「剥き出しの生」の系譜を、古代以来の政治のなかにたどる試みであったとするなら、ひるがえって『裸性』は、神学の伝統のなかにその根源を探り当てようとする、大胆にしてかつ瀆聖的ですらある試みといえるだろう。つまり、意外に聞こえるかもしれないが、両者は対をなすものであるとも、あるいは、後者は前者を補完するものであるともみなすことができるのである。

原書:Nudità, nottetempo, 2009.

目次:
想像と救済
同時代人とは何か?
K
 I 誣告者
 II 測量士
亡霊にかこまれて生きることの意義と不便さ
しないでいられることについて
ペルソナなきアイデンティティ
裸性
天の栄光に浴した肉体
牛のごとき空腹――安息日、祭日、無為をめぐる考察
世界の歴史の最終章

解題「アガンベンにおけるエロティックなもの――裸体、性、ポルノグラフィー」(栗原俊秀)
訳者あとがき――「剥き出し」ということ(岡田温司)
主要参考文献


★ブレーズ・サンドラールさん(著書『パリ南西東北』)
河出書房新社さんから74年に刊行されていた『モラヴァジーヌの冒険』の復刻新版が同社の復刊シリーズ「KAWADEルネサンス」の一冊として発売されます。版元の公式情報では明日25日発売となっていますから、おそらくは今日あたりからすでに店頭に並び始めていると思われます。ちなみに初版当時の著者名のカタカナ表記は「サンドラルス」でした。

モラヴァジーヌの冒険
ブレーズ・サンドラール著 伊東守男訳
河出書房新社 2012年5月 本体2,800円 46判並製304頁 ISBN978-4-309-29593-0

帯文より:「彼こそは現代の深さと美しさとを宣言し吹聴することにかけて、まさしく第一人者である」(ヘンリー・ミラー)。10数年の幽閉生活から脱出したモラヴァジューヌの行く先は……!? 世界を巡る奇妙で痛快な「旅する文学」、待望の復刊!!

ヘンリー・ミラーによる讃辞:サンドラールを読みながら、ぼくはときどき喜悦、絶望、苦痛のあまり、思わずわが手をふりしぼるために本を放り出すことがある(……)。人間のあらゆる種類の感動が溶けあい、錯綜したような感じのことをいっているのだ。(……)親愛なるサンドラールよ。きみが生活し、消化し、そして変形し、変質し、変化させて吐き出したすべてのものに対し、ぼくが羨望の情を抱いていることを、きみも感じるときがあるに違いない。

原書:Moravagine, Grasset, 1926.

目次:

第1部 時代の精神
 A 病院勤務 / B 国際サナトリウム / C カルテと書類
第2部 モラヴァジーヌの阿呆の生涯
 D 彼の出生――その幼年時代 / E 脱出 / F 変装 / G ベルリン到着 / H 彼の精神形成 / I 腹裂きジャック / J ロシア到着 / K マーシャ / L 大西洋横断 / M アメリカ漫遊 / N 青色インディアン / O パリ帰還 / P 飛行機 / Q 戦争 / R サント・マルグリット島 / S モルヒネ / T 火星 / U 鉄仮面
第3部 モラヴァジーヌの原稿
 V 2013年 / W 世界の終り / X 火星語唯一の単語 / Y モラヴァジーヌの未発表のページ、彼の署名、彼の肖像
自己弁護――私はいかにして『モラヴァジーヌ』を書いたか
後書き
参考文献
訳者あとがき


★伊藤一博さん(企画協力:ユンガー『パリ日記』)
本年2月28日に逝去された、日本政治思想史の大家・河原宏(かわはら・ひろし:1928-2012)さんの遺稿『秋の思想――かかる男の児ありき』が書籍化されました。本日取次搬入で、明日以降順次、書店店頭に並び始めると思います。伊藤さんは本書に跋文を寄せておられます。本書の序文の末尾には「他日、もし能うれば「かかる女性ありき」をまとめたいと思う」(10頁)とあり、本書の対となる書籍の構想があったことが窺えます。著者から伊藤さんに宛てられた昨夏の手紙には次のように書かれてあったと跋文で紹介されています。「もし今後、日本人が世界大の唯心革命になんらかの貢献を果たす時は、女性・自然・大地・生命の意義を深く・広く・優しく説く哲学を創生した時のように思える」(266頁)。

秋の思想――かかる男の児〔おのこ〕ありき
河原宏著
幻戯書房 2012年5月 本体3,000円 四六上製288頁 ISBN978-4-901998-95-6

帯文より:中世、近代、現代――時代の境界〈秋〉を、情と志に生きかつ死んだ〈人〉。知の玩弄物と化した〈思想〉に〈理想〉を追い求めた孤高の思想家の絶筆。特別収録:吉本隆明「転向論」批判(50枚)。解説:中野剛志

目次:
序 かかる男の児ありき
Ⅰ 中世武将の情と義
 その一、源実朝――その優しさと勁さ    
  一、共悲の心
  二、和歌と政治のしがらみ
  三、地獄の現世
  四、詩魂と士魂
  五、近代・戦中・戦後の「実朝」像    
   1 正岡子規と斎藤茂吉
   2 小林秀雄と太宰治
   3 吉本隆明と中野孝次
  六、結 び
 その二、楠木正行――その「情」と「義」    
  一、南北朝時代の「人」
  二、『太平記』が讃える「人」
Ⅱ 江戸の芸術家
 その一、近松門左衛門――その勇気と自覚    
  一、『相模入道千疋犬』 秕政と悪法の糾弾
  二、勇気と自覚、先見性
  三、愛と美の極致『曾根崎心中』    
  四、『国性爺合戦』の日本と日本人    
 その二、伊藤若冲――あらゆる生き物、命の美を描く    
  一、生涯の信念 大根を釈迦に
  二、衆生へのいとおしみ 華麗な彩色と細密描写
Ⅲ 江戸の秋 維新の哀歓
 はじめに
 その一、小林清親――追憶と哀愁の浮世絵    
  一、『東京新大橋雨中図』をめぐって    
  二、「醜」なる近代
 その二、栗本鋤雲から『夜明け前』へ    
  一、鋤雲と福澤諭吉
  二、島崎藤村と鋤雲
 その三、成島柳北の『柳橋新誌』    
  一、歴史に残るその名
  二、その余香、荷風に到る
Ⅳ 戦後文学の輪廻転生観
 序 今なぜ輪廻転生なのか
 その一、三島由紀夫の輪廻転生観    
  一、ひよわな青年
  二、二つの時代を生きた人々
  三、肉体改造による意志的変身    
  四、作品と戦後社会
  五、『豊饒の海』 近代知性の矛盾    
 その二、深沢七郎の輪廻転生観    
  一、常識を軽く超えて
  二、『楢山節考』の宇宙的規模    
  三、『笛吹川』の強さと優しさ    
 その三、遠藤周作の輪廻転生観    
  一、『沈黙』 信仰と宗教の葛藤    
  二、『深い河』の転死と転生
結び

解説「自在に生きた思想史家」(中野剛志)
跋「思い出すままに」(伊藤一博)    

特別附録「イデオロギーとしての転向」 

# by urag | 2012-05-24 15:37 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2012年 05月 21日
岡本源太『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』書評およびミニフェア
弊社3月刊、岡本源太『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』の書評がジュンク堂書店のPR誌「書標」2012年5月号に掲載されました。書評者は同書店難波店の店長、福嶋聡さんです。「人間が神の座を簒奪したに過ぎないともいえる「近代」をいかに乗り越えるかという古くて新しい課題と共に幕を開けた、新しい千年紀に、〔ブルーノの魂が〕蘇る」と評していただきました。また、先週金曜日から同店人文書エンド台で「ダイナミック、絢爛かつ豊饒――『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』」と題した「店長本気の一押し!」フェアが6月中旬まで開催されています。福嶋さん、ありがとうございます!




また、同難波店では来たる5月27日に、岡本源太さんと檜垣達哉さんのトークセッション「ヴィータ・ノーヴァ――新しい生命哲学と人間の新生」が行われます。入場無料。絶賛ご予約受付中です。

# by urag | 2012-05-21 15:17 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2012年 05月 20日
注目新刊:2012年5月:『ジーン・セバーグ vs FBI』ほか


FBI vs ジーン・セバーグ――消されたヒロイン
ジーン・ラッセル・ラーソン+ギャリー・マッギー著 石崎一樹訳
水声社 2012年5月 本体2,500円 四六判並製288頁+別丁図版8頁 ISBN978-4-89176-901-7

版元紹介文よりより:ヌーヴェルヴァーグのトップ女優は、「政治」に謀殺されたのか? FBIの秘蔵資料や関係者の証言を駆使して、個人と国家権力の相剋を描く、迫真のドキュメント。世界が激しく揺り動いた60年代末、ブラックパンサーとFBI=J・エドガーとの激しい政治闘争の渦中を生きたジーン・セバーグの後半生に焦点を絞り、多くの資料によってその生き様を浮き彫りにする。

原書:Neutralized: The FBI vs. Jean Seberg ― A story of the '60s Civil Rights Movement, BearManor Media, 2008.

目次:
イントロダクション
第一章 ジーン・セバーグという神秘
第二章 ブラック・パンサー
第三章 フーヴァー、FBI、コインテルプロ
第四章 セバーグ、一九六八年―一九六九年
第五章 セバーグ、一九七〇年一月―八月
第六章 セバーグ、一九七〇年八月―十二月
第七章 セバーグ、一九七一年―一九八〇年
第八章 ハリウッド、メディア、そしてFBI
エピローグ
付録1 AIM報告
付録2 FBIへのインタビュー
付録3 FBI文書
参考文献
訳者あとがき

★発売済。昨年刊行され、好評を博したギャリー・マッギー『ジーン・セバーグ』(石崎一樹訳、水声社、2011年)の姉妹編です。ジーン・セバーグ(1938-1979)はアメリカ・アイオワ州出身の女優です。ジャン=リュックゴダール(1930-)監督の長篇デビュー作『勝手にしやがれ』(1959年)への出演によってヌーヴェルヴァーグの立役者の一人として知られています。彼女は1968年前後から公民権運動、中でもラディカルなブラック・パンサーをサポートしていました。第一章の冒頭に1968年当時のセバーグのこんな言葉がエピグラフとして掲げられています。「肌の色が違うという理由だけで人びとが経験しなければならない、恐ろしく理不尽な現在の状況を見てみればいいわ。黒人にも素晴らしい人間と嫌な人間がいる。でも、人は彼らをそのように見ようとはしないの」。そうしたセバーグの政治的コミットメントに対し、J・エドガー・フーヴァー長官率いるFBIは圧力を加えます。水声社さんプレスリリースによれば、本書では「FBIが盗聴、悪意の風評、いやがらせなどによって、ひとりの女優を執拗に追い詰めてゆく過程が、当時のFBI資料によって綿密に検証されて」います。また、「FBIの戦略を垂れ流すことによって、女優を〈消す〉ことに一役買ったメディアの存在についても大きくページを割いて」いるとのことです。セバーグの死因は自殺だとされてきましたが、本書の著者は「殺された可能性が極めて高い」(201頁)と述べています。「戦後アメリカ史の闇」(プレスリリース)を伝える好著として、話題を呼びそうです。

★水声社さんでは今月、以下の新刊を刊行されています。グレアム・ターナー『フィルム・スタディーズ――社会的実践としての映画』(松田憲次郎訳、水声社、2012年;A5判上製288頁、本体2,800円、ISBN978-4-89176-905-5)。グレアム・ターナーと言えば弊社代表取締役のKが作品社時代に手掛けた『カルチュラル・スタディーズ入門――理論と英国での発展』(毛利嘉孝ほか訳、作品社、1999年)の著者でもあります。また、弊社出版物の著者でもあるレーモン・クノーの著作集となる「レーモン・クノー・コレクション」は、先般ご紹介した第2回配本以後、3月までに第6回配本まで進んでいます。

◎レーモン・クノー・コレクション(水声社)

第6回配本2012年03月:
第9巻『人生の日曜日』芳川泰久訳;4/6判上製288頁、本体2,500円、ISBN978-4-89176-869-0
第5回配本2012年02月:
第4巻『きびしい冬』鈴木雅生訳;4/6判上製168頁、本体1,800円、ISBN978-4-89176-864-5
第4回配本2012年01月:
第6巻『ルイユから遠くはなれて』三ツ堀広一郎訳;4/6判上製232頁、本体2,200円、ISBN978-4-89176-866-9
第3回配本2011年11月:
第2巻『最後の日々』宮川明子訳、4/6判上製288頁、本体2,500円、ISBN978-4-89176-862-1
第2回配本2011年10月:
第8巻『聖グラングラン祭』渡邊一民訳、4/6判上製312頁、本体2,800円、ISBN978-4-89176-868-3 
第1回配本2011年10月(2点同時刊行):
第10巻『地下鉄のザジ』久保昭博訳、4/6判上製240頁、本体2,200円、ISBN978-4-89176-870-6
第11巻『サリー・マーラ全集』中島万紀子訳、4/6判上製464頁、本体3,500円 ISBN978-4-89176-871-3

続刊:
第1巻『はまむぎ』久保昭博訳
第3巻『リモンの子どもたち』塩塚秀一郎訳
第5巻『わが友ピエロ』菅野昭正訳
第7巻『文体練習』松島征ほか訳
第12巻『青い花』新島進訳
第13巻『イカロスの飛行』石川清子訳



光と影の芸術――写真の表現と技法
東京都写真美術館編
平凡社 2012年 本体2,500円 B5変型判上製176頁 ISBN978-4-582-20669-2

帯文より:写真の表現と技法、その可能性の追求。写真が登場して170年、そこから現代に至るまで、数多くの写真家が新たな表現を求めて多種多様な技法を用い、名作を生み出してきた。第I部:コラージュ、フォトモンタージュ、ディストーション(歪曲)など、写真(イメージ)に手を加えて新たな表現を生み出した作品、第II部:ネガフィルムと印画紙の変遷と、それに関わる表現と技法のバリエーション、第III部:カメラとレンズという撮影機材を駆使したさまざまな表現、という三つのテーマを軸に、写真という表現手段の歴史と現在を、東京都写真美術館所蔵の名作によって辿る。

目次:
ごあいさつ
第I部 光の造形――操作された写真(藤村里美) ※展示期間:2012年5月12日~7月8日
 彩色写真/フォトモンタージュ/コラージュ/多重露光/リフレクション/デフォルマシオン/雑巾がけ/トリミング
第II部 自然の鉛筆――技法と表現(鈴木佳子) ※2012年7月14日~9月17日
 紙の印画〔フォトジェニック・ドローイング;カロタイプ;単塩紙;鶏卵紙;プラチナ印画;ゼラチン・シルバー・プリント;カーボン印画;ゴム印画;ブロムオイル印画;エリオクロミィ;色素転写方式印画;拡散転写方式印画;発色現像方式印画;銀色素漂白方式印画〕/写真製版〔ウッドバリー・タイプ;フォトグラビア印刷〕/金属・ガラス印画〔ダゲレオタイプ;アンブロタイプ;ティンタイプ;オートクローム〕/ネガティブ〔紙のネガ;ガラスのネガ;プラスチックのフィルム(ネガ/ポジ)〕/暗室技法〔フォトグラム;ソラリゼーション;ネガフォト;粗粒子;焼き込み〕
第III部 機械の眼――カメラとレンズ(金子隆一) ※2012年9月22日~11月18日
 シャープ・フォーカスとソフト・フォーカス/パン・フォーカスとディファレンシャル・フォーカス/レンズの視覚――広角レンズと望遠レンズ/カメラ・アングルの解放――俯瞰撮影と仰角撮影/時間――長時間露光/時間――ブレ/時間――瞬間/人工光/未知の世界へ/特殊効果
掲載作品リスト

★発売済。東京都写真美術館の平成24年度コレクション展の公式図録です。掲載作品130点(第I部47点、第II部36点、第III部47点)。図録とは言え、本書は立派な写真技法史の概説書となっていて、勉強になります。目次に付記した通り、写美では現在は第I部「光の造形」を展示中。

★なお、春恒例の「平凡社ライブラリー復刊」では今月、以下の6点が復刊されました。特に、早めになくなりそうな『ウィトゲンシュタインのウィーン』は押さえておきたいですね。
W・ウェストン『日本アルプス――登山と探検』定価1,470円(税込)
アイザック・ウォルトン『完訳 釣魚大全 1』 定価1,470円(税込)
R・カーソン『海辺――生命のふるさと』 定価1,680円(税込)
安丸良夫『日本の近代化と民衆思想』定価1,785円(税込)
J・ハーバマス『イデオロギーとしての技術と科学』定価1,260円(税込)
S・トゥールミン+A・ジャニク『ウィトゲンシュタインのウィーン』 定価1,785円(税込)


全系図付 エジプト歴代王朝史
エイダン・ドドソン+ディアン・ヒルトン著 池田裕訳
東洋書林 2012年5月 本体12,000円 A4変形判上製320頁 ISBN978-4-88721-798-0

帯文より:王族約1200人の略歴、27の詳細な家系図、写真約300点を収録!! 数多の遺跡によって明らかにされた全人物像を、最新の解釈をふまえ集成。従来の古代史観に息吹をもたらす、専門研究にも必携の画期的資料!

原書:The Complete Royal Families of Ancient Egypt, 2004/2010, Thames and Hudson.

目次:
はじめに
序論
ファラオ国家
王室
王朝系図について
第I章 初期王朝時代 古王国時代
 1 創設者たち〔第1王朝~第3王朝〕
 2 大ピラミッドの建設者たち〔第4王朝〕
 3 太陽神の子ら〔第5王朝〕
 4 テティとペピの家〔第6王朝~第8王朝〕
第II章 第1中間期 中王国時代 第2中間期
 5 アクトイ家〔第9王朝~第10王朝〕
 6 南部の首長〔第11王朝〕
 7 二つの国土の征服者たち〔第12王朝〕
 8 王たちと平民〔第13王朝〕
 9 外国の支配者たち〔第14王朝~第15王朝〕
10 南王国〔第16王朝~第17王朝その1〕
第III章 新王国時代
11 タア王朝〔第17王朝その2~第18王朝その1〕
12 権力と栄光〔第18王朝その2〕
13 エピソードとしてのアマルナ時代〔第18王朝その3〕
14 ラメセス王家〔第19王朝その1〕
15 ラメセス朝の不和〔第19王朝その2〕
16 ラメセス朝の凋落〔第20王朝〕
第IV章 第3中間期
17 王たちと祭司たちと〔第21王朝〕
18 ショシェンク王家の盛衰〔第22王朝〕
19 テーベの独立〔第23王朝〕
20 西の君主たち〔第24王朝〕
21 「清い山」の主たち〔第25王朝〕
第V章 末期王朝時代 プトレマイオス朝時代
22 最後のルネッサンス〔第26王朝〕
23 ペルシア人ファラオ〔第27王朝〕
24 最後のエジプト人ファラオたち〔第28王朝~第30王朝〕
25 マケドニア王家支配時代〔アルゲアス王朝〕
26 プトレマイオス家〔プトレマイオス朝〕
地図
訳者あとがき
原注/年表/参考文献/索引

★まもなく発売。聞くところによると、全系図を収録した本というのはこれまでなかったそうです。昨今の円高の影響もあって、原書ペーパーバックより1万円ほど高い値段になっていますが、これは商圏(英語圏と日本語圏)の広さの違いによる発行部数の差なので、日本語版がべらぼうに高いと不平を言っても詮無いことです。むしろ東洋書林さんは平均的に、大判でカラー図版を多用している図説書をかなり割安の値段に設定されています。何もかも英語で問題ないという方はともかく、この手の固有名詞の同定が面倒くさい本は日本語版に頼るにしくはないと思われます。なお、東洋書林さんでは類書に、リチャード・H・ウィルキンソン『古代エジプト神殿大百科』(内田杉彦訳、東洋書林、2002年)や同著者による『古代エジプト神々大百科』(内田杉彦訳、東洋書林、2004年)があります。

# by urag | 2012-05-20 23:08 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
2012年 05月 18日
新規開店情報:月曜社の本を置いてくださる予定の本屋さん
2012年6月29日(金)オープン
東京堂書店ふじみ野店:170坪(図書150坪、カフェ20坪)
埼玉県ふじみ野市うれし野2-10-87 ソヨカふじみ野 2F
帳合はT。ご発注は今のところ文芸書新刊のみ。立地は東武東上線ふじみ野駅下車徒歩5分のショッピングセンター「ソヨカふじみ野」内。今夏開業する「ソヨカ」の前身は、日本初のアウトレットモールだった「リズム」(1993-2011)で、書店としてはヴィレッジ・ヴァンガードが入店していました。東京堂書店ふじみ野店は、Tの出品依頼書によれば、「神田本店のノウハウを活かし、セレクトコーナーや作家さんセレクト棚を設け、カフェと連動した売場作りをして参ります」とのことです。業界内の伝聞によれば、東京堂書店さんは今後支店を10店舗ほど出展予定だとか。

+++

先週金曜日まで東京堂書店神田神保町本店で行われていた弊社の全点フェア「月曜社書店」は皆様のおかげで好評のうちに終了し、ました。会期中のトークイベント2本、4月28日の森山大道×瀬戸正人「モノクロからカラーへ」と、最終日の「公開編集会議2012~月曜社編~」にも多数の御来場を賜り、まことにありがとうございました。弊社のフェアのあと、現在は「青幻舎」さんの全点フェアが展開中です。

◎ブックフェア「TOKYODO PRIME COLLECTION」@東京堂書店神田神保町店
第1弾:書肆山田
第2弾:幻戯書房
第3弾:八木書店/日本古書通信社
第4弾:編集工房ノア
第5弾:港の人
第6弾:月曜社
第7弾:青幻舎

# by urag | 2012-05-18 23:52 | 販売情報 | Trackback | Comments(0)
2012年 05月 17日
弊社出版物の著者や訳者の方々の最近の御活躍


◆大竹伸朗さん(著書『UK77』『権三郎月夜』『ネオンと絵具箱』)
ちくま文庫の今月の新刊で『ネオンと絵具箱』が刊行されました。これは2006年10月に弊社より刊行された同名のエッセイ集『ネオンと絵具箱』全編を第1章として収め(224頁まで)、「全景」などの作品展のカラー写真8頁を挟んで、2003年から2011年に新聞雑誌各紙誌に寄稿したエッセイ28編を、第2章「路上と絵具箱」、第3章「日毎と絵具箱」(339頁まで)に再構成して、最後に「文庫版あとがき」「初出一覧」「作品リスト」を加えて一冊としたものです。分量的には3分の2が親本からのもので、残り3分の1が今回の増補分となります。本体950円です。

また、弊社より先月刊行した森山大道写真集『カラー』の発売に合わせ、大竹さんがTシャツを制作してくださいました。ナディッフさんが昨日ツイートされましたが、「【近日入荷予定】月曜社刊行の森山大道・最新写真集「カラー」の発売を記念し、表紙の題字を担当した大竹伸朗氏がオリジナルTシャツを作りました! また、長らく品切れとなっていた「ハワイ」Tシャツも再発売となりますので、夏にむけご用意を。カラー展開は青、白、黒の3色」というものです。このTシャツは「カラー」が青、白、黒の3種類、「ハワイ」が白と黒の2種類で、ナディッフのほか、先週金曜日から6月9日まで六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開催されている森山大道個展「カラー」の会場でも販売されています。「ハワイ」Tシャツは、弊社より2007年7月に刊行した森山大道写真集『ハワイ』の発刊記念で制作して以来の復刻になります。


◆モーリス・ブランショさん(著書『問われる知識人』『ブランショ政治論集』『書物の不在』)
完本 焔の文学』(重信常喜+橋口守人訳、紀伊國屋書店、新装復刊版、1997年)が、「書物復権2012」で再刊されました。本日取次搬入なので、ほどなく店頭発売開始となります。今回復刊される書目の一覧はこちら

また、過日新聞報道※があった通り、篠沢秀夫さん訳による『謎のトマ』が中央公論新社さんより来月発売になります。礼子夫人が代筆されているブログ記事「モウリス・ブランショの「謎のトマ」が本になります」(2012年1月20日付)もご参照ください。本書は「トマ」の初版本(1941年版)の翻訳。トーハンのe-honアマゾンで予約受付が開始されています。e-honでは発売日が6月10日(日)、アマゾンでは6月7日(木)となっていますから、察するところ、7日が取次搬入で翌々営業日以降から店頭発売開始となるものと思われます【5月18日追記:篠沢先生のウェブサイトの5月8日付のインフォメーションでは「6月13日発売」となっています。こちらが最新情報だとみなしていいのかもしれません】。『書物の不在』(初版2007年;第二版2009年)の著者略歴でご案内している通り、弊社では同じく初版本の訳書を刊行する予定ですが、弊社版の発売はもう少し先になりそうです。なお、新版(1950年版)「トマ」の翻訳は、『ブランショ小説選』(書肆心水、2005年)などで読むことができます。

※「篠沢教授が難病と闘いながら翻訳本」(「日刊スポーツ」2012年3月21日付、柴田寛人氏記名記事)より・・・・・・「昭和の人気番組TBS系「クイズダービー」の解答者で、筋肉が萎縮して動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘病中の篠沢秀夫・学習院大名誉教授(78)が、09年2月の発病後では初めて翻訳本を出版することが20日、分かった。フランス文学の長編小説「謎の男トマ」(モーリス・ブランショ)を発病前から3年以上かけて完成。320ページ分の大作となり、今夏の発売を予定。さらなる出版にも意欲を示し、同じ難病に悩む人々に勇気を与えている。〔中略〕フランス文学者として、発病するまでに40冊以上の翻訳本を出していただけに、地道な翻訳作業も続けていた。フランス人の故モーリス・ブランショのデビュー作「謎の男トマ」。1941年の作品で、生と死を描いた長編小説だ。篠沢教授は発病前から翻訳を続け、このほど320ページ分を書き上げた。簡略化した日本語版は発行されているが、完全翻訳は篠沢教授が初めて出すという。/〔篠沢夫人〕礼子さんは「主人は本を出すことが唯一の生きがい。今後の病気のことを考えると不安になりますけど、前だけ見て、本を出し続けたいと思います」と篠沢教授の意欲を代弁した〔後略〕」。

「簡略化された日本語版」について補足しますと、『謎の男トマ』は1941年に初版が刊行され、その後、1950年に、大幅に短くなった新版が刊行されました。今までに邦訳されたのはこの新版で、1941年版が邦訳されるのは今回が初めてになります。なお、1941年版はフランスでもブランショ(1907‐2003)の生前には刊行されず、死後の2005年になってピエール・マドールの跋文付でようやく再刊されます。篠沢先生の訳書は1941年版の原本からの翻訳で、弊社が出版する予定のものは2005年の再刊版です。内容はマドールの跋文があるかないかの違いで、小説自体に内容の違いはありません。

# by urag | 2012-05-17 19:21 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)


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