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2007年 07月 12日

『エウクレイデス全集』(東京大学出版会)

東京大学出版会が今秋以降に『エウクレイデス全集』全4巻の刊行を開始する予定だそうです。すごいですね。先週末のTIBF(東京国際ブックフェア)において発表され、本日配信の「東大出版会メールニュース」でも一言だけ触れられています。エウクレイデスとは言うまでもなく、古代ギリシアの数学者で、日本では英語読みのユークリッドとしての方がよく知られています。日本語訳に、『ユークリッド原論』(ハイベルグ:編、中村幸四郎+寺阪英孝+伊東俊太郎+池田美恵:訳・解説、共立出版、初版:1971年、縮刷版:1996年)があります。

TIBFで公表された資料によれば、この日本語訳はハイベアとメンゲの編纂による全集を底本とし、以下の通りの内容構成で刊行されるとのことです。数学の古典である「原論」によって知られてきたエウクレイデスの、天文学、視覚論、音楽論などの成果に初めて触れることができるようになります。

エウクレイデス全集(東京大学出版会) ※上製カバー装、平均420頁
第1巻:「原論」I-VI巻 斉藤憲:訳・解説 三浦伸夫:全体解説
第2巻:「原論」VII-X巻 斉藤憲:訳・解説
第3巻:「原論」XI-XV巻 斉藤憲:訳・解説 三浦伸夫:解説
第4巻:「デドメナ」「オプティカ」「カトプトリカ」 斉藤憲+高橋憲一:訳・解説
「デドメナ」は平面幾何学、「オプティカ」は視学、「カトプトリカ」は反射視学の書。
第5巻:「パイノメナ」「ハルモニア論入門」「カノーンの分割」 鈴木孝典+片山千佳子:訳・解説
「パイノメナ」は天文学、「ハルモニア論入門」はアリストクセノス派の音楽理論の要約、「カノーンの分割」は音楽原論の書。

以上です。「ハルモニア論入門」で論じられるであろうアリストクセノスの『ハルモニア原論』は、山本健郎『アリストクセノス「ハルモニア原論』の研究」(東海大学出版会、01年)で日本語訳を読むことができます。「カノーンの分割」についてもう少し詳しく説明すると、「ピュタゴラス的音程比理論と、カノーンと呼ばれる一弦の分割によるギリシアの音組織論とを、20の命題にまとめて体系化し、論証したもの」とのことです。いずれの巻も刊行が楽しみです。
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by urag | 2007-07-12 15:46 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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