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2006年 07月 19日

「水声通信」06年8月号:特集ジャン=リュック・ナンシー

a0018105_18483149.jpg水声社の月刊誌「水声通信」06年8月号は、日本初の「ジャン=リュック・ナンシー」特集です。明日から店頭発売開始。特集頁の明細は以下の通りです。

『水声通信』第10号 2006年8月号(特集:ジャン=リュック・ナンシー)
本体1,000円、ISBN:4-89176-591-7、店頭発売7月20日

【特別寄稿】
世界の外……J=L・ナンシー/吉田晴海訳

【ターブル・ロンド】
無‐無神論……J=L・ナンシー、鵜飼哲、小林康夫、西谷修、増田一夫、湯浅博雄

【対話】
責任――来るべき意味について(上)……J・デリダ×J=L・ナンシー/西山雄二+柿並良佑訳

【論考】
像・表徴・図式――ナンシーの思考を貫くもの……合田正人
共‐存在の宛先――J=L・ナンシーのための断片……守中高明
放棄としての感覚=意味〔サンス〕、あるいはダンスとしての世界……大西雅一郎
「世界化」と「一神教の脱構築」を巡る対話――世界の「開き」について……上田和彦
出発間際にある復活の身体――ジャン=リュック・ナンシーのキリスト論……西山雄二

【著作目録】
ジャン=リュック・ナンシー著作目録……西山雄二+柿並良佑+馬場智一編

***

特集頁以外としては、ティム・イーデンソール+ウマ・コタリ「甘美なるコロニアリズム再考」が特別掲載され、また小林康夫、高橋透、松浦寿夫、中村邦生、野村喜和夫の各氏の連載が読めます。

ナンシーの著作目録は、単著/共著・編著/雑誌や論集に掲載された論考、序文や後記など/展覧会カタログ・画集への寄稿/翻訳、といった五つの部門に亙る詳細なもので、最後にはナンシーをめぐる研究書、論集、雑誌特集号などの情報も添えられています。現時点で世界で一番詳細な目録だそうですよ。

ナンシーとデリダの対話「責任」は後編が次号に分載されるようです。この対話の背景については西山雄二さんが私信で次のように説明してくれました。

2002年1月18日と19日、パリの国際哲学学院でフランシス・ギバルとジャン=クレ・マルタンの主催によって、ジャン=リュック・ナンシーの仕事をめぐるフランスで初めてのコロックが開催された(その記録は"Sens en tous sens: autour des travaux de Jean-Luc Nancy", Galilée, 2004である)。「あらゆる意味における意味」という総題のもと、主催者二名の他にも、アラン・バデュウ、ジャン=フランソワ・ケルヴェガン、カトリーヌ・マラブー、アレクサンダー・ガルシア=デュットマン、ヴェルナー・ハーマッハー、ロベルト・エスポジトといった錚々たる面々が興味深い発表をおこない談論風発した。各発表の後には聴衆との質疑応答の時間がもうけられ、さらにナンシー本人にもマイクが渡され、コメントが要求された。

今回訳出したのは、この2日間のコロックを締め括ったデリダとナンシーの討論である。超満員の大ホールで二時間にわたっておこなわれたこの討論は友好的な雰囲気のなかで進行しつつも、ときに両者の哲学的な相違点を浮き彫りにしているという点で未読に値するものである。

ちなみに、これまでに出版されたデリダとナンシーの対話は本稿を含めて計四つである。まず、『コンフロンタシオン』誌(1989年)の特集「主体の後に誰が来るのか?」に所収された「「正しく食べなくてはならない」あるいは主体の計算」。次に、2003年3月29日、ブランショに関するコロックを締め括る対話(Maurice Blanchot: Recits critiques, Farrago, 2003)。そして、2003三年11月4日、国際哲学学院20周年記念コロックの開会のための対話(≪ Ouverture ≫, Rue Descartes, no 45, 2004)である。

以上引用終わり。後編が載る予定の次号(no.11:2006年9月号)の特集は「表象とスクリーン――見えるものと見えないもののあいだ」で、先の表象文化学会の第一回大会の際のミハイル・ヤンポリスキーさんの講演録や新たなインタビューなどがフィーチャーされ、さらに、吉田喜重さんと小林康夫さんの対談も掲載されるようです。

ナンシー特集号に掲載された現代企画室さんの広告によれば、今後同社では、大西雅一郎+松下彩子訳『ダンスについての対話――アリテラシオン』、吉田はるみ訳『水と火』、大西雅一郎訳『キリスト教の脱構築1――脱閉域』が順次刊行されていくとのことです。
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by urag | 2006-07-19 18:48 | 本のコンシェルジュ | Trackback | Comments(0)
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