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2014年 12月 29日

2014年12月は「現代思想」通常号1点+臨時増刊号3点!

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弊社出版物でお世話になっている著者の皆様にかんする最新情報をご紹介します。

★間章さん(著書:『間章著作集』全3巻)
太田出版の隔月刊誌「ケトル」の今月12日に発売された2014年12月号(第22号)での「review 40人のここが気になる」欄で、美術批評家の椹木野衣さんが『間章著作集』を取り上げて下さいました。「椹木野衣は長い眠りから覚めた間章の著作集が対抗文化を牽引する手綱であると称する」という記事で、「今回の著作集刊行の最大の成果は、これからは間章の残した文章を、可能性はもちろんだが、その限界についても具体的に語っていけるということだろう。そのような再検討を経ることで僕らは、現在、先端的と呼ばれているような音楽シーンも含め、すべての音楽の現状について強烈なカウンターとなりうる新しい批評の在り処について、大きな手綱を得ることができるはずだ」と評していただきました。


★岡本源太さん(著書:『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』)
★近藤和敬さん(著書:『カヴァイエス研究』、訳書:カヴァイエス『論理学と学知の理論について』)
青土社の月刊誌「現代思想」の今月27日に発売された2015年1月号「現代思想の新展開2015――思弁的実在論と新しい唯物論」に論文を寄稿されています。岡本さんは「眼差しなき自然の美学に向けて――イメージ論の問題圏(二)」、近藤さんは「存在論をおりること、あるいは転倒したプラトニズムの過程的イデア論」を寄せておられます。同特集号では、フィリップ・デスコラさんと中沢新一さんの発表と討議「未来の自然」や、千葉雅也さんのインタビュー「思弁的実在論と新しい唯物論」(岡嶋隆佑=聞き手)のほか、メイヤスー、モートン、プレヴォー、デューリングらの論文が翻訳されています。

同号では赤坂真理さんと大澤真幸さんと成田龍一さんによる討議「「過ぎ去ろうとしない戦後」をどうするか」が収録されていますが、大澤さんと成田さんは斎藤美奈子さんとともに、1月7日発売予定の河出書房新社の季刊誌『文藝』2015年春季号(新春特大号)に掲載される短期集中連載「1980年代再考」第二回「カタログ・サヨク・見栄講座」でやはり鼎談されています。斎藤さんとお二人の鼎談は5月18日にエスパス・ビブリオのかわくらシンポ「なんだったのか、1980年代」の記録で赤坂さんとの討議は、大澤さんと成田さんの対談本『現代思想の時代――〈歴史の読み方〉を問う』(青土社、2014年6月)の刊行記念アフタートークとして11月4日に東京堂書店神田神保町店で行われたものの記録です。

青土社さんでは今月すでに「現代思想」臨時増刊号2点――1月臨時増刊号「ピケティ『21世紀の資本』を読む――格差と貧困の新理論」と1月臨時増刊号「柄谷行人の思想」を発売されていましたが、さらに25日には上記の通常号を刊行し、27日には2月臨時増刊号「網野善彦――無縁・悪党・「日本」への問い」も刊行されました。「現代思想」誌だけでひとつきに3点の臨時増刊号が出るというのは前代未聞です。網野特集でも柄谷行人さん、中沢新一さん、成田龍一さん、大澤真幸さんが寄稿や討議にされていて、50年代生まれ(柄谷さんは40年代生まれですが)の先生方の精力的なご活躍には瞠目するばかりです。この世代は直接的もしくは間接的に「ニューアカ」時代を体感しておられ、バブル崩壊以降の「知の縮減と変容」時代しか知らない世代とは違う活力をお持ちです。バブル崩壊以後の世代があと10年後、20年後に自分たちの生きた世代を回顧する機会は果たして出版界にあるでしょうか(その時にこの業界がどうなっているか、誰にも分かりません)。

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雑誌の話題が続きましたので、もうひとつ。未來社の月刊PR誌「未来」が季刊誌に生まれ変わり、2015年冬号が刊行されました。そこで予告されていた企画ですが、「日本の民話」シリーズがいよいよ新装版で再刊されていくようです。西谷能英社長の「出版文化再生」第19回によれば、「はじめは全79巻を全巻プレミアム予約というかたちで一挙に全巻再刊してみようと思い立ったが、どうもそこまでの社の体力があるとも思えないので、たとえば毎月三冊ぐらいを定期配本していくような手法を模索中である」とのことです。また、2015年3月以降の刊行予定として予告されている本の中に、ヴァルター・ベンヤミン『新訳・評注 歴史の概念について(仮)』(鹿島徹訳、46判並製240頁、本体予価2,500円)が上がっています。

「ナチスを目のあたりにして執筆がはじめられた未完の作品「歴史の概念について(歴史哲学テーゼ)」。既訳では参照されてこなかった、1981年にジョルジョ・アガンベンが入手・公表したベンヤミンの書き込み入りタイプ原稿を底本に新訳を作成する。この原稿のみにあるテーゼ一つが加わるほか、現存する5種類の原稿との異同も注記。全体の構造を見通しよくする訳者の解説も訳と独立させて附す」とのことです。たいへん楽しみですね。
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by urag | 2014-12-29 12:28 | 広告・書評 | Trackback | Comments(0)