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2008年 06月 22日

【公開版】今週の注目新刊(第3回[第152回]:08年6月22日)

a0018105_17473855.jpg出来事のポリティクス――知‐政治と新たな協働
マウリツィオ・ラッツァラート(1955-):著 村澤真保呂/中倉智徳:訳
洛北出版 08年6月 2,940円 四六判上製382頁 ISBN978-4-903127-07-1
■帯文より:出来事は、事故、リスク、社会現象として、国家や企業、マスメディアによって回収され、無力化されてきた。人々の生に寄生するこのコントロール社会によって弛緩させられないために、さまざまな社会運動を一人ひとりが開始することを呼びかける。
★来日中のラッツァラートさんの本邦初訳単行本。まもなく書店店頭でも発売開始になるはずです。イタリア生まれで、現在はパリで活動中。フランスの先鋭的な政治思想誌「ミュルティテュード」の編集委員です。同誌の主な編集委員には、エリック・アリエズ、フランソワ・マトゥロン、ヤン・ムーリエ・ブータン、トニ・ネグリ、マイケル・ハート、ジュディット・ルヴェル、クリスチャン・マラッツィ、市田良彦、等々の各氏がいます。

新しい学(3)
ジャンバッティスタ・ヴィーコ:著 上村忠男:訳
法政大学出版局 08年6月 3,675円 46判317頁 ISBN978-4-588-00879-5
■版元紹介文より:第3分冊では、まず第3巻でホメロス研究に画期をもたらした「真なるホメロスの発見」の経緯が語られたのち、第4巻と第5巻で、諸国民の時間の内なる歴史の根底には「永遠の理念的な歴史」が存在するのではないかという予想に立って、諸国民のたどる経過と反復のありさまが描かれる。巻末には詳細な訳者解説「大いなるバロックの森」を付す。
★全3巻が順調に完結です。上村さんの精力的な翻訳・執筆活動には瞠目するほかありません。

ルーダンの憑依
ミシェル・ド・セルトー(1925-1986):著 矢橋透:訳
みすず書房 08年6月 6,825円 A5判上製408頁 ISBN978-4-622-07397-0
■版元紹介文より:17世紀前半、パリから270キロ南西の地方都市ルーダンで起きた、かの有名な悪魔憑き事件。神学者=歴史家である著者ミシェル・ド・セルトーは、厖大な量の原資料(裁判調書、医師の報告書、神学的調書、政治的パンフレット、関係者の書簡、新聞、風刺文書、回想記…)を此岸に足を据えた冷静なまなざしで読み込み、言説と資料を並置する周到な構成で、集団憑依事件の「真実」を浮かび上がらせてゆく。「ルーダン劇場」において露わになる《性》《秩序》《権力》《言論》のメカニズム。それがある目的に向けて機能させられるとき、恐るべき勢いと残虐性が発揮される。宗教的時代が終わりを迎え、近代が始まろうとする巨大な歴史的転換期に発生した悪魔祓い裁判の結末に、私たちは不安定な時代の徴候を見、そのリアリティにおののくことだろう。神学、精神分析学、文化人類学、社会学の知がクロスオーバーする独自の歴史学を実践してゆくド・セルトーの出発点がここにある。
★原著刊行は1970年。まさに待望の日本語訳です。ド・セルトーは世代的にはフランスのポスト構造主義に属していますが、英語圏ではポストモダンの思想家という以上に、フーコーやブルデューらとともに西洋史への独特のそのアプローチがカルチュラル・スタディーズにしばしば援用されるキーパーソンです。既訳書に、『日常的実践のポイエティーク』(国文社)、『文化の政治学』(岩波書店)、『歴史のエクリチュール』『パロールの奪取』『歴史と精神分析』(以上3点は法政大学出版局)があります。
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by urag | 2008-06-22 02:37 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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