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2008年 11月 03日

美しい図書館と美しい書店

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月刊『GQ Japan』08年12月号は、「特集:名著再読」となっています。『カラマーゾフの兄弟』のあらすじが、6頁の漫画になっていて、100万部を突破したという光文社古典新訳文庫の全5巻本にチャレンジしたいけど無理、と思っている読者にはうってつけの分かりやすさ。なぜ『カラキョー』が今読まれているのかについて、斉藤孝さん、永江朗さん、東浩紀さん、担当編集者の駒井稔さんのコメントあり。このほか、宇野常寛さんが阪口安吾を、福岡伸一さんが須賀敦子を再読したエッセイなどもあります。

さらに、付録には、新書判80頁の「GQ Library BOOKS OF LIFE 名著の処方箋」というのがついてきます。様々な人生論的テーマに対して選者が3冊ずつ名著をプレゼン。書店系の選者は、ユトレヒトの江口宏志さん、バッハの幅允孝さん、ハックネットの安岡洋一さん、Flying Booksの山路和広さん。

しかし個人的に何といっても見入ってしまったのが、ドイツの写真家カンディーダ・ヘーファー(Candida Höfer, 1944-)による美麗な写真集『図書館』を紹介した、9頁にわたる「Libri in gabbia 図書館の誘惑、あるいは囚われの書物たち」。ただただ美しくてため息が出るばかりの、本の「聖地」たちを堪能できます。パリのフランス国立図書館、ダブリンのトリニティ・カレッジ図書館、ロンドン図書館、オックスフォード大学美術学科図書室、ロンドンのブリティッシュ・ライブラリーの写真が掲載されており、写真集に序文を寄せているウンベルト・エーコのテクスト「いつしか図書館は本を読ませるのではなく隠す場所になっていった」も掲載されています。フランス国立図書館の素晴らしい内装とトリニティ・カレッジ図書館の荘厳な書架群は、ただただ鳥肌もの。カバーは05年刊のテームズ&ハドソン版のほうが06年刊のシルマー/モーゼル版より断然いいです。オンライン書店で一万円くらいで買えるはずです。

***

いっぽう月二回刊行の「Pen」誌08年11月15日号の特集は「クリエイティブ・アワード 2008-2009」。07年1月から08年10月までに発表された様々な分野から20のデザインが選ばれています。その中でも素晴らしかったのが、オランダはマーストリヒトの書店「ブックハンデル・セレクシーズ・ドミニカーネン」と、コロンビアはメデリンの図書館「エスパーニャ図書館公園」。

前者の書店Boekhandel Selexyz Dominicanenはオランダ最古のゴシック建築の教会をマーストリヒト市から借りて開店したもの。教会の石造りの内装と天井絵に黒いスチール製の什器が映える、美しすぎてうらやましすぎる本屋さんです。見開きで4頁、こんな本屋が日本にもあったらなあ、とため息が出ます。マネージャーはトン・ハルメス氏、設計はエフリネ・メルクス氏。

後者の図書館Parque Biblioteca Españaは、緑が美しい丘に、異次元から降ってきたような黒いサイコロに似た建築物三棟がそびえ、圧倒的な存在感を示しています。SF映画のシーンかと思ったほどです。設計者はジャンカルロ・マッザンティ・シエラ(1963-)氏。もう、ただただすごくて、感動。
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by urag | 2008-11-03 02:41 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
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