2010年 01月 23日

中山元訳『プロ倫』、日経BPクラシックスより刊行

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今月、光文社古典新訳文庫より刊行されたばかりのカント『純粋理性批判』(全7巻予定)を翻訳された中山元さん(弊社よりはブランショ『書物の不在』を刊行)が、なんとマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の訳書を、日経BPクラシックスから刊行されました。まさに超人的!

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
マックス・ウェーバー著 中山元訳
日経BPクラシックス 10年01月刊 46変型判上製フランス装531頁 ISBN978-4-8222-4791-1

中山さんは昨年2月に、日経BPクラシックスで『職業としての政治/職業としての学問』を刊行されたばかり。その訳者あとがきでは、『プロ倫』新訳についてはまったく触れられていませんでした。御承知の通り、『プロ倫』の翻訳にはこれまでに以下のものがありました。

◎梶山力訳:有斐閣 1938年/未来社(安藤英治編)1994年

◎阿部行蔵訳:河出文庫 1955年/以後、河出書房新社の『世界思想教養全集』(1962年)『世界の大思想』(1965年)に収録され、続いて同社の単行本『ウェーバー政治・社会論集』(1988年)に収録された。

◎梶山力・大塚久雄訳:岩波文庫(上下巻)1955-1962年/以後、中央公論社の『世界の名著』(1975年)および同バックス(1979年)に収録された。

◎大塚久雄訳:岩波書店 1988年/以後、岩波文庫(1989年)やワイド版岩波文庫(1991年)に収録。

『プロ倫』のような古典は廉価で入手しやすく、持ち運びやすい形態であることが読者にとっては望ましいですが、これまでに文庫化されたのは三度(河出文庫で一度、岩波文庫で二度)で、現在も新本で入手可能な文庫本は岩波文庫の大塚訳(梶山訳の全面改訳版)のみです。写真の下段右端が河出文庫版。

『職業としての学問』についても、文庫版は岩波文庫版(尾高邦雄訳、初版1936年、改訳1980年)しかありません。同書は、『下流社会』などの著書で有名な三浦展さんが昨秋(09年9月)に新訳をプレジデント社から刊行されました。単行本ではありますが、1200円と安いですし、サイズもB6判でバッグに入れやすい大きさです。姜尚中さんとの対談が巻末に付されています。「訳者あとがき」によれば三浦さんは当初、編集者から『プロ倫』の翻訳を打診されていたそうですが、言下に断ったものの「『職業としての学問』なら……」とつい言ってしまったとのことです。

そうだよな、誰にとっても『プロ倫』は大変だよな……と思っていたら、年が明けて今回の中山訳です。本当にびっくりしました。カントとウェーバーを並行して翻訳するなんて! 現在末期状態にあるように思える資本主義を根本的に考える際、ウェーバーの『プロ倫』とマルクスの『資本論』は欠かせない参考文献です。中山さんが将来的に『資本論』の新訳を手掛けられるようになったとしても、生産力から考えてもう不思議ではありませんね。
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by urag | 2010-01-23 22:17 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(2)
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Commented by 通りすがり at 2011-11-02 07:18 x
今月末(2011年11月28日)に中山元さんが「資本論」を日経BPクラシックスで出しますね。さすが小林さん、予想していますね。光文社の古典新訳で長谷川宏さんでも良かったと思いますけどね。
Commented by urag at 2011-11-02 17:40
通りすがりさんこんにちは。中山さんは『純理』ももうすぐ完結ですし、たぶん次の大きな仕事に取り掛かられている最中ではないかと拝察します。長谷川訳『資本論』もぜひ実現してほしいですね。いずれにせよ、『資本論』新訳は複数の版元が構想しているのではと私は見ています。


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