大日本印刷グループが牽引する業界再編劇にまた新たな一頁が加わりました。大日本印刷の子会社で、「図書館風大書店」のシンボル「ジュンク堂書店」が、これまた郊外型書店のシンボル「文教堂」の筆頭株主になりました。文教堂はさいきん業績の低迷が伝えられており、千人以上の業界関係者が参加することで有名な「新年会」を開催しないなど、動向が危ぶまれていました。
業界紙「新文化」の今日付け(09年9月15日)のニュースフラッシュ記事「
ジュンク堂書店、文教堂の筆頭株主に」によれば、昨日、筆頭株主になったそうです。「両社は販売面や店舗開発、人材育成など業務面でも連携を図るため、今後協議を進める」とのこと。業界再編劇はまだまだ大胆な方向へと伸びていきそうです。
なお、ジュンク堂と同じ大日本印刷グループの丸善は「既存店舗事業の不振」(「新文化」9月8日付記事、「文化通信」9月14日号)により中間業績が減収減益の赤字に。現在進行中のジュンク堂との連携は9月末に発表予定とされていますが、いまなお協議中とのことです。「丸善=ジュンク堂=文教堂」(仮にMJB書店とでも略しておきますが)は今度どの程度まで統合されていくことになるのでしょうか。それぞれの性格が異なる本屋さん同士なので、さっぱり分かりません。統合までいかず連携にとどまるとしてもどんな連携なのでしょう。
それぞれのオンライン書店部門は、丸善がAmazonに委託し、ジュンク堂は池袋店の店頭在庫と連動した自前のサイト、文教堂はJBOOKSです。これらもそれぞれの性格があるので、統合できそうで統合できないような、微妙な感じではあります。
業界内ではこれは大きな話題(のはず)ですが、一般読者の皆さんにはこうした「再編劇」の現実はほとんど伝わっていないと思います。実際、結構な「おおごと」なのですが、テレビ業界や新聞業界の皆さんにはあまり関心を持っていただけないトピックスなのでしょうかねえ。