業界紙「新文化」の08年7月31日付け速報記事「洋販が破産手続き開始の申立て、洋販ブックサービスはブックオフ支援で民事再生へ」によれば、「洋販(日本洋書販売株式会社)が資金繰りの悪化により今日付で破産手続き開始の申立てをしたこと、これに伴い洋販ブックサービスは東京地裁に民事再生開始の申立てを行い、同日付で弁済禁止の保全処分及び監督命令の発令を受けた」そうです。
洋販ブックサービス傘下には、青山ブックセンターや流水書房があります。記事には「洋販ブックサービスが、「お詫びとお知らせ」(民事再生手続開始申立について)と題した文書を出版社など債権者に送付」とありますが、直取引が多少あった弊社にはまだ届いていないし、他社情報でもまだ届いていない会社があるようです。
さらに記事によれば、「民事再生にあたっては現在、ブックオフコーポレーションがスポンサーとして支援する意向を示しているという。債権者説明会は8月6日午後1時、東京・渋谷区代々木1-28-25(TEL03-5304-2071)のTKP代々木ビジネスセンター1号館で行われる」とのこと。ブックオフが支援する意向とのことで驚いています。いよいよ新刊を扱うリアル店舗事業にも本格的に進軍開始ということでしょうか(ブックオフはネットでは新刊をすでに扱っています)。
青山BCは2004年に運営母体の株式会社ボードが破綻。引き継いだ洋販ブックサービスも今回破綻。次の担い手がブックオフだったとして、どこまで支えられるのか、どこまで現状維持できるのか、未知数です。
ちなみに洋販は国内の洋書取次最大手で、傘下書店にランダムウォークがあります。洋販が倒産となれば、ランダムウォークも閉店ということになるのかなと思います。いっぽう青山BCと流水書房は当面、営業継続。青山BCは来月に、毎年恒例の「ブックフェス」を開催予定です。
洋販および洋販ブックサービスは、ともに「インターカルチュラルグループ(ICG)」傘下。今回の事案により、実質的にICGは解体となるのでしょうか。洋販の不調は業界にここ最近知れ渡っていましたが、残念でなりません。